鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

白銀の巫女ー桂木透子ー宇宙戦艦ヤマト2202外伝ー第十九話

2018-12-31 19:05:45 | 宇宙戦艦ヤマト2202外伝



ー白銀の巫女ー桂木透子ー
宇宙戦艦ヤマト2202外伝

第十九話


それとなく山本玲はクラウスに伝えたようだ。
クラウスは不振に思ったようだか、周りに悟られないよう、平素を装った。

斉藤、永倉はクラウスと共に再度、出発の準備に入った。

「大気が地球と同んなじなら、船外服じゃなくても良さそうだな。」
「船外服はどうも窮屈でな。」苦笑いする斉藤。
その斉藤の意見を取り入れ、着替える事にした三名は、それぞれの待機室へと足を向けた。

私はどうやら命を狙われたようだった・・・




「誰?」

私はこの「誰?」と云う言葉に目を覚ました。
起き上がり、何事かと確かめよと思ったが、もう一人、その言葉に動く気配を感じ取った人がいた。
そう。森雪の看病をしていた古代だ。




私は古代が動き出した事で、ベッドから起き上がるのを止めた。
様子を伺う事にしたのだ。

「どうしたんだ雪?」



「貴方は誰?」



「……嫌だなぁ。雪。俺だよ。」
「古代進。」

「……古代進……国連軍の方ですか?」

古代は思う。寝ぼけているのかと。

でも、それは違っていた。
どうやら雪はあの時の出来事で、記憶を一時的な事かも知れないけれど、失っているようだった。

「……誰かを目撃したの?」古代はボーと立ち尽くす雪に質問を変えた。

「……解らないけど、ナイフを持った人が…。」

「ナイフを!?」

「ええ。ナイフを。」

「そうか。解った。あとで調べてみるよ。」
「今は、もう大丈夫だ。」
「ゆっくりと休んだ方がいい。」そう云って古代は雪を看病してた部屋へ戻し、その場をあとにした。



私の脳裏には"大帝"ズォーダー大帝が浮かぶ。

「あの人にとって、やはり私は存在してはいけない人……と云う事なのね……。」

「フフフ。いいわその気なら……。」




◆◆◆◆


私の暗殺に失敗した"彼"は再びクラウスらと西にある遺跡を目指した。

遺跡内を隈無く調査するクラウスたち。
そのクラウスたちは"ゼムリア"の過去を知る。
壁一面に映し出されるガトランティスの文字。
同行したアナライザーを媒体にゼムリアの語りべが憑依、ガトランティスを語りはじめた。

同じ頃、私は玲を呼び出した。

あの時と同じように見張りのクルーに頼んで、彼女を呼び出した。
例によってドアには施錠はしていない。
それに加え、玲はわざと軽く隙間を開け、私に近づく。
その事に気を許した見張りのクルーは、此方を覗く事はしなかった。

玲は私に跪づき、頭を床に擦り付け「何か御用がお有りと聞きました。」と告げて来る。

「私を殺そうとしたクルーが、このヤマトに居る。」
「探しだして欲しい。」
「お前が慕うクラウスなら何か知っているかも知れないな。」私はそう返事を返した。
私は誰が私を殺そうとしたか見当はついていた。
が、しかし、クラウスに玲を抱かせる為に、嘘をついた。
玲は私を見上げ、再び頭を床に擦り付けた。
私はわざと「帰ってよし。」を云わなかった。

「玲。クラウスから上手く聞き出せて?」

玲は無言で頭を床に擦り付けたままだった。

「自信がないのね?」

「なら、教えてあげるわ。」
「クラウスに抱かれるのよ。」
「さすれば、上手く聞き出せるわ。」
「お前も抱かれる事を夢見て来たのだろ!?」

玲は床に頭を擦り付けながら頷いた。



「下がってよし。」
「今夜がチャンスよ。」

玲は立ち上がり、何事も無かったように平素を装い、私の部屋をあとにした。


◆◆◆◆





「……これが…これが奴らガトランティスの過去なのか……。」




クラウスは告げた。
「このデータは持って帰るぞ。」

造られし命。
それがガトランティス人。
ゼムリアの人型兵器=人造人間ガトランティス。
彼等はゼムリアを守る為に造られた家畜。
だが、タイプズォーダーは違っていた。
人間の心を持ってしまったのだ。
やがてタイプズォーダーはゼムリアの巫女であった"シファル・サーベラー"を自身の后として迎えた。

それが間違いの始まりであった・・・

タイプズォーダーはゼムリアから受ける扱いに反感を抱いた。
そして、ガトランティス人を纏め、ゼムリアに反旗を翻したのだ。
彼らを造り出したゼムリア人との戦争。
家畜扱いをしてきたゼムリアは劣勢に立たされ、タイプズォーダーが后としたサーベラーとその子供を人質に、タイプズォーダーに対し「選択」させたのだ。
「后と子供の命を助けたければ、貴様らガトランティスは、何処に集結するかを教えろ。」と。
タイプズォーダーは悩んだあげく、ゼムリアにガトランティスの集結する場所を教えてしまう。
だが、ゼムリアは約束を反故にした。
人質の后と子供を殺害した。



これで戦争は、終わるはずだった・・・

だが、生き残ったタイプズォーダーは残存したガトランティス人を再び纏め、ゼムリアを去り、銀河の最果ての地で"滅びの方舟"を目覚めさせゼムリアを滅ぼしたのだ。






この遺跡で得た情報をヤマトへと持ち帰ったクラウスたちは、土方艦長を幹部士官を集めブリーフィングを行った。


第二十話
つづく。


使用している画像はイメージです。
一部、ネット内に出回っている拾い画像を使用しています。

この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
一部、公式より引用。

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