弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

小沢一郎氏の裁判について

2011年10月15日 | 裁判・法律

14日、2回目の公判がありました。

法廷の傍聴はしていませんが、インターネット等を見た限りで
意見を述べたいと思います。

買主が代金を完済しながら、移転登記を遅らせるというには
基本的にはあり得ないことなので、異常です。
二重売買をさせれると先に登記をした方が(代金に支払いは後でも)
所有権を取得することになるからです。
登記を遅らせたい何か理由があったと考えるのは常識的でしょう。

また、録音テープの音声を再生したことは賛成です。
反訳だけではわからないことがときにはあります。
普通は生のテープは反訳が正確かどうかを担保するためにあるのですが、
まれに反訳と生のテープで全然意味が違うことがあります。
私もそういう経験をしたことがあります。
民事でしたが、法廷で再生はしませんでしたが、
裁判官に、実際に再生して聞くようお願いしたことがあります。
判決はそれが反映されていたと思いました。
どうやら全部ではなかったようですが、雰囲気はわかったのでは
ないでしょうか。

勝負はこれからでしょうが、裁判所の訴訟指揮が大いに影響が
あるように思います。
弁護人は異議を連発しているということですから。

そもそも政治資金規正法はザル法です。
そういうザル法を作ったのは、適用される本人である国会議員です。
そういう人を守る必要性はそれほどありません。
だとすると、厳格な訴訟指揮は、そういう政治家を守ることになる
だけです。
むしろ真実発見のために、明らかに問題がある場合以外は異議を認める
ことなく、証言させるべきと考えます。

そういうことで、今回の裁判は指定弁護士とともに
裁判所も試されているということではないでしょうか。

ウオッチングしていきたいですね。

 


プロの仕事術

2011年10月14日 | 弁護士の仕事 あるべき姿勢

随分前に、美容業を経営していた依頼者がいましした。
みずからは美容師ではありません。
経営だけです。念のため男性です。

弁護士と依頼者ですが、最初のころは依頼を受けた事柄に関する
打合せが中心です。
しかし、事件が進行するにつれ、特に裁判になったりすると
依頼者とともに出頭することが多くなります。
裁判所というのは、しばしば待たされるものです。
前の事件が長引くなど日常的なことです。
というわけで、時間つぶしというのも変ですが、
待ち時間には事件とは関係のない雑談をすることになるのです。

そういうときに、「卵型になるように髪形を整えてあげていたんですよ、
それが評判で随分繁盛していたんですよ」という話をしてくれました。
確かに美人に見えます。
きれいに見えるように髪形を整えるというのは美容院なら当然ではないかと、
当たり前のことをどうしてと、その時は思いました。

でも、実際には、こういうやり方をしている美容院は少ないと思います。
大抵の美容院は、その人の頭の形通りに仕上げるのです。
頭の恰好がいい人の場合はそれでもいいでしょうが、
私などは、天辺がペタンコ、後頭部もペタンコですので、
いくらセットがきれいにできても、カッコ良くはないのです。
もちろん、注文は付けるのですが、天辺だけ、後頭部だけ
をふっくらとはしてくれないのです。
全体的にふっくらとさせるだけなんです。
ということで、私はあまり美容院にはいきません。
(どうでもいいことですが)

良く考えてみれば、弁護士の仕事も同じです。
依頼者の言うことを良く聞くけれど、それだけという人は多いです。
そして依頼者のいうままに、ただ裁判所に伝えるだけ・・・
でも、弁護士の仕事は、依頼者の話を聞いて弱いところ、
強いところを見抜くこと、
そして、理想型と比べて、できるだけ理想型に近づくよう、足りないところ
を補充できないかなどを事実を見ながら考えることです。
つまり、到達点にからみて足りないところをどうするかということです。
到達点について明確な意識を持つと足りないものは何かも
はっきりと把握できるのです。
足りないものが何かがわかれば、それをどうするか、何か方法は
あるのかが考えられます。
明確な到達点がないと、何が不足しているのかすら、思いいたる
ことはないのです。

プロの仕事というのは、美容師であれ、弁護士であれ同じだと思います。

アップルのスティーブ・ジョブズのアイパッドやアイフォンが世界の
人たちの心を捉えたのも、作りたいものについて明確な意識があった
からだと思います。


タオルアニマル

2011年10月13日 | トルコ旅行

ホテルのお部屋に入ってサプライズがあるのは嬉しいです。

イスタンブールのホテルは広々としてとても気持ちが
良かったです。
私は閉所恐怖症とまではいきませんが、狭い所に閉じ込められた
感じでは息苦しくなってしまいます。
それだけに角部屋の両面の窓が大きく開き、明るい部屋は、有難いです。

そこにこんなお迎えです。

バスタオルで作った鶴がカードを持ってベッドで待っています。

ちょっとした心遣いですが、心が和みます。

今回調べてわかったのですが、こういうのをタオルアニマルというのですね。

前にも一度だけタオルアニマルのお迎えを受けたことがありました。
ナイアガラの滝が真ん前にみえるホテル(カナダ側)でした。
このホテルのお部屋も本当に広々としていました。
そのときは大きなバスタブに羽を広げたクジャクがおいてありました。
初めてなので感動しました。
バスタブを船に見立て、クジャクは船首飾りのようでした。
そのときは感動のあまり、写真を撮り忘れましたので、
今度はバッチリと撮影しました。

イスタンブールはシェラトンでしたが、ナイアガラもひょっとしてシェラトン
だっかかもしれません(はっきり記憶なし)。

ホンのひと手間かもしれませんが、こういうのって嬉しいですね。


トルコ雑感① 実際的・現実的民族

2011年10月12日 | トルコ旅行

私は、おせっかいおばさんです。
何か困ったことが起こっている場合には、勝手に解決役を
引き受けてしまいます。
子供がいたずらしたり、悪いことをしていると注意をしてしまいます。
これは仕事も同じで、ついつい余計な事をしてしてしまいます。
ですから、他の弁護士なら到底できないような良い結果を引き出す
ことができたりします。

いずれにしても、お節介というのは本人にとってもいい結果を
もたらします(でも時には、悪意のある人からはとんでもない
言いがかりを受けたりする危険もありますが)。

さて、今度の旅の現地ガイドさん、日本語も流暢で、美人でした。
みんな満足でした。
彼女が、秋の多忙なときには、1か月に5つも6つもツアーを頼まれるの
などと聞いて、休む暇がありませんね、などと雑談しました。
(これは個人的な会話です)
最後の日は、空港での手続き等に長時間をつかいますが、
ピンチヒッターでした。
ほとんど理解できない日本語しか話せないガイドでした。

外国で品物を買った場合の免税手続きについては、
購入時に税を控除する国、後でリファンドするなどいろいろです。
トルコは、購入時に控除してくれますが、出国のときに
書類と品物を示して手続きする仕組みです。
そしてツアーに組み込まれたお店で買ったものについては
お店の人が空港に来て手続きを手伝ってくれるということでした。
ところが、現地ガイドさんの日本語を聞いてもさっぱりわかりません。
お店の人は英語を話しません。
添乗員さんは航空会社のカウンターで搭乗手続きに忙しくしています。

そこでやむなく私の出番です。
該当者を集め、旅券を集め、検査場所に誘導しました。
(私も当事者ですから、ついでということもあります)
品物を持って部屋に入りました。部屋の入れるということ自体、あまりないことです。
その後は、横でチャックをするだけにしましたが・・・
見ていると、税関の係員は一人しかおらず、忙しくしています。
(個人的に買い物した人については、もう少し厳格な検査のようです)
お店の人は当然のように、係員の了解を得ずに備え付けのスタンプを使って、
書類にどしどしスタンプを押していきます。
品物のチェックなど一切なしです。
あっという間に終了です。

つまり、お店の人にすべてを任しているというわけです。
お店の店員は税関職員の補助者であり、補助者にすべてをまかせて
いるというわけです。
ですからめくら判ではないわけです。
何か問題があれば、すべてお店の責任というわけです。
確かに、こういうやり方の場合は、そうなります。

ここまで、まかせっきりにするなど、日本人には想像もつきませんが、
国にとっては、税金について不正がなければいいわけですし、、
お店にとってはできるだけ多くかってもらえばいいわけですから
顧客の時間を節約する(買い物増につながる)
こういうやり方は極めて効率的というわけです。

私の限られた海外旅行の買い物経験ですが、こういうのは初めてでした。

そもそもトルコはアジアとヨーロッパに跨る国です。
イスラムの国(95%がイスラム教徒)でありながら、世俗主義を採用し、
国の基本的なところはヨーロッパ式です。
これはトルコが共和国になったときの初代大統領のアタテュルク氏の近代化政策
(ラテンアルファベットの採用、太陽暦の採用、一夫一妻制、日曜日の休日
指定、婦人参政権、姓の取得、政教分離としてトルコ帽の禁止)の実行
によるものですが、
これがうまくいっているということ自体、トルコ民族にそれを受け入れる
土壌があったということにほかなりません。
今、トルコはEU加盟を表明していますが、中近東の中で、複雑な
成り立ちの国でありながら、西欧式民主主義が定着しているのも、
トルコ民族の実際的・現実的な物の考え方にあるのかもしれません。

トルコが魅力的なのも頷けます。