哲学的な何か、あと心の病とか

『人生とは何か、考えるほどにわからない。というのは実は正確ではない。わからないということが、わかるのである。』池田晶子

リサ・ランドールの5次元時空

2013年10月19日 | 哲学・心の病
私がニコタで交流している人のなかに、物理学が苦手な方や5次元を信じている方もいるので、今回は5次元時空について数式を使わずに書いてみたい。


アルバート・アインシュタインは、空間である3次元に時間を加えた4次元時空を考えて重力を説明した。
これに対して、ドイツの数理物理学者テオドール・カルツァは、1919年、アインシュタインに手紙を書き、1次元を加えて5次元時空とすることを提案した。
というのは、このようにすれば、重力に加えて電磁力をも説明できると思ったからである。
アインシュタインはその考えはすばらしいと思ったものの、目に見えない次元なので、困惑したという。
次いで1926年になって、スウェーデンの数理物理学者オスカー・クラインは、第5の次元は存在し、それは3次元空間のミクロの各点に小さく丸め込まれていると述べた。

この二人の5次元時空の考え方は、1980年代に世に出た超ヒモ理論に取り入れられ、最近では少なくとも6次元が丸め込まれていなければならないとしている(カラビーヤウ多様体)。
超ひも理論では、すべての素粒子は、振動する小さなひもで、電磁力、強い力及び弱い力は、我々の4次元時空の上にその両端を付けてすべるように動く。
したがって、我々の身の回りの物質及び三つの力は、4次元時空から飛び出すことはない。
しかし、重力は輪ゴムのように両端を閉じているので、4次元時空には縛られずに、他の余剰次元に飛び出して行ってしまい、それだからこそ、重力は他の三つの力に比べて極端に小さいというのである。

その一方、超ひも理論とは異なる立場で第5の次元があると主張するのがリサ・ランドール教授であり、1999年に発表された。
それによると、第5の次元は小さく丸め込まれているのではなく、我々の住んでいる4次元時空を一枚の膜(ブレーン)とし、第5の次元はその外に広がり、その向こうには我々の4次元時空とは別の4次元時空があるという。
それはパラレル・ワールドである。


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