再び筆を起こす

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方向音痴はつらいよ

2021-04-24 19:57:59 | 日記
 「ケメちゃん、私 なにしろ
ウソをつかれるのが なにより辛いの。
なんとか この気持ちを
お義父さんお義母さんに分かってもらいたいの。」
「きーちゃんの 気持ちも分かるけど、
 父はもう90歳になろうかと言う 年寄りだよ?
自分の歯は一本も無くて 総入れ歯。
耳は聞こえなくて 補聴器も効かない
骨伝導がダメなんだって。 障害者手帳を持ってるのよ?
 母は会う度に認知症が進んで行って
もう約束も出来ないよ?
 そんな人に分かって欲しいなんて
気持ちは分かるけど 無理だよ。」
「久郎さんは、会社で仕事が終わっても
真っ直ぐウチに帰ってくる事なんて無いよ?
買い物に行っちゃうんだよ?
ウチの中 押し入れを開けたり
物置を開けると、包も解いていない
買った物がゴロゴロ 出てくるんだよ?
そんな人 信じられる?
 なにしろ 口では勝てないでしょう?」
「弟に口で勝てる人はいないよ。」
「だから私 叩くの。」
「えっ?きーちゃん 自分の旦那さんを叩くの?」
「手で叩くと痛いから スリッパや物差しで叩くの。
そしたら お巡りさんを呼ぶのよ。そして
庭に出て大きな声で『助けてくれー!』って
叫ぶのよ。
 お巡りさんは
『とにかく奥さん暴力は止めましょう!』って、
コッチが被害者なのに 加害者扱いするのよ。
ヒドイよねぇ?」
「うーん。」
「もう あんな人信じられない。
まともな話が出来ないんだから。
 事の始まりは 階段の上で口論が 始まって
チョコット蹴っ飛ばしただけなのに
わざと 階段を転がり落ちて そのまま庭に
転がり出て 大声で叫んだのよ?
「……そうだったんだ………
私 何と言っていいか わからないよ…」

      ┐(´д`)┌ヤレヤレ

方向音痴はつらいよ

2021-04-23 22:23:41 | 日記
 「もしもし、ケメちゃん?」
「あら、きーちゃんお久しぶり。元気?」
「全然元気じゃない。」
「どうしたの?」
「ううん。ケメちゃんや 旦那さんは元気?
旦那さんは メマイですって?」
「メマイはヒドイらしくって、
仕事がひと区切りしたら早期退職するって。」
「それは大変ねぇ。私もメマイで入院したのよ。」
「それは知らなかった。もう良いの?」
「メマイは治らないよ。入院してメマイ体操
教えてもらったけれど、続けられないよ。」
「そうだよねぇ。」
「私ねぇ、もう 久郎さんがウソしかつかないし
つじつまが合わないから、聞けばダンマリ
嫌になっちゃって。」
「それは大変だねぇ。」
「スゴイ買い物なんだよ?」
「弟の買い物はスゴイのよ。」
「前から?」
「弟が独身の頃、スニーカーが流行ったことが
あったじゃない?」
「リーボック?」
「そうそう、それを まぁ 買ってきて、
とうとう 庭の物置一杯 買って、
ずーーーーっと ほっといて
さあ、履きましょうと、スニーカーを
出したら、ソールがボロボロで 履けなかったて。
ハハハダメにしたスニーカーは10や20じゃないからね?」
「ケメちゃん、笑い事じゃないよ?」
「ハハハ、笑い事じゃないけど
笑っちゃいけないね。
 だけど人はヒドイ事を言うよ?
華子が結婚したじゃない?その時は義母に
『大変だ!大変だ!華子ちゃん苦労するんだ!
ケメコさんが躾も教育もしなかったからだ!
笑われるのはケメコさんだ!』って言われたよ?
今度 同居した時は義母に
『義妹に謝りなさいよ!義妹の部屋を
空けてもらったでしょ!今 見てる前で
謝りなさい!』って言われたよ?
 だからきーちゃんも 久郎にウソを言われても
気にしちゃダメだよ。」
「それで、ケメちゃん義母さんの目の前で
義妹さんに謝ったの?」
「うん。義母の気が済むならと思って
『済みませんね。部屋を開けて頂きまして』って
言ったよ。」
「そしたら 何だって?
「そしたら、義妹に『スイマセンじゃないよ!
大変だったんだからね!』って怒鳴られたよ。
怒鳴るのが好きな人もいるんだよ。」
     
    ┐(´д`)┌ヤレヤレ

方向音痴はつらいよ

2021-04-22 19:27:38 | 日記
 「お義母さんは文句言わなかったの?」
「いやぁ、もう何もかも文句だよ。
亡くなった人を悪く言う人 初めて見たよ。
鷹乃羽荘を売ったお金も 自分は二分の一しか
もらえないものだから、怒ってたよ〜
義妹は義父のお葬式、ちゃんとしてやらなきゃ
ダメだって言ったんだって 義母は文句言うなら
金をだせって言ったんだって。」
「直葬って どうだった?」
「広い部屋に段ボール箱やらコピー機やら
色々な物が置いてある所の 片隅に
棺がポツンと置かれて、寂しい感じがしたよ。
お父さんとお母さんも 自分の希望を
言って置いた方が良いよ?
お義母さんは そういう話をしようものなら、
縁起でもない!って ものすごい剣幕。」
「あのねケメちゃん、この間 久郎が車で
連れて行ってくれたの。」
「弟が?どこに?」
「葬式の下見会。」
「そこで、気に入ったプランがあって
決めて来たの?」
「決めて来てはいないけれども、
ついでにドライブだってんで
昔住んでいた所や、疎開して行った所や
色々と懐かしい所を周ってくれて 嬉しかったよ。」
「もう、街並みは変わっちゃった?」
「変わったどころじゃない。
全くわからなくなっちゃったよ。」
「そうかぁ、淋しいねぇ。」
「その時に、お姉ちゃんが毎月
第3金曜日に来てくれているって 話たら
じゃあ、来月第3金曜日に来るって。」
(ヒェ~(泣)父母は私が弟を嫌っているのが
分からないのかな?怖ろしい…)
「あらそう、すごく久しぶりだから、変わったかなぁ…」
「ううん。全然変わらないよ。」

         ┐(´д`)┌ヤレヤレ

方向音痴はつらいよ

2021-04-21 20:22:35 | 日記
 「ワーイ。こんにちは
1ヶ月ぶりのご無沙汰です。
アレマ、お母さん玄関までお出迎え ありがとう。
私の椅子も出してくれたんだ、ありがとうね。
元気だった?」
「元気 元気。」
「ケメちゃん、いらっしゃい。
みなさんは元気?」
「お義父さんが亡くなったのよ。」
「私達 お葬式 呼ばれなかったねぇ?」
「うん、お義母さんに内々でやるから
お知らせしないでって、言われたんだ。」
「あらそうなの…」
「その後、鷹乃羽荘も売れて、
お義父さんの財産分与、大変だったの。
 兄弟で争わないで、法律道理
母は二分の一。子供は二分の一を三等分。で…
「誰かごねたの?」
「鷹乃羽荘を売った時にお世話になった
司法書士さんが立ち会ってくれたんだけど、
もちろん私は、義母に席を外してって言われるし、
義妹は義母の面倒を見たのは私なんだから!って…」
「おかしいんじゃない?
お義母さんは まだ生きているじゃない?
お義母さんの面倒が掛かるのはこれからでしょう?
お義父さんの遺産でしょ?」
「そうなのよ。でも義妹がゴネてさ。
ウチの旦那さんにも、実家の土地を買ったのは
ズルいって言って。なんでも義妹が調べた
路線価の三分の一の値段で土地を買った!って。
だから旦那さんが 実家の土地は義母が
買ってくれって 言ったから買っただけで、
義妹が買うって言うんなら 売るよ?って」
「ハハハ そりゃぁいいや。」
「結局 義兄が折れて、オレ0で良い って言って
かわいそうに、無職で、学生の子供がいる
一番お金が必要な人に、お金が行かなかったんだよ。
スゴイ話だよね。」

       ┐(´д`)┌ヤレヤレ

方向音痴はつらいよ

2021-04-20 19:30:27 | 日記
 義父は亡くなった。
義父がお世話になった施設の人に
タウンページを借りて、直葬を
してくれる葬儀会社を選んだ。
ドライアイスが一番金が掛かるんだ、と
担当の人に 遠くてもかまわないから
空いている火葬場を探してもらった。
 数日後、義父はウチに帰ることなく
直葬が執り行われた。
 集まったのは義母の弟の奥さん、義母、子供3人、
その伴侶3人、孫四人、その伴侶2人、ひ孫2人。
 広い倉庫のような部屋の片隅に、祭壇もなく 
花も無く、置かれた棺は 寂しそうに思えた。
 火葬場では太郎のお嫁さんがお菓子を持って来てくれて
本当にたすかった。
 義父はお坊さんも呼ばれず、読経もなく、
戒名ももらわなかった。
 
 火葬場からウチにみんなで帰ってきた。
途中スーパーに寄って みんなのお寿司やらを
買って帰ってきた。
「お疲れさまでした。
さあ みんなで精進落し、お寿司を食べましょう。」
「近頃はスーパーも勉強してるから
お寿司も美味しいよ。」
「そうそう このトロも旨い。」
「イクラも甘海老もいけるよ。」
(…だれにも 気付かれませんように…)
「結構おなかいっぱいになりました。」
「美味しかったわねぇ。」
「あれ?ケメコさん!お寿司が無かった?」
「(アチャー)…大丈夫です。
カンピョウ巻を頂きましたから。」
「あれ?どうしてかしら?
私、数を間違えた?1・2・3・4・5・
6・7・8・9・10…
「ハハハ カンピョウ巻頂いたので大丈夫です。」
「ごめんなさい。私 数を間違えたわ。
ごめんなさいねぇ。」
「私 カンピョウ巻を美味しく頂きましたから
大丈夫です。ハハハハ」

       ┐(´д`)┌ヤレヤレ