鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー第四話

2019-11-18 14:51:18 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作



二次創作
宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー

第四話


小火(ぼや)騒ぎで大海底ドック内では、ある意味、祭りのような賑わいに成っていた。
野次馬の人の垣根、幸い小火(ぼや)で事は済んだが、初期消化を行ったのはその中で数人で、残りは殆どが野次馬だ。
災害対策室に連絡する者、騒ぎをやたらと大きくしないよう働きかける者、万が一に備え、避難賂を確保する保安員の一部を除けば、そこにいたであろう40~50人は、ただの野次馬だ。
その小火(ぼや)騒ぎが治まり掛けた時であった再び、場内は騒がしく成った。
だが、小火(ぼや)騒ぎどころではなかった。
今度は銃声が飛び交っていた。

「こっ…こいつアサルトライフルが効かないぞ!」
「あの肩から生えてるシールドを壊さない限り、アイツを倒せん!」

「いっ、一斉射撃だ!撃てぇ!!」

イローゼは右側バトルアームを肩から胸の高さで水平にし防御、跳躍力を利用してジャンプ保安員たちとの間合いを詰め、左側のバトルアームを「レイピア」細身の剣に変形、先頭にいる保安員の喉元に突き付けた。

「死にたくなければ、銃を捨てろ!」
「お前だけでは駄目だ!全員だ!」



「何を騒いでいる!」
「場所を弁えろ!」
通路の奥から走り寄るこの大海底ドックの所長を兼任する宇宙艦艇総合プログラマーの真田志郎。
ある程度は所長室のモニタから把握していた様子で、手にするネット式スタンガンをイローゼ目掛け、射ち放つ。
イローゼはとっさに両肩のバトルアームでガードするが、電子パルスを放射しながら「投網」のように拡がるネットに頭から包まれてしまう。
動きが鈍く成ったイローゼに保安員たちは銃口を向けた。

「駄目だ!撃つな!」

真田の大声に保安員たちは銃口をイローゼに向けたまま、「何故ですと」言わんばかりに真田の方へ振り向く。

「明らかに地球外のアンドロイドだ。」
「捕獲して尋問する。」

「それにざっとだが、見たところ死傷者は居ない。」
「全員、ライフルを下ろせ。」

アサルトライフルを下ろさせた真田は再びネット式スタンガンをイローゼ目掛け射ち放つ。

「すまないが二重にロックさせて貰う。」
「言葉は通じるようだな。」
「このまま、大人しく私の指示に従って貰う。」
「それとも、自爆でもするかね?」

「自爆のプログラムはない。」

「ほう。」
「では、一つ伺う。君は誰に頼まれた?」

イローゼは左側の口角を上げ、口を開いた。
「私はイスカンダルのイローゼ。」
「イローゼ・イスカンダル。」
「イスカンダルで造られたアンドロイドだ。」

真田は目を丸くし、驚いた顔を覗かせた。

「アハハ。」イローゼは突然、笑った。
そして、バトルモードから変体し、通常モードに切り替えた。
地球に侵入した時と同じ女性の姿を真田たちの前に現した。

「……。」

「おおぅ。」と声が上がる。
保安員の誰か漏らしたのだろう。
声が漏れるのも無理はない。
スラッと伸びた脚、ふっくらしたバスト、キュッと締まったらウエスト、丸みがあり、プリッとしたピッフ、青み掛かった肩くらいまでの髪、瞳が少し大きめで、ややつり目、175Cmくらいの身長がある"パリコレ"のモデルでも通用するくらいの女性が目の前にいるのだから。

だが、イローゼは二重の電子パルスネットがキツイ様子で、膝から崩れ堕ちるように床に倒れ、意識を失った。
真田はネットを解くと今度はスタンガンから放出する電子パルスネットの形状を小型に設定し、倒れたイローゼの手と足を拘束した。

「このアンドロイドを私の研究室に運ぶのを手伝ってくれ。」
真田は保安員の一人に医務室に備えてある担架を持って来させ、イローゼを乗せ運んだ。


騒ぎから二時間が経過した_。



「やっと目覚めたようだね。」
「イローゼと云ったね。すまないがまだ、君の拘束を解く訳には行かない。」
「尋問をさせて貰う。」
「だが、その前に一つ忠告する。」
「悪いが、イローゼ君の中に制御チップを組み込ませて貰った。」真田の中では、半信半疑のところはあるが、ここは強気でと、平素を装った。

イローゼは自身の中を検索、確かにチップがパワーバッテリーに直結されている事が確認出来た。

「流石は波動砲を開発した貴方だけの事はあるわね。」

「どうも。」
嫌味には嫌味で返す真田。

「私をご存知のようだな。」
「改めて自己紹介するまでもないか。」
真田は、そう切り出した。

「尋問に入らせて貰う。」
「何故、君はこの地球へ?目的は?」
真田は基本的な質問からはじめた。

「私はイスカンダルのイローゼ。」
「スターシャ様から造られたアンドロイド。」
「目的はあなた方が保有する「波動コア」の破壊。」
「あなた方はイスカンダルいや、スターシャ様との約束を反故にし、愚行に走った。」

「しかし、今や地球には1.000超える波動コアを保有するまでに成った。」
「君一人にとても全ては破壊出来ないと思うが。」

「でも、いくら武装した戦闘艦でも、コンピュータが制御している。」
「そのコンピュータを操れば、事は簡単だわ。」
「同士討ちをさせればね。」

「成る程。」
「だが、我々はけして愚行に走った訳ではない。」
「我々は自身を地球を守る為に波動砲を開発、量産した。」
「こうして街も海も大地も地球は元の姿を取り戻し復興した。」
「その事は感謝しても、しきれない程、感謝している。」
「だが、イローゼ、君が行った事は我々から云わせれば「テロ行為」だ。」
「ガミラスからの侵攻がなければ、君の主スターシャもまた、我々に技術供与をしなかったと思うが。」



イローゼは、その言葉に一瞬、瞳を閉じ次に瞳を開けると同時に、こう話し出した_。

そうね。確かにガミラスが侵攻しなければ技術供与はなかったでしょうね。
ガミラスは、いや、アベルトの叔父も騙されさえしなければ、地球へ「ガミラホォーミング」などは叔父の後を引き継いだアベルトもしなかったでしょね。
ガミラスがあと、百年足らずで終演を迎えるなどという捏造に騙され為の愚行。
ガミラスもイスカンダルもあと百年足らずで終演を迎える事はない。
一万年以上も先の話。
アベルトの叔父エーリックは「他言無用」と当時の科学者から捏造されたデーダ資料を見せられたの。
「ガミラス星及びイスカンダル星はあと百年足らずで死滅する」資料をね。

時はガミラス統一戦争で内戦中、エーリックをはじめ極一部の高官は、ろくな調査もする事無く、彼の捏造を信じた。
内戦は終わり、アベルトが総統の座に収まった。
幼い頃に、この捏造を聴かされていた彼もまた、信じ、大小マゼラン銀河に派兵、めぼしい惑星(ほし)を力で統合、しかし、種族を残せる条件は整っておらず、別の銀河に目を向けた。
そして、条件がほぼ一致するそう、あなた方の地球へ目をつけたのよ。
アベルトも苦悩していたわ。スターシャ様にも相談する事も出来ず、力で侵攻するしかしなかった。
「イスカンダル主義」と過大に表現してね。
だから、スターシャ様はそれを阻止する為に地球を元の姿に再生する事の出来る「コスモリバースシステム」を取りに来るよう仕向けたの。
イスカンダルもガミラスも地球も、元々は、同じ種族。
ガミラホォーミングをしなくても、共存が可能だからね。
ガミラホォーミングもガミラス人を信用させる為の嘘。
目的は地球人と交渉が決裂した為、地球人類の抹殺。
まぁ。あとから分かった事だけど、交渉もなかったのだけどね。
地球側からの一方的な攻撃でガミラスは
、地球は戦争する事に成ったわけ。

「確かに…。」
「だか、過ぎた歴史は変える事は出来ない。」
「未来は、そう我々が思い描く未来とは異なる未来を創る事も可能だか。」

イローゼは「ニヤリ。」と笑みを浮かべた。
「だから私はあなた方の未来を変える為にやって来たのよ。」
「あなた方では、まだ、作り出す事の出来ない"波動コア"を地球から消滅させる為に。」

「……真の目的はそれか。」
「我々の記憶やデーダから波動コアや波動砲に関するものを全て削除する。」

「ご名答。」

「でも、どうやって人間の記憶から削除する?」

「うふふ。」
「私は自爆は出来ない。と云ったけど、最終的処置を実行出来ないとは云わなかったでしょ!?」

「ゴクリ。」と唾を呑み込む真田は目を丸くし、問いた。

「…最終的処置?」
「そう最終的処置。私の体内に流れる潤滑油そうね。人間で云う血液かしらね。」
「その成分までは解析出来なかったみたいね。」
「ハイペロン微粒子が混ざっているの。」
「もう。お分かりのようね。」
「別名、重核子とも云うわ。」
「脳細胞を破壊する事の出来る中性子を放出する事が何を意味するかしらね。」

「微粒子は空気中に拡散され、全世界に拡がる。」

「うふふ。」
不適な笑みを浮かべるイローゼ。

「成る程。」と返事をした真田は手錠と足枷のパルス量を上げ、再びイローゼを気絶させた。

「ハイペロン…脳細胞を破壊、脳死した人類の記憶を操作、その後、生き返らせる…。」
「不可能では無いが……。」

「……我々は、もう一度、イスカンダルへ赴く必要がある_。」真田はそう呟いた。




第五話へ
つづく。


この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー》の二次創作です。
使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。拾い画を使用しています。

最新の画像もっと見る