哲学的な何か、あと心の病とか

『人生とは何か、考えるほどにわからない。というのは実は正確ではない。わからないということが、わかるのである。』池田晶子

攻撃の心理

2014年07月25日 | 哲学・心の病
他人に対し、意図的に苦痛や危害を加えようとする行動を攻撃という。
暴力だけではなく、言葉による攻撃や、無視、仲間はずれなど、心理的な苦痛を与えることも含まれる。
攻撃には、多く怒りが伴う。
怒りの表現は、強い不満や屈辱を相手に伝えるコミュニケーション手段でもある。
また、攻撃行動をとりやすい人は、相手の行為に敵意を感じやすい傾向(敵意帰属バイアス)がある場合がある。

※加害者の意図をことさら悪意に解釈する傾向を敵意帰属バイアスと言う。 
例えば、 偶然他人の手が当たっても、相手が意図的に叩いたと解釈する場合を敵意帰属バイアスが高いと言う。


【攻撃行動を起こす3つのメカニズム】

1.攻撃本能の爆発
人は心に攻撃本能を持っている。
この本能の高まりと、怒りという感情を誘発する刺激があいまって攻撃へと至る。

2.欲求不満の発散
不快な出来事(目標の達成を妨害されたなど)から欲求不満が生じ、そのストレスから攻撃へ至る。
ただし、攻撃は欲求不満の対象に向かうとは限らず、攻撃しやすい相手に向けられることもある。
(例:上司の理不尽な対応にいらだち、自分の部下に怒るなど。)

3.目的を実現するための攻撃
・危害を回避するため(正当防衛)
・いうことをきかせるなど、他人を従わせるため
・罰を与えるため
・自己呈示の方法として
メンツを守る、男らしさを示す、勇敢であることを示すなどで、この場合には怒りなどのマイナス感情は伴わない。

※1と2の攻撃には、怒り、不満、敵意、あせり、嫉妬などのマイナス感情が伴う。


【攻撃の心は学習で身につく】

お菓子をねだるとき母親をたたいたら買ってくれた、という経験をした幼児は、次回も同じように母親を攻撃して要求を通そうとする。
また、これを見ていた別の子は「たたけば買ってもらえるのか」と思い、同じ行動をとるかもしれない。
このように、攻撃することで得をしたと実感したり、その状況を見聞きすることで学習し攻撃行動を身につける(モデリング)ことがある。
同時に、攻撃するのに適しているのはどんな人か、自分の攻撃がどんなときに許されるかなど、直接や間接の体験を通して学習していく。
暴力をふるう親を見て育つと、その子供も暴力的になるということがある。

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