鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

宇宙戦艦ヤマト復活編ー雪生還編ー第六話②

2020-02-25 23:54:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作




「ワルキューレ六体、急接近!!」 「ヤマトを包囲してきます!」 古代と上條のやり取りの中、慌ただしく折原が告げて来る。

「上條!波動爆雷で弾幕を張りつつ、波動フィールド展開だ!」 「バリアミサイル発射ッ!!」

「ワルキューレ発砲!!」 「波動フィールドが…波動フィールドが中和されて行きます!」

「艦長!ワルキューレの放つエネルギー光弾の成分が判明!」 「半物質エネルギーです!」 「波動エネルギーは中和されます!」

「くっ!」 「構わん!上條。撃ち捲れ!」 「あと少しで塔だ!奴らにとって大切な塔だ!たどり着けば奴らもバカスカ撃ち込めんだろう!」

「了解!」

「……艦長!あれを!」

古代らが目指すバベルの塔の最上階近辺に浮遊するコスモゼロtype21。 どう見ても、無人のようだった。

「上條!ロケットアンカー射出!」 「ヤマトを固定する!」 「姿勢制御スラスター噴射!」 バベルの塔にロケットアンカーを撃ち込み、ヤマトは停止した。 同時にワルキューレたちの攻撃も止んだ。

「後部カタパルトは準備出来ているか?」

「射出準備完了してます!」

「上條。あとを頼んだぞ。」

「…了解。」上條からの返事を聞くと、古代は航海長席を立ち、第二格納庫へ向かった。

「たどり着いたか。」 「ならば、迎えてやるとするか。」空間映像を観ながら不適な笑みを浮かべるルシファー。

ヤマトを発艦した古代は、煉瓦造りの塔の一部がくり貫かれたような空間を見つけた。 何の躊躇いもなく古代は、その空間へと操縦桿を傾けた。 暗闇に蛍光グリーンに輝く誘導灯が進む方向を示す。 地上高10キロメートル以上もの超が付く程の建造物、塔内部もヤマトが仮に航行しても、余裕がある。 小型戦闘機であるコスモパルサーが、速度を落とす事なく飛行が可能だ。 だが、古代は出力を三分の二まで落として飛行した。 周りを目視での確認が出来ないからだ。 時間にして10分くらい飛行したところで、辺りはトンネルを抜けたように明るく、開けた場所に出た。

「あそこが終点か!?」

「人間よ。そこで降りろ。」 「大丈夫だ。殺しはしない。それと貴公らが暮らしていた大気と変わらん。」 古代は指示に従い、コスモパルサーを着陸させた。

「で、上條艦長代理は、どうしたいんだ。」相変わらずの口調で小林が口を開いた。

「…俺には……俺にはトランジッション波動砲は撃てない。」

「何だよ!それ。」 「まだ一時間、経ってないんだぜ!上條よ!」

「小林。そんなに突っ掛かるなよ。」 「上條だって辛い命令を聞き入れるしかなかった訳だから。」強い口調の小林に佐々木が助け船的に告げた。

「艦長代理。命令を出したらいいのかもよ。」

「命令?」

「そう。命令。」 「私たち、まだ上條艦長代理から、命令を聞いてないんだけど。」佐々木に続いて折原もまた、助け船的に告げた。

「じれってぇな。」 「俺たち、軍法会議もんは後免だかんな!」 「小林、佐々木、コスモパルサー隊出撃!」 「桜井は輸送船の操縦の経験があったな。航海長代行を!」 「折原は第一艦橋へ!メインレーダーを!ってよ!」 「艦長が中に入れたって事はだよ、俺たちコスモパルサー隊も突入出来んじゃないかって思うだろ!?」

「…よし。それで行こう!」

「…なら、自分もコスモパルサーに乗せてくれないか?」そばで聞いていたカティー軍曹が話に加わった。

「カティー軍曹。貴女、お腹に子供がいるのに無理は駄目よ。」

「折原一等宙尉(チーフ)。それなら大丈夫よ。それに…」 「それに彼の神楽坂の仇を取りたいんだ!」

「ならさぁ、あたしの後ろに乗りなよ。」 「雷撃機なら、副座だかさ。」 「機銃くらいは撃てるでしょ!?」

「おっ!美晴。頭、良いじゃん!」

「か、艦長代理として命令をくだす。」 「小林、佐々木のコスモパルサー隊は発艦準備!尚、カティー軍曹は佐々木機に同乗せよ。」 「桜井二等宙慰は航海長代行を!」 「折原一等宙慰はメインレーダーを!」 「以上だ。解散!」こうして、上條の指揮の下、新たな作戦を開始する事と成った。

「人間よ。」 「それほどまでに、あの媒体を返して欲しいのか?」

「雪!」古代の見上げる先にはクリスタルカプセル内の雪の姿が見える。

「人間よ。では、こうしよう。」 「あのカプセルの媒体を返してやるが、その代わりに、此方を頂く。」 ルシファーが、指差した方には後ろ手に拘束された美雪が見える。

「…お父さん……。」

「貴様…。」

「動くな!」

「人間よ。我が友、ベリアルだ。」 「友であるが、我は召還し、ベリアルを呼び出した。」 「代償は生け贄を捧げなければならない。」 「そこでだ。貴公に選択する機会を与える。」 「クリスタルカプセルの媒体を選ぶか。あの娘を選ぶか。はたまた子を宿事の可能な生け贄と成る者を差し出すか。」 「三択だ。選べ。」

「………。」

「どうした?選べぬか?」

【ベリアル】

聖書にも登場している高名な悪魔であるベリアルは、悪魔学においても重要視され、多くのグリモワールにおいて名を挙げられている。

『ゴエティア』によると、序列68番の強大にして強力な王であり、80軍団を率いている。 ルシファーに次いで創造された天使であり、天上にあってはミカエルよりも尊き位階にあったと自ら語るという。 また、ベレト、アスモダイ、ガープと並んで72人の悪魔達を率いていたとされる。 燃え上がる戦車に乗り、美しい天使の姿で現れる。 地位や敵味方からの助力をもたらし、また、優れた使い魔を与えてくれるとされる。 しかし、ベリアルは召喚者が生贄を捧げないと要求に対して真実を答えようとしないという。

第七話へつづく。


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