鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

白銀の残影ー宇宙戦艦ヤマト2202外伝ー第六話

2019-10-13 14:49:53 | 宇宙戦艦ヤマト2202外伝



白銀の残影ー宇宙戦艦ヤマト2202外伝ー

第六話


ー地球軌道上・連邦科学局管理エリアー


「さあ。着いたわ。」
「ストレイガー都督。私が入管手続きを済ませる間、何もしちゃダメよ。」

「分かっている。」

薫の操縦する高速シャトルは科学局管理エリア簡易宇宙船発着場に接岸させた。
薫たちが乗る高速シャトルは例えるなら、海洋生物のエイである。
エイの尾を取り除いたような形状の最大8名が乗れる小型シャトルだ。
接岸を終えた薫たちは、管制室で入管手続きに入った。

「新見教授(少佐)を確認。」
「続いて、ん!?教授。今日は助手の桐生中尉は?」

「ああ。彼女は急用で来れなくて、もう一人の助手で鬼塚中尉。」
「宜しくね。」

「そうですか。」
「一応、IDを確認します。」

「確認OKです。」

二人は入管をパスすると、薫の管理しているカラクルム級へと足を運んだ。



「コレは我、カラクルムではないか!」
驚いた顔を覗かせてストレイガーが口を開いた。

「そうだったのね。」

「ああ。間違いない!」

「あと少しで地球は我らガトランティスによって陥落、跪くはずだった……。」
無敵を誇っていた地球主力艦隊だったが、撃破しても撃破しても援軍による反復攻撃に、次第に疲弊してゆく地球主力艦隊。





次第に地球主力艦隊の指揮は乱れ、統制は無きに等しかった。
地球主力艦隊は壊滅、地球上空までもが、ガトランティスの制宙権に堕ち、僅かに残る残存艦隊による必死の抵抗が続いた。
そして、我がガトランティス、ゲーニッヒ総長官による勝利宣言ととも取れる地球人に対する慈悲の言葉が掛けられる中、あのヤマトが現れた。



「救世主に地球人は思ったに違いない!」
「時、既に遅しだったが。」
「だが、それは我々にとって間違いであった……。」
「ヤマトは……ヤマトは我らを機能停止に落とし入れた……。」

乗艦した薫は先ずは彼、ガーランド大尉に連絡を入れた。
六時間後に薫だけ地球へ帰投するように指示を受けた。
ストレイガー都督は乗艦するなり、薫から借りた連邦の制服を脱ぎ捨て、ウィッグを取るとメイクを落としはじめた。

「やはりコッチの戦闘服が楽だな。」
地球の中世時代の鎧のようなデザインと忍者=くノ一の服を合わせ、身体にピッタリ感があり、どちらかと言うと防御よりも格闘を重視したようなデザインだ。
肩、膝には角を思わせる鋭く尖ったものが装着され、更にはブーツはガトランティス人特有の爪先が少し斜め上に尖っている。
兜は首の辺りに感応波を増幅させる為のコネクターらしき装置が装着されている。
それと好みなのか左の耳の辺りには、平仮名の"つ"の字が正面に向かって細く成り尖っている角が装着されている。
おそらく、角などはこのカラクルムの殻(甲羅)の素材と同等のもの。
もしかしら同じかも知れない。

「ストレイガー都督。私は六時間後に一度、地球へ帰投します。」
「貴女はそれまで体力の温存を。」
「私が帰投して24時間後、作戦の第二弾のスタートよ。」



「あら。そう。」
「なら、少し休ませて貰う。」


◆◆◆◆


薫が地球へ帰投して24時間が経過した。

「ストレイガー都督。時間だ。」

「了解。」

「うふふ。」
「待ちくたびれたところよ。」

「狼煙(のろし)を揚げよ!」
「我、カラクルム起動!!」
「目標。地球、小笠原海峡海底!!」

「ストレイガー出陣する!!」
イメージ曲宇宙戦艦ヤマト2199ー星巡る方舟ーより。



「おい。アレを……。」
科学局管理エリア簡易宇宙船発着場・管制室が騒がしく成っていた。
それもそのはず、全く動かなく成って半年以上のカラクルム級が、ましてや無人で動き出したのだから。
管制室スタッフは矢継ぎ早に連邦政府及び軍に、緊急連絡を飛ばした。
係留の為、牽引ワイヤーで固定したが、カラクルムは生き物のように引きちぎり、起動、加速した。

【地球連邦防御軍・地球軌道防御衛星】

「なっ!何だと!?」
「係留中のカラクルムが突然、動き出しただと!」

「だからガトランティスの兵器など、複数残さず、さっさと処分しろと言ったのだ!」
「たくっ!」
防御軍軍務局長の芹沢は唾を撒き散らしなが、怒号を飛ばした。

「新型の防御衛星で撃ち落とせっ!!」
新型防御衛星は先のガトランティス戦役時の失態、教訓から戦闘A.Iによる個別の衛星で有る。
旧式戦闘衛星と異なる点の一つでもある。
旧式の欠点としては、攻撃力を優先する余り、複数の戦闘衛星を合体させた為、大型で攻撃力は増したが、機動力を失っていた。
カラクルム級のハイパードライブ(亜光速)の加速力と装甲材(当時はそう考えていた。)によるものが、戦闘衛星の敗因と結論付けたのだ。



「そんな石ころ弾などっ!」
「武装解除も出来なかった己を呪うがいい!」

「爆焔のストレイガーと二つ名を持つ我の敵ではないわーーーーーーッ!!」
「雷撃旋回砲を喰らわせてやるよ!」



「ん!?」
「後ろに三基回り込んだか。」
「ならば、仲良く堕としてやんよ!」
ストレイガーの眼が朱く光る。
そのストレイガーは、後頭部付近に装着されている感応波増幅コントロールシステム機の端末ケーブルを接続、感応波を送った。
雷撃旋回砲の光弾が、もう一環、形成され後方へ急行した。

「アハハハハハッ!!」
「堕ちろッ!!堕ちろッ!!」

ストレイガーは、感応波使い幾つもの雷撃旋回砲の環を形成、手足の如く攻守に使用、僅か三分と経たずして12基の防御衛星を撃破した。

「よう~し。この勢いで地球の海、小笠原海峡へダイブする!」
「ガーランド大尉!聴こえているか?」
「包囲網は突破した。」
「これから小笠原海峡へダイブする!」


第七話
つづく。


この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
使用している画像はイメージです。また一部、拾い画を使用しています。

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