仏典、聖書、ジョージ・アダムスキー氏により伝えられた宇宙精神文明(空=言葉=天の父=宇宙の英知=真如=法・ダルマ=灯明)

ワクチン薬害、祈りの科学的研究、人体構成分子によるオーソモレキュラー医学、医学の大罪、太陽系惑星文明の科学的証拠

中国で開発されている新型コロナワクチンも抗体依存性感染増強ADEを起こす結合抗体ができることが確認された

2020年08月11日 20時01分05秒 | ビル・ゲイツ/コロナ/WHO

資料

(1)招待客限定のTED2010会議  ビル・ゲイツの講演 PEOPLE: 人を減らしCO2を減らす

「何よりも人口が先だ。現在、世界の人口は68億人である。これから90億まで増えようとしている。そんな今、我々が新しいワクチン、医療、生殖に関する衛生サービスに真剣に取り組めば、およそ10~15%は減らすことができるだろう。」

TED2010, 動画4分30秒から http://www.ted.com/talks/bill_gates

ブログ記事

改訂最新: ビル・ゲイツ「ワクチンは人口削減が目的」と語る: 新型コロナ, ワクチンなどに関する基礎知識」を参照。

 

(2)ビル・ゲイツ TED 2015

「もし次の疫病大流行(アウトブレイク)が来たら?私たちの準備はまだ出来ていない」

1000万人以上の人が亡くなるような災害があるとすれば、核戦争ではなくウイルス

https://www.ted.com/talks/bill_gates_the_next_outbreak_we_re_not_ready?language=ja

 

(3)Event 201 Pandemic Exercise: Highlights Reel

https://www.youtube.com/watch?v=AoLw-Q8X174

2019年10月18日イベント201:コロナの大流行のシミュレーション

 

The Johns Hopkins Center for Health Security in partnership with the World Economic Forum and the Bill and Melinda Gates Foundation hosted Event 201, a high-level pandemic exercise on October 18, 2019, in New York, NY.

https://www.centerforhealthsecurity.org/event201/

 

ニューヨーク--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- ジョンズ・ホプキンス健康安全保障センターは、世界経済フォーラムおよびビル&メリンダ・ゲイツ財団と共に、2019年10月18日(金曜)にニューヨーク市で開催される世界的広域流行病マルチメディアシミュレーションの「イベント201」を主催します。

https://www.businesswire.com/news/home/20191019005036/ja/

 

ブログ記事

改訂最新: ビル・ゲイツ「ワクチンは人口削減が目的」と語る: 新型コロナ, ワクチンなどに関する基礎知識

Global Researchコロナウイルス、ワクチンおよびゲイツ財団

我々はWHOを信頼できるか? (WHOはビル・ゲイツとその手下が支配し腐敗している)

ゲイツとWHOはワクチン殺人マニア: ロバート・F. ケネディー・ジュニア氏の記事

を参照。 

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中国で開発されている新型コロナワクチンも抗体依存性感染増強ADEを起こす結合抗体ができることが確認された

 

中国で開発されている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の、遺伝子組み換えアデノウイルス5型(Ad5)ベクター化ワクチン

中国・江蘇省疾病管理予防センターのFeng-Cai Zhu氏らが行った第II相無作為化二重盲検プラセボ対照試験

Lancet誌オンライン版2020年7月20日号掲載

 

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)31605-6/fulltext

Lancet

Immunogenicity and safety of a recombinant adenovirus type-5-vectored COVID-19 vaccine in healthy adults aged 18 years or older: a randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 2 trial

18歳以上の健常成人における組換えアデノウイルス5型ベクターCOVID-19ワクチンの免疫原性と安全性:無作為化二重盲検プラセボ対照第2相試験

Feng-Cai Zhu, MSc、Prof Xu-Hua Guan, PhD、Prof Yu-Hua Li, PhD、Prof Jian-Ying Huang, MD、Prof Tao Jiang, PhD、Prof Li-Hua Hou, PhD et al.

Published:July 20, 2020DOI:https://doi.org/10.1016/S0140-6736(20)31605-6

 

 

論文の「Binding antibody結合抗体」に関する部分の記載

The vaccine induced seroconversion of the neutralising antibodies in 59% and 47% of participants, and seroconversion of binding antibody in 96% and 97% of participants, in the 1 × 1011 and 5 ×1010 viral particles dose groups, respectively.

ワクチンは、参加者の59%および47%で中和抗体のセロコンバージョンを誘導し、参加者の96%および97%で結合抗体のセロコンバージョンを1×1011および5×1010ウイルス粒子投与群でそれぞれ誘発しました。

 

ブログ著者の意見

モデルナmRNA-1273ワクチンに続いて、中国で開発されている遺伝子組み換えアデノウイルス5型(Ad5)ベクター化ワクチンでも、抗体依存性感染増強ADEを起こす結合抗体ができることが確認されました。

 

ワクチン開発では、DNA, mRNA, 遺伝子組み換えアデノウイルス5型(Ad5)ベクター化ワクチンなど、様々な方法でワクチン開発が進んでいますが、いずれの方法でも、DNA---RNA---タンパク質(抗体)というプロセスの全てまたは一部が使われており、コロナウイルスの場合には、抗体依存性感染増強ADEを起こす結合抗体ができることは避けられないと思われます。

 

今、全世界は、ADEの確認を行う動物実験を無視してコロナワクチン開発を強行しており、これは安全性を完全に無視した、悪魔的な狂気です。

新型コロナの感染者と死者数を大幅に水増しして、全世界を騙して恐怖をマスコミや政府を利用して煽り立てる悪魔の所業は、とどまることを知りません。

このままでは、全世界が嘘で騙されて、非常に多くの人がコロナワクチンを打ち、恐ろしい副作用や大量虐殺ジェノサイドに苦しむことになり、世界は地獄を見ることになります。

 

私は、絶対にコロナワクチンは打ちません。

こんな代物よりは、アスコルビン酸(ビタミンC)の方が、はるかに安全で効果的です。

 

皆さんは、どうされますか?

 

 

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コロナワクチン開発の安全性を無視した異常な状況と、予測される抗体依存性感染増強ADE

 

コロナワクチンの危険性に関しては、次のブログ記事を参照

NEJM モデルナmRNA-1273ワクチン臨床試験: 抗体依存性感染増強ADEを起こす結合抗体の誘導

 

ロバートF.ケネディJr.: コロナワクチンとその他のワクチンの危険性、超国家組織の隠された意図(コロナを悪用した支配)を警告

ロバートF.ケネディ・Jr: ファウチ・NIH・モデルナ: ワクチン腐敗、安全性の偽装

モデルナのワクチンは3本針 電極で遺伝物質を細胞内に入れる遺伝子療法、前代未聞の代物

2020/05/26追加 モデルナのmRNAワクチン: 結合抗体がADEを起こす超危険なワクチン

新型コロナ超限戦: F.ウィリアム イングドール コロナウイルスワクチンに対するワープスピードのごり押し

新型コロナ超限戦: アメリカ軍事ワクチン強制か? Operation Warp Speed (ワープスピード作戦)

No.1ロバートFケネディJr 新型コロナとワクチンの最新情報1

No.2ロバートFケネディJr 新型コロナとワクチンの最新情報2

「新型コロナ超限戦」アメリカは「抗体依存性感染増強ADE」を無視してコロナワクチン開発を強行: ジェノサイドは必至

新型コロナ『超限戦』mRNAワクチンの副作用: 抗体依存性感染増強ADEによる死亡リスク増強

 

 

NHK・朝日がコロナワクチンの抗体依存性感染増強ADEを報道』を以下に再録

 

金融権力の飼い犬の日本政府による大本営発表を垂れ流す放送局NHKが、6月30日になって初めて抗体依存性感染増強ADEの報道を始めました。これは、遅すぎる報道です。

7月1日に検索したところ、2件がヒットしました。朝日新聞の6月16日の報道も末尾に添付しておきます。

 

(1)過去のADEの実績も1つのニュースで要約されています

 

新型コロナウイルスの遺伝情報でワクチンの開発 長崎大学

NHKニュース2020年6月30日

 

「実際に、SARSやMERSといった過去のコロナウイルスのワクチン開発の過程では、動物実験でワクチンを接種すると、症状が悪化したケースがあったということです。

また、1960年代に行われた乳幼児に肺炎などを引き起こすRSウイルスのワクチンの臨床試験では、有効な抗体が作られなかっただけでなく、ワクチンを接種した後にRSウイルスに感染した際にかえって悪化し、死に至るケースもあったということです。

さらに、フランスの製薬企業が開発したデング熱のワクチンは、フィリピンで接種後にウイルスに感染した子どもが死亡したケースが報告されて接種が中止され、ADEが起きた可能性が指摘されています。」

 

(2)コロナワクチン開発の安全性を無視した異常な状況が述べられています。

 

国内初 ワクチンの臨床試験開始 大阪のベンチャー 新型コロナ

NHKニュース 2020年6月30日

 

東京大学医科学研究所の石井健教授

通常、感染症のワクチンを開発する場合、感染症を防御できることを動物を使った実験で確認しなければいけないが、各国が同意して、動物の実験なしで人での臨床試験が始まっている。3つの段階の臨床試験も、1つが終わってから次に取りかかるのではなく、同時に進めることで早く開発しようと世界中が努力している」

 

*ブログ著者コメント

『各国が同意して、動物の実験なしで人での臨床試験が始まっている』という現実は、本来必要なワクチンの動物実験による効果と安全性の確認を無視したものであり、これは非常に危険な方法です。

通常は、動物実験で結合抗体とADEの発生の有無を確認するのが当たり前です。

この方法ならば、たとえ動物実験によるADEが起きても、死ぬのは動物だけであり、人の健康や命に問題は出ません。

 

これをやらずに、いきなり人に投与するのは、ナチスドイツによる人体実験を裁いた、ニュルンベルグ綱領に違反する犯罪行為です。こんなものは、到底受け入れられないものです。今のコロナワクチン開発は、ナチスと同じことをやっているのです。

 

ニュルンベルク綱領 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%AB%E3%83%B3%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%AF%E7%B6%B1%E9%A0%98

 

全世界でこのようなナチス的な蛮行が行われているのは、世界を支配している金融権力の命令により各国政府と衛生当局がでっち上げた新型コロナの死亡者数を背景に、金融権力が全世界に命令を出して、ADEを無視・軽視するワクチン開発を強行していることが原因です。

金融権力の頂点にいる者」参照。

 

WHO, FDA,CDC, EUのEMA, 日本の厚労省などの衛生当局、Lancet, JAMA, NEJM, BMJのような世界の4大医学雑誌やNatureのような世界的な権威のある科学雑誌などが、このコロナワクチンは安全だ、ADEはないことが証明された、安心して打ちなさい、と言ったり、論文や文書に書いたりしても、絶対に信用してはいけません。

 

これらの関係者は全て、金融権力に支配され、その命令を実行している工作部隊です。

金融権力に支配された科学者や医師や国や行政当局は、どんな嘘でもつきますし、どんな捏造でもやります。

金融権力の奴等の言うことを信じれば、コロナワクチンによる死、重篤な害反応による永続する苦しみが待っているだけです。

 

5年か10年後に、コロナワクチンの疫学調査が報告されて、死亡リスクが数倍から数十倍だったという恐ろしい事実が学術文献で報告されるでしょうが、それが一般向けのマスコミで報道される可能性は低いと思います。

つまり、真相はマスコミ報道されずに闇に葬られるのです。

 

カナダのGlobal Researchの報道によると、アメリカ・モデルナのmRNAワクチンは、結合抗体が50%以上の人に生成しますから、ADEは現実のものになると推定されます。

この事実は、日本のマスコミは報道していません。

モデルナのワクチンに関しては、日本のバイオテクノロジーの専門誌である日経バイオテク2020.6.1号のp.14-15に「米Moderna社、新型コロナワクチンの第1相の中間解析のデータ詳細、2つの群の最初の8例で中和抗体の誘導を確認」という記事が掲載されました。

しかし、この記事には次の事実(2)は全く書かれていません。また、(1)については、書かれていますが「グレード3以上の有害事象は、・・・群の3例で2回目の接種後に認められた全身症状だけで、いずれも一時的なものだった」というように、問題ないように誤認させる誤った記載がされています。

恐ろしい真実を隠して、コロナワクチンの開発は進められているのです。

 

参考ブログ記事

2020/05/26追加 モデルナのmRNAワクチン: 結合抗体がADEを起こす超危険なワクチン

 

(1)高用量群(250 mcg)の15人の人間のモルモットのうち3人は、モデルナのワクチン接種を受けてから43日以内に「深刻な有害事象」を経験した。モデルナは、3人のボランティアがFDAによって「日常の活動の防止と医療介入の必要性」と定義されているグレード3の全身性イベントを発症したことを認めた。その反応率を持つワクチンは、「地球上のすべての人」に投与された場合、15億人に重傷を負わせる可能性があります。

 

(2)モデルナの「安全で強力な免疫応答を誘発した」という発表とは異なり、フェイズIの45人の半分以上にできたのは、コロナウイルスの再感染時に「抗体依存性感染増強(Antibody Dependent Enhancement:ADE)」を起こして死亡率を増加させる結合抗体であり、ウイルスを中和する中和抗体ではありません。また、モデルナは、ウイルスとの闘いに不可欠なT細胞の活動を報告していません。

 

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国内初 ワクチンの臨床試験開始 大阪のベンチャー 新型コロナ

NHKニュース 2020年6月30日 21時57分

 

新型コロナウイルスのワクチンを人に投与して、安全性や有効性を確かめる臨床試験を、大阪 茨木市にあるバイオベンチャー企業が30日、開始したと発表しました。新型コロナウイルスのワクチンの臨床試験が国内で始まるのは初めてです。

 

臨床試験を開始したと発表したのは、大阪大学の研究者が設立したバイオベンチャー企業「アンジェス」です。

発表によりますと、臨床試験では「DNAワクチン」と呼ばれるタイプのワクチンを、健康な成人30人に、大阪市立大学医学部附属病院で投与する計画です。

このワクチンは、ウイルスそのものは使わずに、ウイルスの表面にあって細胞に感染する際の足がかりとなる「スパイクたんぱく質」の遺伝子を使います。

その遺伝子を組み込んだ物質を人に注射することで、体内にスパイクたんぱく質が現れ、それに応じて免疫の仕組みで感染を防ぐ抗体ができるとされています。

投与は2週間あけて2回行い、投与量が少ない15人と、多い15人を比べて、安全性や感染を防ぐ抗体が作られるかどうかを確認するということです。

会社側によりますと、DNAワクチンを作るのに必要な物質は、大腸菌に組み込んでタンクで培養することで、短時間で大量に増やせるということで、素早いワクチン製造が可能だとしています。

新型コロナウイルスのワクチンの臨床試験は、アメリカや中国などですでに始まっていますが、国内では初めてで、この会社の関係者は、ことし秋には次の段階の臨床試験に進みたいとしています。

 

専門家「臨床試験開始はゴールではなく始まり」

ワクチン開発に詳しい東京大学医科学研究所の石井健教授は、新型コロナウイルスのワクチンの臨床試験が国内で初めて、大阪で始まることについて「臨床試験が始まったことはゴールではなくて始まりと言える。プロトタイプ(=原型)を人に投与して、安全性はもちろんのこと、効くのか効かないのかを最終的に見極める実験が始まった段階だ。臨床試験で最も重要なのは安全性をとことん見極めることだ」と話し、期待が先行することに警鐘を鳴らしました。

 

また、DNAワクチンは、これまでに実用化されたことがない新しい技術だとしたうえで「安全性の危惧が指摘されたこともあったが、動物用の医薬品としては承認され、いまはワクチン自体の安全性は問題ないとされている。ただ、本当に感染を防御できるだけの免疫を誘導できるのかや、何千万人もの人に投与する大量生産ができるのかが、これから問題になる」と指摘しました。

 

一般的には長い年月かかるワクチン開発

ワクチン開発に詳しい東京大学医科学研究所の石井健教授によりますと、ワクチンの開発には一般的に10年単位の長い年月がかかるということです。

基礎研究を何年も続けたうえで、非臨床試験という細胞を使った試験管レベルでの実験や動物を使った実験を積み重ねて、人に接種するワクチンを作ります。

続いて実際に人に投与して安全性や有効性を確かめる臨床試験を3段階で行うことが世界的な基準となっています。

 

臨床試験は、

▽数十人程度の少人数に接種して主に安全性を確かめる第1段階

▽数百人に接種して有効性を詳しく確かめる第2段階

▽数千人の規模で接種して、さらに検証する第3段階

の順で行われ、3つの段階で安全性と有効性を確認したうえで、国による審査で承認されたものが製品化されます。

 

一連の研究、開発で早くても5年、長いものでは20年から25年かかるほか、動物実験の段階で効果があるとされても、その後の臨床試験で人への有効性や安全性が十分ではないと判断され、開発が中止になるケースもあり、数多くの研究の中から実用化にこぎ着けるのはわずかだとされています。

新型コロナウイルスのワクチン開発は、異例のスピードで進んでおり、石井教授は「通常、感染症のワクチンを開発する場合、感染症を防御できることを動物を使った実験で確認しなければいけないが、各国が同意して、動物の実験なしで人での臨床試験が始まっている。3つの段階の臨床試験も、1つが終わってから次に取りかかるのではなく、同時に進めることで早く開発しようと世界中が努力している」と話しています。

 

ワクチン開発で重要なのは安全性と有効性の確認

ワクチンは毒性を無くしたウイルスや、ウイルスに似せた無害な物質を体に投与することで免疫に「抗体」を作らせ、病原体の形を体に覚えさせて、その後の感染を防ぎます。

ワクチンの開発を進めるうえで最も重要なのは、ワクチンの安全性と有効性の確認です。

 

安全性で懸念されることの一つが、ADE=抗体依存性感染増強という現象です。

抗体は、本来であればウイルスから体を守るものですが、ADEは、ワクチンの接種後、ウイルスに感染したとき、かえって感染を促進して症状を悪化させる現象です。

なぜ、この現象が起きるのか詳しい仕組みは、まだ解明されていません。

実際に、SARSやMERSといった過去のコロナウイルスのワクチン開発の過程では、動物実験でかえって症状が悪化したケースがあったということで、安全性を慎重に確かめることが求められます。

 

また、ワクチンの有効性を確かめるうえでは、どのような種類の抗体が作られるのかも重要です。

免疫機能が働いて抗体が作られても、すべての抗体が新たな感染を防ぐわけではありません。

さまざまな種類がある抗体のうち、中和抗体と呼ばれるものでなければ感染を防ぐことができません。

作られた抗体が中和抗体かどうかは、この抗体を加えた細胞にウイルスを感染させる実験を行って確認するほか、動物を使った実験で確認することもあります。

一般的には、これらの実験が行われたあとで、人に投与する臨床試験が進められます。

 

 

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新型コロナウイルスの遺伝情報でワクチンの開発 長崎大学

NHKニュース2020年6月30日

 

新型コロナウイルスのワクチン開発が世界中で進められる中、感染症研究の歴史が長い長崎大学では、ウイルスの遺伝情報を使った独自のワクチンの開発に取り組んでいます。

新型コロナウイルスのワクチン開発をめぐっては、世界中で数多くの研究が進められていて、一部では実用化に向けた臨床試験も始まっています。

こうした中、感染症研究で知られる長崎大学も独自のワクチン開発に取り組んでいます。

開発中のワクチンは、新型コロナウイルスの遺伝情報を含むRNAを人工的に合成し、これをヒトの体内に送り込んで免疫を作らせるもので、ウイルスそのものを培養して材料にするワクチンとは違い、短期間で製造することが可能だとされます。

さらに長崎大学では、このワクチンを注射ではなく、極めて小さな微粒子にして口から吸い込むことで、肺の粘膜に効率よく送り届ける技術の開発を進めていて、副作用の少ない、より安全なワクチンを目指しています。

開発チームでは年内にも、マウスを使ってワクチンの性能を確かめる実験を行う予定です。

長崎大学大学院の佐々木均教授は「RNAを使ったワクチンが完成すれば、非常に迅速に製造することが可能になる。また、吸入式にすれば、医療体制が整っていない発展途上国などでも利用しやすいワクチンになるので、長崎大学が世界の新型コロナウイルス対策に貢献できるよう、開発を進めていきたい」と話しています。

 

世界のワクチン開発状況

WHO=世界保健機関によりますと、今月29日の時点で新型コロナウイルスのワクチンは、世界中で合わせて150近い開発計画が進められていて、このうち17のワクチンについては実際に人に接種して安全性や有効性を確かめる臨床試験が始まり、1つは多くの人で確かめる最終の第3段階に入っています。

 

最も進んでいるのはオックスフォード大学と、イギリスに本社がある製薬大手「アストラゼネカ」が開発を進めているワクチンです。

このワクチンは遺伝子技術を使って、新型コロナウイルスの一部を大量に作るもので、すでに臨床試験の第2段階までを終え、これまでに18歳から55歳までの、およそ1000人に接種しています。

 

このワクチンは今月、患者が多く出ているブラジルなどで、多くの人に投与する最終の第3段階に入りました。

また、中国の国営メディアは中国国内では、3つのワクチンが第2段階を終えたと伝えていて、今後、最終の第3段階に入るものとみられています。

このほか、アメリカの製薬企業「モデルナ」は、NIH=国立衛生研究所とともに開発を進めている、人工的に合成した遺伝子を使うワクチンについて来月には最終段階に進み、3万人に投与して安全性と有効性を確かめる計画を発表しています。

日本でもワクチンの供給について、アストラゼネカと協議を始めていますが、ワクチンが世界中に提供されるまでには時間がかり、各国の争奪戦になる懸念があります。

このため、WHOは発展途上国にも公平に分配するため、加盟国に資金提供を呼びかけています。

 

遺伝子ワクチンとは

ワクチンは、ウイルスの一部などを体内に入れることで、ウイルスを排除する抗体と呼ばれる、たんぱく質を作りだす免疫の働きを促すもので、事前に接種しておくことで感染や重症化を防ぎます。

これまでは毒性を弱めたり、無くしたりしたウイルスやその一部が使われてきましたが、ニワトリの卵や動物の細胞などを使って培養する必要があり、実際に培養できるかや、抗体ができるのを促す能力があるか、調べるのに時間がかかり、ワクチンが実用化されるまでに数年から10年程度の時間がかかるとされてきました。

 

新型コロナウイルスの感染拡大が世界中で止まらない中、こうした課題を解決できるのではないかと期待されているのが、より早いスピードでの開発が可能とされる新しいタイプのワクチン、「遺伝子ワクチン」です。

遺伝子ワクチンは、ウイルスの遺伝子の一部を人工的に作りだして接種することで、体内で抗体を作るよう促す、「抗原」と呼ばれるたんぱく質を作り出します。

抗原ができると、免疫の仕組みが反応し、ウイルスなどを排除する働きを持つ抗体が作られ、感染や重症化を防ぐことができると考えられています。

ウイルスそのものを使う必要がなく、遺伝子の情報が分かっていれば、そのウイルスの遺伝子の一部を人工的に合成して作って、増やすことができるため、従来の方法より早く開発できるとされ、新型コロナウイルスのワクチンで開発が先行しているものの多くは、このタイプのワクチンです。

 

ただ、遺伝子ワクチンはこれまでに実用化されたものはなく、遺伝子が人の遺伝子に組み込まれて予期せぬ影響が出ないかや、接種した際に、実際にウイルスを排除するのに有効な抗体を作り出すことができるかどうかわからないという課題もあり、確認する作業が世界中で進められています。

SARSでは実用化に至らず

ワクチンの研究開発は、新型コロナウイルスと同じコロナウイルスの一種による感染症で、2003年に中国やアジア各地を中心に感染が拡大したSARSでも進められましたが、実用化には至りませんでした。

 

SARSは最初の患者が確認されてから8か月後にはWHOが終息を宣言し、その後広がりませんでした。

このため、ワクチン開発は感染が拡大していた時期に、間に合わなかったのです。

日本国内でも長崎大学や東京都医学総合研究所を中心に研究開発が行われ、動物実験では一定の効果が確認されましたが、動物実験用のワクチンの作成までに1年ほどかかり、実際にヒトに接種して、安全性や有効性を確かめる臨床試験には至りませんでした。

 

ADEとは

新型コロナウイルスのワクチン開発への期待が高まるなか、安全性の観点から懸念されているのが、ADE=抗体依存性感染増強という現象です。

ADEは、ワクチンによって作られた抗体がウイルスと結び付いたときに無害化できず、かえって感染や増殖を促すなどして、症状を悪化させてしまう現象で、新型コロナウイルスのワクチンでも同様の現象が起きるおそれがあるのではないかと懸念されています。

ワクチンを接種することで不十分な抗体ができ、本来はウイルスなどを攻撃して分解する免疫細胞の一種、「マクロファージ」にウイルスが感染してしまうことで増殖につながると考えられています。

実際に、SARSやMERSといった過去のコロナウイルスのワクチン開発の過程では、動物実験でワクチンを接種すると、症状が悪化したケースがあったということです。

また、1960年代に行われた乳幼児に肺炎などを引き起こすRSウイルスのワクチンの臨床試験では、有効な抗体が作られなかっただけでなく、ワクチンを接種した後にRSウイルスに感染した際にかえって悪化し、死に至るケースもあったということです。

さらに、フランスの製薬企業が開発したデング熱のワクチンは、フィリピンで接種後にウイルスに感染した子どもが死亡したケースが報告されて接種が中止され、ADEが起きた可能性が指摘されています。

このため、新型コロナウイルスのワクチンでも、ADEが起きないか、慎重に確かめることが求められています。

 

ワクチンに詳しい東京都医学総合研究所の小原道法特任研究員は「ワクチンを接種した当初は強い抗体ができても次第に弱くなり、中途半端な抗体がかえって悪化させることがある。抗体ができれば良いのではなく、強い抗体が長続きすることが重要だ。ワクチン開発においては有効性とともに安全性を慎重に見極める必要がある」と話しています。

 

 

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https://digital.asahi.com/articles/DA3S14513973.html?pn=3

 

(新型コロナ)ワクチン開発、今どんな状況? ウイルス使わないタイプに期待

朝日新聞2020年6月16日 5時00分

 

 新型コロナウイルスの感染や重症化を「免疫」の働きで防ぐため、世界各国でさまざまなワクチンの開発が進んでいる。どのようなワクチンが研究されているのか。実用化が待ち望まれているのに、時間がかかるのはなぜなのか。

 

 世界保健機関(WHO)によると、新型コロナウイルスのワクチンは130種類を超す研究が進み、すでに10種類がヒトで安全性や効果を調べる臨床研究の段階に入っている。

 たとえば、ウイルスの毒性を弱めて体内に入れる「生ワクチン」や、感染性をなくしたウイルスやその一部を使う「不活化ワクチン」がある。生ワクチンは麻疹(はしか)など、不活化ワクチンはインフルエンザなどで実績があるワクチンだ。

 ただ、こうした従来型ワクチンには課題もある。ウイルスそのものをワクチンの材料に使うため、ウイルスを培養して増やすのに長い時間がかかり、感染を防ぐため厳重に管理された設備も必要だ。

 そこで、開発時間やコストを抑えられると期待されるのが、ウイルスそのものを材料に使わないタイプのワクチンだ。

 遺伝子操作技術を使ってウイルスのたんぱく質を作り、ワクチンの材料に使う「遺伝子組み換えたんぱくワクチン」や、ウイルスの外見そっくりな「VLPワクチン」がある。

 さらに新しいタイプのワクチンとして「遺伝子ワクチン」が開発されている。ウイルスの遺伝情報の一部だけを体内に入れることで、免疫反応を起こす。

 遺伝子ワクチンは、日本では製薬企業アンジェスと大阪大学が動物実験を進めている。米バイオ企業のモデルナ社は、開発中の遺伝子ワクチンについて7月にも3万人規模の最終臨床試験を始めると発表した。

 ワクチンに混ぜる「アジュバント(免疫補助剤)」という成分も注目される。アジュバントには免疫反応を強めたり、複雑な免疫反応を調整したりする働きがある。東京大医科学研究所の石井健教授は「アジュバントなど成分の組み合わせで、ワクチンの効果は大きく変わる」と話す。アジュバント研究はワクチン開発に欠かせないという。

 米国は、ワクチン開発を加速させるため、「ワープ・スピード作戦」と名付けた計画に約1兆700億円をつぎこむ。きわめて異例だが、開発が成功するかわからないうちに、大量生産の準備を始める。「年末までに1億回分のワクチンを用意したい」とアンソニー・ファウチ米国立アレルギー感染症研究所長は、米医師会雑誌のインタビューで述べている。

 ワクチンを開発した国は、自国で優先的に使うと予想され、各国が取り組みを加速させている。日本も2020年度補正予算にワクチン開発や生産ライン整備支援なども含め約2千億円を盛り込んだ。

 

 ■重症化の恐れある「ADE」、課題

 新たなワクチン開発には通常10年かかるとも言われる。安全性を慎重に確認する必要があるためで、その中でも研究者が心配する大きな課題が「ADE(抗体依存性感染増強)」だ。

 通常、ワクチンを接種すると、体内にウイルスを無力化する「抗体」ができ、発病や重症化を防ぐ。

 だが、長崎大のモイ・メンリン教授によると、抗体がウイルスを無力化できないと、抗体がウイルスと免疫細胞をつなぐ架け橋のようになり、ウイルスが免疫細胞に入って増え、感染を強めることがある。これがADEだ。

 蚊が運ぶデングウイルスがひきおこす「デング熱」のワクチンとADEの関係が疑われたことがある。フランスの製薬大手サノフィがデング熱ワクチンを開発。フィリピン政府が接種を大規模に進めたが、2017年に中止した。

 中止されたのは、それまでデングウイルスに感染したことがない人が、ワクチン接種後に感染すると、重症化リスクがあると報告されたからだ。ワクチン後の重症化の原因はADEの可能性がある。

 コロナウイルスには様々な種類があり、ADEと関係するウイルスもある。北里大の高野友美准教授によると、ネコに感染するコロナウイルスでADEが起こることが知られている。

 パンデミック(世界的大流行)となった新型コロナウイルスがADEをひきおこすかどうかは、まだわかっていない。ただ、中国で開発された新型コロナウイルスの不活化ワクチンでは、サルの実験でADEはなかったと報告された。

 長崎大のモイ教授は、ワクチンとADEについて「慎重に安全性を検証していく必要がある」と指摘している。

 

(引用終わり)

 

 

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日経バイオテク、日経サイエンスの記事


https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/eye/202004/565158.html

新型コロナのワクチン開発、専門家が気にする“ある副作用”

2020/04/16

久保田 文=日経バイオテク

 

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染拡大が止まらない。感染を制御できた地域でも、再度の感染拡大を懸念して、すぐに元通りの生活には戻れそうもない。こうした状況で期待されているのが、感染を予防したり、重症化を防いだりする新型コロナウイルスワクチンの開発だ。

 

 中国や米国などでは、複数のワクチンの臨床試験がスタートしている。今後、1カ月から2カ月以内にも、幾つかのワクチンの臨床試験が開始される予定だ。

 

 最速で臨床試験入りしたのは、米国のベンチャー企業である米Moderna社のワクチンだ。米国立衛生研究所(NIH)傘下の米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)は、2020年3月、同社が開発中の新型コロナウイルスワクチン(開発番号:mRNA-1273)の第1相臨床試験を開始した。

 

 mRNA-1273は、mRNAという核酸をベースとしたワクチンだ。具体的には、ウイルス表面に発現し、ヒト細胞への感染時に足がかりとなる、スパイク蛋白質遺伝子をコードしたmRNAであり、接種すると体内でmRNAからスパイク状蛋白質が発現。被接種者の免疫が、スパイク蛋白質を抗原として認識し、スパイク蛋白質に対する液性免疫や細胞性免疫が誘導されると考えられている。

 

 同じく米国のベンチャー企業である米Novavax社も、2020年5月中に、同社が開発中の新型コロナウイルスワクチン(開発番号:NVX-CoV2373)の第1/2相臨床試験を開始する。NVX-CoV2373は、抗原となるスパイク蛋白質の遺伝子をバキュロウイルスに導入した上で、バキュロウイルスを昆虫細胞に感染させて組み換え蛋白質を製造。複数の組み換え蛋白質をナノ粒子状に形成したもので、同社独自のMatrix-Mアジュバントが添加される予定だ。

 

 同社によれば、NVX-CoV2373をモデル動物に接種した実験では、スパイク蛋白質に特異的に結合する抗体に加え、スパイク蛋白質が受容体に結合するのを阻害する抗体、ウイルスを中和する多様な中和抗体が誘導され、高い免疫原性を示すことが分かった(モデル動物の種類は不明)。また、1回の接種だけで、スパイク蛋白質のACE2受容体との結合部位に阻害活性を有するスパイク蛋白質特異的抗体や、野生型のSARS-CoV-2を中和する抗体が誘導されることが観察されたという。

 

 米国に次いで中国でも、ワクチンの臨床試験が始まっている。2020年3月下旬、中国CanSino Biologics社が中国Beijing Institute of Biotechnology (BIB)と開発した、アデノウイルスベクターを用いた組み換えワクチンの第1相臨床試験が始まった。同ワクチンは、5型アデノウイルスベクターに、抗原として、新型コロナウイルスのスパイク蛋白質の遺伝子を搭載した遺伝子組み換えワクチン(Ad5-nCoV)。CanSino Biologics社によれば、モデル動物を用いた非臨床試験で、同ワクチンが強い免疫反応を誘導する結果が得られているほか、安全性のプロファイルにも問題が無かったという(モデル動物の種類は不明)。

 

デング熱やSARS、MERSワクチンの動物実験でも…

 世界では、前代未聞のスピードで新型コロナウイルスのワクチン開発が進んでいるわけだが、国内の研究者や業界関係者は、「ワクチンの開発はそう簡単ではない」と指摘する。その理由は幾つかあるが、中でも多くが口をそろえるのが、「ワクチン接種によって“ある副作用”が生じる懸念がある」ということだ。

 

 その副作用とは、ワクチン接種後に、実際のウイルスに自然感染すると、通常よりもウイルスを取り込みやすくなる「抗体依存性感染増強(Antibody Dependent Enhancement:ADE)」という現象だ。メカニズムが完全に解明されているわけではないが、これまでのところ、ADEはワクチン接種によって中途半端な免疫応答(抗体価など)が誘導された場合に起きると考えられている。

 

 具体的には、ワクチン接種後に自然感染した際、(1)ワクチン接種で誘導された抗体がウイルスに結合、(2)ウイルスに結合した抗体のFc部分を宿主(ヒト)細胞のFc受容体または補体が認識、(3)ウイルスが結合した抗体ごとヒト細胞内に取り込まれる──という順序で、ウイルスがヒト細胞に感染するのを助長する現象である。

 

 2016年にフィリピンで、フランスSanofi社が開発していたデング熱ワクチンの「Dengvaxia」(Dengue vaccine tetravalent)を接種後に、小児が死亡した原因の1つとして指摘されたことを機に、ADEは業界で広く知られるようになった。

コロナウイルスに関しても、重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)ワクチンを接種する動物実験で、接種後にADEのような現象が確認されている。もっとも、どういうワクチンがADEを誘導するのかは分かっていない。また、ADEが起きるかどうかを予測できるモデル動物があるわけでもない。

 

 新型コロナウイルスのワクチン開発に当たっては、WHOも「大規模な臨床試験を実施する前に、ヒトで感染増強が起きる可能性を評価することが極めて重要だ」(WHOの研究開発のロードマップより)と、ADEのリスクを指摘しており、今後第3相臨床試験に進む前などに、ADEのリスクを評価することが求められることになりそうだ。

 

 さらに、海外と比べて日本は、ワクチンに高い安全性を求める傾向がある。その意味でも、国内で安全かつ有用な新型コロナウイルスワクチンを接種できるようになるまでには、それなりの時間がかかると思っておいた方がよさそうだ。

 

 

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http://www.nikkei-science.com/201909_058.html

日経サイエンス  2019年9月号

 

特集:ワクチンの予想外の功罪

デング熱ワクチンの混迷 抗体依存性感染増強

  1. ヤスミン(スタンフォード大学) M. ムカジー(SCIENTIFIC AMERICAN 編集部)

 

毎年3億9000万人以上がデングウイルスに感染している。デングウイルスに初めて感染した人は大半が感染に気づかないが,再感染した場合には命を落とすことがある。デングウイルスへの再感染がなぜ初感染よりもはるかに致死的なものになりうるかについては,長年論争の的となっている理論「抗体依存性感染増強(ADE)」によって説明できる。

初めて認可されたデング熱ワクチン「デングワクシア」は,デングウイルスへの感染歴のない子供に対しては初感染と同じように作用するように見え,後に感染したときの症状を重篤化させている可能性がある。この現象とADEの関係についてはまだ結論が出ていない。

 

再録:別冊日経サイエンス238「感染症 ウイルス・細菌との闘い」

 

著者

Seema Yasmin / Madhusree Mukerjee

ヤスミンはスタンフォード大学医療コミュニケーションイニシアチブのディレクター。同大学で科学ジャーナリズムと世界の医療に関するストーリーテリングを教えている。エミー賞の受賞歴がある記者兼作家で,医師でもあり,本誌に頻繁に寄稿している。ムカジーはSCIENTIFIC AMERICANの科学と社会に関する記事の編集主任。

 

関連記事

「蚊と戦う」,D. ストリックマン,日経サイエンス2018年11月号。

 

原題名

The Dengue Debacle(SCIENTIFIC AMERICAN April 2019)

 

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ワクチンが効かない?新型コロナでも浮上する「抗体依存性感染増強」

日経バイオテク2020.03.31三井勇唯

https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/20/03/30/06749/

 

 終息の見通しが付かない新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による感染症(COVID-19)。世界保健機関(WHO)のTedros事務局長は、2020年3月23日の記者会見で、「パンデミック(世界的な大流行)が加速している」と表明した。WHOが同日に公開した資料からも、主に欧州と米国での感染者が急激に増えていることがわかる。

 

 感染拡大に歯止めが効かない中、期待が高まっているのがワクチンだ。新型コロナに対するワクチンを巡っては、米Trump政権がワクチン開発に取り組むドイツCureVac社に対して、多額の資金提供の見返りに米国だけに独占的にワクチンを供給させようとしたなどの疑惑が、2020年3月中旬に複数のメディアで報じられた。CureVac社は3月15日、これらの報道を否定。世界中の患者を対象に、ワクチン開発を進めていると強調した。その後、3月16日には欧州委員会がCureVac社のワクチン開発を支援するために、8000万ユーロ(約95億円)を提供したことも発表している。これらの一連の騒動からも、世界中が新型コロナの感染拡大に焦りを感じると共に、ワクチン開発に大きな期待を寄せていることがうかがえる。

 

ワクチンはなぜ感染症に効果があるのか

 そもそもワクチンとは、疾患の発症や、重症化を予防するために投与する、弱毒化あるいは無毒化した抗原(病原体や、病原体の一部など)のことを指す。病原体に感染する前にあらかじめ投与しておくことで、病原体に対する免疫を獲得できる。

 

 免疫は、そのメカニズムによって2つに大別される。1つ目は、液性免疫と呼ばれ、ワクチンの接種や過去の感染によって体内で作られる抗体が活躍する。抗体には、病原体などに結合することで感染力や毒性を失わせる作用を持つものや、マクロファージなどの免疫細胞による取り込み・処理を助けるものなどがある。2つ目は、細胞性免疫と呼ばれ、マクロファージやキラーT細胞といった免疫細胞が病原体や病原体に感染した細胞を直接取り込み(貪食と呼ばれる)、処理することで体を守るシステムだ。

 

 現在、米国や中国を中心に複数の企業がワクチンの開発を進めている。開発中のワクチンの種類は多岐にわたるが、その多くは、病原体である新型コロナウイルスの一部を抗原としたワクチンだ。その中でも、細胞に感染するために必要となる、ウイルス表面に発現したスパイク(S)蛋白質という部分を、抗原として利用する研究開発が盛んだ。本誌(日経バイオテク)が既報の通り、既に幾つかのワクチンでは、実際にヒトに投与して、安全性や有効性などを検証する臨床試験が始まっている。

 

不完全なワクチンでは危険性が高まるか?

 順調に進んでいるワクチン開発だが、実用化に向けた懸念もある。その1つが、ワクチンの接種などにより起こりうる「抗体依存性感染増強(ADE)」と呼ばれる現象だ。本来、ウイルスなどから体を守るはずの抗体が、免疫細胞などへのウイルスの感染を促進。その後、ウイルスに感染した免疫細胞が暴走し、あろうことか症状を悪化させてしまうという現象だ。

 

 ADEの詳細なメカニズムについては明らかになっていないことも多い。ただこれまでに、複数のウイルス感染症でADEに関連する報告が上がっている。例えば、コロナウイルスが原因となる重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)に対するワクチンの研究では、フェレットなどの哺乳類動物にワクチンを投与した後、ウイルスに感染させると症状が重症化したとの報告があり、ADEが原因と考えられている。

 

 また、ネコに感染するネココロナウイルス感染症でも、ウイルスに対する抗体を持ったネコが、再び同じウイルスに感染することで重症化するとの研究報告がある。ネココロナウイルス感染症の研究に取り組む、北里大学獣医伝染病学研究室の高野友美准教授は、そのメカニズムについて、「抗体と結合したウイルスが、抗体の一部分を認識する受容体を介してマクロファージに感染する。すると、マクロファージは症状を悪化させる因子を過剰に放出し、結果的に症状が悪化してしまう。抗体の量が中途半端であると起こりやすいと考えられているが、どのような条件で起きるのかはよく分かっていない」と説明する。

 

 高野准教授らは、ネココロナウイルス感染症に対して、抗体が関与する液性免疫を誘導することなく、細胞性免疫を優位に誘導するワクチンの開発に取り組んでいる。高野准教授は、「新型コロナウイルスでADEが起こるかどうかは明確ではないが、細胞レベルの実験で検証できるはず。既に検証している研究者がいてもおかしくない」と説明。また、「細胞性免疫を誘導するワクチンの開発は、(ADEを防ぐための)1つの手段になり得る」(高野准教授)という。

 

 また、新型コロナウイルスに関する米国の研究報告では、「ウイルスのS蛋白質のうち、感染において特に重要な役割を担う一部の領域をターゲットにしたワクチンを開発するべき」などと指摘。加えて、「S蛋白質に対する不完全な免疫(抗体)が誘導されれば、ADEが起こる可能性がある」と警鐘を鳴らしている。

 

 多くの人々が期待を寄せるワクチン。海外に後れを取っているものの、一部の国内企業も開発に乗り出している。日本製薬工業協会(製薬協)の中山讓治会長は、「ワクチンの研究開発では、政府がかなりの特例を出したとしても、有効性と安全性を科学的に検証した上で提供する必要がある。大変悩ましいが、実用化までに1年以上かかるのが通例」と話す。世界各国で、急ピッチで研究開発が進められているが、安全性の検証は避けては通れない。新型コロナウイルスでも浮上したADEのリスクとどのように向き合うか、今後の研究に注目したい。

 

(以上)

 

 

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