にゃんわんとおばちゃんの気ままな生活

犬猫好きなおばちゃんのきままな日記

6月23日 「今は平和でしょうか」と 私は風に問う。沖縄戦「慰霊の日」によせて

2015年06月25日 | 平和

 

 

 

南の島に夏を告げる頃。6月23日は沖縄の終戦慰霊の日です。

70年たった今も多くの人々が心に多くの傷を抱えています。

 

「これが沖縄戦だ」(太田昌秀 編著)は、どなたかに頂いた本です。

頂いた方の事、頂いた時の事もとうに忘れました。でも、毎年この時期,

本棚から出して目を通す本です。

忘れてはならない事を思い出すため。

 

この本は、著者の大田 昌秀氏が、昭和51年から二年間ワシントンの国防総省で

膨大な沖縄戦関係の写真から一千数百点を選び出し、正規の手続きをへて入手され、

地元の「琉球新聞」に連載されたものを、まとめられたものです。





 

 

この本の冒頭部分には「白旗の少女」が載っています。

有名な「白旗の少女」比嘉富子さんです。

カメラのシャッターを切る音にも怯える姿が映し出されています。

 

「この白旗の少女」に関してテレビ番組の脚色と、当時の6歳から7歳に

なる境の少女の記憶の信憑性などに議論があったのも確かですが…

 

7歳になるかならない少女が、たった1人で戦場をさまよい、怖い目に合い、

九死に一生を得て、偶然めぐりあったおばあさんから、「命どぅ宝」を教えられ、

「世界じゅうの約束」である戦場での「安全の印」の白旗を作ってもらって、

壕を出で、1人でアメリカ軍に投降したというのは紛れもない事実です。

 

「この少女は私です。」と名乗りだされ、1989年に初版が出ました。

比嘉富子が著者の児童書「白旗の少女」です。

この本は誰かの所に行ってしまい、うちにはもうありませんが。。。

 

アメリカ軍の記者のカメラのシャッターの音にも怯えてる少女の姿です。

  「これが沖縄戦だ」は生々しい写真もありますが、こんな写真もあります。

 

助け出された子どもがアメリカ軍の兵士に抱きかかえられてる写真。

彼にもアメリカに同じような子どもがいたのではないでしょうか。左手の薬指にはリングが。

子どもは怯えてますが、兵士の優しい手のしぐさ眼差しが映し出されています。

 

戦場で救出された少年と二人の兵士。

一枚の布を三人出かけてふたりのへ兵士の腕の中で眠る少年。



 

アメリカ軍の演出?と疑う人もいるでしょう。でも、そうは思えない迫力があります。

この写真集を読むたびに「戦争って何?」「何のための?誰のための戦争?」って思います。 

 

沖縄は本土防衛の捨て石とされました。住民の犠牲94,000人。県内外の軍人の犠牲94,000余り。

将兵の戦死者数とほぼ同じ。当時の沖縄の人口の三分の一にあたります

アメリカ軍の戦没者12,520人(沖縄県援護課資料より)

沖縄戦の戦没者は二十余万人です。あまりにもむごい捨て石です。

 

「今は平和でしょうか」

 

沖縄の高校生の自作の詩

「みるくゆがやゆら」が追悼式で朗読されました。

 

 

平成27年6月23日 沖縄 慰霊の日 『平和の詞』"みるく世がやゆら"

 

みるく世(ゆ)がやゆら」   知念 捷

みるく世がやゆら

平和を願った 古(いにしえ)の琉球人が詠んだ琉歌(りゅうか)が 私へ訴える

「戦世(いくさゆ)や済(し)まち みるく世ややがて 嘆(なじ)くなよ臣下(しんか) 命(ぬち)ど宝」

七〇年前のあの日と同じように

今年もまたせみの鳴き声が梅雨の終りを告げる

七〇年目の慰霊の日

大地の恵みを受け 大きく育ったクワディーサーの木々の間を

夏至南風(かーちーべー)の 湿った潮風が吹き抜ける

せみの声は微かに 風の中へと消えてゆく

クワディーサーの木々に触れ せみの声に耳を澄ます

みるく世がやゆら

「今は平和でしょうか」と 私は風に問う

花を愛し 踊りを愛し 私を孫のように愛してくれた 祖父の姉

戦後七〇年 再婚をせず戦争未亡人として生き抜いた 祖父の姉

九十才を超え 彼女の体は折れ曲がり ベッドへと横臥する

一九四五年 沖縄戦 彼女は愛する夫を失った

一人 妻と乳飲み子を残し 二十二才の若い死

南部の戦跡へと 礎(いしじ)へと

夫の足跡を 夫のぬくもりを 求め探しまわった

彼女のもとには 戦死を報せる紙一枚

亀甲墓に納められた骨壺には 彼女が拾った小さな石

戦後七〇年を前にして 彼女は認知症を患った

愛する夫のことを 若い夫婦の幸せを奪った あの戦争を

すべての記憶が 漆黒の闇へと消えゆくのを前にして 彼女は歌う

愛する夫と戦争の記憶を呼び止めるかのように

あなたが笑ってお戻りになられることをお待ちしていますと

軍人節の歌に込め 何十回 何百回と

次第に途切れ途切れになる 彼女の歌声

無慈悲にも自然の摂理は 彼女の記憶を風の中へと消してゆく

七〇年の時を経て 彼女の哀しみが 刻まれた頬を涙がつたう

蒼天に飛び立つ鳩を 平和の象徴というのなら

彼女が戦争の惨めさと 戦争の風化の現状を 私へ物語る

みるく世がやゆら

彼女の夫の名が 二十余万もの犠牲者の名が

刻まれた礎に 私は問う

みるく世がやゆら

頭上を飛び交う戦闘機 クワディーサーの葉のたゆたい

六月二十三日の世界に 私は問う

みるく世がやゆら

戦争の恐ろしさを知らぬ私に 私は問う

気が重い 一層 戦争のことは風に流してしまいたい

しかし忘れてはならぬ 彼女の記憶を 戦争の惨めさを

伝えねばならぬ 彼女の哀しさを 平和の尊さを

みるく世がやゆら

せみよ 大きく鳴け 思うがままに

クワディーサーよ 大きく育て 燦燦(さんさん)と注ぐ光を浴びて

古のあの琉歌(うた)よ 時を超え今 世界中を駆け巡れ

今が平和で これからも平和であり続けるために

みるく世がやゆら

潮風に吹かれ 私は彼女の記憶を心に留める

みるく世の素晴らしさを 未来へと繋ぐ

 

 

 

数日前この本を知人から頂きました。

知人が先生たちと作った修学旅行向けの本です。読ませていただきました。

客観的な資料が載っており、分かりやすい本でした。

 

 

 

 

 

「今は平和でしょうか」と問いたい今日この頃です。

若い人たちが二度と戦場にかり出されないために。。。


I wish for world peace

2015年02月02日 | 平和

 

 

              目を閉じて、じっと我慢。怒ったら、怒鳴ったら、終わり。

        それは祈りに近い。憎むは人の業にあらず、裁きは神の領域。

                -そう教えてくれたのはアラブの兄弟たちだった。

                                    2010年 9月7日 後藤健二さん @kenjigotoip より引用

                               

 

              そう、取材現場に涙はいらない。ただ、ありのままを克明に記録し、

        人の愚かさや醜さ、理不尽さ、悲哀、命の危機を伝えることが使命だ。

                    でも、つらいものはつらい。胸が締め付けられる。

                   声に出して、自分に言い聞かせないとやってられない。

                 2010年 12月2日 後藤健二さん @kenjigotoip より引用 

 

                      悲しくて、悲しくて。心の底から悲しみがこみ上げてきます。暴力の連鎖は望みません。

                                     こんな事が最後になる事を祈ります。  

 

        

モーツァルト レクイエム K626 ラクリモサ 涙の日Mozart : Requiem K626 Lacrimosa