Duke MBA 日本人ブログ

Duke University - Fuqua School of Business(非公式)

Energy Club によるヒューストンの旅

2016-10-26 21:58:52 | 課外活動

はじめまして、一年生のCSです。7月末からデューク大学に通い、早3ヶ月が過ぎようとしています。

私は私費留学生としてFuquaに来ていますが、入学早々すでに就職活動が始まっています。通常日本人留学生の場合は、就労ビザを援助してくれるアメリカ企業を探す、または日本企業/日本に支店を置く外資系企業をターゲットに活動を行いますが、私は日米の二重国籍で米国での就労に問題がないため、卒業後もアメリカに残るも日本に帰るも選択肢としてあるので非常にラッキーです。

今回はアメリカでの就職活動の一環であるWeek-in-Cities についてお話ししたいと思います。

■Week-in-Cities とは

Week-in-Cities(WIC)は学校の休みを利用して1週間程度他都市に行って就活を行う旅行のことを言います。8月にデューク大学に入学して、全員必修である夏のGlobal Instituteから始まり、Fall 1でコア授業を受け、同時進行でリクルーティング活動をするという休みなき戦いが10月中旬のテストを境に一瞬だけ落ち着きます。約10日間の秋休みが始まるのですが、学生はこの休みを利用してデューク大学ビジネススクールの各クラブが主催するWICに参加します。これは学生がアメリカ各地に企業訪問をしに飛び立つもので、企業とのネットワーキングを主とした旅行です。例えば、テック志望の学生はサンフランシスコとシアトルに行き、グーグル、アップル、アマゾン等などを訪問します。コンサル志望の場合は、ダラス、アトランタ、シカゴ、ワシントンDC等、デュークが強いとされる地域を訪問しているようです。その他にも投資銀行やマーケティング、ソーシャルインパクト関連、ヘルスケア等々、自分の興味にあったところに登録をして行っているようです。また、WICの時期もずれていたりするので、最大で2種類のWICに参加できます。例えば、前半テックに行きそのあとシカゴでコンサル用のWICに参加する、など。

■Energy Club によるヒューストンの旅

さて今回は、私が参加したEnergy Clubによるヒューストンの旅をご紹介したいと思います。エネルギーに携わる方ならご存知かと思いますが、エネルギーの業界にとってヒューストンはメッカであり、テックにとってのシリコンバレーのようなところです。All roads lead to Houston.(全ての道はヒューストンに通ず)という言葉があるぐらい、海外のエネルギー企業も本社以上に巨大なオフィスをヒューストンに構えています。ちなみにヒューストンは全米で4番目に大きな都市なのですが、家賃がダーラムやチャペルヒルよりも安いという非常に魅力溢れる都市です。元々テクノロジー出身の私ですが、デューク大学が非常にエネルギーに強いということや、エネルギー業界のスケールの大きさに惹かれEnergy ClubのCabinet Memberになり今回のヒューストンWICを計画してリードする機会を手に入れました 。うまくいったかどうかは参加したメンバーに聞かないとわかりませんが、Organizerとしての視点からいくつかお話ししたいと思います。

■WICの規模

まず、どのくらいの規模感かというところですが、ヒューストンWICに参加したのは私を含め12人です。テックやコンサル等で大所になると50人とかになるようです。このように10人程度の小規模であれば企業訪問の際にかなり自分を売り込めるチャンスになり、実際に今回のヒューストンWICも非常に有効な就活の場となりました。数が多いとほぼただの旅行化するようですが、それはそれで非常に楽しいようです。つまり、小規模のWICは役には経ちますが毎回の企業訪問で気が抜けないので楽しむというより毎日非常に疲れます。

ヒューストンWICに参加したメンバーのほとんどがOil&Gasのバックグランドを持った人たちで、中にはチリでエネルギー業界のInvestment Bankerをやっていた人間から、メキシコのアクセンチュアで働いていて国からの支援でデュークに来た官僚、炭鉱エンジニア、化学エンジニア、等々業種は様々です。エネルギーのバックグランドがないのは私くらいでした。そんな私にこんな重要な就活旅行の指揮をとらせてくれるのですから、アメリカの寛大さに感銘を受けます。

■訪問した企業

そして、今回訪問した企業の種類ですが、事前に参加候補者にアンケートをとって訪問したい企業をリストアップしました。スーパーメジャーと呼ばれるExxonMobil、Chevron、Shellはもちろん、テック寄りのGE(Oil & Gasの本部がヒューストンにあります)、クリーンテック関連のNextEra、あとはコンサルや投資銀行もヒューストンオフィスはほぼエネルギーなので、マッキンゼー、ベイン、モルガン・スタンレーといった感じで、3日間、1日3社ペースで訪問をしました。我々とは別にエネルギー関連の投資銀行にしか興味がないという生徒もいて、そういった人達はニューヨークのWICには参加せず独自にスケジュールを組んで個別にヒューストンにある投資銀行へコンタクトしてました。その人たちは既にこの段階で面接を受けていたようです。また、今回企業にコンタクトしていて一番印象深かったのが一社も断られることが無かった、いう点です。過去の先輩方の実績もあるのでしょうが、デュークMBAの力を痛感した瞬間でもありました。 

■WICのスケジュール

今回のWICのスケジュールとしては、Fall 1の期末試験が終わり、その次の朝にヒューストンに向けて出発。2時間程度でヒューストンに到着し、メンバーの友人にヒュースト観光ツアーをしてもらい、午後にホテルにチェックイン。ヒューストンに家を持つデューク大学の仲間宅でBBQパーティ。そして、その次の日の朝から訪問開始。午前はマッキンゼー、午後はモルガン・スタンレー、エクソンモービルといった感じで回ります。ほとんどの会社が30分〜1時間をかけて会社の説明や夏のインターンシップの説明を細かく話してくれます。その後1時間くらいのQ&Aの時間を設けてくれます。Energy Clubの連中だけあって、会社のことよりも、現在の石油の価格や、IoTと天然ガスの関連性についてなどの質問が多く、質問自体も止むことはまずありませんでした。

その後は会社内のツアーがあったりなかったりですが、エクソンモービルに関しては、会社説明の後、天然ガスの探鉱に使われる3Dテクノロジーの体験や、息をのむほど巨大で美しいキャンパスのツアーをして頂きました。

■まとめ

このようなWICは、純粋に参加することだけでも非常に意味があり楽しいものですが 、Energy Club のCabinet MemberとしてWICを計画する立場は、就活には非常に有利だと感じました。というのも、直接企業のリクルーターやマネージャー陣と事前からやり取りができるので、非常に濃いネットワーキングができるからです。ただ、学校の期間中に勉強、リクルーティング、ソーシャルライフに加えWICのために時間を費やす必要があり、特に期末試験のタイミングに重なることから、なかなか精神的かつ体力的には鍛えられました。それでも計画する側としても参加する側としてもやった価値は十分にあったかと思います。ただの旅行としても、リクルーティングイベントとしても非常に楽しく、かなり充実できた期間となりました。