釧路の家庭菜園

必見!釧路の気候にあわせた栽培方法と基礎知識を紹介します。

釧路でもこんな立派なスイカが出来ま~す。

2009-09-30 11:07:33 | スイカの栽培

★★スイカの栽培★★
・水はけのよい比較的軽い土に適します。

・30cm以上の深耕。(根域を広げることと排水性や保水性を向上させる事が目的)

・雨水が停滞するような排水の悪い土では、つるの枯れ上りが早いので、高うねにする必要がある。

・つる割れ病が発生したら、次回から接木苗を植える。

・連作障害を少なくするため、裏作物および緑肥作物を栽培する。     


★釧路地方でのスイカ栽培は、気温が低く寒暖の差すが少ない・湿度が高く着果がし難い・病害虫の発生が多い等、困難な面もあるが、管理をしっかり行えば良い物を収穫できる。ここでは、私が実際に栽培している釧路地方の環境に合わせた栽培方法を紹介します。


<<作り方>>
★畑の準備★

・できるだけ早めに1㎡当たり2kgの堆肥と苦土石灰100g、BMようりん50gを施用し、深く耕しておく。

・幅2mのうねを作り、緩効性肥料を1㎡当たり60g施し、地温を上げるために透明マルチをする。

・釧路地方での露地栽培は不向き、温室で栽培したほうが無難でしょう。但し、阿寒・鶴居方面での露地栽培は、6月中句に定植出来るように苗作りを実施すると良い物が出来る。

★植えつけ★
・株間1mで定植します。スイカは根の再生力の弱い野菜なので、できるだけ根鉢をくずさないように注意して定植する。

・定植後は十分にかん水する。

・温室栽培であっても、6月の初旬に定植した時は、気温が下がる場合があるので透明マルチは必携、トンネルなどで気温が下がらないようにする。

・露地栽培の場合も透明マルチをし、早くても6月の中すぎに定植するようにしたほうがよい。この場合は、受粉時期まではビニールトンネル等で覆い寒さ対策が必要。日中は気温が上昇するので風を入れるなどして、換気を良くするとアブラムシの発生を防ぐことが出来る。

・釧路地方での種の直蒔きは不向きなので、ポットで苗作りをしてから定植する。この場合5月の始めに種まきを実施すると、4週間後には定植出来るようになる。但し、生育温度23~28℃、最高温度35℃・最低温度9℃なので温度管理が必要。苗を購入した方が無難かもね。また、種まきの際にネギを一緒に植えることにより根の発育を活発にし病気を防ぐことが出来る。

・自分で苗を作る場合は、10㎝ポット、土は無菌の物を使用する。


★私は、山から黒土・腐葉土を採取、これを3㎜の篩いを通して別々に90℃の温度で10分間殺菌したものに、麦わら薫炭・おがくず・肥料・堆肥を混ぜて使用しています。


★整枝★

・本葉5~6枚で親づるを摘心、生育のよい子づるを2本伸ばし、つるが重ならないように配置します。

・子づるに出た孫づるは全て摘心し、12~13節までの雌花も実を付けずそれ以降に着果させる。但し、12~13節手前で実の大きい雌花が咲いた場合は着果させた方がよい。

・1番果は変形果が多いので必ず2個以上着果させ、良い物を1個残しあとは摘果する。


       
★追肥★★

1.1回目はつるが1m程度に伸びたときに、1㎡当たり30gの高度化成肥料を施す。         
2.油かすを使う場合は窒素分が高度化成肥料の3分の1しかないので、1㎡当たり100g施用する。
3.2回目は果実が卵大になった時に1㎡あたり30gの高度化成肥料を施し、草勢が弱い場合にはその10日後にも追肥をする。
4.根は地表に出てきているので所々へ固まりに置くようにする。
★マルチをしている場合は追肥が困難のため畝作りをしたときに事前に60~70㎝離れた箇所に施肥しておくと良い。この場合、チッソ・リン成分の多い高度化成を使用するとよい。

★敷わら★★

1.通常は弦が1mぐらい伸びたら敷きわらをするが、釧路地方は湿度が高く害虫が発生しやすいので敷きわらはしないほうがよい。敷きわらをして、ワタアブラムシ等が発生した場合は、駆除が困難で全滅すると思った方がよい。
2.マルチをしている場合は、くぼみができて雨水がたまり、果実が腐るので、畝の中央を若干高くし水が溜まらないようにする。
3.実が大きくなってきたらスイカ専用の受け皿を敷く。このときスイカの底に着いているヘタを取らないと果実が腐るので必ず実施する。

★人工交配★★

1.着果を確実にするために人工交配を行う。
2.雄花をとって花粉が出ていることを確かめてから雌花の柱頭につける。
3.人工交配は、午前中10時頃までに行う。それを過ぎると着果し難くなる。

釧路での人工授粉は湿度が高く、水滴のためなかなか受粉がならない場合が多い、この場合は受粉促進剤(ベアニン)を使用すると80%程度の確率で受粉が可能になる。

★収穫★★

1.収穫適期の判定は着果した時に日付ラベルをつけておき、このときから小玉40日、大玉50日が収穫の目安。


無農薬で栽培するための"コツ"

スイカは瓜科の野菜で病気の発生はなかなか防ぐことが出来ません。
それでも農薬を使わず栽培するには、とにかく健全な苗を維持することです。
その方法として、釧路地方で一番良いと思われる栽培を紹介します。

1.私は収穫したスイカから種を採取、その種を植えて苗を栽培していますが、初めての人は苗を購入することを薦めます。この場合も接ぎ木苗が良いでしょう。
2.苗の植え時期を十分に考慮して・・・

スイカの生育温度は23~28度と、最高温度も35度と高温です。苗を植えた後に低温障害が発生すると、回復することはなく良い物が収穫できません。最初の内はトンネルなどにより保護することが重要です。

3.健全な苗を維持するため、定植するときにネギを一緒に植える。この場合スイカの根とネギの根が混じり合うように植えると良い。私は、ポットにスイカとネギを一緒に植えています。

4.スイカの茎が水に触れたり雨に当たると、病気が発生しやすくなる。畝には、水が溜まらないように太鼓型に作ると良い。5.スイカは、親蔓、子蔓、孫蔓と早成が盛んで、伸びるときは一日に10~20Cmにもなる、混みすぎるとアブラムシなどが発生しやすくなるので、選定はこまめに行い風通しを良くする。