鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

宇宙戦艦ヤマト復活編Ⅱーyamato2223ー第五話①

2020-03-10 23:00:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作




宇宙戦艦ヤマト復活編Ⅱ

ーyamato2223ー

第五話①


「ん!?06:00時方向にエネルギー光弾反応!」
「監察官!光弾反応です!」

「何?光弾反応だと!」

「着弾予想地点は左舷側!ですが、かなり本艦から外れています!」
「…あっ!いえ、待って下さい!」
「第二射目のエネルギー光弾をキャッチ!」
「本艦に当たる事はありませんが、距離は近づいています!」

真田はー0.1度ずらしてショックカノンを発射させ、その後2秒毎ごとに0.01度づつ射角を戻していた。
それは艦船が近づいて来ていると思わせる為である。
実際にはヤマトは動いていないのだが。
これは、最終的には「射程圏に捉えた。」と警告する狙いもある。

「桜塚!レーダーに艦影は?」

「ハッ。何も映りません!」

「…奴ら連邦は戦闘艦を出して来たのか?」と心に思いながら、エリカは各種センサーのレベルを上げさせた。

「ステルス艦かも知れん!各種センサーのレベルを上げよ!」
「猿渡と浜田は左右に別れ、見張りに付け!」
「目視でなら何かを捉えられるかも知れんからな!」
「江川は、前回交信した連邦の船に回線を開け!」

「了解。」


そんな状況の中、換気ダクト内に身を隠し、匍匐前進で移動する真帆と美雪は、ブリッジの手前まで来ていた。

「美雪ちゃん。この先、ブリッジの真上なんだけど1(ワン)ブロック戻るよ。」
「手前ののダクトから下に降りるよ。」

「了解。」
美雪の返事と同時に匍匐前進の姿勢をそのままに、後ろに下がる真帆。

「えっ!?」
「真帆さん。ちょっと速い!」と小声で叫ぶも真帆には届かず、美雪の鼻の頭に真帆のお尻が当たってしまう。

「キャッ…。」目を丸くし、驚き顔を覗かせた真帆は、とっさに口元を手で覆うが、時すでに遅しであった。
ブリッジを制圧したエリカの部下の一人、浜田は真帆の声を聞き逃さなかったのだ。

「…!?沢崎将軍。」と小声で呼ぶと、目線を上に向け、顎を二回程「クイッ。」と上げた。
※エリカ・沢崎監察官は同志からは将軍と呼ばれている。

「ん!?」と天井を見上げたエリカ。
エリカは猿渡と浜田に見張りの指示を撤回、指で指示を飛ばした。
物音を立てずに二人はブリッジを出ると左右別れ、猿渡は入口の直ぐ横に立ちブリッジの入口側に向きアサルトライフルを構え、浜田はダクトに沿って通路を下った。
一つブロックを下ったところで、ブリッジ側に向き、アサルトライフルを構えた。
真帆と美雪をブリッジに追い込む配置が完了した。
一つブロックを下った美雪は何も知らずに通気口を「そろり」と開け、先頭に居る真帆から降りた。

「動くな!」
「ゆっくりと両手を頭の上に乗せろ!」

その言葉と同時に真帆は背中に銃口が突き付けられた事を感じ、抵抗する気がない事を伝える為、両手を自身の頭の上に乗せた。

「チッ。」
「見つかっちゃったようね。」

美雪はとっさに頭、一つ分を後ろに下がって、様子を伺った。

「もう一人も、抵抗を止め、降りて来い!」
「抵抗あれば、この女の命は無いぞ!」

美雪は素直に従い、ダクトから降りた。

真帆と美雪はブリッジに連れて行かれた。

「おやおや、お洋服が汚れて、ボロボロね。」
「こんな芸当が出来るなんて、貴女たち素人じゃないわね?」

「折原教官と古代訓練生。中々、似合ってるぞ。」
エリカが二人を問いかた時であった、艦長席から一人の男が降りて来た。
それは射殺されたはずの艦長山城だった。

「そんなに驚く事はない。君たちが観せられた映像は加工されたもの。」
「この通り、"足"もちゃんと有る。」

「将軍。この二人が抜け出したと言う事は、奴らも脱出したと考えるのが妥当かと。」
「そこで、この訓練艦(ふね)を棄てる事をオススメする。」
「我々が拘束されたでは笑い話にも成りませんからな。」

「うむ。」
「浜田。この訓練艦の自爆装着を30分後に作動するようにセットせよ。」
エリカが指示を出したと同時に、真田長官との映像回線が繋がったと報告が入った。
エリカは訓練艦を放棄、人質のクルーは解放すると告げた。

「だが、真田長官。この二人には、まだまだ人質に成って貰う。」
「貴官が無事にクルーたちを救出出来る事を心から願うよ。」
「アハハハハハッ。」高々と笑うエリカ、そして映像回線が切れる瞬間、真帆と美雪が映し出された。




古代は無言でメインスクリーンに映し出された二人を観ていた。「必ず助け出す。必ずだ。」心の中で云った。

「真田さん。どういう事でしょう?」
「二人を人質に脱出する事については理解出来ますが、残りのクルーを解放する意図は、何だと思います?」

「おそらくだが…桜井少佐。最後に折原と美雪ちゃんが映った場面を再生してくれ。」
再生された映像が切れる寸前を停止させ、真田は推論を説明した。

「古代。二人をよく観てくれ。」
「拘束はされているが、折原の服も美雪ちゃんが服も前側が、汚れている事と折原の服が破れているのが、解るか?」
「おそらくだが、二人は拘束された後、監禁された場所から脱出し、エアダクトのような狭い場所を利用したと推測出来る。」
「服の汚れ方から推測して、反抗して制裁された汚れて方では無い汚れ方だ。」
「身体等に打撲痕なども見受けられない事からも。私はそう思う。」
「二人が監禁場所から脱出したという事は、拘束された他のクルーたちもまた、脱出出来る状態にあるのではと思う。」
「訓練艦を奪還される可能が高いと奴らは判断したのだろう。」
「そう考えるとつじつまは合う。」

「なるほど。」

「逃げるには身が軽い方がいいからな。」
「この推測の通りだとして、奴らが素直に残りのクルーたちを解放するとは思えない。」
「何か罠があると考えた方が良さそうだ。」
「だが、奴らには焦りを感じる。」

「焦りですか?」

「ああ。焦っているよ。」
「哨戒艦:鹿嶋の事には何一つ、触れていなかったからな。」
「ある意味、我々の作戦は成功したと考えられる。」

「では、真田さん。」

「ああ。このまま主砲を撃ちながら間合いを詰める。」


第五話②へ
つづく。


~あとがき~

この物語りは、「宇宙戦艦ヤマト復活編」の続編として二次創作ではありますが、オリジナルの物語りです。
既存のメカ設定及びキャラクター等の設定は基本的に、そのまま引用しています。
使用している画像は一部を除き、宇宙戦艦ヤマトシリーズ本編等より引用。
引用した画像はイメージです。
一部、私の設定及び解釈が混ざっています。

最新の画像もっと見る