弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

カダフィの死体について

2011年10月26日 | アラブの春

リビアのカダフィ大佐の死体が、死後4日間にわたって
一般市民に展示?(何といえばいいのでしょうか)されていました。

血のり等はふき取られていたようですが、特に死化粧もせず、
しかもマーケットの食用肉を保管しておく冷凍庫の床に
ぞんざいに横たえられている姿です。

徹底抗戦をしたカダフィのことを考えると許せないという気持ちになるのは
理解できますが、はやり死者に対する敬意は持ってほしいなと
日本人なら思うのではないでしょうか。

アフリカ側のアラブの春は、ほぼ同時期に勃発し、これで3国そろって
新しい一歩を踏み出すことになりましたが、
踏み出すまでの道のりは、三国三様です。

あちこち旅をすると、広い意味で民族のDNAの違いを肌で感じます。

私は日本史の勉強はしましたが、世界史の授業はとりませんでした。

グローバル化した今、日本史も世界史も一般教養として義務教育あるいは
遅くとも高校までに勉強しておきたいものです。

なお、25日未明に、とうとう埋葬されたということです。
ただし、場所は、リビア国内の砂漠のどこか秘密ということです。


橋下知事の辞任、大阪市長選出馬について

2011年10月25日 | 政治、経済、社会問題

結論から言うと、大賛成です。

決断力と実行力に敬意を表したいです。

大阪市と大阪府は犬猿の仲と聞いています。
これは権力の本質から来るものです。
大きな権限を持つ大阪市長が、大阪府知事、何するものぞ、という
感情を持つのは自然なことです。
そうすると、より上位の知事は、従わせたい、従わせるしかないという
ことで、反発します。
この悪循環になります。
効率的に動くことなどあり得ないのです。経験則から明らかです。

したがって、そもそもこういう組織、仕組み自体が欠陥です。

橋下知事は正義感が強く、若く、また実行力もあり、また超有名ですから
実現の可能性も強いです。
おそらく、地位や職に恋々としがみ付く必要もありません。まだまだ
可能性があります。
しかも、東京都いうモデルがありますので、改革後の姿も、予想がつきます。

こういう改革の場合、大阪府の方は受け手です。
壊す方の大阪市が、変われるかです。
だから、橋下氏が市長になる、これは当然のことです。
橋下氏でなければできません。
市長は格下ですが、彼がやりたいのは、大阪の構造改革です。
そのために一番重要な要のポストに就くというのは
仕事師であれば当然の発想です。

というものの、実際に行動するには、物凄い勇気が必要です。

道州制については、言われ始めてから20年以上になりますが、
一向にかわりません。
もちろん、合併などが進められましたが、これだけ交通の便、通信の便が良くなり、
グローバル化した時代にふさわしいものになったとはいえません。
大阪はほどほどの大きさです。
成功すれば、国の基本的な仕組みを変える起爆剤になります。

そうすれば、国会議員の選挙区の抜本的改革や憲法改正など
この国の仕組みを変えるきっかけになること間違いありません。

一大阪の問題ではありません。

みんなで支援したいですね。


片親引き離し症候群(Parental Alienation Syndrome)

2011年10月24日 | ひろみ塾・法律編

片親引き離し症候群て初めて知りました。

Law&Orderのスピンオフ版LAで出た言葉です。

なお、Law&Orderは、ニューヨークが舞台ですが、LA版はカリフォルニア
が舞台です。
私がみたのは、タイガー・ウッドの事件にヒントを得て制作されたものです。
ヒントはきっかけだけで、その後の展開は全く関係がないようでした。
タイガーウッドの結末はみんな知っていますし、こどももまだまだ小さかったです。

この片親引き離し症候群(Parental Alienation Syndrome)、PASという
聞きなれないコンセプトは、
ゴルファーの息子がセックス依存症の父親と関係のある女性
(実際はこの女性は同性愛者だったのですが)の一人を
殺害したとして起訴されて事件で、実行犯は息子であったとしても、
背後で糸を引いていたのは母親だと見抜いた検察が、母親、つまりは
妻を殺人教唆で起訴する根拠として持ち出したものです。

つまり、母親は夫の異常な女性関係に悩まされていたので、そういう妻としての
夫に対する嫌悪感を常々息子に伝えていたのです。
子供は、母親の言葉をそっくりそのまま、自分の言葉として話します。
こういう状況を、母親が子供を、洗脳していた、あるいは刷り込みをしていたと
考えるわけです。

例によって、裁判官室で、弁護側と検察側で激しい議論が展開されますが、
裁判官は、この概念を認めるかどうかの結論を保留にしたまま、
さしあたり、妻に対する起訴を認め審理をすることを許可しました。
ということで、法廷では専門家を呼んで証人尋問が行われました。
しかし、最終的には、判事は、陪審員に対しては、
このPASに関する部分は無視するように説示すると決めました。

また、例によってここで、いろいろな駆け引きがありますが、ここでは
無視します。
なお、例によって、脱線しますが、
日本でも裁判官と弁護士・検察側が直接こういうやり取りができると
争いの実態を裁判官が実地に勉強でき、非常識な判断、誤判がなくなる
と思います。

ということで、調べてみました。
片親引き離し症候群という訳もこういうことに関心のある個人がブログ掲載に
あたって、翻訳命名したもののようです。
そもそものParental Alienation Syndromeについては、Wilipediaで
調べてみました。
1980年代にアメリカの精神科医のガードナーという人が作り出した用語だということです。

そして、アメリカ、カナダ、イギリスで、裁判で主張されたことがあるようですが、
今のところ正式な病名としては認められていないようです。
イギリスでは、控訴審の判決(認めない)があるようです。
アメリカでは2件、いずれもニューヨークの裁判所の例ですが、認められておらず、
特に1件については、控訴審の判決(認めない)もあるということでした。
ということで、Law&Orderのスピンオフ版LAでの裁判官の説示は、こういう流れが
あったのです。

ただ、そもそもPASの本籍は親権争いの場面です。
ここでは、父親に対する単独親権を認める理由としてPAS理論が使われて
いる例もあるということです。

離婚事件をみていると、子供が親に利用される、犠牲になるということは
良くあることです。意識していないことが多いようですが・・・

定義用語があると理解が早いので、日本でも、PAS理論が法廷に現れることも
そう遠くはないかもしれません。


九電のやらせメール騒動、責任があるのは佐賀県知事だ!

2011年10月23日 | 政治、経済、社会問題

九州電力の玄海電子力発電所の再稼働をめぐるいわゆる
「やらせメール」について、
九電の社長の辞任表明、その撤回。

及び佐賀県の古川知事の発言が発端かどうかの本人の発言や
第三者委員会の報告書、そして第三者委員長の発言など。

要は九電社長、古川佐賀県知事の発言がころころと変わっている
のが問題ですが、
何があったかは、わかっているはずです。

政治と業界との癒着、なれ合いの一例です。

今までは、なれ合いが表に出ないで終りましたが、
今はそういう時代ではありません。
特に、知事は、原発稼働に対する自らの所信を明らかにすべきです。

私は、この問題は九電社長というよりは、佐賀県知事の問題だと
考えています。
例によって、民間に責任転嫁をしようとしているだけです。
九電社長は知事にやらされているのですから、
はっきり言えばいいのです。
でも、いうとしっぺ返しが怖いので、知事の関わりを否定しているだけです。

古川知事さん、原発の再稼働についてどのようにお考えですか。
まず、それを明らかにしてください!!
知事は意味もなく、センシティブな政治問題について、発言することなど
ないわけですから、当然、その結果について、責任ある対応をすべきです。
もちろん、九電も原子力発電を再開したいのは事実でしょう。
しかし、知事はしないといえば、それで決まりです。
それでも九電でやらせメールをすれば責任の所在ははっきりしています。

これは知事の政治責任の問題です。


リビアのカダフィの死

2011年10月22日 | アラブの春

20日にとうとうカダフィが死亡しました。

死亡原因については各説が流れております。
さしあたり、各々がその経験に従って密かに判断するということでしょう。
私もいろんな情報を分析して、自分なりに考えています。

目をそむけたくなりますが、例によって、デイリー・メールが一番くわしいかな
と思います。
参考のために。ここをクリックしてください。

リビアのアラブの春が始まって8か月。
内戦になり、混乱が長期化するかと心配でしたが、最後はあっけなかった
ですね。
良い悪いは別にしてカダフィの死によって対立が終了したので、
改革派にとっては、今後の作業はやりやすくなったはずです。

もうひとつ、シリアとヨルダンに対する影響も見逃せません。
リビアの状況はこれらの国の民主化の動きを勢いづけるはずです。
今後の情勢について目を離すことができません。

ただ、エジプトを見てもわかるとおり、現政権が倒れたからといって
民主化がスムーズに進むわけではありません。

トルコのアタテュルクのような人物が出てこないと、なかなか民主的な
体制にスムーズに移ることは難しいと思います。
日本ですら民主党が政権を取りましたが、まだまだ未熟でよちよち歩きです。
そのため、原発事故を始め、国民は大きな犠牲を払わされています。
それが現状です。

ましてやです。

というものの、アラブ地域で独裁の時代が終わりを迎えつつあることは事実です。

新しい時代の幕開けです。

リビアの人たちとともに新時代の幕開けを祝いたいものです。