弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

主婦の過払年金、返還請求しない?は政治の怠慢

2011年10月31日 | 政治、経済、社会問題

政府は28日、「専業主婦の国民年金切り替え忘れ問題で、
本来より多く年金を受け取っている受給者約5万3000人について、
過去5年間分の過払い分の返還請求を見送る方針を固めた。」
ということですが、

これは根本的に間違っていると思います。

高齢者の年金問題に配慮していというが、考え方が根本的に
間違っています。

考慮すべきは、法律に従って年金を収めても、
あるいは法律そのものが不公平であるために、しかるべき年金を
もらえないという場合には、
それは政策の問題なので、政治家が改めるべきです。

しかし、本来受け取る権利がないにもかかわらず、もらった分については
返還するのが当たり前です。
返還しなくていいという正当な根拠は何なんでしょうか。
法律違反をしている人だけが得をするというのでは、どう考えても
間違っています。

年金制度の抜本的改正が難しいので、それをしない言い訳に
本来権利のないものに年金を多く支払ったのも目をつぶるというのは
どう考えても納得できるものではありません。

一時期、年金が大騒ぎされましたが、結局何一つ改革はなされていません。

そのうえに、返還請求しない、というのは、要は何もしないということです、
違法ですら目をつぶるというのです。

こういう何もしない政治というのは、まさしく政治家の自殺行為です。

不公平な年金制度でも、文句を言わずに真面目に支払いをしている、
それでも十分な年金が支払われない、
それにも関らず、一方では、権利がないのに、年金がもらえてる、
こんな不公平がどうして許されるのか、
私には理解できません。

真面目に払った人には、請求しない過払い金と同じ割合で、全員に
報奨金を払うべきです。
そうすれば、公平になります。
(でもそんなことすれば、年金財源が破たんしてしまいますね!)

なぜおかしいとマスコミは言わないのでしょうか。

本当に日本はどうなっているのでしょうか?

要は、面倒くさいことはしない、したくない、というのが今の
民主党の政治家、政治なのでしょう。