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鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

追憶の堕天使たちー第二話③ー

2019-12-22 18:00:00 | オリジナル

追憶の堕天使たち

第二話③


翌日を迎えた私はキマイラに乗りたくて仕方なかった。
でも、その願いはすぐに叶った。

「うむ。ガブリエル。分かった。」
「君の好きなようには飛ぶといい。」

私は、その言葉を待っていましたと言わんばかりに、格納庫へと走り出した。
発艦手順はもう既に習得済み。
私は颯爽(さっそう)とキマイラへ乗り込み、管制に従い、キマイラを飛翔(とばし)た。
私は時間にして二、三十分、自由気ままにキマイラを飛翔させた。
昨日の復習を兼ねて飛翔した。
そんな私に僕君は、私を試すかのように、ヘルハウンドを数機飛ばして来た。

少しの間、私はヘルハウンドと戯れた。
戯れて数分が過ぎたころ、ヘルハウンドの一機が私に襲い掛かる。

「えっ!?何?」

確かに模擬弾ではあったけど、これが実弾ならキマイラは、私は、被弾、最悪なら爆発炎上もあり得る。

私は僕君の無線が飛び込む前に、無意識に臨戦体制に移行していた。

「私とやり合うっての?」
「模擬弾だからって手加減はしないわ。」

「オートマタ=自動人形とは違うの私。」

模擬弾以外は本気モードのヘルハウンド。
そのヘルハウンドよりは余裕を見せつけるガブリエルのキマイラ。
七割程度で相手をしている事はメインモニタを覗くルシファーにも、確認出来た。

「余裕ありか。」
「ガブリエルにテレポテーション・ウイングを使わせたいものだな。」
「少し僕の能力を付け加えてみるか。」
ルシファーは残機二機に自身の魔力を加えた。

「えっ!?何?」
「急にやる気を出したかしら。」

今まで相手にしていたヘルハウンドとは、二癖も、三癖もあるヘルハウンド二機。
一機は、やたらと攻撃を仕掛けて来る。
もう一機はキマイラを巧みに追い回す。
ガブリエルは縦横無尽に飛び回りながら機体前部両脇に装着された陽電子粒子機銃内蔵型ウイングを感応波を送り、切り離す。

「仕方ない。これ、使うわ。」

ガブリエルは後方から迫るヘルハウンドをわざと引き付け、感応波を増幅させて、テレポテーション・ウイングを操り、やたらと攻撃を仕掛けて来るもう一機のヘルハウンドと格闘させた。

「遊びは終わりね。」
そう云いながらガブリエルはキマイラに急制動を掛け、追い回して来るヘルハウンドを先に仕留め、テレポテーション・ウイングと戯れるヘルハウンドへと急行、背後を素早く取るとテレポテーション・ウイングを引き下がらせ、機首に装備される20ミリバルカン砲を撃ち貫く。
それでも、ガブリエルの能力は八割程度と判断出来た。
母艦アルゴーメインコックピットの感応波センサーの数値も「82.765パーセント」と表示されていた。

「ガブリエル。よく頑張ったね。」
「少し、休もう。」
ガブリエルは、その言葉で感応波を正常値に戻し、アルゴーに帰投した。

「お疲れ様。ガブリエル。」

私は仏頂面を覗かせていたようだ。

「ガブリエル。君にはその表情は似合わないな。」
「君は如何なる場合でも、スマートな表情を見せれなけれならない。」

僕君がはじめて私に軽くだけど、叱責した。

「…ごめんなさい。」
私のA.Iは困惑しながら「最適な応対。」と、この言葉を選択した。

「ちょっとムクれた」ガブリエルも、可愛いよ。」
そう笑顔を覗かせて云った。

「……。」
僕君は、不機嫌な私も受け入れてくれた_。

僕君は私を「ギュッ」と抱きしめた。

私の中で感情が、揺れ動く。
何時の間にか私はスリープモードに切り替わっていた。

意識が遠退いてゆく_。

私はまた、あの悪夢を視た。



「…また、あの夢……!?」

想い人ルシファーに身を委ね、すべてを受け入れるガブリエル。
ルシファーの背中に腕を回し、やがてガブリエルの身体は弓なりに…
小刻みに揺れるガブリエルの身体…
ルシファーの優しい笑顔…
ガブリエルの頬に伝わる涙…
ルシファーとガブリエルの唇がやさしく重なりあう…

ゆっくりと瞳を開けるガブリエル…

だが、同時にルシファーの首が飛ぶ…。

「あああああーーーッ!!」

眼を見開き、叫びを上げるガブリエルは同時に大剣を天高く掲げる男の姿を目の前に観た。

「遂に儂の邪魔者。ルシファーの首、捕ったぞ。」
「フッハッハッハッハッ!!」

「このゼウスこそが、この世界を治めるに相応しいのだ!」

「フッハッハッハッハッ!!」

「儂にく跪ずけ!」
「さすれば、命だけは助けてやる!」
「逆らえば、お前が育んで来た愛を感情をすべてを壊す!」
「ルシファーがお前に与えたすべてを壊す!」

「さあ!跪付け!地面に頭を擦り付け誓え!」
「そして、そこにある長剣を取り、ルシファーを刻め!」

ガブリエルは身体を震わせるだけだった。

「どうした?すべてを壊すぞ!」
「誓え!」
「わたくしガブリエルはゼウス様のシモベ。ゼウス様の愛人。ゼウス様の児を産み、児はゼウス様の奴隷に捧げます。」と。

ガブリエルは震えながら裸体のまま、頭を床に着け、ぼそぼそと何かを口にした。

「ガブリエルよ。聞こえぬぞ。」

それでもガブリエルはぼそぼそと何かを呟くのを止めなかった。

「孤独に怯えた月は 空を抱きしめながら
涙で見えない 貴方を探して叫んだ
貴方の瞳に映る私は 笑っていた
もう二度と逢えぬ 微笑を前に
暗闇で叫び続ける 貴方が見える遠過ぎて…」

「壊れるほど私を 強く抱きしめて
もう一度逢えるなら 夢の中でいい
永遠の眠りをください
壊れるほど私を 強く抱きしめて
夢から醒めては消える 貴方の笑顔も
愛し過ぎる その声も
もう一度 逢えるから 約束したから
溢れるほどの愛で 優しく包んで」

「永遠の眠りをください 貴方が見えない…」

「貴方が見えない…」

「聞こえぬか?」
大剣を掲げる男はガブリエルを覗き込むように屈んだ。

ガブリエルは少し顔を上げ、「ならば__。」

ガブリエルはゼウスを睨み上げると、素早く床に落ちる長剣を拾い上げると、一気にゼウスの方へ走りだし、天高くジャンプしながらゼウスに斬りかかる。
思わずのけ反るゼウス。
長剣は振り下ろされ、ゼウスの一物を斬り墜とした。
ゼウスの断末魔の叫びとも思える叫び声が、響き渡る中、ゼウの顔がルシファー変わる。

「……僕君…?」
「私は僕君をルシファーさんを斬ったの!?」

「嘘よ…私の想い人ルシファーをこの手で……。」

震えるガブリエル。
涙を流して震えるガブリエル。

ゼウスのニンマリと嫌味な顔がガブリエルを覗き込む。

「想い人を殺めた気分は、どうだ?」
「フッハッハッハッハッ!」
豪快に笑う声、ニンマリと笑うゼウスの顔は次第にルシファーの声と顔に変わった。
聞き覚えのある声がガブリエルのメインA.Iを刺激する。

「ガブリエル。トドメをさすんだ!」

「……僕…君!?」

「自分が信じた路を進むんだ。ブレてはいけない。」

「…でも、僕君…ルシファーさんを殺せない…。」

「殺るんだ!ガブリエル!」

「あれは僕じゃない!奴はゼウスは僕に化けた偽者だ!」

長剣を構え直す私。

ゼウスとルシファーの顔と声が入れ替わる。
目まぐるしい程に入れ替わる。

私は目を閉じ、"心"に従った_。


目が覚めた時、私は僕君=ルシファーさんに抱かれていた。
私の頬に伝わる涙。

「もう、大丈夫だから。」

緩やかな笑顔を覗かせ、再び涙が頬を伝う。

「僕…君…ルシファーぁぁぁぁぁーーーッ!」



ルシファーは、そっとガブリエルを抱き寄せ、髪をなでた。
「あの時の約束をブレる事なく守れは大丈夫だから。」

「…うん。」

愛を深める二人をやさしく銀河の星々の淡い光が、包み込む_。


一方、火星では同時に造りはじめた【火】【水】【械】の摩天楼は完成した。
これにはからくりがあった。


【時の魔術者カイロス】

時の魔術者カイロスが時間を操り、僅か二日間で、休み無くアンドロイドたちに造らせた。
この二日間を二十日間の時間に拡張して造らせたのだ。
簡単に云えば時間の流れを超が付くほど早め、アンドロイドたちを動かし、造らせたのだ。
勿論、完成後には進められた時間は、元に戻される。
だが、その分、酷使されたアンドロイドたちは、メンテナンス施設に送られ、初期化、新たな製造番号を与えられ、アップデートを施し、主であるカイロスの元に戻される。
何事も、なかったように。

「あと二日もすればアップデートされたアンドロイドたちが戻る。」
「その二日後には、残りの摩天楼【大地】【風(気)】そしてルシファー様の母上様の摩天楼が完成する。」


第二話④へ
つづく。

ーあとがきー

この物語りは、趣味を含むオリジナル作品です。

冒頭に引用書きした闇の柊焉
RETURNER~闇の終焉~
作詞:Gackt.C 作曲:Gackt.Cの曲を視聴した時、"これだ"と感じた、この物語りのヒントと成ったのをきっかけに加え、古の神話を今時風の神話を書いてみたいとの思いから、書いてみる事にしました。
使用している画像は挿し絵的イメージです。
また、一部の画像は、インターネット内に出回っている数有る画像から引用したものです。
※一部、Wikipedia及びYouTubeより引用。

追憶の堕天使たちー第二話②ー

2019-12-21 21:01:00 | オリジナル

追憶の堕天使たち

第二話②


ルシファーの能力の一つ、瞬間移動=テレポテーションで、火星軌道上に浮遊するアルゴーの艦(ふね)のコックピットに、移動したルシファーとガブリエル。

「ガブリエル。もう目を開けても大丈夫だよ。」
ギュッとルシファーにしがみつくガブリエルに、やさしく声をかけるルシファー。
床に足が着いている事が確認出来たガブリエルは、安堵の表情を浮かべた。
「ポッ」と紅く染まるガブリエルの頬。

「…ありがとう。」
「えっ!?じゃなく、一瞬でしたね。」
あたふたと何を話して良いのか、少し困惑気味のガブリエル。
ムリもない、ガブリエルの中には、愛という感情も育っていたのだから。

ガブリエルは、「ふと。」思う。
「これが"愛"…。」
「怒り、悲しみ、恐怖、嬉しい…色々な感情。」
「これが僕君の云った"感情"!?」
「私のA.Iは、無限に学習する事が出来る。」
「…でも、本当に正しいのかは解らない。」
「何度も、同じ事を繰り返す事で、正しいと認識するから。」
「…感情………。」

「私は機械的な人間…。僕君は云った。ガブリエルは人間に成れると…。」

「私は製造時とは違う身体をいくつか換装されて来た。」

「でも、まだ僕君は、進化すると云ってたな。」


【ガブリエル:第二形体】


私が乗船しているアルゴーの艦(ふね)は、全長が450メートルも有る、この時代の超弩級と云っても過言ではない程の大きさだ。

私以外は、名も無きアンドロイド。
製造された初期の私と同じ。
番号が名前のようなもの。
それと、僕君が設計した小型の戦闘A.Iを搭載した遠隔操作可能で可変ブースター装備及び、分離型格闘機:ヘルハウンドが6機、積み込まれている。
そして、薄紫色=ホワイトパープルに塗られた機体は私、専用機:キマイラ。
外見こそ量産機のヘルハウンドと同じなのだけど、私のキマイラは戦闘A.Iが外された仕様なの。
それは汎用アンドロイドと違い、私には感情というものが存在するから、僕君が云うにはA.Iがサポートではなく、感応波対応。
A.Iは、逆に邪魔者に成るからなんだって。
私の感情を感応波に変換して、一度に多種多様の行動や攻撃、防御を私だけで行え、キャノピーは、母艦同様にトラクタービーム防御膜でコーティングされた特別仕様。
キマイラは、ライオンの頭と山羊の胴体、毒蛇の尻尾を持つ特殊な魔獣。
そのキマイラに因んで私の機体を開発した。

僕君は、強化訓練の前に、この機体の基本操作を覚えろと、先ずは自由に飛び回れと云った。
私はキマイラに乗り込む為、僕君の司令に従い、バージョン・フリー・フライトを行う為、艦後部格納庫へ降りた。
私は迷う事欠く自機に歩み、タラップを上り、キマイラのコックピットへ収まった。
感応波対応ヘルメットを着用、指示に従い、フライトスタンバイに入った。
オートによるスタンバイが終わり、機体はハンガーに吊るされカタパルトへ接続された。
管制オペレーター・アンドロイドが射出角度を調整、私はハンガーに吊るされた機体の傾きに一瞬、焦りを感じた。

「おおっ。」
インカムを通して、私の声は僕君に届いていた。

「大丈夫だ。ガブリエル。オートで全てやってくれる。」
「今日はその感覚に慣れるのと、フライト手順をマスターする事が重要課題だから。」
「ガブリエル。君なら、落ち着いてやれば一回でマスター出来るはず。」

僕君の言葉に落ち着きを取り戻した私。
管制オペレーター・アンドロイドの「キマイラ、テイクオフ。」の指示に従い発艦させた。

物凄い加速だ。
身体がシートに押し付けられる。
苦しさを感じた。

「これがG=重力というものなのか!?」
「射出された勢いが止まらない!」
その思いも束の間、機首や後部ウイングに装備されるスラスターが、青白い炎を小刻みに吐き出す。

スピードが落ちてゆく。

「ガブリエル。君の思いをコントローラーに送るんだ。」
「君の思い描いた通りに飛んでくれるから。」
「大丈夫だよ。ガブリエル。」

私は云われた通り、飛翔するイメージをコントローラーに送った。
この宇宙を、星々を縫うように頭に思い描いた。
右に左に、時には上に下にとイメージ通りに飛んでくれるキマイラ。
私中で気持ち良いと、私を煽るもう一人の私。
私は星座を描くように飛翔した。

「素晴らしいよ。ガブリエル。」
僕君がインカムを通し、誉めてくれる。
「もっともっと飛翔したいと」もう一人の私が告げて来る。
私はそれに応えた。
一時間ぐらい飛翔した。
飛行エネルギーの残量が少なくなり、私は帰投した。
着艦もオートで機体が全てをやってくれた。
私はその手順をインプットするだけ。
自機を降りた私を僕君が出迎えてくれた。

キマイラ。私、この子が好き。
機首がスーと長めでコックピットはやや後方にマウントされている。
その後ろにメインエンジン二機が付く。
メインエンジンの下に可変ブースターが二機。
尾翼は、その可変ブースターの下に付く。
メインエンジンと可変ブースターの間に主翼があり、長めの機首の両脇にはバルカン砲が装備させている。
そして、機首の下にぶら下がるレーザー砲。
主翼の前部にはショットカノン。
オプションで主翼の下にはミサイルランチャーが二基づつ装備が可能。
下部には四連装のグレネード弾の発射機。

たま、明日になればフライト出来る。
私は笑顔を覗かせていた。


【戦闘A.I搭載・分離ウイング可変ブースター型格闘機ヘルハウンド/特別仕様キマイラ】
・自立型A.I搭載(ヘルハウンド量産機)
※ガブリエル専用機キマイラには搭載されていない。

・単独での大気圏突入・離脱が可能(共通)

・バルカン、レーザー、ショットカノン(陽電子粒子砲)を標準装備し、オプションとして対空ミサイルランチャー、グレネードを装備可能。
(全て共通兵装)

・超低空/低空及び空間格闘用(イェーガーモード)可変ブースターを任意で変形可能。(ホバーリング行動)

メインウェポン

・バルカン
口径20ミリ弾を発射する。
破壊力の点では他の武器に劣るが、連射性がそれをカバーしている。

・レーザー
敵を貫通する威力の高い武器。
発射中に機体を移動させれば、攻撃有効範囲も広がる。
障害物を超えて目標を攻撃できる利点を持つ。

・ショットカノン(陽電子粒子砲=荷電粒子砲)
砲弾として陽電子粒子を加圧、圧縮した荷電粒子ビームを放つ武器。
連射することも可能だが、その本来の威力は、エネルギーを最大までチャージした時に発揮される。
単なる荷電粒子による破壊効果のみならず、目標との対消滅が期待できるが射程距離が短い。

・グレネード。
後方の敵を攻撃するために利用される。目標手前で裂く弾、爆風を発生させ、それに触れる目標にもダメージを与えられる。

・対空ミサイルランチャー。
目標選択アルゴリズムにより、ミサイル同士は、同じ目標を狙わないという機能を持ち、複数の敵を効率よく倒せる。
攻撃力も高いが弾数に限りがある。

・イェーガー(猟兵/猟犬)モード
後部ブースターエンジン2基を機体下部に移動させる事でホバリング超低空モードに切り替える事が可能。
戦闘機でありながら、地上戦も行える。(共通)※イェーガーモードが猟犬に見える事そして、量産機の機体カラーがブラックな事から悪魔の猟犬=ヘルハウンドをイメージさせた。
その為、量産機をヘルハウンドと名付けた。

・テレポテーション・ウイング
分離したウイングを感応波で遠隔操作し、目標を攻撃する。(ガブリエル専用機キマイラのみ)


第二話③へ
つづく。

ーあとがきー

この物語りは、趣味を含むオリジナル作品です。

冒頭に引用書きした闇の柊焉
RETURNER~闇の終焉~
作詞:Gackt.C 作曲:Gackt.Cの曲を視聴した時、"これだ"と感じた、この物語りのヒントと成ったのをきっかけに加え、古の神話を今時風の神話を書いてみたいとの思いから、書いてみる事にしました。
使用している画像は挿し絵的イメージです。
また、一部の画像は、インターネット内に出回っている数有る画像から引用したものです。
※一部、Wikipedia及びYouTubeより引用。


追憶の堕天使たちー第二話①ー

2019-12-19 20:59:00 | オリジナル

追憶の堕天使たち

第二話①


ガブリエルの強制的強化中、大天使長、後の堕天使「悪魔王」ルシファーは、右腕的存在のミカエルに、次の段階に移る事を告げだ。

爽やかは風がルシファーの前髪をかきあげる。

「ミカエル。ガブリエルの強化が順調のようなので、まぁ。順調でなけへば、困るが。」
「次の計画を進める。」

「私は摩天楼を築き上げよと思う。」
「この惑星(かせい)には、浮遊大陸が六つ存在する。」
「私は、その六つの浮遊大陸に六つの摩天楼を築きたいと、考えいる。」

「摩天楼…ですか?」

「そう。摩天楼。」

「火・水・土・風・械(自動人形)そして、我、母上の塔、この六つの摩天楼(塔)だ。」


【土】
固体的状態の象徴であり支えである。
絶対的な重さを持つ元素で、自然な状態では、すべての元素の中心に位置する。
本来の状態では静止しているため、この元素が優勢な物質は動かなくなり、また離れてもそこへ戻ろうとする性質がある。
物質を硬く安定的で持続するものにし、外形を維持し、保護する。
基本の性質は冷・乾で、二次的な性質は密、重、硬などである。
錬金術における土の記号は、水の落下を止めたり中断させて、流動性を失わせることを示す 。

【水】
流動性の象徴であり支えである。
比較的重い元素で、自然な状態では、土を含み、空気によって含まれる位置である。
基本の性質は冷・湿である。
水の存在意義は、物質の形を扱いやすいものにすることであり、湿の性質によって、柔らかく形を変えられるという二次性質を物質に与える。土の元素のように、物質の形を維持するわけではないが、湿気を保つことで、物質が砕けたり散逸するのを防ぐ。
上昇する火に対し、水は下の方に流れて隙間を埋め、火が膨張させたものを縮小させる、求心的・生産的な元素である。水と火は、対照的であると同時に相補的であり、お互いに引き合い結合してものを生み出す。
錬金術における水の記号は、子宮の典型的表示であり、火の記号と重なって、大宇宙を象徴する六芒星をなす。

【気(風)】
揮発性の象徴であり支えである。
自然な状態では、水の上、火の下に位置し、比較的軽い元素である。
基本の性質は熱・湿で、物質に多孔性、軽さ、希薄さといった二次性質を与え、上昇できるようにする。
錬金術における空気の記号は、火を止めたり中断させることを示す。
すなわち、どこまでも上昇する火に対し、気は一定以上上昇することはなく、火の力を和らげる。

【火】
上記の3元素よりずっと微細で希薄な元素で、自然な状態では、すべての元素の上に位置する。
生成や消滅の終焉する先であるため、火には絶対的な軽さが生じる。
光と熱と電気は分けて考えることが難しかったため、その3つの象徴的な支えであり、エーテル状流体という実体の観念に対応する。
それと同時に、物質を構成する究極的な微粒子の運動という観念にも対応する。
熱く乾いた元素で、明るさ、軽さ、多孔性という二次性質を与えられる。
空気をも浸透する力によって自然界を還流し、冷たく凝り固まった元素たちを解きほぐし、混ぜ合わせる。
その熱で物質の成熟や成長を可能にし、土と水の冷たさと重さの影響を軽減する。
錬金術における火の記号は、炎が燃え上がり、先で終わっていることを示す。
上昇・成長・膨張・侵入・征服・怒り・破壊などを暗示し、女性的な特徴を持つ水に対し、男性的な激しい気質を象徴する。

【械】
意味としては以下の通り。
・しかけ。からくり。道具。「器械」「機械」
・かせ。罪人の手足にはめて自由をうばう刑具。


「そこで、ミカエル。君には、これまで集めて来たアンドロイドたちを使い、摩天楼を造って欲しい。」
「私は、ガブリエルを連れ、天界から持ち出したアルゴーの艦(ふね)に一度、上がる。」
「そこでガブリエルを完全体に仕上げる。」

「仰せのままに。」
ミカエルは胸に右の手の掌を当てがい、頭(こうべ)を垂れると、「スー」と姿を消した。


ーアルゴーの艦(ふね)ー

火星軌道上にポツリと浮遊する艦(ふね)。
その艦(ふね)からは、創世記の地球、いや、今現在の地球の科学力を遥かに超えたテクノロジーが、詰め込まれた代物だ。
元々は帆船の船体で、大きさも百メートル前後の船だったのだが、ルシファーは、神々に気づかれぬよう、コツコツと密かに、これを改装、大型化したようだ。
船首は現在の地球の生物に例えるなら、"ヘラクレスオオカブトムシ"のような大きな角が上下に二本、施されている。
どうやら、この上段の角の部分には、中に乗り込む事が出来るように設計されているようだ。
中には、約数十名程、乗れるようだ。
主に海での漁、特に捕鯨などで使われる銛(もり)的な役割を持たせているのだろう。
中に乗り込む事が可能な事から、相手の艦船に乗り移り、白兵戦にも対応している。
そして、下段の角は遠隔操作が可能で、白兵戦時に陽動攻撃に使われる。
脚に当たる部分は小型機のハンガー・カタパルトに成っている。
射出時に射角の設定が可能。
艦(ふね)防御には羽に当たる部分、四枚のトラクタービーム膜でコーティングさせた羽に引き寄せ、弾き返す。
但し、これはビーム兵器のみで、実体弾には不向きである。
腹部に当たる部分は主に格納庫区画、推進機区画である。




「やっとお目覚めしたようだね。ガブリエル。」

「あっ。僕君。」
目をパチクリさせながらガブリエルが云った。

「…僕君?」

「あっ!ごめんなさい。ルシファーさん。」
「…ルシファーさん。何時も僕はって話すから、私の中では「僕君」と認識してたの。」

「なるほど。」
「構わないよ。僕君で。親しみがあっていいね。」

「ポッ」と頬を紅く染めるガブリエル。

「そうそう。肝心な事を忘れるところだった。」
「ガブリエル。少し宇宙旅行へ出掛けよう。」

「…宇宙?」

「そう。宇宙。」
そう云いながらルシファーは空を指、指した。
「空の上だ。」

「空の上…宇宙?」
「僕君といっしょなら、お供致します。」

「話は決まりだ。」

「ガブリエル。目を瞑って。」

ガブリエルが目を瞑るとルシファーは抱き寄せ、「キャッ。」と思わず声を漏らすガブリエル。
「ハッ!」と一言、気合いを入れると瞬間にしてアルゴーの艦(ふね)コックピット内に移動した。


第二話②へ
つづく。

ーあとがきー

この物語りは、趣味を含むオリジナル作品です。

冒頭に引用書きした闇の柊焉
RETURNER~闇の終焉~
作詞:Gackt.C 作曲:Gackt.Cの曲を視聴した時、"これだ"と感じた、この物語りのヒントと成ったのをきっかけに加え、古の神話を今時風の神話を書いてみたいとの思いから、書いてみる事にしました。
使用している画像は挿し絵的イメージです。
また、一部の画像は、インターネット内に出回っている数有る画像から引用したものです。
※一部、Wikipedia及びYouTubeより引用。

追憶の堕天使たちー第一話②ー

2019-12-15 16:36:00 | オリジナル

追憶の堕天使たち

第一話②


夢魔サキュバスによる幻影洗脳(がくしゅう)が行われている中、ルシファーは屋敷へ姿を現した。

「ミカエル。幻影洗脳(がくしゅう)は進んでいるようだね。」
「今から同時にガブリエルの戦闘能力を強化する。」

この火星(せかい)では僅か12日なのだが、ルシファーたちの天界(せかい)では一年である。
そう。既にルシファーたちは十三日即ち一年と一ヶ月を費やしている事に成る。
そのルシファーの計画では、ガブリエルを理想の近衛兵長に育て上げるのに、あと七日、その後、人間と戦争をさせ、奴隷と成る人間を採取するのに六十日と考えている。
そして、十日を費やし、神々の王ゼウスを倒す。
トータルで百日「百年戦争」の終結。
そして、その暁には今は肉体こそ滅んでしまったが、魂としては未だに生き続ける母親の復活を成し遂げ、女王としての母親を君臨させる。
これがルシファーの計画(ねがい)である。



「そう云えば、ルシファー様。今日はご誕生際ですね。」
笑顔を見せ、ミカエルが云った。

「ああ。288歳と云うべきか?はたまた23歳と云うべきかな!?」
「まぁ。どちらにしても完全な悲願達成まで七十九日だ。百年戦争終結後、二日間の再生時間、この私が1.500歳の日を迎える日、私の悲願は達成される。」

「ルシファー様。」
ルシファーに歩み寄り、ルシファーの背中に右の頬を埋めるようにあてがうミカエル。

そして、夜が明け、また一日がはじまる…


ガブリエルが眠りに入って丸二日間が過ぎ、夢魔サキュバスの送り出す幻夢により、ガブリエルの心(A.I)には着実に愛が育まれいる事が、伺えた。
無意識の内に身体を動かしたり、閉じる瞳から無色透明な潤滑油(なみだ)を時折、流していた_。
その間に、ガブリエルの護衛チップと格闘・戦闘チップのアップデートが施され、強化アーマープロテクトが新たに造られた。

ルシファーはミカエルに夢魔サキュバスを呼び出させた。
床に片膝を着け、頭(こうべ)を深々と垂れるサキュバス。

「ルシファー様。御呼びで御座いますか?」

「ガブリエルの強化プログラムに移行する。」
「ガブリエルには私に抱かれた感覚を与え、その後、私をゼウスに殺させろ。」

「ぎょ…御意。」
青ざめた顔を覗かせ、震えた声でサキュバスは返事をした。




想い人ルシファーに身を委ね、すべてを受け入れるガブリエル。
ルシファーの背中に腕を回し、やがてガブリエルの身体は弓なりに…
小刻みに揺れるガブリエルの身体…
ルシファーの優しい笑顔…
ガブリエルの頬に伝わる涙…
ルシファーとガブリエルの唇がやさしく重なりあう…

ゆっくりと瞳を開けるガブリエル…

だが、同時にルシファーの首が飛ぶ…。

「あああああーーーッ!!」

眼を見開き、叫びを上げるガブリエルは同時に大剣を天高く掲げる男の姿を目の前に観た。

「遂に儂の邪魔者。ルシファーの首、捕ったぞ。」
「フッハッハッハッハッ!!」

「このゼウスこそが、この世界を治めるに相応しいのだ!」

「フッハッハッハッハッ!!」

「儂にく跪ずけ!」
「さすれば、命だけは助けてやる!」
「逆らえば、お前が育んで来た愛を感情をすべてを壊す!」
「ルシファーがお前に与えたすべてを壊す!」

「さあ!跪付け!地面に頭を擦り付け誓え!」
「そして、そこにある長剣を取り、ルシファーを刻め!」

ガブリエルは身体を震わせるだけだった。

「どうした?すべてを壊すぞ!」
「誓え!」
「わたくしガブリエルはゼウス様のシモベ。ゼウス様の愛人。ゼウス様の児を産み、児はゼウス様の奴隷に捧げます。」と。

ガブリエルは震えながら裸体のまま、頭を床に着け、ぼそぼそと何かを口にした。

「ガブリエルよ。聞こえぬぞ。」

それでもガブリエルはぼそぼそと何かを呟くのを止めなかった。

「孤独に怯えた月は 空を抱きしめながら
涙で見えない 貴方を探して叫んだ
貴方の瞳に映る私は 笑っていた
もう二度と逢えぬ 微笑を前に
暗闇で叫び続ける 貴方が見える遠過ぎて…」

「壊れるほど私を 強く抱きしめて
もう一度逢えるなら 夢の中でいい
永遠の眠りをください
壊れるほど私を 強く抱きしめて
夢から醒めては消える 貴方の笑顔も
愛し過ぎる その声も
もう一度 逢えるから 約束したから
溢れるほどの愛で 優しく包んで」

「永遠の眠りをください 貴方が見えない…」

「貴方が見えない…」

「聞こえぬか?」
大剣を掲げる男はガブリエルを覗き込むように屈んだ。

ガブリエルは少し顔を上げ、「ならば__。」

ガブリエルはゼウスを睨み上げると、素早く床に落ちる長剣を拾い上げると、一気にゼウスの方へ走りだし、天高くジャンプしながらゼウスに斬りかかる。
思わずのけ反るゼウス。
長剣は振り下ろされ、ゼウスの一物を斬り墜とした。
ゼウスの断末魔の叫びとも思える叫び声が、響き渡る中、ガブリエルはルシファーの声を聞いた。

「もう一度、逢えるから…」

その声が聞こえると、辺り一面は闇に包まれ、何事も無かったように静けさが、ガブリエルを包み込んだ。


震えるガブリエル。
涙を流して震えるガブリエル。

「どうした?ガブリエル?」

聞き覚えのある声がガブリエルのメインA.Iを刺激する。
「う~ん。」と一言、発するとガブリエルは眼を覚ました。

「……僕…君!?」

ぼんやりとルシファーの顔が浮かび上がる。

緩やかな笑顔を覗かせ、涙が頬を伝う。

「逢いたかったよ。僕…君…ルシファーぁぁぁぁぁーーーッ!」

「ごめんよ。ガブリエル。」
「寂しい思いをさせて。」
ルシファーは、そっとガブリエルを抱き寄せ、髪をなでた。

正常に戻るA.I
ガブリエルは、とっさに無意識にルシファーを突き放す。

「……僕…君。」
「私としたことが…ごめんなさい。」

ルシファーは怒る事はしなかった。
「いいよ。大丈夫だから。」

「夢を見ていたんだね。」
「酷くうなされていた。でも、もう大丈夫だから。」

「僕がガブリエル。君を守るから。」

「僕…ルシファーさん。それは駄目。お守りする仕事は私の仕事。」

「アハハ。」
「ガブリエルは真面目だね。」
「なら、こうしよう。」
「ガブリエル。君は僕を守る。僕はガブリエル。君を守る。」
「お互いが愛し、お互いが守る。」

「…うん。」
少し、躊躇いがあったようだが、ガブリエルはルシファーが、そう云うのならと、A.Iに自己プログラムした。

夜景を二人は楽しんでいた。




「あら、二人とも此処に居たんだ。」
そう云いながらミカエルが姿を表し、近づいて来る。

「もう少し、僕君と二人きりで居たかっつな。」と、思うガブリエル。

そんな事はお見通しのミカエルはわざと二人の仲を羨んだ。

「ミカエル。ガブリエルにはあと二回、同じ夢を観せるんだ。」
「但し、二回目のラストはゼウスの顔を私の顔と入れ替えてな。」
ルシファーとミカエルは感応波を持ち入り、会話した。
「貴女とゼウスを入れ替えて?」
「そう。悲しみ、憎しみ、そして「怒り」だけでは勝てない事を。怒りをコントロールする術を身に着けさせる。」
「そうでなければ、本物のゼウスは倒せん!」

冬の夜空(このじき)に流れる"双子座流星群"をガブリエル、ルシファー、ミカエルの三人は眺めていた_。


第二話へ
つづく。

ーあとがきー

この物語りは、趣味を含むオリジナル作品です。

冒頭に引用書きした闇の柊焉
RETURNER~闇の終焉~
作詞:Gackt.C 作曲:Gackt.Cの曲を視聴した時、"これだ"と感じた、この物語りのヒントと成ったのをきっかけに加え、古の神話を今時風の神話を書いてみたいとの思いから、書いてみる事にしました。
使用している画像は挿し絵的イメージです。
また、一部の画像は、インターネット内に出回っている数有る画像から引用したものです。
※一部、Wikipedia及びYouTubeより引用。

追憶の堕天使たちー第一話ー①

2019-12-12 21:05:00 | オリジナル

追憶の堕天使たち

第一話


ルシファー、ミカエルを介し私の中で感情というものが、芽吹き育って行くのが分かった。

「…僕君、遅いなぁ。」
「ミカエルさんとメガロポリスの様子を観に行くと云って、三日が過ぎた…。」

ー天空の塔・最上階ー

ガブリエルが想いにふけるころ、ルシファーとミカエルはメガロポリスではなく、天界に戻っていた。

「ミカエル。ガブリエルは順調に洗脳(せいちょう)しているようだな。」

「はい。仰せの通り、進めております。」
「そろそろ、愛が芽吹く頃かと。」

「愛か。育ませろ。」
「焦らしながらな。」

「承知致しました。」
ミカエルは胸の前に右手を当て、腰から深く頭(こうべ)を垂れ、「スー」と姿を消した。

ミカエルの気配を感じなくなるとルシファーは、天空に輝く"明けの明星"を眺めてた。
爽やかな風がルシファーの銀色に輝く長く美しい髪が、かきあげられた。
左の口角を上げ「フッ」と一息、漏らした。

「もう少し、もう少し、お待ち下さい。母上。」
「必ず、貴女(あなた)の悲願を達成致します。」
明けの明星を見つめながら、心の中で呟くルシファー。

◆◆◆◆

一足先に地上へ降りたミカエルは、ガブリエルを待たせている屋敷へ向かった。

「ガブリエル。ただいま。」

その声に笑顔が戻るガブリエルはミカエルに走り寄った。

「お帰りなさい。ミカエルさん。」
「……。」
「僕…ルシファーさんは、いっしょじゃないのですね。」
ガブリエルは、少し寂しげな顔を覗かせた。

「安心なさい。すぐに戻るわ。」

ガブリエルは、無意識に笑みを浮かべた。

「あら。ガブリエル。貴女(あなた)顔が紅いわよ。」
「熱でもあるの?風邪でも引いたかしら?」

「…ミカエルさん。私、アンドロイドよ。」
「風邪は引かないわ。」

「そうかしら?」
そう云いながらガブリエルのおでこに手の掌をあてがった。
目を「パチクリ。」させるガブリエル。
「スー。」と全身の力が抜け、スリープモードに切り替わるガブリエルは、膝から崩れるように床に倒れた。

「うふふ。」
「可愛い寝顔だこと。」

「幻影と愛を育ませなさい。」
ミカエルはガブリエルの電脳をハッキング、ネット幻影を直接、A.I回路に投影した。

ー幻夢の世界ー

蒼い薔薇が辺り一面に咲き、眩しい光が射し込む。
その一面に咲く薔薇の真ん中に「ポツン。」と純白なシルクのウェディングドレスに身を纏うガブリエルが、立っている。

眩しい光に視覚を刺激されたガブリエルは、ゆっくりと目を開けた。

「…ここは。」
「ここは何処?」

「私、ドレスを着ている…。」

「えっ!?でも、待って私、此処に居る。」
「…あれは誰?」
「あれも私!?」



こんな感覚は今までに体験した事もなく、困惑するガブリエル。
それもそのはず、電脳ではあるがA.Iが制御する人工の脳、夢を視る事などあり得ないのだ。

いや、二十四時間、フル稼働の日々と電脳=人工の脳が夢など視るはずもないと、決めつけ、そのように結びつけただけなのかも知れない。

しかし、夢とは睡眠中あたかも現実の経験であるかのように感じる、一連の観念や心像と云える。
従って、アンドロイドが、人工の脳が夢を視る事も不思議な事ではない。

夢とは、睡眠中にもつ幻覚のこと。
将来実現させたいと思っていること。
願望。願い。
視覚像として現れることが多いものの、聴覚・触覚・味覚・運動感覚などを伴うこともある。
通常、睡眠中はそれが夢だとは意識しておらず、目覚めた後に自分が感じていたことが夢だったと意識されるようになる。
しかし、稀にではあるが自分が今見ているものが、夢であることを自覚することが出きる場合もある。

未開人や古代人の間には、睡眠中に肉体から抜け出した魂が実際に経験したことがらが夢としてあらわれるのだという考え方は広く存在した。
「神のお告げ。 」
夢は神や悪魔といった超自然的存在からのお告げである、という考え方は世界中に見られる。
古代ギリシアでは、夢の送り手がゼウスやアポロンだと考えられていた。
『旧約聖書』でも、神のお告げとしての夢は豊富に登場する。
有名なところでは、例えばアビメレクの夢のくだりなどがある。
中世の神学者トマス・アクィナスは夢の原因には精神的原因、肉体的原因、外界の影響、神の啓示の四つがある、とした。
古代の北欧でも、やはり人々は夢解釈に習熟しており、ある種の夢に関しては、その解釈について一般的な意見が一致していたという。
たとえば、白熊の夢は東方から嵐がやってくる予告だ、と共通の認識があったという。
ネイティブアメリカンの一部の部族には、夢を霊的なお告げと捉え、朝起きると家族で見た夢の解釈をし合う習慣がある。
古代ギリシャにおいて夢は神託であり、夢の意味するものは、そのままの形で夢に現れているため「解釈を必要としない」(アルテミドロス)と考えられていた。
そして、心理学における夢の理解では、
深層心理学においては、無意識の働きを意識的に把握するための夢分析という研究分野がある。
夢分析の古典としてはジークムント・フロイトの研究、あるいはカール・ユングの研究が広く知られている。
そこでは夢の中の事物は、何かを象徴するものとして位置づけられている。
これらは神経症の治療という臨床的立場から発展しており、夢分析は心理的側面からの神経症の治療を目的とした精神分析のための手法の一つである。
フロイトは『夢判断』で、人が体験する夢を manifest dream(顕在夢)と呼び、それは無意識的に抑圧された幼児期由来の願望と、この願望と結びついた昼間の体験の残滓からなる夢のlatent thought(潜在思考)が、検閲を受けつつdream work(夢の仕事)によって加工され歪曲されて現れたものだとした。
カール・ユングは、夢は、意識的な洞察よりもすぐれた智慧をあらわす能力があるとし、夢は基本的に宗教的な現象だとした。
ユングによると、人間の無意識のさらに深い領域には全人類に共有されている集合的無意識があり、古代から継承されたアーキタイプ(元型)が宗教・神話・夢といった象徴の形で現れるとされる。
ユング研究家の河合俊雄は夢の「ストーリー性」を重視し、ストーリーの変化は心の変化であり、夢分析で重要視されるとしている。
例えば同じテーマの夢を繰り返し見る「反復夢」では、ストーリーが月日の経過とともに変化していくが、「怖い夢」でも何度も反復してみるうちに、恐怖の対象が自分に対して実害がないことが分かり、それを楽しむことができるようにすらなる。
こうした変化で心理的な症状も変わってくることがあり、繰り返し見る夢がどう変わっていくか、心理療法における「夢分析」ではこの部分が大きな意味を持つとしている。
もう一つのポイントは「象徴性」で、例えば白蛇は普通の蛇よりも象徴性が高く特別な夢だが、スピリチュアルな意味や、癒やしの意味がある可能性がある。

だが、夢を見る理由については現在のところ不明である。
従って、行動を停止したスリープ状態のアンドロイド、人工の脳が、ネット内に飛び交う何らかの信号を偶発的に接触、可視化したものを"夢"として捉え、"夢"として感じても不思議ではない。


【夢魔サキュバス】
「うふふ。ミカエルさまも、意地の悪いお方…。」




ー火星メガロポリス中央都市ー

ここ数日で、複数のアンドロイドが失踪するという奇妙な出来事が相次ぎ、ようやく人間たちは事件とし、扱うように成った_。

しかし、二、三日もすると人間たちは失踪したアンドロイドたちの事など、気にも留めなくなって行った。
量産され続けるアンドロイドの一部が失踪したところで、自分たちの生活に支障を来す事がないからである。
直ぐにアンドロイドを製造する業者から政府を通じ、送られて来るからだ。

ルシファーの狙いは、そこにあった_。

この火星では人間たちは、子孫繁栄の為の行為の練習も、アンドロイドで行う。
その為、個々に差は有るものの、練習で納得出来れば、そのアンドロイドは廃棄される。
子孫繁栄のD.N.Aを残したまま。
ルシファーはそのD.N.Aを採取、保管した。
そして、廃棄されたアンドロイドを初期化、メンテナンスを施し、改良型を兵として育て上げて行った。

「愚かな人間たちよ。」
「せいぜい今の内に堕落を謳歌するがいい。」
「クックックックッ。」
不適な笑みを浮かべるルシファー。

「そろそろ、ガブリエルの所へ戻ってやるとするか。」
ルシファーは白銀に輝く十二枚の翼を拡げ、下界(かせい)へと降りた。


第一話②へ
つづく。

ーあとがきー

この物語りは、趣味を含むオリジナル作品です。

冒頭に引用書きした闇の柊焉
RETURNER~闇の終焉~
作詞:Gackt.C 作曲:Gackt.Cの曲を視聴した時、"これだ"と感じた、この物語りのヒントと成ったのをきっかけに加え、古の神話を今時風の神話を書いてみたいとの思いから、書いてみる事にしました。
使用している画像は挿し絵的イメージです。
また、一部の画像は、インターネット内に出回っている数有る画像から引用したものです。
※一部、Wikipedia及びYouTubeより引用。