釧路の家庭菜園

必見!釧路の気候にあわせた栽培方法と基礎知識を紹介します。

キュウリの栽培に挑戦しよう

2010-01-21 21:30:07 | キュウリの栽培

★★ キ ュ ウ リ の 栽 培 ★★
<<適地>>
1.キュウリは全国で年中栽培されていますが、釧路地方での家庭菜園では6月から9月末まで栽培できます。
2.べと病、うどんこ病など病気が多いため、1回の定植で長期間収穫することは困難で、苗を定植して実がなるまでの期間を除くと、収穫できるのは約2ヶ月間です。
3.草勢が衰えるとすくに病気にやられてしまうので、長く強い草勢を保つために有機物に富んだ膨軟な耕土の深い畑を作ることです。

<<作り方>>
★育苗★

1.キュウリの種子は発芽しやすいので、覆土は1㎝近くにしておく。
2.5月の初旬に種まきをすると、30日で定植出来る状態まで成長する。
3.発芽して本葉が出だしたら1本にする。
4.前年、つる割れ病などが発生した場所で栽培する場合は、接木苗を使用する。

★畑の準備★

1.1㎡当たり堆肥2㎏、苦土石灰100g、BMようりん50gを施用し深く耕しておく。
2.うね幅1条植で1.5m、2条植で2mと比較的大きなうねを立て緩効性肥料を100g施す。
3.定植の前に1㎡当たり100gの高度化成肥料を施用し、軽く耕しておく。 

★植えつけ★

1.本葉が4枚になったら定植する。
2.定植の際絶対に鉢土を崩してはいけない>
3.キュウリの根は細く、切れると簡単には再生しない。また、深植えも禁物。
4.根は弱く肥料に触れると肥料負けを起こし枯れてしまうので注意が必要。
5.株間50~60㎝にする。

★支柱★

1.定植が終わったら(直播では本葉4~5枚)支柱をたてる。
2.市販のキュウリネットも使用できますが、株が少なければ、竹か人工支柱と麻ひもで作る。

★誘引整枝★

1.親づるの5節までに着生する子づるはすべて掻き取る。
2.親づるはまっすぐ伸ばし、支柱の上端で摘心する。
3.下から出る強い子づるを2本伸ばし、他の子づるや孫づるは長さ30㎝ぐらいのところにある節で摘心する。

★追肥★
1.生長が早く、肥料の吸収量も多いので、肥料切れしないように管理することが必要。
2.収穫始めから15日毎に1株あたり高度化学肥料を20g施す。
3.乾燥時には、肥料を効かすためたっぷりかん水するとよい。

★収穫★
1.実がつきだすとすくに大きくなるので必ず毎日収穫する。
2.大きくしすぎると、草勢が弱まるので早めに収穫する。

★その他の管理★
1.キュウリは根が浅く土の乾燥を嫌いますので、晴天が続く場合はかん水を行う。
2.乾燥、雑草、それに泥はねから起こる病害防止のため、厚めに敷きわらを行うと寿命を伸ばすことができるが、アブラムシ等の害虫が発生するので注意が必要。

★地這い栽培★
1.うね幅2m、株間90㎝と立ちキュウリに比べ、やや粗植えにする。
2.株元近くの5節程度の子づるはかき取りますが、その後の子づるは適当に配置するだけで摘芯の必要はない。
3.大ざっぱな管理と、台風など風で倒される心配がないのが利点。

<<病害虫防除>>
1.キュウリを農薬なしで作るのは非常に困難。
2.苗立枯病は直播き直後にオーソサイド水和剤(収穫前日まで)などをかん注して防ぐ。
3.べと病はジマンダイセン(ペンコゼブ)水和剤(同、2回)やダコニール1000フロアブル水和剤(同、2回)を10日間隔で予防的に散布して防ぎます。発病後はリドミルMZ水和剤(同、3回)やサンドファンC水和剤(同、3回)を散布する。うどんこ病にはヨネポン水和剤(1000倍液、5回)・カスミンボルドー水和剤(1000倍液、5回)を散布する。

メロン作りに挑戦してみよう

2010-01-18 18:14:34 | メロンの栽培
★★ メ ロ ン の 栽 培 ★★
<<適地>> 
1.生育適温は、25~30℃と高く、乾燥・多日照を好み雨を嫌うため、釧路地方では温室栽培かトンネル栽培が賢明。
2.有機物が多く、耕土の深いところが適する。
3.前年に栽培した箇所は4~5年休眠させたほうが賢明であるが、連作をしなければならない場合は、接ぎ木苗を使用する。
4.ネットメロンはハウス栽培が賢明である。
<<作り方 >>
★畑の準備★

1.定植の1カ月前に1㎡当たり2kgの堆肥と苦土石灰100g、BMようりん50gを施用し、深く耕しておく。
2.定植1週間前に元肥として1㎡当たり緩効性肥料100gを耕す。
3.排水の悪い箇所では高うねにします。うね幅は1.5~2.0mくらいにする。

★植えつけ・直まき★

1.家庭菜園では、種苗店で病気や虫に侵されていない、しっかりした苗を購入し植えつけるとよい。
2.土壌病害が心配な場合には、接ぎ木苗を利用する。
3.植えつけ適期の苗は、本葉4~5枚で、トンネル栽培であっても釧路地方は6月上旬です。
4.株間は90cmとし、あらかじめ十分にかん水し、マルチをしておくと地温が上がり活着も良くなる。
5.6月初旬は気温が低下するのでハウス内であってもトンネルやホットキャップをすると初期生育がよくなる。
6.根が弱い野菜なので、前日に十分にかん水し、できるだけ根鉢をくずさないように定植する。

★播 種★

1.確実にそろった芽だしをするため、トレーに培地を入れて種まきをする。
2.蒔いた種は30~35℃の温床で芽だしを行なうと、おおよそ3日間で発芽する。
3.トレーからポットへの植え替えは、10cmポットに植え替えて苗を作る。
4.メロンは湿度の高い状態にすると病気が出やすいので、1日のうちに乾く程度に朝のうちに、なるべく葉にかからないように灌水する。
5.ハウス内に畝たてしてマルチを張り、定植をします。畝幅1.5~2.0m株間90cmで植える。
☆メロンの栽培には、地面を這わせる地這い方法とキュウリの用に蔓を上に上げる方法がありますが、釧路地方で栽培する場合上に誘因した方が、選定がし易く、害虫や病気の被害が少なくて済む。
以降は上に誘引した場合の栽培方法を記載します

★整枝・着果★

1.本葉5~6枚のときに親づるを摘芯して、生育のよい子づるを2本伸ばす。
2.子づるから出る脇芽は10~12節目まですべて摘み取りながら、つるを紐に巻き付け立ち上げる。
3.12節以降の脇芽(孫づる)は実をつけるため残す。
4.本葉22~23枚で芯を止める。芯を止めることで、これまで蔓を伸ばすことに使われていた養分が実を付けるための枝の方に向かう。
5.こうした準備のあとようやく雌花を咲かせる。花が咲き受粉した日を記録して置くことになる。
★人工交配・摘果★

1.雨が続いた後の晴天時には人工交配を行うと着果がうまくいく。
2.受粉が終わったら、雌花のついている枝に花芽の次の葉一枚を残して摘み取る。
3.花が咲いてから1週間もすると卵ぐらいの大きさになる。このくらいになると玉の形や傷があれば分かるようになる。
4.受粉されて卵ぐらいの大きさになった玉の中から、やや縦長で形の良い物を1~2個残して、後は全部つみ取ります。(摘果)
5.摘果したメロンは漬け物にすると美味しくいただけます。
6.ネットがほぼ完成したら、このひび割れから細菌やカビが入るのを防ぐため、殺菌剤に浸した軍手でごしごし強めに拭きます。こうすることでそろったネットも出来るようになりますし、盛り上がりも良くなる。
★追肥★

1.開花期に窒素が効きすぎるとつるぼけになるので施肥には注意する。
2.着果後、卵形大になった頃に1㎡当たり高度化成肥料を30gうねの肩に施す。
3.追肥は苗基からできるだけ離すように、肥料が茎に触れると肥料やけにより、病気の発生源となる。
注:私は、畝作りの際、畝基より40Cm以上離し、深さ20Cmの箇所に高度化成をあらかじめ施しています。
★収穫★

1.開花後55日が収穫の目安。気温が高く日照があれば収穫は早まり、日照の少なくなる秋作では60日以上かかる。
2.着果日の分かる棒を立てておき試しどりをしてから収穫する。
3.外観では着果節の葉が枯れ始めたり、へたの付け根がとれやすくなったり、果皮のうぶ毛がなくなったりする頃が適期で、品種によっては甘い香りがする。
注:メロンの糖度は朝晩の温度差により左右されます。この温度差を大きくすることが糖度の高い良品を収穫するためのコツとなります。

現在栽培途方法の写真が不足しているため、今年度の栽培で載せたいと思います。


今年度は接ぎ木栽培を予定しております。

トマトの病気はどれほどあるの(1)

2010-01-09 21:22:56 | トマトの病気
★★ ト マ ト の 病 気 ★★
下記★発生の条件★と★日常管理★は各項に共通性があるため冒頭に記載する。
★発生の条件★
1.土壌の排水が悪かったり、葉や茎が成りすぎて密植状態になっていると発生しやすい。 
2.周りに病気の株があったり、一部の葉や茎が病気になっていると発生する。
3.土に水やりをしないで葉の上から水やりをしている。
4.前に病気になった株が植えられていた土に新しい株が植えられた。
★日常管理★
1.健全な種子を使うことが大切。
2.市販種子を55度の温湯に25分間浸漬消毒する。
3.栽培に使用する資材は消毒する。
4.わき芽取りは晴れた午前中に行なう。
5.土をよく耕したり、完熟した腐 葉土や堆肥を混ぜるなどして土壌の排水をよくする。
6.成りすぎた葉や茎を取り除いて密植をさける。
7.病気の株は、土とともに堀あげて焼却するか土深く(1m以上)埋めるなどして処分する。
8.病気の葉や茎は摘み取って焼却などして捨てる。
9.水やりは、葉の上から行わない。
10.病気が発生した土には株を植えないか、消毒(焼くか蒸気消毒、太陽熱消毒)した土を用いる。


【モザイク病】

★症 状★
1.生長点付近の若い葉の色が濃淡となり、モザイク症状が現れる。
2.果実内部には褐色や白色の筋が入ったりする。
3.ひどくなると糸のように細くなり、垂れ下がる。その部分から上にはほとんど実をつけない。
★発生の条件★
1.病植物上で増えた有翅のアブラムシがトマトやピーマンに飛来し、1~2分間の吸汁で伝染が起こるとされている。
冒頭★発生の条件★に準ずる
★日常管理★
1.消毒済みの種子を使い、株を寒冷紗で覆ってアブラムシを防ぐ。
冒頭★日常管理★に準ずる
★薬 剤★
1.この病気を防除する薬剤はない。
2.媒介するアブラムシを防除する。

【かいよう病】

★症 状★
1.葉や茎に白色か褐色でコルク状の隆起した斑点を生じ、果実の表面には鳥の目のような盛り上がった斑点を作る。
2.下葉が葉柄とともに垂れ下がり、葉縁は巻き上がり、先端から萎ちょうする。
3.葉脈間は黄変し、ついには葉全体が褐変枯死する。
4.茎,葉柄、がく,果柄,果実に白色~褐色のやや隆起したコルク状小斑点ができる。
5.茎のずいの部分が褐色で中空になり、ひどいと枯れる。
★発生の条件★
冒頭★発生の条件★に準ずる

★日常管理★
冒頭★日常管理★に準ずる
★薬 剤★
1.カスミンボルドー水和剤1000倍液(5回)を収穫前日までに散布。







【青枯病】

★症 状★
1.はじめ先端の葉が日中しおれ、曇天日や朝夕には回復しますが、株全体が緑色のまま急にしおれ、2~3日の間に全体が枯れる。
2.根は褐色に腐敗し、茎を切ると維管束から汚れた白色の汁がにじみ出る。
3.土の深いところに病原菌が残るので、完全に土壌改良しないと毎年発生する。

★発生の条件★
1.排水が悪い土や粘土質の土で発生しやすい。
冒頭★発生の条件★に準ずる

★日常管理★
1.病菌は傷口から侵入するので、芽かきは晴天の午前中に行なう。
2.排水を良好にし、潅水量を少なくする。
3.一旦全面的に発生すると、土壌消毒で病菌を完全殺菌するか、5年以上の間隔をとる。
冒頭★日常管理★に準ずる
★薬 剤★
1.有効な薬剤はない。

【輪紋病】

★症 状★
1.葉にやや楕円形で大形の褐色の病斑ができ、同心円状の輪紋がはっきり現れ、やがてボロボロに穴があいて葉が枯れる。

★発生の条件★
冒頭★発生の条件★に準ずる

★日常管理★
冒頭★日常管理★に準ずる

★薬 剤★
1.ダニコール1000の1000倍液(2回)を収穫前日までに散布。

【疫病】

★症 状★
1.トマトにもっとも大きな被害を与える病気である。
2.葉または茎や果実に、暗褐色で不整形、大形の病斑が生じ、そこに白色で霜状のカビが生えて腐敗する。
3.湿度が高い場合はうっすら白いカビが生え、湿度が低いと病斑部分が乾燥し、茶褐色になり枯れたようになる。
4.茎でも同じような症状があらわれ、そこから上の部分は枯れてくる。
5.実では比較的若いもので発生しやすい。
6.葉の先端から枯れてくる。

★発生の条件★

冒頭★発生の条件★に準ずる
★日常管理★
冒頭★日常管理★に準ずる

★薬 剤★
1.リドミルMZ水和剤750倍液(2回)を収穫前日までに散布。
2.ビスダイセン水和剤600倍液(1回) 収穫30日前までに散布する。


種類が多すぎて今回はここまで

おいしいトマト作りに挑戦しよう

2010-01-09 12:38:57 | トマトの栽培
★★ ト マ ト の 栽 培 ★★

<<作り方>>

★畑の準備★
1.(窒素成分が10%程度のもの)100gを全面に施し、深く耕し土とよく混ぜておく。
2.前作の肥料分が残っているような土であれば、元肥なしでも良い。
3.元肥が少ない方が失敗は少なくなる。
4.うね幅は1条植えで1m、2条植えで1.5mが目安。

★植えつけ★
1.適期は、1段花房の最初の花が咲いた頃。
2.開花前の苗を植えると、草勢が強くなり1段目花房が着果せず流れてしまう事が多いので、若苗を購入したときは、1まわり大きなポリポットに鉢上げし、花が咲いてから植えつける。
3.トマトは、1段花房と同じ方向に上位花房がでるので、通路方向に第一花房をむけて植える。

★整枝・誘引・摘果★
1.わき芽は取り遅れると主枝の伸びが悪く、病気の原因になる。
2.こまめに摘み取り1本仕立てにする。
3.この時、ハサミ等を使うと、ウイルス病が伝染する恐れがある。
4.ウイルス病の疑いのある場合は最後に整枝します。ハサミはその都度よく洗っておく。
5.晴れた日の午前中に行うのが良い。
6.摘心は、6~7段花房の花が咲いたら、花房上2枚の葉を残して止める。
7.大玉トマトの場合、1つの花房に多くの実がついたときは、ピンポン玉の大きさ位の時に大きな形の良いものを4~5個残し残りは摘果する。
8.ミニトマトの整枝は必ずしも1本仕立てでなく2本でもよいでしょう。1本仕立ての場合は斜めに誘引し横に伸ばす方法をとると長期間収穫できる。

★追肥★
1.1回目の追肥は1段果房がピンポン玉位になった時に1株当たり10gの高度化成肥料を施す。
2.2回目は5段果房の開花時、3回目は7段花房の開花時に草勢を見ながら適量追肥する。
3.葉が内側に巻き込んだ状態となれば肥料が多すぎるので追肥は行わないでおく。

チッソ(N)分が過多になると、葉が内側に巻き込んだり、茎が異状に太くなる。基肥が多すぎると三番果あたりから症状が現れてくる。

★敷わら・かん水★
1.通常は、雑草の発生と土が固まるのを防ぐために敷わらを行うが、釧路地方は湿度が高いため、敷きわらをすると害虫の発生を抑制するので、マルチにするとよい。
2.かん水は、果実が肥大するときに特に必要となるが、かん水のしすぎは逆に実割れの原因となるので状態をよく観察して行うこと。、

★ホルモン処理★
1.第1花房の着果を確実にするためにホルモン剤の処理をする。
2.トマトトーンの50倍から100倍液を、花房当たり2~3花開花した時にかる。
3.花房を手のひらで挟み、生長点に液がかからないようにして1回噴霧し、滴を払う。
4.生長点にかかると生育異常が起こり、2回、3回かけると空洞果ができる。

★トマトトーンはホルモン剤であり、花房に何度もかけると生育異常を起こすので、食紅などで色をつけておくと確認しやすい。

スイカの害虫はどれほどあるの

2010-01-08 16:01:25 | スイカの害虫
★★ ス イ カ の 害 虫 ★★
【ワタアブラムシ】

★発生部位と被害の特徴★
1.芽・葉・茎・つぼみ・花に寄生し、生育を阻害するほか、ウイルス病を媒介する。
2.体色は黄色、緑色、黒色と変異があり、体長1mm程度。
3.葉裏や新葉などに寄生し、植物組織内に口針を差し込み、汁液を吸汁する。
4.激しくなると、葉は縮れ、新葉では生長が止まる。また、排泄物(甘露)が葉の表面に付着するとすす病が誘発され、光合成や呼吸が阻害される。
5.果実にすす病が発生すると、汚れや着色不良で商品価値が低下する。
★発生の特徴★
1.多くの植物に寄生し、窒素肥料の多様は発生を助長する。
2.圃場での発生は有翅虫の飛来によって始まるが、その後は無翅の雌だけで増殖する。
★日常管理での防除★
1.窒素肥料の多用を控える。
2.他のアブラムシ類に比べて薬剤に対する耐性が強いので、発生初期から薬剤散布を繰り返し行うことが必要である。

★薬剤での防除★
1.ベストガード粒剤を株当たり1~2g植え穴処理して土壌混和(定植時1回)する。
2.発生時からベストガード水和剤100~200倍液(収穫7日前まで3回)を散布する。
3.モスピラン水溶剤2,000~4,000倍液(3回)を収穫前日までに散布する。
★すす病が発生すると、薬剤での防除は困難になるため、被害が広がらない前にその箇所を抜き取り周辺を薬剤散布するのが望ましい。さらに、マルチをしている場合は、マルチの下にも発生しているので入念に薬剤散布が必要になる。
★風通しが悪く密植していると発生を促しやすくなる。また、収穫時期になると特に発生しやすいため入念な管理と薬剤散布が必要になる。
★アブラムシが発生しやすい野菜(ナスビ・ピーマン・シシトウ等)を周辺に植えないようにする。特に温室内での同時栽培は禁物である。


【ミナミキイロアザミウマ】

★発生部位と被害の特徴★
1.成虫は体長1mm程度。体色は橙黄色で、背面中央に黒い筋(折りたたんだ翅)が見える。
2.葉の葉脈に沿ってかすり状に白い斑点が現れる。
3.葉裏に寄生し、食害する。そのため、葉裏がカスリ状に白変し、後に光沢のある褐色の食害痕となる。
4.多発生すると葉全体が枯れ上がり、着花不良や果実肥大停止を引き起こす。
5.新芽や心葉が食害されると萎縮し、つるの伸長が阻害される。
6.果梗部や果尻部分に褐色のケロイド傷痕を生じることがある。
★発生の特徴★
1.気温が高い時期に発生が多くなるが、施設内では周年発生を繰り返す。
★日常管理での防除★
1.ハウス栽培の除草を行う。
★薬剤での防除★
1.発生時からベストガード水和剤100~200倍液(収穫7日前まで3回)を散布する。


【ナミハダニ】

★発生部位と被害の特徴★
1.寄生された葉の表側には無数の白い斑点ができ、株全体に広がる。
2.多発すると糸を吐き頂上部に集合する。
★発生の特徴★
1.野菜・花き・果実など、多くの植物に寄生する。
★日常管理での防除★
1.周辺の寄生となる広葉タイプの植物や、雑草を取り除く。
★薬剤での防除★
1.発生初期からコロマイト水和剤2000倍液(収穫7日前まで2回)を散布する。
2.バロックフロアブル2000倍液(収穫前日まで2回)を散布する。


【ハダニ類】

★発生部位と被害の特徴★
1.体色はカンザワハダニでは赤色、ナミハダニでは黄緑色型と赤色型がある。体長は0.5mm程度。
2.葉裏に寄生し、口針を差し込み、葉の内容物を吸汁する。
3.寄生密度が低いうちは、葉にカスリ状の小白斑が点在する程度であるが、寄生密度が高くなると白斑が拡大し、後に黄化、褐変する。
4.ナミハダニとカンザワハダニが主に寄生する。
5.はじめ葉にごく小さな白い斑点が生じ、しだいに数を増して全体に及ぶと葉は蒼灰色となり、黄変して枯死を早める。葉裏を調べると、ごく小さな淡緑色または赤橙色のダニがはい回っており、糸を張りめぐらしている。拡大鏡で調べると、球形の卵も見つかる。高温・乾燥時に被害が大きい。



★発生の特徴★
1.施設内や野外の雑草などで越冬した成虫や幼虫が発生源となる。
★日常管理での防除★
1.ハダニは発生の兆候が見え始めると、ごく短期間のうちに蔓延するので、元葉近くにわずかな変色があればダニを調べ、すぐに防除する。ハダニは薬剤抵抗性がつきやすいので、系統の異なる2~3種類の薬剤を交互に散布する。
★薬剤での防除★
1.ダニトロン フロアブル2,000倍液を(1回)収穫前日までに散布する。