エメラルドの瑕疵

旧 『楽母の人見知り日記』です。 最近、ご朱印集めがマイブーム

天災は止められへん。けど、原発はとめられる(冊子より) ②

2011-04-18 20:29:27 | Weblog
▼どれくらいが危険なのか

一番気にかかるのは、いったいどのくらいまでのヒバクやったら安全かってことちゃう?

米科学アカデミーはヒバク量が「これより下なら安全という値はない」と発表したわね。つまり、すごく少なくても
     害はある。放射線量が上がれば上がるほど、ガン発病率は上がっていくというもの。同じ事を言っている日本の研究者
     もいるんよね。もし、これが本当だとしても、実際に使われている基準を見てみよか。

日本の法律では、1時間に0.6マイクロシーベルト(外部被曝と内部被曝の合計)を超えたら、そこを「管轄区域」に
      設定して、啓示をし、一般の場所と違う取り扱いをするってことになってるね。 無断立ち入り禁止区域。

あの核マークのついたところやね。 京大構内にあるのを見たな。1年やと約5ミリシーベルトや
     (1000マイクロシーベルト=1ミリシーベルト)。あと、日本も採用している防護基準は1年で1ミリシーベルト。
     ただ、これは健康な大人の基準であって、子供たちや胎児は10倍か、それ以上の影響を受けるんよね。それに、
     さっきもゆうてた内部ヒバクやったら、同じ放射線の量のヒバクでも、もっと危ないらしい。

慶応大学医学部の近藤誠さんによると、「死亡統計により国民死亡の30%ががんによる日本では、10ミリシーベルト
      を被ばくすれば、ガンの死亡率は30.3%、100ミリシーベルトの被ばくでは33%」としてたよ。100ミリシーベルト以下
      は安全だとする説は、ここ数年でほぼ間違いだとされているって。

0.3%って、大したことなさそうやけど、首都圏4000万人で考えると、12万人や~。これ死亡率やからね。3%となると
     120万人か。

人の命をどう考えるかによって、この数字の受け取り方も違ってくると思うけど、12万人も殺されたら、戦争
      みたいな数字とちゃう? しかも、ホンマは人それぞれの条件を持っていて、胎児・乳児・幼児などがより
      危ない。 免疫が弱ってる人も危ないんよね。

ロシアン・ルーレットみたいやけど、特定の人達だけ当たる確率が高いルーレットやね。そやのに、文科省は屋外
     での児童生徒の年間ヒバク許容量の基準を20ミリシーベルトにするとか言い始めてる。

TVで専門家という人が「低い放射線量なら健康にいい」とか言ってたけど、子供たちに向かっていえるんか?と
      思った。TVに出てくる学者のほとんどは、電力会社から研究費いっぱいもらっているからねぇ。

低い放射線量というのがこれまた問題で、米国の科学者が全米の原子炉から160キロ(1マイル)圏内と圏外で
     乳がんの発生率が大きく違うというのを発表したんよね。これ、事故じゃなくて通常運転の場合よ。
    (*ジェイ・M・グールドらによる『死にいたる虚構』(絶版)) 日本だと54基の原発から160キロの円を描くと
     沖縄と北海道の一部しか圏外にならなくて、ほとんどすっぽり圏内に入っちゃう。この研究結果が裁判所で
     採用され、広島と長崎の原爆症認定がやっと進んだ、入市ヒバクシャ(原爆投下後、被曝地に入った人)
     も認定されたんや。ヒバクから60年以上も経って・・・・。

そうそう、東京のスーパーで福島産の米だけが売れ残っていたって話を聞いたけど、「いつ収穫したんや!」
     って、ツッコミたい(笑)。それ位も考えられなくなってるんやね。 ただ、風評被害っていうけど、本当の
     ところ、福島産、茨城産の野菜が一律敬遠されるのは、安全なのかわからん、やっぱ放射能は怖いって多くの人が
     思っていることやと思うわ。農家の人達は本当に気の毒。ちゃんと補償してもらえるんかな?

ロシアン・ルーレットと似てるのは、原発から離れたところにも高濃度汚染された場所ができることやね。
      ホットスポットというんやけど。

放射能を多く含んだ雲が風で流されて、あるところで大雨となって、地形とかの関係で高濃度汚染地帯が
     生まれるってやつやね。チェルノブイリ取材をしたジャーナリストは、オーストリアのザルツブルグ近郊で、
     湖畔のベンチの板から放射能線探知機で高濃度汚染を発見している。
    (*広河隆一『チェルノブイリ報告』岩波新書)

チェルノブイリからオーストリア?! いったいどんだけの距離?

地図でざっと見た感じやと、500キロ以上やね。

絶句・・・・。今回は30キロ圏外にある福島県飯舘ムラとか浪江町とかがホットスポットに似た状態に
      なってるやん。 飯舘村は3月下旬に京大や広島大の研究者が土壌を数か所で測定して、土を5センチ掘った
      場所でセシウム137が約219万~59万ベクレル(1平方mあたり)検出されたと新聞に出てたよ。
      ちなみにチェルノブイリの事故の時の「強制移住」の基準は55万5千ベクレル。また、今後の変化を試算すると
      「3カ月後でも毎時21~7マイクロシーベルトの放射線が土壌から大気中に出ることがわかった。
      3ヶ月間、屋外にいたとして単純計算すると、放射線の積算量は、約95~30ミリシーベルトに上る」んやて。
      1年で1ミリシーベルトの防護基準をはるかに超えてんなぁ。

つづく

           


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2 コメント

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うーむ ()
2011-04-18 22:36:27
様々な数字が様々な意見と共に伝わっていて、正直判らなくなります。
だからこそ、原発はいらない!と云いたい。
そのまま置いておくだけで有害になる、そんな物質はこの世界に他にはないと思う。
どんなに非効率的だろうとコスト(どういう意味だ)がかかろうと、もっと安全で安心できるエネルギーを見つけていくべきですね。
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こんばんは (楽母)
2011-04-18 23:03:13
この冊子丸写し、しばらく続きます。私は声高に主張する気はないし、これが全てではないですが、判断は読んで下さった方に委ねます。 戦後、女達は愛する人を戦場に二度と送りたくないと誓ったとか。 それに倣って、私も愛する人達に負の財産を残したくない、そんな気分です。
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