いっしょに悩んでやれ

やはり。共に悩んで考えるってことは、生きていく上で大切なことだと思うんだな。

昨今多発する事件・事故。
いや、事件・事故に留まらず。
業務や学業、家庭の些細な出来事に至るまで。

少しばかり考えて行動してみれば。
深刻な問題に発展しなかったのではないか？
そう思う事象に、度々出くわす。

無論、そんなこと。
後から言ってもどうしようもないと言えば、どうしようもないのだが。


でも、ね。
なんと言うのかな？
昨今、お手軽というか、安直な方法で乗り切ろうとする風潮がはびこっていて、この事象を生み出しているように思うんだ。

そして、このことは。
我々の日常生活だけでなく、専門性の色が濃い分野においても、同じようなことが生じているに思う。

無論、安直な方法で問題解決が図れるならば、それでいい。
だが。
安直な方法では到底解決することができない根の深い問題を、いくらそのような方法で解決しようとしても。
それは問題を先送りすることに過ぎなくて。


そんなことは。
誰だって、わかっていること。

にも関わらず。
どうして人（無論、GALANT's Cafeを含めて）は、安直な方法で解決しようとするのだろう？


この原因として考えられることは、さまざまなことがあって。

・成果を性急に求められる時代だから
・結果のみを求められる時代だから
・社会が発展し、発生する問題が複雑難解になったから
...etc

さまざまな理由が考えられるだろう。


日々、GALANT's Cafeが考え、思っていることは。
人と人が、共に悩まなくなったからではないか？と。


我々が生きているこの社会は、日々進化を遂げ、複雑化している。

たとえ、同じ世代、同じこの日本で暮らしていると言えど。
生きてきた環境はまるで異なっていて。
その結果。
同じ時間を生きてきたと言えど、それぞれの人が培ってきた経験は、まるで異なる。

とても当たり前のことなのだけど。
それは、昔も今も、変わらないことなのだけど。

だけど。
大きく変わったように思うのは。

人と人が、それぞれが培ってきた経験を交換しなくなったのではないか？と。

人は、他の動物と根本的に異なって、著しい発展を遂げてきたのは。
文化を創り、先人に学んで自らの経験を積み、そして、自らの経験を後人に伝えてきたから。

無論、このことは。
今も、脈々と行われているのだけれども。

が。
この行為が、安直になってきているように思うのだな。


例えば。
GALANT's Cafeの世代もそうだし、その前の世代にも（そして今の世代も）言われてきたことだが。
マニュアル化された行為に頼り、自ら見て、感じて、考え、行動することが減っている。
いや、無論。
マニュアル化できることなんてマニュアル化して、形式化された行為にした方が効率良いのだが。
が。
なぜそうする必要があるのか？を考えなければ、危険極まりない。

それは。
どんな方法にも、前提条件とか、適用可能な範囲と言う奴が存在して。
前提条件が異なるとか、その適用可能な範疇に収まっていなければ、機械的にその方法を適用することは無意味。
いや、適応しちゃ、いけない。
元々、適用可能な方法ではないのだから。

つまり、前提条件とか、適用可能な範疇を正確に認識してこそ、マニュアル化された形式的な行為は意味がある。


じゃぁ、前提条件が異なる場合や、適用可能な範疇を超えている場合は、どうするんだい？


だから、見て、感じて、考えるのさ！

でも、ね。
人間独りで、見て、感じられる経験量なんて、たかが知れている。
ましてや、その少ない経験に基づいて、考えるなんてことは、ましてもや。

だからこそ、共に考え、悩む必要があるんだ！

人は独りで考え、悩み始めると。
往々にして、物事を悪い方向へ考えがち。
そりゃぁ、誰だって。
混沌とした問題を抱え続けていると、不安になる生き物だもの。


もし。
その問題を共有できれば。


誰かにとっては、すでに自明な問題で、あっという間に解決できることかもしれない。
また、誰にとっても自明ではない問題で、すぐには解決できない問題かもしれない。

どちらであったとしても。
共に悩んで、考えることで。

悩んでいた人は、すでに解決していた人の思考（特にそのプロセス！）を学ぶことができる。
すでに解決していた人は、悩んでいた人が抱えていた問題を再認知することで、より良い解決方法を生み出すことができる。


そう。
共に悩み、考えるってことは、双方が発展することに他ならない。

だからこそ。
安直な形式的な技の伝承に留まることなく、共に悩み、考えることが重要だと思うのだ。