鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

白銀の巫女ー桂木透子ー宇宙戦艦ヤマト2202外伝:第十七話

2018-12-07 12:13:37 | 宇宙戦艦ヤマト2202外伝



ー白銀の巫女ー桂木透子ー
宇宙戦艦ヤマト2202外伝

第十七話


私は山本玲を跪づかせ、股の下を潜らせる為の案を思いついた。

「うふふ。」

「加藤のように墜とすわ。」

幸い、ここは医療区画。
見張りは多いけど、独房の時より薬は調達しやすいわ。
見張りと云っても、佐渡艦医と雪さんに付き添う古代、それと妊婦さんが居るから衛生兵が二人。

私は直接、艦医を操る事にした。
ナースコールを押した。
衛生兵が私の部屋へ訪れた。
一人は拳銃を構え、私を見張り、もう一人が対応した。

「佐渡艦医をお願いするわ。」

「艦医は今、忙しい。自分が対応します。」

私はわざともじもじした態度を見せ、耳元で、こう告げた。

「…子宮の辺りが痛いのよ……。」

「…そういう事なら、解った。艦医を呼ぶ。」
「少し待て。」

拳銃を構える衛生兵を残し、対応したもう一人が佐渡艦医を呼びに、部屋をあとにした。

佐渡艦医が現れ、拳銃を構える衛生兵に部屋の外に出るように促した。

「そんなもんしまえ。」
「大丈夫だ。透子くんも下手な事はせん。」
「とにかく、部屋の外で待機してればよい。」

拳銃を構える衛生兵が部屋の外へ出ると、佐渡艦医は、私の正面に腰を下ろした。
以前、山本玲をボコボコにした時のように、私は眼を見開き、佐渡艦医に暗示を掛けた。



「どれ、診察をはじめるとするか。」
「子宮の辺りが痛いと聞いたが。」



催眠術が効いて来たようね。
私は診察されているふりをする為、シャツとナースパンツを少し、ずらした。
少しだけ私の下腹部が露出した。



佐渡艦医が部屋を出る時、外で待機する衛生兵は必ず振り返る。
兵でなくとも、大抵の人は振り返るもの。
それが捕虜ならなおさらの事。
だから私はわざと、シャツとナースパンツをずらしたの。

椅子から立ち上がり、佐渡艦医は薬を取りに薬剤室へと歩き出した。
ドアが開くタイミングで、「ほら。」やっぱり振り返ったわ。
少し顔を紅くした。
佐渡艦医はドアを開けっ放しで出て行った。
それは、催眠術に掛かっているせいもあるけど、「透子は逃げん。」との表れ。
佐渡艦医はそういう人。

十分くらいして佐渡艦医が戻って来た。
私が調合させた薬を持って。
私は薬を服用したふりを見せた。
服装を直し、偽の診察を終わりにした。

「お大事にな。」佐渡艦医は、そう私に告げると立ち上がり、部屋をあとにした。
準備その一は整ったわ。
あとは、このゼムリアの探索に出ているクラウスと山本玲が帰投するのを待つのみ。




◆◆◆◆




「……ん!?」
「今、赤ん坊が泣かなかったか?」斉藤が口を開いた。

「風の音がそう聴こえただけなんじゃない!?」
「霧が濃いわね。何も見えやしないわ。」動向する永倉が、その問に答えた。

時を同じくして、上空から偵察する山本玲のコスモタイガーⅠの影が、キ八宙艇を囲った。



「……此方…キ…ンだ。」
「上から…か見えるか………。」クラウスが上空から偵察する山本へ無線を飛ばした。

感度はあまり良くない。

「…何も……えない………。」

「了解した。」
「霧が濃すぎる……帰投…ほうが……い。」

「……了解。」


「上からも解らない状態での探索は危険だ。」
「一度ヤマトへ戻ろう。」クラウスが探索メンバーに告げた。

「賛成だな。」動向する斉藤も賛成した。
クラウスはキ八宙艇を百八十度、回頭させ進路をヤマトへと走らせた。


◆◆◆◆


この星に朝も夜も無い。
時間の感覚で、それらしく過ごす。
宇宙を航海している時と同じ。
千年も前は、朝も昼も夜も地球と変わらない時を体感出来たゼムリア。
感覚的には夜なのだろ。
私の体内感覚も夜だと告げている。
朝の感覚が来れば、準備その二を実行するわ。
楽しみを取って置きましょうか。
私は眠りに入る事にした。

あの悪夢が私を襲う・・・


第十八話
つづく。


使用している画像はイメージです。
一部、ネット内に出回っている拾い画像を使用しています。

この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
一部、公式より引用。

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