GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

冷静にならないか-3 タイミング

2016-04-20 17:57:51 | MUSIC/TV/MOVIE
おおさか維新の片山代表の発言。
「終盤国会になって地震が起きた。政局の動向に影響を与えるのは確かだ。大変、タイミングのいい地震」
19日の党会合での挨拶での言葉だが、これこそタイミングが悪かった。案の定あちこちから非難を浴びた。
「24日に投開票の衆院北海道5区、京都3区補欠選挙が間近に迫り、衆参同日選の可能性も取り沙汰される中で地震が起きたと」との趣旨らしいが、これは誤解されても仕方がない。この発言からこの趣旨が読み取れる人は皆無だろう。余程の政治通やおおさか維新の支援者でも無理だろう。

ただでさえ政治家の失言に対しては厳しい。ましてや大型災害の時、不用意な発言をすると、「こんな時に何を言ってるんだ」「不謹慎だ」って騒がれる。
「現地はまだまだ大変なのに」「被災者の気持ちを考えろ」「許せない」「謝罪しろ」。
でも、ちょっと待ってくれ。ちょっと冷静になってくれないか。
何でもかんでも「被災地で頑張ってる人がいるこんな時に」ってひとくくりにしてないか?

俺もこの片山共同代表の発言は、確かに不用意でおバカな発言だとは思う。
しかしそれは「24日の選挙間近のこの時期に、何てこと言うんだ」と思うからで、「被災者の」とか思わないよ。
何でもかんでも震災にこじつけてもしょうがないだろ?
震災関連で民主党は自民党批判ツイートでこけて、共産党は募金のあやふやな使い方でこけた、おおさか維新にとってはチャンス。それなのにまさかの「タイミングいい」発言。これは「アホ」「ボケ」「カス」「代表のくせに何ゆうとんねん」「豆腐の角で頭打って死ね」と、おおさか維新の支持者や議員が責めるのはわかる。

でも、冷静に考えれば、この「タイミングいい地震」発言。実は「いい」が余分なだけだ。「いい」がついてるから100%勘違いされるんだ。
でもこれが
「この地震のタイミングは政局の動向に影響を与える」
なら、別に騒ぎ立てられることもなかったと思う。
九州の人にとっては、どうでもいい京都と北海道の選挙。でも「タイミングいい地震」なんて言われりゃ怒るわ。
でも、「この地震のタイミングは一つの契機になる」なら問題ないだろ?

実際、過去の大型災害は、それまでの事を大きく変化させるタイミングになっている。

阪神淡路大震災は、災害時におけるあらゆることの問題提起と改善のタイミングになった。
災害時の政府や自治体の連絡と動き方、建築物の耐震基準、避難所の設定や防災知識。義援金、ボランティア、携帯電話などもこの時を契機に意識されるようになった。
そして災害時における報道のあり方が問われ、当時否定的だった自衛隊の存在意義と活動が見直された。
あらゆることを見直す「いいタイミング」になってしまったこの震災、「タイミングが悪かった」のは社民党政権時に発生した事。

自衛隊嫌いで「自衛隊は日本にいらない」って言ってた社民党の村山首相だったから、自衛隊への救援申請が遅れ、被害が広がった。もっと早くに要請してたら助かった人はもっと多かっただろう。(自衛隊は要請がないと出動できないので、「自主訓練」って名目でそれぞれ出動した)。
「やっぱり自衛隊は頼りになる」「戦争云々は別にして自衛隊は必要」と世論がなったから、防衛省や自衛隊にとっては「いいタイミング」だったし、そのあとすぐ崩壊してしまった社民党政権から見れば「タイミングの悪い地震」である。

そしてこの阪神大震災はバブル経済が終焉したタイミングでもある。

東日本大震災は、原子力発電所の問題提起のタイミングになった。
原発の安全神話の崩壊、放射性物質の知識、エネルギー問題、この時を契機に原発反対運動が起こった。今まで見ないふり、聞こえないふりしてた原子力の事を考える「いいタイミング」である。
残念ながら、この地震を機にCo2削減や地球温暖化対策できなくなって、意識も無くなってしまったことは「悪いタイミング」とも言える。
津波の力と凄さ、避難命令と避難訓練の大事さ、災害情報の発信受信でスマホやSNSの活用が広く知れ渡る契機になった。
原発や復興支援の取り組み方を見直す事になるこの震災、「タイミングが悪かった」のは民主党政権の時だったから。
官僚や省庁を目の敵にするような行政への入り込みをしてたから(仕分けとかね」によって、震災時に行政機関の協力が取り付けられなかった。首相のトンチンカンな指示などからこの震災を機に「民主党ではダメだ」って支持崩落。「自民党だったなら」と民主党政権の崩壊につながった。

まだこの熊本震災が何のタイミングになるのか不明だが、二つは確実だ。

一つは「街にあふれるアジア系旅行者の減少」のタイミングになると思う。
アジア人旅行者も当然この震災時に、阿蘇とか湯布院にいたはずだが、あまり報道されていない。東北震災および福島原発の時、真っ先に外国人が逃げ出した。今回の震災では、それを懸念して報道を控えてるのかもしれないが、中国や韓国の人たちに「日本は危険な国」って思われたかもしれない。
N.Y.やパリでのテロと天災は違うんだが、旅行者はリスクはできるだけ避けたいから、わざわざ危険なところにはいかない。

一つは「デフレの崩壊」のタイミングになると思う。
今まで「爆買い」とか言って喜んでたし、これが日本経済の一翼を支えてたのも事実。
でも、今後は紙おむつも生理用品も「爆買いされたら困る、熊本は足りないんだ」となりそうだ。炊飯器や電子レンジなんかの電化製品も、震災で壊れてしまった人はこれから買い直すだろう。
需要があれば供給する。誤解を招く言い方だが、年配者の多いところでは高額のものが売れる。テレビやエアコンにしろ、アジア人観光客のために安くで設定してた価格設定も、これからは見直されるだろう。ウォシュレット付きトイレやソーラーパネルも売れるだろう。
瓦、木材、セメント、ガラス、アルミ建材、家や建物を直したりするのに必要なものが売れる。スコップ、軍手、脚立、台車、などの備品も売れるだろうし、落ち着いてくればパソコンやゲーム機、食器や家具だって売れるだろう。アジア人観光客に売るよりよっぽど意義を感じ、利益がある。

この二つが同時におこなわれるような気がする。
阪神大震災がバブル終焉のタイミングになったように、今回の熊本地震が爆買いの終焉とデフレの崩壊になると思う。

タイミング。
グッドタイミングかバッドタイミングかは、冷静に考えれるようになった後でしかわからない。







冷静にならないか-2

2016-04-20 16:22:09 | MUSIC/TV/MOVIE
報道は一体何を伝えたいんだ?
俺に何を求めてるんだ?

避難所からのリポート映像。
プライベート空間がありません。普段とは違う環境に戸惑ってます。食事は配給です。病気や感染症が心配です。
いつまで続くのか先が見えず不安そうです。心のケアをしないといけません。エコノミー症候群が心配です。

これらの報道でメディアは何を伝えたいのだろう?俺たちに何を求めてるんだろう。
悲惨な現状に同情しろというのか?普段の生活ができることに感謝しろと言いたいのか?どこかの宗教家みたい。

この避難場所の映像、リポートを見て、戦争を経験した爺さんは「戦争中、戦争が終わった時はもっと悲惨だった」と思う人もいるだろう。
阪神大震災で被災、避難所さえなかった人は「避難所があって食料があって毛布があるだけマシだろう」と思う人もいるだろう。
東日本大震災で被災した人は「わたしらもそれを経験した。そして今復興に力を入れ、普段の生活を取り戻してる」と思う人もいるだろう。

俺は、こういった報道を見ても「だからどうした」と思ってる。
冷たいとか言われようが、こんな映像見て同情する気はない。
勘違いしないでほしい。上から目線で「大変だなぁ」と思うことが嫌なだけなのだ。

自衛隊のように瓦礫の撤去や、救援活動ができるわけない。
高須クリニックの院長みたいにヘリを調達できるわけじゃない。
芸能人のようにチャリティ位バントをすぐ開けるわけなじゃい。
企業のように物資を大量に遅れるわけでも、売上の全額を寄付できるわけでもない。
復興計画に参加できるわけでもなく、予算を組めるわけでもない。

何もできない俺にメディアは「今できることを考えてほしい」とメッセージを送る。
日本全国民がこの震災を常に考えないといけないらしい。

「あなたは何も被害も受けてないから、他人事と思ってるからそんなこと言えるんでしょう」と言われる。
否定する気はない。だって今回はそうだもの。
カンボジアの難民やアフリカの飢餓に苦しむ人たち。各地のテロの犠牲者や遺族の悲しみ。中東の戦争から国境を越え逃げる難民。独裁政治にデモする人たち。
それらの映像を見ている時と一緒の気持ち。
物がない、仕事がない、食料がない、水がない、治安が悪い。不作だ、干ばつだ、洪水だ、インフレだ。
そして俺は思う。日本は物があって、安全で、平和なんだなぁと。

蛇口をひねれば飲める水が出てきて、風呂や洗い物も気にせず水が使える。プールで泳ぐことも車の洗車だってできる。
ガスの元栓をひねれば、温かいお湯が出る。揚げ物だって炒め物だって家でできる。冬はストーブで暖かい。
スイッチを押せば電気が点く。夜でも町は明るく街灯もある。冷蔵庫もエアコンもテレビもある。炊飯器や電子レンジなども使える。
自動販売機も稼働してる。24時間空いてるコンビニ。スーパーも食料や飲料が豊富にある。宅急便や郵便は翌日や2日で届く。携帯電話はどこでもつながる。
電車や飛行機は時間厳守。道路や鉄道が全国結ばれてる。公衆衛生は保たれてるし、治安もいい。暴動もない。
そんな当たり前は世界の当たり前ではない。日本の日常生活は世界から見たら異常かもしれない。

日本のそんな当たり前の日常の、どれかが欠けてしまうのが災害。一つ欠けただけでもパニックになってる。
冷静になれよ。昔は無かったんだろ?

そんな時、日常の生活が送れる安全で平和な場所からは「頑張れ」としか言えない俺。

「頑張れと言ってはいけない」と良識ある人は言う。
「現地の人は頑張っているんだから、これ以上頑張れと言うとプレッシャーになる」と。
俺は勘違いしてるのか?
阪神大震災復興のスローガンは「がんばれ神戸」だったが、兵庫や大阪の人間は嫌だったの?
東日本大震災の復興スローガンは「がんばろう東北」だったが、三陸の人は嫌だったの?
それなら、オリンピックの代表選手にも頑張れと言うな。贔屓の野球チームやサッカー選手、各種アスリートにも言うな。
頑張らないでいい。無理をしなくていい。そう思うなら応援するな。気にするな。俺は間違ってるのか?

そして時が経ってもこう言う。
「忘れるな」と。
それは何を忘れるなと言いたいのか?忘れちゃいけないのか?
家族や家を無くした人は忘れたい人だっているだろう。
仕事がなくなったり夢をあきらめた人もいるだろう。
今もまだ引きずってる人もいるだろう。
それでもまだ「忘れるな」と言うのか?

現地の人の気持ちになれとか、現地の人の気持ちを考えろとか、こんな時にとか。

少し冷静になってくれないか。
誰もが聖人君子じゃない。清冽な思想を持って慈しみ労わりの行動ができるわけじゃない。
なんか、震災時の報道は宗教じみてて逆に怖いぞ。

報道よ、ちょっと冷静にならないか?

2016-04-20 04:47:39 | MUSIC/TV/MOVIE
ちょっと冷静にならないか?
連日の熊本地震関連の報道やニュースなどを見てそう思う。

今、必要なのは正確な情報と連絡だけだ。批判したり責めたりする事は、今しなきゃならないことか?
意見や見解なんて後で言えばいい。そんな事は後でゆっくりやってくれ。
ボランティアの受け入れ態勢が現地にできていない今、動くことかできない我々は、見守ることか祈ることしかできないのだから。

今回のこのブログも、今批判してどうする?って矛盾を指摘されることをわかってる上で書く。これは今書いとかなきゃいけない気がするから。

支援物資の各避難所への配送。届かない避難所があることをまるで行政の失態のように報道してる。届かない被災者、避難所の声を報道してる。
違うだろ?今、行政の批判をしてどうする。熊本県庁や各市町村役場の人たちは今、夜を徹して必死に動いてる。自分たちも被災者なのにだ。
職員総動員でも手が足りない。ボランティアに来てもらうこともできない。それでも次々と届く支援物資の仕分けだけでも大変だ。通常業務に加え震災関連情報の収集と発信。各避難所、被災者、倒壊家屋や道路、施設などの被災状況の対応と検分に追われてる。
政府の指令の下、各都道府県の自治体から行政、自衛隊、警察、消防、医療なども全力協力。企業や団体、個人も全面支援。
こういうことを正確に冷静に報道すべきだろう?批判や見解は後にしてくれ。

今の報道では、救援物資を今送るべきなのか、もっと落ち着いてから送るべきなのかさえもわからん。いくら届いても、この役場のてんてこ舞いの状況では、ストックや仕分けだけでも大変だろう。協力宣言した企業も、それぞれ行政と連絡を取り合って支援物資の供給を始めてる今の状況で、個人や団体でも送るべきなのか?必要か?余らないか?こんな判断さえ被災地以外ではできないんだ。
何?関西テレビの車がガソリンスタンドで割り込み給油した?長蛇の列で給油待ちしてる被災者優先とか気持ちを考えろとか、24時間体制で各被災地から報道してる車はが優先してもらって何が悪い?とか、そんな善悪の判断や論議は後にしてくれ。

今回の地震で亡くなられた方の遺族へのインタビューは今すぐ必要か?
唐突に家族を失った人にマイクとカメラを向けれる奴の気が知れん。芸能人や公人じゃないのにね。今はただ虚無な気持ちだろ?デリカシーがなさすぎるとしか思わん。
悲しみにくれる遺族を全国ネットで報道して、あなたたちも悲しみなさい。ツラさを感じなさいって言いたいのか?
家屋倒壊で途方にくれてる人のコメントはいらない。避難所で窮屈な生活を送る人の声もいらない。避難所に入らず車中生活してる人の声もいらない。
無理やりドキュメンタリータッチにする必要はない。無理やり視聴者を煽る必要もない。
今はリアルな映像と冷静なリポートだけがあればいい。

NHKを見習えとは言わないが、報道各社はもう少し冷静に、今の状況を報道してくれ。
どう感じるか、今は何をすべきか、それを見た人各自それぞれが考えればいいことなのだから。