鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

◇星の守護神◇宇宙戦艦ヤマト2199サイドストーリー

2020-04-29 01:28:00 | 宇宙戦艦ヤマト2199外伝



西暦2199年も約半分が終わろとしていた。
宇宙戦艦ヤマトはガミラス軍、切っての猛将ドメルと一戦交え、窮地に追い込まれながらも、奇跡的に猛将ドメルから逃れる事に成功した。
いや、成功したと言うよりは"見逃された"と言った方が正解かも知れない…。
そんな言葉が艦長沖田の頭に過った。
その沖田はヤマトの修復と補給の為、地球型の惑星が存在する、ビーメラ恒星系第四惑星"ビーメラⅣ"に立ち寄る事にした。
調査の為、古代戦術長をリーダーとし、数名を選出、調査隊として派遣した。
そして、調査から戻った古代たち調査隊が持ち帰ったメモリ用波動コアを解析、多くの情報を得る事が出来た。





この物語りは、その解析した情報の一部の物語りである。

◇星の守護神◇
宇宙戦艦ヤマト2199サイドストーリー




時は西暦2199年から遡(さかのぼ)る事、約400年前_。

西暦1799年_。
ビーメラ恒星系第四惑星:ラガシュ(ビーメラⅣ)

突如それは訪れた。
銀河間の出入口近傍空間に存在する惑星ラガシュ(ビーメラⅣ)は王国制の惑星。
女王を君主とし、民はその女王を敬い貢献する事で、その見返りに豊かで平和な暮らしを約束されていた。
"命の水の惑星:アケーリアス"そのアケーリアスの女神アクエリアスから託された"超空間跳躍の門"=亜空間ゲートの管理。
この門の管理を行い守る事で、女王は女神から受けた恩恵を民に与えていた。
餓えも疫病も争いも無く、豊作を約束した。
その約束は守られていた。
蒼き肌を持つ種族による侵略がはじまるまでは_。

この惑星(ほし)では毎年、地球でいう秋にあたる季節、豊作を祝う収穫祭が行われていた。
七日七晩も続く収穫祭は惑星(ほし)全土で祝われ、収穫祭にふさわしく朝から晩まで呑んで食べて、演舞を披露。
たまたま立ち寄った旅人にも振る舞われた。
この収穫祭を目当てに出向く旅人も居たくらいだ。
だが、三日目の朝、それは急変した。
朝焼けがはじまる紫色の空に浮かび上がる黒点。
瞬く間にその黒点は拡がっていった。




「…これは。」空を見上げたラガシュ(ビーメラⅣ)の女王イシスは目を細め、呟くように口を開いた。
「衛士長。衛士長アヌビスは居らぬか?」

「ハッ。お呼びでございますか?」

「アヌビスよ。全土に通達。」
「収穫祭を中止、地下シェルターに避難するように伝えよ。」

「収穫祭を中止ですか?」突然に呼び出された衛士長アヌビスは首をかしげ、聞き返した。

「そうです。あれを見なさい!」イシスは右腕を高く上げ、指をさした。
その指に釣られるように空を見上げた衛士長アヌビスは、慌てた様子で直ぐに伝令を集め、戒厳令が敷かれる事を全土、全臣民に伝える為、散らばした。
緊急用防災サイレンを惑星全土に響き渡らせれば直ぐに臣民には伝わるのだが、イシスはあえて、伝令を散らばしたのだ。
ただでさえ収穫祭で、臣民たちがごった返す中、けたたましいサイレンが響き渡れば、訓練された臣民たちは落ち着いてシェルターに身を隠す事が出来るが、たまたま立ち寄った旅人や収穫祭を楽しみ訪ねて来た近隣惑星の民たちは、「何事か」とパニックに成る事は目に見えていたからだ。

「イシス様。やはり、別銀河で拡がる噂は本当だったようですね。」
「狙いは、あの超空間跳躍の門でしょうか?」

「おそらく。」
「あの門を使えば、この銀河のいや、全宇宙に点在する事から、その気になれば支配も可能かも知れません。」
「アクエリアスの女神は、そんな欲望の為に、あの門を創られた訳ではないのです。」
「アヌビス。わたくしは守護神=ニンギルスの準備に入ります。」
「臣民たちを頼みます。」

「承知致しました。」アヌビスは右手を胸に当て、一礼を済ました。



【ビーメラ恒星系第四惑星ラガシュ(ビーメラⅣ)女王イシス】

褐色の肌を持つ。
地球人の年齢に換算して23歳相当。
古の守護神ニンギルスを操る事の出来る唯一のヒューマノイド。
ラガシュ(ビーメラⅣ)の種族長=女王。
衛士長アヌビスの姉。



【ラガシュ(ビーメラⅣ)衛士長アヌビス】

姉であり種族長=女王イシスの妹。
イシス同様に褐色の肌を持つ。
地球人の年齢に換算して20歳相当。
ヒューマノイド。
常に姉であり女王のイシスを護衛する衛士長。
古の科学術(魔術的なもの)を使う事が出来る。

※ヒューマノイド(人間)は姉のイシスとアヌビスの二人だけである。
他の民はヒューマノイドタイプミュータントである。
(雄タイプと雌タイプが存在する。)
ヒューマノイドであるイシスとアヌビス、ヒューマノイドタイプミュータントの間で差別は無い。
雄タイプは戦士として衛士に就く者が大半で、雌タイプは主に農業に携わる者が大半である。
収穫祭では、感謝の対象である為、振る舞われる酒、料理は雄タイプが全て用意する。
普段、衛士である雄タイプは三日づつ交代で収穫祭を楽しむ。
収穫祭の時だけ変態(metamorphosis)し、ヒューマノイドの容姿に変わる特徴がある。
収穫祭の間だけ、独身の雄タイプは女王を含め求婚する事が許される。
(但し、女王に認められたからと云っても王に成る事は出来ない。王族とし大臣又は自治区を治める長の称号が与えられる。あくまでも女王制なのである。)
※この場合の変態(metamorphosis)とは、動物の正常な生育過程において形態を変えることを表す。


第二話へ
つづく。

この物語りは私設定が混ざった宇宙戦艦ヤマト2199第16話「未来への選択」のサイドストーリー(二次創作)です。

使用している画像はイメージです。
「宇宙戦艦ヤマト2199」から引用、使用しています。(一部の画像を除き)

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