GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

天空の蜂 東野圭吾小説と堤幸彦監督映画

2016-11-23 01:55:35 | BOOK/COMICS
最近また揺れてるね。
昨日、福島県沖でM7.4の地震。
前の東日本大震災もニュージランドの地震の後だったから、先日ニュージランドで地震があったから不気味だった。もはや偶然とは思えない。
先週の土曜日は和歌山県を中心に大阪も揺れた。そろそろ本気で南海地震はくるんじゃないか。だんだん揺れがきつくなってきてる気がする。
今年は多いね。熊本の震災、鳥取震災、阿蘇山も桜島も活発だ。
大きなのがまた来くるのかな。

この地震などの災害時、一般市民の方からの映像や画像がニュースで流れるんだけど、それを見ていつも思う。
さっさと逃げろよ、と。
何やってんだ、と。

自然の猛威を取りたいその気持ちはわからなくはないが、まず自分の身の安全を確保してくれ。
ジャーナリスト気取りしてもしょうがないだろう。
ツイッターやファイスブックなどSNSに上げて、「いいね」が欲しいのか。
自分は大丈夫とか、自分はスーパーマンかなんかと勘違いしてないか。
まず逃げろ。
写メやムービー撮ってる暇があったら、周りの人の手伝いでもしろ。何やってんだ。

TVなど報道機関は一般からの提供映像とかありがたいから流すんだろうが、注意喚起もっとするべきではないか。
今回の揺れの後、報道はかなりきつく「逃げてください」「避難してください」と言ってたが、その後にこんな一般からの提供映像を流してたらダメだわ。よし、俺も(私も)もしそんな場面に居合わせたら撮ろうと思っちゃうもの。

人はすぐ油断する。
どんなに悲惨な事件や災害が起きても、当事者でなければどこか他人事。
平和ボケして、自分だけは大丈夫って勘違いする。
実際に目の前に脅威が迫ってても、すぐ隣に危険が迫ってても、気がつかない。
いや、気がつかないふりをしてるだけなのかもしれない。

都合の悪いこと、知りたくないこと、認めたくないこと。
それらに気付かぬふりをして、見ないふりして、どこか他人任せ。
もし被災しても、巻き込まれても、避難しても、自衛隊が、警察が、自治体が、行政が、ボランティアがなんとかしてくれるって。
そんなに甘くないんだけどな。

先日ちょうど天空の蜂って映画をDVDで観た後だからつくづくそう思う。
原作は東野圭吾が1995年に、まだ誰も原発が危険なものだと、ちょっとした脅威に簡単に危険にさらされるものだと思ってない頃に書いた小説。
東日本大震災後での福島原発事故(およびその際の政府や現場の対応)を予想したかのような、預言書のような作品だ。
科学者、技術屋は次々と便利で、かつ、便利で高性能なものを作る。それをいいように使うのも、悪用するのも、人間。
そして、この作品の中には、多くの無関心、見て見ぬ振りをする人への警告が詰まってる。

ある会社が作った無人で1300kmも飛べる最新大型ヘリがテロリストにジャックされる。
最新式の稼動システムを使った原子力発電所の上でホバリングするヘリには爆薬も積み込まれてる。
犯人の要求は日本のすべての原発の停止。
要求が拒否されたり、時間切(燃料切)ならそのまま原子炉に墜落。
政府は、現場は、警察は、公安は、そして人はどう動く。

この小説をトリックの堤幸彦監督が映像化。
江口洋介、本木雅弘、仲間由紀恵、綾野剛、柄本明、豪華メンバーがシリアスで迫真の演技で魅せてます。
福島原発事故で安全神話が崩れた今だからこそ、かなりリアルな現実物語。いつあってもおかしくない危機。
ハイジャックされたヘリが津波というものだったら、地震というものだったら、誰のせいにして誰がどう対処するのだろう。
映画では原発技術屋の本木雅弘の息子が学校でいじめにあって自殺する。最近、福島原発事故で避難した子供がいじめにあってた現実が発覚した。
平和ボケ、見て見ぬ振りしてる人達に突きつけて見せたい、読ませたい作品。

原発が安全かとか、危険とか、必要とか不必要だとか、その前に、見る、知る、学をしないといけない。
作品は原発を反対だとか賛成だとか、偏っていない。公平に描かれてる。見て、読んで、判断するのは人それぞれでいい。。
そしてその「人」が一番怖いのだ。