The Man

理系男のダンディズム -ロジカルにロジカルに。 考え抜いたとき、それはその人の感性となる-

第21回(2007年)参議院議員選挙を想う

2007-07-30 21:00:00 | いろいろ
投票日が明けた今日。その結果に、GALANT's Cafeの想いをつらつらと。

自民党惨敗、民主党躍進

今朝の朝刊も、TV特番も、そして数多くのインターネット記事も。
大概、このような見出しが躍っていた。

まぁ、そうだろう。
自民党が大幅に議席を減らし、その分、民主党が大幅に議席を獲得したのは事実なのだから。

年金問題が敗因だとか。
各大臣の失言問題が敗因だとか。

さまざまなコメンテータやにわか評論家達がコメントしているが。
そんなことは、まぁ、どうでも良い。
国民にとっては、どのような理由でどの党が勝つかなど、なんの意味も持たないからだ。
#お茶の間の話題ぐらいにはなるだろうが...

本当に意味を持つようになるのは、自らの生活が快方に向かったことを体感したときだ。

実は。
GALANT's Cafeの関心は、誰が当選するかどの党がどれほどの議席を獲得するかではなく、日本国国民が、どのような動きをみせるか?であった。

というのは、GALANT's Cafeの目には現内閣及び政権は、

・首相を初めとした各大臣の統率力の無さ
 →さまざまな不祥事があったものの、大きな不祥事はあったのだろうか?
  人間は神ではない。人間は過ちを犯す生き物。
  大切なことは、過ちに対してどのような行為を取るかということ。
  初動を誤っただけ(しかしながら、これが一番致命的なのだが)であり、素早くけじめをつけておけば、なんら問題ない話だったはずだ。
  問題は、必要な時にきちんとけじめをつけさせなかったこと。
  枝葉末節に捕らわれて、物事の本質(本当の争点)を見失ってはならない。

・“美しい国”とは、何なのか?
 →GALANT's Cafeには、首相ご本人が執筆された本を読んでも、その趣旨や意図がさっぱり分からない。
  正直言って。
  「自然破壊が進んでいるので、環境対策をしましょう」と言った、フィーリングだけを述べた、なんら具現性の無い子供だましも良いパフォーマンス(コンセプトなどと、とても言えない)に過ぎない。

・優先順位付けを誤った課題選択
 →憲法改革も、戦後レジューム(これだって、何を意味しているのか、中身はさっぱり分からない)からの脱却も、大いに結構。
  しかしながら、解決すべき直近的課題(ex.年金不払い問題、政治家不祥事行為への対策)、中期的課題(ex.景気問題、医療問題)、長期的課題(ex.教育問題や累積債務の解消)などなど、解決しなければならない問題は山のようにある。
  これらをきちんと整理し優先順位を示す必要があるに関わらず、そのような行為は一切見られない。
  この国を率いる者としては、いかがなものか?

・度重なる強行採決
 →この国は、本当に民主国家なのだろうか?
  政治力の無さが目立った国会であった。

...etc,etc

つまり、「具現性ある理念無き国家つくり」と「モノ・ヒト・カネの選択と集中を誤った国家つくり」のように見えていた。

国会は、内閣は。
“仲良しくらぶ”ではない。

争点として検討しなければならないことは何であり、それらの中から優先すべきことは何であり、そして、その優先すべきことを何時までにどのように行うのか、きちんと議論し、決定しなければならない

つまり。
今回の参議院選挙は内閣への審判でないにしろ、実質、そのような趣旨が含まれたはず。
このような背景に対して、政党は、候補者達は、そして国民は、どのような行為を取るのか?
GALANT's Cafeの関心は、ここにあったのだ。


さて。
今回の選挙活動を見ていても。

各党のマニフェストを読んでも、個々の対応策は載っているものの、どのような国を作りたいのか、そしてその国にはどのような国民が必要であり、それに向けてどのような各施策を実行したいのか、一切書かれていなかったようにGALANT's Cafeは思う。

また、各候補者も。
相変わらず、自らの名前と本来は争点にしてはならない直近の問題のタイトルのみを絶叫するだけ(そう、どのように解決するつもりなのか、具体的な解決方法を述べていない)。
酷くなると、これすら行わず、「勝たせて下さい」だの「信用出来る出来ない」だの、正直言ってしまえば感情論を連呼するのみ。
外国人の知人は「何故、日本の候補者は名前を連呼するだけで、具体的なことを一切述べないのか?」と不思議がっていた。

そう。
政党も候補者も。
“自らの考えを他者に分かるようにきちんと伝える”という基本的なことが出来ていない。
確かに、アメリカのように幼い頃からディベート教育をきちんと施されていない(施せば良いのか、という議論はあるが。まずは、他人に自らの考え方をきちんと伝えるということは、人と人との繋がりを形成するための基本であろう。)ために、止むを得ないところであるが。
それを考慮しても、酷すぎる。
#無論、きちんと自らの考えを述べられていた候補者の方もおられた。


それに対し、国民は。
まず、GALANT's Cafeが感心したのは、期日前投票(不在者投票)者が1000万人を超えたこと。
GALANT's Cafeも期日前投票をしようかと思っていたのだが(結局都合がついたので、通常どおり、投票に行った)。
期日前に1割超の国民が投票に行くなどとは、如何に関心が高かったかを示しているのではないかと思う。

また、その投票結果についても、

・投票率が6割近くになったこと
 →やはり、関心が高かったのではないか。
  国民一人一人が、何らかの審判を下したかったのではないか。

・2大政党制の性格が明確になったこと
 →さまざまな意見があるために、複数政党があっても良いではないかという意見は分かるが。
  結局、与党・野党、賛成・反対、さらには連立といった有様に落ち着くのであれば、最初から2大政党にしておいたところで、何ら問題なかろう。
  GALANT's Cafeの本音を言ってしまうと。
  インターネットに代表される個人の情報発信手段が普及しつつあるのだから、2大政党制などという政党政治を止め、国民による直接投票でも実現してはどうだろうかと思ってしまう(無論、そのメリット・デメリットは存在するため、そんな簡単な話ではないが)。

・タレント候補者・マドンナ候補者の当選が減少したこと
 →知名度やモノ珍しさなどというよりも、実際に何が出来るのか?が、大切だろう。
  花より実を取るようになってきたのだろうか(飽きてきたという説もあるが)。

・(政治家としては)若い候補者が当選したことが多かった
 →こちらも、単なる知名度だけでなく、実を期待しての結果だろうか?

ように思う。
つまり。
日本国国民は、だれかに踊らされるようにならず、自らの目で見て、感じ、考え、そして行動するように変化しつつあるのではないかと、GALANT's Cafeには映った。

うむ。
安部政権の最大の成果は。
その点にあるのかもしれぬ。


そんなことを想った第21回(2007年)参議院議員選挙であった。

P.S. しかしながら。
   大勝したという民主党の提言も具現性に欠け、本当に実行に移し、一定の成果を
   収めることができるのか、GALANT's Cafeには疑心暗鬼に思えてならない(既存政権に、
   一定の審判を下す効果はあったと思うが)。


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