金融権力の頂点にいる者
地球の近代の歴史を動かしてきた金融権力が現実に存在し、今、新型コロナ超限戦と私が名付けている社会経済戦争を仕掛け、全世界が戦場と化しています。
その破壊力は、すさまじく、先進国の経済は破壊されています。
ユーロ圏4~6月GDP -12.1% 統計開始以降最悪に 新型コロナで
NHK 2020年7月31日
ドイツやフランスなどユーロ圏19か国のGDP=域内総生産は、ことし4月から6月までの伸び率が前の3か月に比べてマイナス12.1%となりました。新型コロナウイルスによる経済への打撃が一段と深刻になったためで、統計を取り始めた1995年以降、最悪の水準となりました。
アメリカ 4-6月GDP 年率ー32.9% 統計開始以来最悪の水準
NHK 2020年7月30日
アメリカのことし4月から6月までのGDP=国内総生産の伸び率は、年率に換算した実質で、前の3か月に比べてマイナス32.9%となりました。これは四半期の統計を取り始めた1947年以降、最悪の水準で、新型コロナウイルスがアメリカ経済に極めて大きな打撃を与えたことが示されました。
アメリカ商務省が30日に発表したことし4月から6月までのGDPの伸び率の速報値は、年率に換算した実質で、前の3か月と比べてマイナス32.9%となりました。
これは、四半期の統計を取り始めた第2次世界大戦後の1947年以降、最悪の水準です。
2008年のリーマンショックで最悪の3か月間だったマイナス8%台を大幅に下回り、今回の新型ウイルスの感染拡大がアメリカ経済に与えた打撃が極めて大きいことが示されました。
項目別に見ると、GDPのおよそ7割を占める個人消費はマイナス34.6%、企業の設備投資はマイナス27%、それに輸出はマイナス64.1%と、軒並み大幅な悪化となりました。
アメリカでは新型ウイルスの感染拡大に今も歯止めがかからず、失業率も10%以上で高止まりしていて、トランプ政権が目指す景気の回復に向けた追加の経済対策に関心が高まっています。
米GDP最悪水準 コロナ歯止めかからず景気回復は不透明
NHK 2020年7月31日
アメリカのことし4月から6月までのGDP=国内総生産の伸び率は、年率換算でマイナス32.9%と、統計を取り始めた1947年以降最悪となりました。アメリカでは今も新型コロナウイルスの感染の拡大に歯止めがかかっておらず、今後、景気がどの程度回復するか依然、不透明です。
アメリカ商務省が30日に発表した、ことし4月から6月までのGDPの伸び率の速報値は、年率に換算した実質で、前の3か月と比べてマイナス32.9%でした。
これは、四半期の統計を取り始めた第2次世界大戦後の1947年以降、最悪の水準です。
項目別に見ると、GDPのおよそ7割を占める個人消費はマイナス34.6%、輸出はマイナス64.1%と、軒並み記録的な悪化となり、新型ウイルスの感染拡大がアメリカ経済に与えた打撃が極めて大きいことが示されました。
今後、注目されるのは落ち込んだ経済の回復のペースです。
株価は業績が好調なIT企業にけん引されて、感染拡大前の水準近くまで回復しています。
しかし、6月下旬から再び感染者が急増する地域が出てくるなど、今も感染の拡大に歯止めがかかっておらず、消費が低迷して従業員を解雇する動きも出ています。
このためトランプ政権は追加の経済対策を検討していますが、今後、景気がどの程度回復するか依然、不透明です。
世界を支配し、帝国バビロンを作っている金融権力の頂点にいるほんの少数の人間、この連中のことはDeep State隠れた政府, Beast獣, 黙示録の赤い竜などと呼ばれており、アダムスキー氏はサイレンス・グループと呼ばれていました。
その正体は、非常に分かりにくいものがありますが、次の論説が一部を説明していると考えられますから紹介します。
出典:悪魔に愛された女
著者:マリ・エメリ-(クロチルド) 翻訳:林陽 成甲書房 2000.04 20cm(244p) MBN MJ00033745 \1,800 ISBN 4-88086-101-4 NDC : 361.65(137)
紀伊国屋書店サイトの解説:
ガーフィールド米大統領暗殺、鉄の宰相ビスマルクとの謀議、イタリア皇帝を砒素で毒殺…フリーメーソンの極秘最高組織、イルミナティに人生を凌辱されたイタリア人女性、懴悔の告白記。
世界史の教科書に騙されてはいけない、これがヨーロッパ暗黒史の衝撃事実。
p.225訳者(林陽)後記
秘密結社イルミナティの存在については、これまでにも様々に取り沙汰されてきた。
それは、神秘の学校、見えざる大学、白色同胞団、ブラザーフッド、インナーサークルなど、数々の名前を持つ謎の世界的秘密組織である。
この分野の研究者によれば、イルミナティはその実体がつかめないようにするために、多岐にわたる看板組織を通して、世界情勢を背後から操作しているという。
外交問題評議会CFR、ビルダーバーグ、ローマ・クラブ、三極委員会、シュライヤーズ、フェビアン協会、神智学、薔薇十字、そして国連など、一万を越す看板組織が存在すると言われる。
その存在はあまりに謎めいていて、部外者には、本当のことが全くわからない。ことの真実を知るのは内部に生きる人間だけだが、その秘密が漏れることは少なかった。会員は死の誓約とともに、秘密厳守の誓いをさせられるからである。
「イルミナティ」とは、「光明を伝授された者」「啓発された者」の意味である。
この名称が頻繁に使われるようになったのは、フリーメーソンの大統合が行われた1717年以降のことだ。
驚くかもしれないが、スウェーデンの千里眼能力者として知られるインマヌエル・スエデンボルグの教義を枢軸とする「スエデンボルグ儀礼メーソン」は、別名をストックホルム・イルミナティと呼ばれていた。設立は1721年だ。
それはフランスに流れ込み、1760年にアヴィニョン・イルミナティをパリに創始、催眠学の創始者であるマルキ・ド・ピゥイセギュー、マルキ・ド・テーム、動物磁気療法の開発者のフランツ・アントン・メスメル、魔術的詐欺師で有名なカリオストロが中心となって、スエデンボルグ教義の「正しい」解釈と実践を目標に、活動を展開し始めた。このカリオストロは、後述するバイエルン・イルミナティの会員でもあり、後に逮捕され、極刑を逃れようとイルミナティの悪魔的内情を裁判で暴露した人物である。彼の告白は、その後のイルミナティの批判研究に役立っている。
本書に直接かかわってくるイルミナティは、この一連の流れを受けて1776年に結成された「政治」結社だが、前述のオカルト系イルミナティとも密接にリンクしていた。この結社の研究の先駆者、イギリス・エジンバラ大学自然哲学教授、ジョン・ロビンソンの本から簡単にまとめてみる。
バイエルン・イルミナティは、ドイツのバイエルン・インゴルシュタット大学教会法教授のアダム・ヴァイスハウプトが1776年5月1日に結成したものである。結社は6年後の1782年に、ヴィルヘルムスバートで開催された世界フリーメーソン大会議で、メーソンとの合同本部をフランクフルトに置き、世界財閥のロスチャイルド家とその配下のユダヤ資本を動員して、とてつもない力を生み出しつつあった。
補足 1773年にマイヤー・アムシェル・ロスチャイルドが30歳の時、フランクフルトの自分の金細工店に12人の裕福で影響力のある男たちを招待して会議を開き、全ての国を打倒して世界一極支配(グローバリズム、新世界秩序)をするための革命(略奪征服)計画を立てました。 ロスチャイルドは、アダム・ヴァイスハウプトに命じて革命実行のための計画と組織作りをさせ、1776年5月1日にワイスハウプトに世界革命を目的とした秘密結社イルミナティを設立させました。 イルミナティの目標は次の通りであり、共産主義の目標と同一でした。 ①既成秩序と政府の廃止 ②私有財産の廃止 ③遺産相続の廃止 ④愛国主義の廃止 ⑤全宗教の廃止 ⑥家庭、道徳の廃止および児童教育の支配 ⑦世界政府の樹立 イルミナティは世界最初の共産主義と言われています。 出典: カナンの呪い、ユースタス・マリンズ著、2004、成甲書房 p.172 民間が所有する中央銀行―主権を奪われた国家アメリカの悲劇、ユースタス・マリンズ著、1995、秀麗社;面影橋出版 |
組織は、表向きはイルミナニズム(超人創造のための高度な智恵を伝授するの意)の仮面を被り、「自由・平等・博愛」の世界建設という大目標を掲げたため、政界はもとより、多くの文化人、芸術家、知識人が加入した。文豪ゲーテとヘルダーは、1782年の大合同の際にこの会員になった。
だが、内輪組織の真の目標は世界征服にあったのである。この結社は、諸国家の破壊、諸宗教、特にカトリックの撲滅、教育や家族の破壊等の「カオス」を通して、「統一世界政府」という名の新しい世界秩序を推進するという、極めて過激な世界革命思想を眼目に据えて、極秘活動を展開し始めた。「オルド・アブ・カオ(混沌から秩序)」がその合言葉であった。そのテストケースに選ばれたのが、カトリック信仰のもっとも篤いフランスである。
ところが、何とも不思議な出来事が起きて、この極秘計画が露見してしまうのである。1785年に、ランツという名のイルミナティ工作員が、悪天候の中をフランクフルトからパリに向けて馬を走らせていた。バイエルンに差しかかった頃、突如落雷が彼を襲い、ランツは一瞬のうちに息絶えた。発見された彼の遺体から、ドイツのイルミナティ大ロッジから、パリ大ロッジのロベスピエールへ宛てた極秘書簡が見つかった。そこには、まだ起きていないフランス革命(1789~99年)、王政及び諸宗教(ユダヤ教は含まれていなかった)撤廃の大計画が書かれていた。
事の重大さに驚いたバイエルン王国警察は、イルミナティ本部を急襲、ヴァイスハウプトの文書を没収して、イルミナティが事実、世界支配を目論んでいることの証拠を握った。
ある文書にはこう書かれていた。「社会にとって致命傷となるべき世界革命を行うことが我々の目的である。この革命が秘密結社の仕事になるであろう。我々の「大いなる奥義」はここにある」
バイエルン王国政府はこの組織を国家的に禁圧し、すぐに大英帝国、パリ、ミュンヘン、オーストリア、ロシアへ警鐘を鳴らしたが、時すでに遅く、各国政府の重要ポストに配置されていたイルミナティの厚い壁に遮られ、警告は効を奏さなかった。
まじめに耳を傾けたのは、メーソン破門令(1738年)を出した教皇クレメンス12世以来、一貫してフリーメーソンに対抗してきたローマカトリック教会ぐらいだ。4年後、フランス革命は予定通りに勃発し、9時間の内に1200人あまりのカトリック信徒の首がはねられ、打倒された王政の代わりに、恐怖政治が国を支配した。
一方、政府の禁圧にあって国外に逃れたヴァイスハウプトは、スイス、次いでロンドンに拠点を設け、フランスに続き、イギリス・フリーメーソンを呑み込む計画を立てていた。この目的を遂げるために、エジンバラ大学自然哲学教授で英国学士会員、メーソンであったジョン・ロビンソンを助手に雇い、計画書の保管を委ねるが、ロビンソンは一枚上手だった。
既にイルミナティの危険性を知っていた彼は、熱心な助手と見せかけ、イルミナティの謀略をできる限り吸収、「全ての宗教と国家を滅ぼす陰謀の証明」という、その後200年間、世界で読み継がれることになる本を命懸けで書き上げたのである(1797年)。
ここで分かることは、メーソン=イルミナティという単純な図式が成り立たないことである。上級フリーメーソンと言われる人々でさえ、イルミナティの高イナシエート(高位の秘儀伝授者)からすれば、真実を知らされずに使役されているだけの、下級会員に過ぎないのだ。
その翌年には、フランスのイスズス会士アヴェ・バルエルが「ジャコバン党の歴史覚書」という4巻に及ぶイルミナティ告発書を書き上げた。ジャコバン党とは、フランス革命期にイルミナティが使ったもう一つの名前である。この2種の詳細なイルミナティ告発書を調べたバイエルン王国政府は、没収したヴァイスハウプトの文書をまとめ、「イルミナティ結社の原著作集」と題する文書を出版し、あらゆる国に送付した。
そこから、次のような事実が浮かび上がった。ヴァイスハウプトは、1748年2月6日に生まれた。彼はユダヤ人だったがイエズス会士(カトリック)になる振りをした。だが、実際に信じていたのは、ルシファー礼拝とヒューマニズム(人間至上主義)だった。ルシファー(「光の子」を意味)とは、キリスト教神学で言うところの悪魔、サタンのことだが、彼らはこれを理性の神(理神)の象徴として祀り上げたのである。ヴァイスハウプトは、インゴルシュタット大学で教会法の第一人者として教鞭をとっていた時に異端を説き、イエズス会から破門された。
ロスチャイルドの要請と財政支援のもとに5年を費やして世界革命の方法論を書き上げ、「ノーブス・オルド・セクロルム」とこれに銘打ち、結社形成の日、1776年5月1日に出版した。このタイトルを翻訳すれば、「事物の新秩序」あるいは「新世界秩序」となる。同じラテン語の文句は、アメリカの1ドル札に印刷された「国璽」にも見られる(左図)。実際、この国璽に使われている「目のついたピラミッド」は、イルミナティの紋章と同じものなのだ。国璽を作成した者とイルミナティとの関係を物語るものであろう。
ヴァイスハウプトは、会員達を「イルミナティ」(光明を受けた者たちの意)と呼んだが、これは薔薇十字から借用した言葉であった。下級会員は、「完全者」と呼ばれる上級会員に対し絶対服従の義務を負った。
位階制度は次のようだ、最低の位階は内輪では「劣るイルミナティ」と呼ばれていた。この上に、象徴的メーソンとスコッチメーソンに分かれる「メーソン」の位階があった。これら二種の下部組織のメンバーは、人類全てが自由と平等を享受する理想世界を地球上に現出することが結社の目的である、と教え込まれた。最高階級は「摂政」と「王」の二つに分けられた。
秘伝者達は、永遠の沈黙と組織への絶対服従を誓わされた。
「何か秘密を漏らすようなことがあれば、自分にも、家族にも、友人にも、仲間全員に死が臨みます」
「結社の敵は自分の敵になります。結社の友は自分の友になります。私は友にも敵にも、イルミナティ結社から命じられる通りに行動し、結社の拡大のためにわが身を捧げます」
このような生命を懸けた誓いは、イルミナティの目標を覆い隠すためのものであろう。その目標は五つに分けることができる。
1.全ての既成政府の廃絶とイルミナティの統括する世界単一政府の樹立。
2.私有財産と遺産相続の撤廃。
3.愛国心と民族意識の根絶。
4.家族制度と結婚制度の撤廃と、子供のコミューン教育の実現。
5.すべての宗教の撤廃。
この5ヵ条は、今「カルト」と呼ばれている集団が行っていることに、不気味なほど共通しているが、イルミナティが目指しているのは、これをカルトレベルから国家レベルに拡大することなのである。
ヴァイスハウプトから押収した文書に、プロテスタントを礼賛する言葉が書かれていたのは、皮肉としてか言いようがない。彼は「プロテスタントは自分以上にカトリックを憎んでいる」と言い、この憎しみを利用してプロテスタントを引き込むことに成功したのだ。彼はずいぶんプロテスタントに期待をかけている:
「何に増しても有り難いのは、優れたプロテスタントと、改革の神学者たちが、わが光明会(イルミナティ)に属しているということだ。キリスト教の真の精神が我々とともにある。」
彼は、プロテスタントとカトリックを統合する考えを持っていたが、この思想は今のエキュメニズム(教会一致運動)に引き継がれているように思われる。この目的を遂げるために、彼はプロテスタントしか入れない結社とカトリックしか入れない結社を新たに作り、この双頭勢力を通して、目的達成のための資金源を得た。
「私は、誰の利益にもなる一つの説明を考案している。それは、全てのキリスト教団体を招くための計画だ。それによって、徐々に彼らは全ての宗教的偏見から自由になり、社会主義的道徳を育成するようになるだろう。」
当時、アメリカ初代大統領の職(1789~99年)にあったジョージ・ワシントンは、メーソン大統領として研究家が度々紹介する人物だが、この人がイルミナティを攻撃する態度を貫いていたことは案外知られていないようだ。彼はマウントヴァーノンのG・W・スナイダー神父からロビンソンの本を手渡され、貪るように読んだ。1797年9月17日に行われたワシントンの最後の大統領演説は、イルミナティそのものがテーマだった:
「イルミナティのような連合体はやがて、狡猾な野望を持つ、無節操な者たちが独力で政府を強奪し、民衆の力を何もかも覆し、憲法の核心部分を破壊する原動力になるだろう」
「彼らが採用する方法の一つは、イルミナティが民衆から土地と財産を盗むための法律を施行できるよう憲法を改正することにある。」
「アメリカが自由であり続けるためには、ヨーロッパを避けることが第一原則である。落とし穴だらけの連合を、何としても避けねばならない」
ワシントンは最後に、「できる限りヨーロッパと政治的関係を持たぬよう」熱心に国民に呼びかけた。ワシントンの演説の影響は大きかった。翌年の1798年7月9日、エール大学総長のティモシー・ドワイトが、卒業生を前にこの悪魔的秘密結社の危険性について講演し、イルミナティ打倒の十字軍結成さえ叫ばれた。
ジョージ・ワシントンは、大統領職を解かれてから自分がメーソンになったことを非常に後悔し、死ぬ直前に最終秘蹟を受けてカトリックに改宗している。スナイダー神父に書簡でしたためたところによれば、ワシントンはメーソンがイルミナティの道具になっていることを知らずにいた。1798年9月25日の書簡にはこのようにある:
「私がロッジに加わったのは、イルミナティの邪悪な綱領を推進することがフリーメーソンの目的ではないと信じたためでした。だが今や、ロッジ内にイルミナティが忍び込んできているのです。彼らは民衆を政府から引き離し、我々の国を手中に入れんとしているのです。合衆国に拠点を築いたその時から、彼らがこの計画を持っていたことは、もはや疑う余地がありません」
第二代大統領のアダムズは、ワシントンとともにイルミナティに反旗を翻したが、第三代のトマス・ジェファーソンは、完璧なイルミナティだった。
ジェファーソンに関連して、1ドル札に刻印された「合衆国国璽」にまつわる無気味な話しが語り伝えられている。
報告したのは、ヴァージニア・ブラシントンというジャーナリストだ。その話によると、ジェファーソンがある晩一人で庭を歩いていた時、マントを翻す不思議な黒ずくめの男に接触された。男は、ジェファーソンに基礎的デザインを施した羊皮紙を手渡した。そのデザインから、今の政府が使っている国璽が作られたというのである。前にも述べたように、この国璽の中にはイルミナティの標語「新世界秩序」が刻印されている。
実際、ジェファーソンは、イルミナティを積極的に擁護した人物だった。ヨーロッパで国賊と見なされているヴァイスハウプトを「熱心な人道主義者」と宣伝し続け、フランス革命については「これが起こらないなら人類の半分が死んだ方がまだまし」とまで言っている。無線電信の発明者モールスの父で、開拓時代の優れた地理学者、牧師で名を知られていたジェディー・モールス博士は、ジェファーソンはイルミナトス(イルミナティの単数形)だった、とはっきり記録している。国璽のデザインを手渡したのは、ヴァイスハウプトの使者であろう。
4代目のモンローはワシントンの遺志を継ぎ、旧大陸との相互不干渉を約束する「モンロー主義」と呼ばれる危険防止策を講じた。第一次世界大戦後にウッドロー・ウイルソンが裏切るまでの120年間、この政策がアメリカ外交の主軸となった背景には、このような事情があったのだ。
イルミナティは、バイエルン王国政府に禁圧されてから地下に潜ったとされているが、実際には名称を様々に変えたに過ぎず、すでに結合していたフリーメーソンを通して世界を動かしてきた。フランスではジャコバン党、フレンチ・マルチニストの名で革命の推進力となった。イルミナティという名を公式には使わなくなっただけだ。
ロシアでもマルチニズムの運動は活発になった。ツァー・ニコライ2世のオカルト顧問になりすまし、暗殺を手引きしたパプスは、この組織のグランドマスターだったと言われる。ロシア革命を起こしたのもイルミナティなのだろうか。本書はそれを肯定している。
ヴァイスハウプトは死ぬ前にイタリアにも手を伸ばし、そこにカトリックの愛国者組織を装う、カルボナリ党を結成させた。ジュゼッペ・マッチーニが当主に就任し、全世界のメーソンをイルミナティに統一するというヴァイスハウプトの遺志を継ぐことになった(1831年)。
このマッチーニと手を結び、アメリカに純粋なイルミナティの教理を導入したのが、メーソンの教科書「倫理と教理」を書いた南軍将校のアルバート・パイクであった(1870年)。この新しい結社は、智恵と謀略の神の名をとり「パラジウム儀礼」と呼ばれているが、その「倫理と教理」がどのようなものかは、次のパイクの文章を読めば一目瞭然だ。
「メーソンの宗教は、われわれ高位階のイニシエート全員によって、ルシファー教理の純粋性のなかに保たれるべきである。ルシファーは神である。だが悲しむべきことに、アドナイ(注:これはキリスト教の神のこと)もまた神なのだ。影なくして光なく、醜さなくして美はなく、黒なくして白があり得ないというのが、永遠の法則だからである。真の純粋な哲学的宗教は、アドナイと同等のルシファーへの信仰である。光と善の神ルシファーは、人類のために、暗黒と邪悪の神アドナイと戦っている。」
(1889年7月14日、「世界23カ国の最高会議に宛てた指導要綱」)
これは、ヴァイスハウプトの思想をそのまま踏襲したものだ。マッチーニとパイクは、全世界のメーソンをイルミナティの配下に統合することこそが、世界統一に必要不可欠と見た。そのための布石として、世界戦争を起こす計画を立てた。その証拠は、戦前まで大英博物館に展示されていた二人の往復書簡に見ることができる。1871年のものだ。
マッチーニは、一連の世界戦争という「混沌」をつくりだし、そこから「秩序」を作り出す案を提起した。それ以上の殺戮を避けるために、各国は主権も愛国心も放棄し、国際連盟や国連のような超国家機関に主権を譲るようになるだろう。
「1番目の世界戦争で帝政ロシアを根こそぎにし、イルミナティの独裁を設立、莫大な人口と資源をさらなる計画達成に振り向ける」
たび重なる皇帝の暗殺と1917年のロシア革命によって、これは現実のものとなった。2番目の世界戦争では、新ロシアがヨーロッパを併合することになっていたが、この計画は少なくとも半分は成功していたと見て良いだろう。
イルミナティの標語の「新しい世界秩序」が、これら世界戦争の勃発とともに各国指導者によって頻繁に使われ始めたのは、はなはだ興味深い。
「混沌からの秩序」が彼らの合言葉であったことを思い出して欲しい。
第一次世界大戦という混沌から国際連盟という新世界秩序が誕生した。アメリカの基本通貨に「新世界秩序」のラテン語を含む、無気味なシンボルが刻印されたのもこの頃だ。「混沌」も「秩序」も、彼らがつくったものなのだろうか。
そして、第2次世界大戦という混沌が起こった。当時の有名なチャネラーだったエドガー・ケイシーは、「混沌からの秩序」の方程式を知っていたようだ。彼は終戦の4年前にこう予言している。
「フリーメーソンの秩序に代表される普遍的思想を持つアメリカ主義が、世界情勢を解決する究極のルールになる。世界中がメーソンになってくれるわけではない。だがメーソンの採用する原則に基づいて、1944年、45年に平和の新秩序が設置されることになっている。」
これは国連設置を指した「当たり」予言として紹介されたものだが、メーソンが国連の指導原理になること、それが「新世界秩序」をつくることに彼が期待をかけていることを示す、重要な言葉だ。いったい、彼のチャンネリングの源は何だったのだろうか?
イルミナティが究極的に目指しているのは、通商、金融、資源、何から何まで人類を一元管理できる、世界政府という名の「新世界秩序」だ。
それを導入するための「第三の混沌」までが計画されているのだろうか。彼らの歴史的文書は、確かにそれを裏づけている。パイクがマッチーニに宛てて書いた書簡は、第三次世界大戦についてのものだった。
それらよれば、三度目の世界戦争は、中東でユダヤ人とイスラム教徒の間で起こすことになっていて、これは聖書で予告されたハルマゲドンと広く宣伝される。この「やらせ」ハルマゲドンは、相当ひどいものにする予定のようである。
各国は戦争と流血に疲れきり、平和が約束されさえすれば、ルシファーの教理だろうと何だろうと飛びつくに違いない、と大見得を切っている。
これはあくまで「計画」であって預言ではない。訳者はこの通りになるとは思わないが、オウム真理教と同じく、黙示録に預言されているハルマゲドンを「演出」するために、とどめの一撃を入れようと、彼らが本気で企んでいることだけは確かだろう。
(訳者前書より抜粋)
オウム信者か幹部が書いた1通の書簡をテレビ画面に見た。そこに、イルミナティの創始者アダム・ヴァイスハウプトを絶賛する言葉が書かれていたのを、今も思い出す。この極秘組織は、本書の告発から百年を経た現在も、破壊活動のなかに確実に生き続けているのだ。(訳者前書よりの抜粋終り)
パイクの書簡は、まるで悪魔の大予言のように聞こえるが、これは長期計画なのである。
「この世界戦争は、もっとも凄惨な社会変動と血みどろの動乱を招来する。その時、革命を起こす少数派から防衛せざるを得なくなった民衆は、全世界でこれら文明の破壊者を殺戮するだろう。一方、大部分の者たちはキリスト教に幻滅し、方向性を見失い、理想をあがき求めながらも、それをどこに求めるべきかを知らぬまま、最終的に民衆に提示されるルシファーの純粋な教理の世界的台頭を通して、真の光をつかむのだ。キリスト教と無神論の同時的征服と壊滅によって起きてくる広範囲にわたる反動から、これは現実のものとなる。」
イルミナティは、聖書でサタンと呼ばれているルシファーを神と崇め、その啓示の下に本気で世界支配を企んでいる集団なのだ。悲惨な世界大戦も、中東で何度も起きている戦争も、これまで述べてきたことから、彼らが背後で動いていることは疑う余地はない。金融破綻はこのための重要な手段であろう。
クロチルドの日記には、フランスを革命に追い込むために莫大な資本を海外に流出させ、国家財政を破綻に追い込み、無数の失業者を出した上、国の銀行をイルミナティ系の銀行に合併させていった話しも明かにされている。これなど、最近の日本での金融界の動きに無気味に符合する。日本を始めとするアジア各地でのバブル崩壊も、あらかじめ仕掛けられたものだったのではないのか。
彼らの計画は、今後30年間に焦点を集めている。イルミナティの大思想家と目されている故マンリー・ホール(メーソン33位階)は、「古代哲学講義」の中でこう述べた。
「民衆が自分を治められるほどに強く、賢明な時代はまだ到来していない。治めるに値するのは、エキスパートだけである。200年以内に、人類はプラトンとアリストテレスの神々にかしづくとの予言が、今から100年前になされている。哲学の神々が再び世界を支配するのである。」
エキスパートあるいはオリンポスの神々(オリンピアンズ)とは、イルミナティの高イニシエートを意味している。プラトンは「国家論」の中で、10人の王が支配するアトランティスの理想世界を描いている。
アトランティスは、神に反逆したために大洪水で滅ぼされた失われた世界だが、この世界を再び実現することがイルミナティの中心的計画なのだろう。
これに関連して、聖書に「10人の王」が獣と呼ばれる偽キリストにかしずいて世界を治めるとの預言があるのは、実に興味深いことだ。この10王国は、短期間で滅亡すると預言されている(ヨハネ黙示録17章)。獣とは世界政府であり、その統治者であろう。今後30年間の間に世界政府を実現させようとしているイルミナティの計画とその結末がここに読み取れる。
(以上)