Duke MBA 日本人ブログ

Duke University - Fuqua School of Business(非公式)

Healthcare Conferenceについて

2017-12-01 11:57:48 | Health Sector Management

FYのJです。Fuquaでは、11月から翌年2月にかけて、Professional ClubやDiversity Club主催のConferenceが多く開催されます。今回は、その中でDuke Healthcare Clubが 主催したHealthcare Conferenceについてご紹介します。

Duke MBA Healthcare Conference は15周年を迎える伝統ある行事です。今年はDaVita Medical Group のCOO をはじめAmgenや UnitedHealthcare Groupといったヘルスケア関連企業からのゲスト、Health Analytics Platformの起業家、Life science にフォーカスしたベンチャーキャピタルの共同経営者ら十数人をパネリストに迎え、Finding a Niche – The Rise of New Entrants in Health Care and the Incumbent Response –というテーマでディスカッションが行われました。

 

各種Conferenceに参加する大きな意義として、関連する業界の第一人者から最もホットなトピックについて話を伺うことができ、多様な観点からの見方を併せて聞くことでトピックについて横断的な理解が得られるという利点があります。この日のConferenceでも、技術革新と米国の医療制度改革の波間で生まれている多くの事業機会について、ベンチャーのアプローチや既存企業のアプローチ、患者にとっての付加価値の視点、医療従事者の視点など、多様な文脈から充実した議論が交わされました。

例えば、高齢化の進む米国では、社会保障コストや医療費負担の増大を背景に、治療のコストよりも患者にとっての治療上の価値を基礎として診療報酬を決定する枠組みへの移行が模索されています。近年の医療制度改革と同様、このような枠組みの転換は新技術や新薬の収益性に大きく影響を与えますので、企業の側も変化を見越した対応を迫られることになります。ヘルスケア領域のベンチャーにおいては技術革新の機動性(Nimbleness of innovation)や柔軟性がより一層重視されるようになりました。また製薬業界等の既存企業にあっては、研究開発の加速とリスク分散の観点から、意思決定を委譲する分散型の企業構造が多く志向されているという変化があります。

Conferenceの後には参加企業と学生の交流会が行われました。Conferenceの企画には関連する専攻Health Sector Managementの教授陣も加わるものの、基本的には学生が主体となって運営されています。カリキュラム外で専攻や業種を超えて知見とネットワークを広げる機会が数多くあるのは、Fuquaのコミュニティの特徴です。MBA入学後のプランを練られている皆さんには、ぜひConferenceというユニークな学びの機会を活用されることをお勧めします。

 

参考: https://www.fuquahealthcareconference.com/

 


Health Sector Managementについて

2015-12-27 22:27:22 | Health Sector Management

こんにちは!1年生のYです。Fuquaが強みを持っているindustryには色々ありますが、その中でも特に際立っているのがヘルスケア分野かと思います。かくいう私もHealth Sector Management(通称HSM、参考1及び2)という医療分野専門のコースがフルタイムMBAの中に設けられていることを決め手にFuquaを選びました。今回はFuquaで得られるHealthcare関係のオポチュニティについて申し上げたいと思います。

近年はヘルスケア分野を強みに掲げるビジネススクールも増えてきている印象があリます。FuquaのHSMはプログラムとしての伝統に加え、フルタイムMBA生のうち2~3割がHSMに所属するという生徒の厚み、そしてそこから生まれるヘルスケア業界の中でのdiversity、すなわち製薬企業・医療機器メーカー出身の人や医療従事者(医師・看護師)などに加え、例えばホワイトハウスでオバマケア法案の起草に携わっていたという政策担当者や、ヘルスケア専門のコンサルティングに従事していた人など様々な人がいます。こうした環境が授業におけるディスカッションの多様性、ひいては質の高さにもつながっていると思います。

もう1つのFuquaにおけるヘルスケア分野の特徴はDuke university Hospital/medical schoolを含めた他学部とのコラボレーションです。Duke medical schoolは全米でもトップクラスの研究機関として有名ですが、medical schoolを始め公共政策大学院(Sanford school)等の学生と一緒に授業を受ける機会(Spring2に開催されるHealthcare policyなど)は勿論の事、他学部の学生と半年間かけてデータ解析やコンサルティングなどに取り組むQuality & Innovation Scholars Program (QISP)というプログラムもあります。私は時間の制約で今年は断念しましたが来年チャレンジしようと思っています。

学生主体のヘルスケアクラブの活動も盛んです。10月後半の秋休みには各都市の企業を訪問するweek in citiesというイベントが開催され、私はサンフランシスコトリップに参加し、GenentechやMckessonといった大企業に加え、Castlight healthなどのスタートアップにも訪問しました。これらの企業に実際に就職しようと考えている学生にとっては貴重なネットワーキングの機会になったようです。余談ですが、同時期にサンフランシスコに加えヘルスケア関係のトリップとしてニューヨーク、ボストン、ロサンゼルス、ナシュビル(ノースカロライナ南部の都市)に訪問するツアーが企画されましたが、こうした選択肢の多さは前述の生徒の厚み・関心の広さのなせるところかなと思います。

また、ヘルスケアクラブのイベントとして11月中旬にAnnual health care conferenceが開催されました。有名企業の重役、ヘルスケア関係のスタートアップのCEOといったメンバーが集い様々なトピックについてパネルディスカッションが行われました。私にとって最も興味深かったのは「医療ビックデータの今後」というトピックです。例えば医療ビックデータの活用として、日本の場合だとレセプトデータをデータベース化しそれを解析することで政策立案に生かすという取り組みが行われています(参考3)。他方で、アメリカのように私的医療保険が中心の場合、各医療機関・保険者が独自にデータを管理しているためデータ量をスケールさせることが難しい、またそれぞれが独自のベンダーを使用しているため各医療機関同士のデータに互換性がないといった問題に直面しているため分析対象となるビッグデータの生成が難しいという話でした。日本の場合は医療保険制度が公的な国民皆保険制度であるが故にレセプトデータを通じて網羅的なデータベースを構築することが可能となっており、そのデータベースが先進国でも稀なものであるということは聞いたことがあったのですが、それが具体的にどういう事なのかがわかった良い機会となりました。

来学期からはFCCP(Fuqua Client Consulting Practicum)(参考4)の一環として、地場にある病院のオペレーション改善に取り組むことになっています。私が選んだ病院以外にも、アフリカにある診療所や大手医療機器メーカーといった様々なクライアント候補がありましたが、自分はプロバイダー(医療サービスの提供者)の視点を得られる良い機会になること、また地場にある病院ということでより密接にクライアントとコミュニケーションが取れることを期待してクライアントをチョイスしました。早速大量のミーティングがセットされ予想以上に大変そうですが(笑)。来学期以降に活動が本格化するため、今から非常に楽しみです。

最後になりますが、出願等を検討されておられる方で何かご疑問等がございましたらfuqua-japan_ANTISPAM_googlegroups.com(_ANTISPAM_を@に変換)までご連絡ください。


【写真】Genentechを訪れた際に参加メンバーで撮った集合写真)

(参考1)Fuqua HSMのHP: http://www.fuqua.duke.edu/daytime-mba/academics/certificates/health-sector-management/

(参考2)Fuqua HSMのTwitterアカウント:@Duke_HSM

(参考3)医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会HP: http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shakaihoshoukaikaku/chousakai.html

(参考4)FCCP(Fuqua Client Consulting Practicum )は、クライアント企業・NPOに対して学生がコンサルティングを行うHands-On型のプログラムです。当然ですが、クライアントにはヘルスケア関係以外にも様々な分野のクライアントがいます。


授業紹介:Health Care Markets

2014-04-19 00:16:22 | Health Sector Management

FYのtarezoです。
Spring 1にHealth Care Marketsという授業を履修しましたので紹介致します。

この授業は、(その名のとおり)ヘルスケアマーケットにおける諸問題を、ヘルスケアの3P (Patients, Providers, Payers)の観点から検討するというものです。ケースメソッドが中心で、アメリカのヘルスケア制度を前提にした事例を扱うことが多いのですが、ケースの議論の際に他国との比較が用いられることも多々あり、また、そもそもアメリカ外のケースについて検討するという授業もありました。

また、この授業は、Elective(選択授業)扱いであるものの、HSM (Health Sector Management)のCertificationにおける必修科目とされているため、HSMに参加している学生が多く履修しており、また、メディカルスクールや公共政策大学院(Sanford School)の学生も相当数履修していて、ヘルスケアに関する経験や高い知見に基づいたレベルの高い学生のディスカッションに毎回驚かされました。教授のDavid Ridleyも毎回パッションにあふれる素晴らしい授業を展開してくれました。

この授業では、学期末にチーム単位でヘルスケアに関するトピックを選んでレポートを作成します。私のチームはアメリカにおける医療費(情報)の透明性に関するレポートを作成したのですが、この分野に関するアメリカの制度は日本のものとかなり異なっており、「そもそも何が論点なのか」を把握するのにだいぶ苦労しました。ヘルスケアのバックグラウンドのあるチームメイトや、医療制度に詳しいSanford Schoolのチームメイトに助けてもらいながら、何とか分析を仕上げ、アメリカの医療費システムについて知見を得ることができたのは有益な経験となりました。

 


Week in Cities with the Health Care Club (Boston)

2009-10-28 03:35:23 | Health Sector Management
FYのblanketgirlです。

初投稿なので自己紹介を少し:
日本で製薬メーカーに6年ほど営業とマーケティングをし、今年から単身、Fuquaに留学しています。こちらではHealth Sector Managementにenrollしています。


今日は、Week in Cities(WiC)という企画についてレポートしたいと思います。
WiCは、色んなクラブ(←就職活動に重点を置いたまじめ系クラブ)が主催して学生10~20人程度のグループで休み期間にcityに数泊して現地の企業を訪問したり、卒業生とネットワーキングしたりする企画です。

今回のfall breakでは例えば、Finance ClubはNYに行くし、General Management ClubはChicago, その他にもAtlanta や San Franciscoなどに行く企画もあります。


私はHealth Care Club主催の企画でボストンに数日間行ってきました!
ご存知の方も多いと思いますが、ボストンは多くのヘルスケア関連企業が集まっているのですが、今回は5社を訪問し、企業プレゼンテーションを受けたり社員の方に色々とお話を伺ったりしました。


◆Millennium: The Takeda Oncology Company
昨年武田薬品工業に買収(約1000億円!)されたバイオ医薬品メーカーで、現在は武田の癌領域の新製品の開発を全て担っています。
開発している薬についての科学的な話(←absolutely amazing and cool!)、武田本社との業務上の関わりについて、“We aspire to cure cancer”というミッションに情熱を持っている社風、社内でのいくつかのfunctionの日々の業務の内容/様子、等について伺いました。


◆Depuy
世界最大の医療機器メーカーで、Johnson & Johnsonのグループ会社です。Bostonから1時間弱のRaynhamという街にある広大なキャンパスを訪問。
Depuyでは膝、脊椎、sports medicine(いわゆる、“パーツ”)などの人工関節を扱っています。これらは患者さんのQOLやADLを目に見えて改善するのでとてもやりがいがあるとのこと。そのほか、J&Jの他の会社についても説明&質疑応答。


◆Deloitte
Deloitteのコンサルティングにはhealth careに特化したdivisionがあります。(先月HSMの授業でDeloitteの手がけたhospital turn-aroundのケースを扱ったばかり!)
国内の色々なヘルスケア関連会社のコンサルを行っていて、業務内容はいわゆるコンサルっぽいかんじ。(週のほとんどをクライアント先で過ごし、プロジェクトは数週間~数年)
Deloitteはこれまで大手コンサルで典型的だったup-or-outモデルから転換し、社員の人生設計をより考慮して長く社内にとどめるスタイルに変わりつつあるというのが個人的には興味深かったです。


◆Leerink Swann
ヘルスケアに特化したboutique consulting firm(i.e.小規模/ニッチなコンサル)。Equity researchのdivisionもあります。
業界内のM&Aや、新製品開発についてなど、大規模&上流のプロジェクトを多く扱っているため、クライアント先に行くことは少ないらしい。


◆L.E.K.
これまたboutique consulting firm。ヘルスケア以外にも航空業界などいくつかの分野に特化した会社で、東京を含め世界中にオフィスがあります。
最近のトレンドとしては米国内のpay-for-performance(薬を使用した実際の結果/効果に基づいて保険会社からメーカーに支払い)やpre-dose identification(投薬する前に遺伝子情報などでその個人のレスポンスを予測する)などが増えているそう。コストカット圧力とテクノロジーの進化を感じます。


今回は多くの企業で卒業生と会ったり、各社で人事部以外の多くの社員の方が私達のために時間を割いてプレゼンをしてくれたりしたわけで、FuquaのHSMの強さを感じました。

HSMはヘルスケア関連のMBAでは全米トップクラスで、色んな会社やsub-sectorから講師として授業をしに来てくれたり、ヘルスケア関連会社には多くのalumniもいるし、業界からのリクールーティングも豊富です。


HSM student seminar - Global Market Analysis

2009-01-15 13:23:03 | Health Sector Management
先月初めに、Global Market Analysisとして、日本のヘルスケアについてプレゼンテーションをする機会があったので、その模様について紹介します。

このGlobal Market Analysisは、Fuquaの新しいミッションである "Rethinking our Boundaries"を踏まえて新しく出来たプロジェクトで、HSM生の必修科目である1年間のセミナーシリーズの締めくくりとして、2007年度の受講生から追加されました。

具体的にはSecond Yearの7~8人のチームで、アメリカ以外の国のヘルスケアマーケットを調査し、First Yearを対象に、30分間のプレゼンテーションを行うことになります。(日本以外では、ドイツ、スイス、南アフリカ、インド、ロシア、アイスランド、中国(2チーム)、シンガポールについて発表されていました。)

我々は、アメリカ人1人、インド人1人、中国人1人、韓国人2人(1人は日本語読める)と日本人3人の合計8人チームで、「日本のマーケットに参入するために知っておいた方がいい情報」をテーマに、日本の医療システムの概要と、医薬品・医療機器の規制や流通、マーケティングについて駆け足でカバーしました。

当然、プレゼンテーションは英語だし、チームで分担してスライドを準備するにも最初からある程度英語の情報を使った方がいいかな、ってことで、いろいろなマーケティングリサーチレポートに当たってみて気づいたのが、アメリカでの最新の正確な日本のヘルスケア情報の入手しにくさでした。製薬会社や大学などが有償で契約・購入し、「(おそらく)正しい情報」として市場参入の検討や、研究の基礎データとして使っているのではないかと思われる英語のマーケットリサーチレポートでも、古いものや不正確なものが多く、チームミーティングで、「この制度はもうなくなったよ」、「これ間違っているなー」などと会話しながらスライドを作成しつつ、外国で販売されている最新の医薬品や医療機器がなかなか日本に導入されないというドラッグラグ・デバイスラグといった問題は、外国での日本の情報の入手しにくさや不正確さも一因なのかもしれないなぁ、などと思ったりもしていました。

昨日のブログでYutaが書いていたとおり、普段の授業の課題では、アメリカの会社や市場のことを扱うプロジェクトが多く、日本のことを調べて、プレゼンテーションするというのは珍しい体験だったのですが、Team Fuquaらしく、みんなでうまく分担して、スライド作成からプレゼンテーションまででき、そういう点でもなかなか満足度の高い体験でした。

by Max

ヘルスケア関連のイベント

2008-11-09 18:32:15 | Health Sector Management
SYのMAXです。HSM専攻の学生には、毎週金曜日にHSM OfficeよりFuqua内外でのHeatlhcare関連のイベント開催予定をまとめたニュースレター(HSM Weekly Update)が届きます。Fall2が始まって、まだ10日間ですが、その間にも、いろいろなイベントが開催されていましたので、その一部を紹介しましょう。

1.BioScience Forum(NC Biotechnology Center)
先週金曜日は、ノースカロライナ州立大学(NCSU)のCollege of Management(MBA-BioSciences Management)とNorth Carolina Biotechnology Centerが共催のAnnual BioScience Forumに参加するため、Research Triangle Park(RTP)にあるNorth Carolina Biotechnology Centerを訪問してきました。

入手した資料によると、ノースカロライナ州のBioscience Industryは450社、55000人近くの従業員をかかえ、全米第三位の州(会社数ベース by ERNST&YOUNG)となっており、North Carolina Biotechnology Centerは、1984年に世界で最初のState-sponsored biotechnology development organization (state-funded but independent non-profit economic development institution)として設立され、Education/Training Program、起業や実用化を支援するGrant/Loanの提供、Conferenceの開催などを通じて、ノースカロライナ州のBiotechnology Industryの発展に貢献しているようです。

Conferenceの内容は、地元の有力病院であるWakeMed HospitalsのCEOからの病院経営に関する講演や、LabCorp、Quintiles Transnational Corp,Wyeth BiotechのExective VPから、それぞれの業界動向に関する講演でした。Fuqua主催のイベント以外にも、気軽にこういった講演会に参加できるのは、Life Scienceに強いRTPにいるメリットの1つかもしれません。

2.Health Care Conference
今週水曜日は、年に1度のDUKE MBA Health Care Conferenceでした。今年は、”Making Helath Care Personal”をテーマに、終日いろいろな講演・パネルディスカッションが開催されていました。特に印象に残ったのは、23andMeという個人向け遺伝子診断を提供しているベンチャーの講演で、特定の疾病(例えばⅡ型糖尿病)へのかかりやすさ、目の色などの個人ごとの特性や、自分の祖先が世界のどの地域から来たのか(自分がどの地域の人に多い特性をもっているか)を判定するサービスを提供していて、このサービスは、TIME Magazine’s 2008 Invention of the Yearに選ばれたそうです。ちなみに、くじ引きで参加者のうち5人が、無料診断権(通常$399)を引き当てていました。

3.Health Sector Advisory Council(HSAC)
今週金曜日はFuquaの隣の高級Hotel、Washington Duke Innで開催されていたHealth Sector Advisory Council(HSAC)に参加してきました。

HSACは、(いまいち、その本質をよく理解できていないのですが)おそらくHSM ProgramのSponsor(資金面や毎週のHSM Seminarでの講演などを通じて貢献)を集めたBoard Meeting兼意見交換会のようなもので、有力ヘルスケア企業(病院チェーン、製薬・医療機器)のCEO/COOクラスの他、地元NC州4区選出の下院議員David Priceもメンバーとして参加していました。

HSACは、年に2回開催されており、今回は、”Follow-on Biologics”と”大統領選を踏まえたHealth care reformの今後”がテーマとされていました。

Follow-on Biologicsは、タンパク質医薬品は、化学薬品と違って特許が切れたあとも全く同じものを作るのが難しいので、どういう風に後続品の同等性を評価しましょうか、という類の話で、ケンブリッジ大学(バイオテクノロジー研究所)とデューク大学(生物統計)の教授、FDAの審査官の順にサイエンス・規制に関する最新動向の説明のあと、先発品メーカー(Amgen)と後続品メーカー(Barr Pharmaceuticals)のそれぞれの主張&討論と進んでいきました。

また、Health Care Reformについては、HSM Bootcampの教授でありWashington DCでコンサルティング会社Avalere Healthの社長をしているDan Mendelsonから、大統領に選ばれたObama氏の大統領選中の発言などをもとにした、今後の政策に関する方向性の説明があり、どこまでほんとかはわかりませんが、DukeからFDAの次期Commisioner(長官)が選ばれる可能性もあるというようなことも言ってました。

企業のトップ、アカデミア、政治家、行政が集まって、ScienceやPolicyについて、リアルにDiscussionをしている姿を見ながら、こういった機会を通じた産学官連携もアメリカの強さの1つなのかなぁ、などと思ったりしていました。

学生の参加枠はある程度限られていて、一応選考プロセスもありましたが、なかなかこういうExectuiveが集まっているところを見る機会も貴重なので、HSMerのみなさんは時間があれば参加してみるのもおすすめです。(過去の記録はこちら


この他にも、今週は、Conference on Bioengineering Applications to Address Global Healthと題したDuke Global Health Institute(第三世界の医療への貢献を目指すDukeの学部横断組織)主催のConferenceがあったのですが、こちらは残念ながら授業と重なっていたので、参加できませんでした。

ちなみにこれらのイベントがすべて参加費無料で食事付きでした。勉強目的な人はもちろん、おなかのすいてる人、一人でごはんを食べるのが寂しい人なんかにもイベント参加はおすすめかもしれません。

P.S. 写真は、今週末、FuquaのDean Blair Sheppard主催でNCSUとのFootball Gameの前に開催されていたTailgate Party。ブルーデビルも忙しい応援の合間を縫ってビジネススクールの生徒とのソーシャライジングに興じています。あ、HSMとはなんの関係もありません、、。

アメリカ医療経済学会@Fuqua

2008-06-26 13:53:42 | Health Sector Management
Class of 2009のMaxです。American Society of Health Economistsという学会の2年に1度の大きなConferenceが6月22日から25日まで、Fuquaで開催されていましたので、その様子を紹介します。

参加者は、全米津々浦々の大学や世界各地のProfessor・研究者の他、アメリカの政府機関(FDA,CBO,AHRQ,CDC)などからも当地Durhamを訪れ、総勢約670人(事務局談)に達し、普段授業で使われるClass Room, Seminor Roomのほとんどが、研究発表&ディスカッションの会場になっていました。(教室って、ほどよいサイズで、プレゼン設備もついていて、研究発表に最適だったようです。)

私はHost InsisitutionsになっているDukeとUNC at Chapell Hillの大学院生で結成されたボランティアに参加して運営を手伝いつつ、いろいろな研究発表を聴く時間もあったのですが、一番盛り上がっていたFDA・CMSの元長官Mark McClellanやノーベル経済学賞受賞者のGary Beckerの招待講演が聞けた他、”Economic Evaluation of Drugs, Devices and other Medical Interventions”と題した医療のCost Effectiveness評価に関するWorkshopに参加したり、Health Sector Management系の授業(HealthEcon、Biotech、HealthPolicy)で習った内容に関連する研究や、全く初めて接する経済学の研究などの、いろいろと面白い話が聞けたりと、なかなか刺激に満ちた4日間でした。(次回は2010年にCornell大学で開催だそうです。)

ちなみに写真のおじいちゃんがノーベル経済学賞受賞者のGary Becker@Geneen Auditoriumです。門外漢の私はもちろん今回初めて知りましたが、参加者のみなさんはよくご存じだったようで。。。

HSM Boot Camp

2007-09-14 09:16:49 | Health Sector Management
はじめまして。FYのBlue Monsterです。KEさんとMAXさん、EAさんと同じく私もHSMを受講しています。今年の日本人FYはこの4名がHSM受講生です。

7/29-8/2までHealth Sector Management Boot Campと呼ばれる超ハードなヘルスケア関連の授業がありました。
HSM Boot Campは今ハヤリのBilly's boot campを真似したわけでも何でもなく、MBAの単位に加えてHealthcare関連の授業を専攻する生徒が集まってアメリカの医療制度をはじめhealthcareについての授業を受けるもの。最初の2日間で集中的に講義を受けて、あとの3日間は講義を受けつつ課題を与えられ、8人1組のチームに分かれてプレゼンテーションを作るものでした。僕のチームは8人中7人がアメリカ人で外国人は僕だけ。 ちなみに構成は、
Ed (DUKE MBAの卒業生で現在は化学品メーカーのBiologist。45歳ぐらいかな?)、Brennan(Weekend Executive MBAの生徒でDuke Women's Hospitalの婦人科ドクター)、Trey(31歳。Earnst&Youngから米系金融機関のManager)、Susan(DUKE MBAの2年生。女性)、Kara(DUKE MBA1年生。女性。Wall街金融機関出身)、Dan(DUKE MBA1年生。IT系企業出身)、Matt(DUKE MBA1年生。Princeton大出身)とTakaこと私の8名。

我々のプレゼンはGeneral MotorsのManagementになった想定で、Boardに対して経営方針の提案をするというものでした。アメリカは医療保険制度が充実していないため、ほとんどの企業が年々増大する医療関連コストのてこ入れに迫られています。GMが支払う医療関連コストは年間$4.8Bil(5,760億円)。年間売上$207Bil(約24.8兆円)から見ると、ほんの2.3%ですが日本の装置産業のコスト構造と比較すると非常に大きな割合を占めています。ちなみに、GMが販売する車1台のコストのうち医療関連コストは約$1,500。一方Hondaは$450で、TOYOTAは$200。いまだに暗中模索状態のアメリカの医療制度改革の影響がこれほどにも大きいとは驚きです。その上、燃費等品質を比べても日本車には劣る米国産。これでは競争力ありませんよね。そんな内容をpresentationの中にやんわりと盛り込んでいたところ、「ヘイTaka,日本の自動車メーカーは何でそんなに強いんだ?」と聞かれにんまり。日本の産業をここまで支えてきた先輩方に感謝ですね。先日、私の会社の同期でノースカロライナのコイルセンターに駐在している友達から聞いた米国鉄鋼業界の話を絡めつつ、日本式自動車産業のオペレーションの強みを説明しておきました。(私自身、総合商社で自動車関連ビジネスをしていたこともあり、大いに日本寄りにバイアスがかかってる気がしますが。)ちなみにプレゼンは約60名の生徒と教授に対して約30分行い、僕は冒頭から5分ほど説明をしました。
周りが全員アメリカ人というチームで英語のハンディキャップを抱えながらでしたが、非常にサポーティブなチームメートに恵まれ有意義な経験が出来ました。

HSM

2007-09-12 09:54:45 | Health Sector Management
はじめまして。Class of 2009のMaxです。Fall Termが始まって、はや2週目。今日は、coreをexemptして取っているelectiveのForecastingというクラスがあり、聞いたこともない統計ソフトを駆使して必死で編み出したBeerの需要予測について、日本人1年生コンビでプレゼンしてきました。Forecastingというのは、いろいろな統計データの分析法や将来予測について学べるクラスで、MBAらしく理論よりも実践に重きをおいており、いろいろ応用が効きそうでこの先も楽しみです。

さて、私がFuquaを受験した理由は、Health Sector Management(HSM)コースを取りたかったから、ということで、その紹介をします。我々、HSMerは、オリエンテーションが始まる前、7月末からHSM Bootcamp(正式名称はHealth Care in the 21st century)という5日間のプログラムに参加し、そこで、Weekend executive MBAやDuke Medical CenterのMDも含めた約120人と一緒にみっちり最新のHealthcare動向について勉強しました。今年は、ちょうどMichael Moore監督のSickoという米国の医療保険制度を取り上げた映画が上映されているということで、初日の夜に大学の主催でProfessorも含めてみんなで映画を見て、次の日にその内容についてディスカッションがあったりなんてこともありつつ、各種セミナーを受け、最終日には、いままさに議論されている保険制度の改正について、会社の立場になってチームでプレゼンをしたりしつつ、しっかり理解を深めることができました。

日本の大学院でも、製薬分野も含めた技術経営や医療経営への関心が高まりつつあるようですが、これだけの大規模なHealthcare分野のmanagementに特化したプログラムがあるのはさすがアメリカだなぁ、ということで、改めておそれいった次第です。ちなみに他にもElectiveでHealthcare分野の授業を提供している学校はありますが、DUKEはMedicalやClinical Researchで世界的に有名な大学ということもあり、他の専攻とは別の位置づけで、特にこのHSMに力を入れている印象で、HSM Bootcampでは全朝食・昼食(一部の夕食も)・ドリンク付きで、コースパック代以外は追加料金なし、という厚遇っぷり(?)で、今後、Healthcare業界へのキャリアチェンジを考えているHealthcare業界未経験者の参加も結構多かったようです。

ところで、アメリカには、何かあるとTシャツやロゴ入りグッズを作る習慣があるようで、写真はHSM Bootcampのおみやげ(&教材)です。折りたたみ毛布とか、フリスビーとか、いったい誰が選んでいるのでしょうか、、、

ヘルス!

2007-09-12 09:27:11 | Health Sector Management
はじめましてKEです。
DUKEではMBAに加えHealth Sector Management(通称HSM)というコースを履修しています。ヘルスケアと言えばDUKEということで、少々ヘルスケア・コースの紹介を出来ればと思います。

HSMの生徒は一足先にHealth Sector Management Boot Campという1週間のプログラムを履修する必要があります。Washington DCにあるコンサル会社の社長自らがレクチャーを担当、各業界の専門家がGuest Speakerとして登場するという非常に豪華な授業です。

さらにこのBoot CampはDay time MBAだけではなくExecutive MBAの生徒が一緒に授業を受けます。Day timeは主に30才前後ですが、Executiveの生徒は30~50才、BackgroundもDuke Hospitalの医者、製薬企業の部長、自治体関係者までと幅広く、授業内容や発言も非常に示唆に富んだ内容になります。その分グループワークでのコミットが大変ですが・・・。

主要国の医療制度から始まり、病院、製薬、医療機器などの業界のBig Pictureを把握できるようデザインされており、製薬分野のDirect-to-Consumer Marketingしか知らない自分としてはかなり勉強になりました。

さてMBA+HSMと授業はかなり大変ですが、その分学ぶことも多いと・・・。


HSMセミナーシリーズ

2006-11-01 04:25:24 | Health Sector Management
水曜日と言えばHSMです。
基本的にFuquaは水曜日に中休みデーがあるのですが、HSM専攻の人には「セミナーシリーズ」なる授業があります。このセミナーシリーズでは、様々なヘルスケア業界で働くプレゼンターから生の話しを聞くことが出来ます。
M&M'sにとっては、正直言って一週間で一番楽しい授業だったりします。

FuquaのHSM卒業生もゲストスピーカーとしてやってくることがあります。先日のスピーカーはまだ若い卒業生で、某州の公的病院でマネジメントを担当しているそうです。
彼の話からは、日本人には信じられないほど大勢存在するアメリカの無保険者が置かれている状況と、誰がその人達の面倒を見るのかというアメリカの苦悩が伝わってきました。誰が面倒を見て、そのお金は誰が負担するのか・・・・そう遠くないうちに現在の形の国民皆保険が破綻するのではないかと言われている日本にとって、この手の話題は既に対岸の火事ではありません。
その意味でも、非常に印象深いレクチャーでした。

世界のTOP製薬会社の一つであるMerckのCFOも話しをしてくれました。言葉の端々に、アメリカ製薬業界の雄である彼等にここ数年で生じた様々な荒波と、そんな中何とか業績を上げていこうという彼等の試行錯誤が見て取れました。
CFOはライセンス担当役員でもあるそうで、キャッシュ豊富な彼等finance関連部門はMerckにおける「IB」なのだそうです。
特に、今のMerckにとっては何処と一緒にやっていくのか良いのか、何処の何を掴めば良いのか、など考えなくてはならないことがたくさんあります。彼等の責任は大変重い物なのだなと感じさせられました。
ところで、Merckの研究所は世界中の生化学系私的研究機関のうち、もっとも科学者が働きたいと考える場所だと言われていました。つまり、科学者のあこがれの場所であったわけです。
今もそれは変わらないのでしょうが、ただこうしてCFOの話しを聞いていると、社内における研究所のポジショニングや周囲からの風当たり、研究者のモチベーションなど様々なことを、勝手にあれこれと想像せずにはいられませんでした。

世界最大のバイオテック企業、アムジェンのマーケティング部門のassociate Directorも来ました。
彼はアメリカでは高齢者の公的健康保険となっているMedicare のPartDの問題について、企業の目を通して語ってくれました。
彼の話の中でもっとも印象的だったのが、「そうそう、Pharmaceutica、Biotechでキャリアを積むとして、regional officeの経営に携わるために、早いうちに通過しなくちゃならない絶対に必要なキャリアパスってなんだと思う?」という物でした。彼の答えは、「Sales(=MR)かMarketing(=product strategy)」でした。絶対にどちらかが必要なのだそうです。M&M'sは研究系出身で、その後product strategyの道を進んだ人間ですが、彼のコメントには考えさせられるものがありました。

Term2は全5回のセミナーが用意されています。
次にどんな話が聞けるのか、今からかなり楽しみにしているM&M'sなのでした。


HSM Boot Camp

2006-08-11 09:44:12 | Health Sector Management
2008のYJです。
インターナショナル向けのSummer Instituteも終わり、オリエンテーション開始までの一週間、留学生はそれぞれに羽を伸ばしています。しかしこの時期、FuquaのHealth Sector Management(HSM)では、Boot Campなる5日間の集中講義が行われ、Geneen Auditoriumに缶詰になって授業を受けることになります。朝9時から夕方5時まで、HSMの教授陣の他、お医者さんや企業の重役、デューク大学の環境スクール(Nicholas School)の教授などによる、バラエティーに富んだ内容の授業が繰り広げられます。
FuquaのHSMでは留学生を積極的に受け入れていますが、100人ほどの受講生の大半はバックグラウンドの豊富なアメリカ人学生ですので、Summer Institute中とは打って変わったhigh involvementなクラスとなります。
このBoot Camp、私のようなHealthcare業界の経験も知識もないinternational studentにとっては試練です。まずは前もって渡される1000ページ近くの資料をSummer Institute中に読まなくてはいけません。それでも業界の専門用語や組織の名前がすぐにピンとこないため、授業のスピードについていけなくなることもしばしばです。
さらに難関なのが、Boot Campの最終日にあるチームでのプレゼンテーションです。今年のプレゼンの課題は、ある制度改正がHealthcare業界に与える影響というケースでした。HSMはコアのクラスと違ってinternational studentの比率が低いため、6~7人のチームの中で留学生は自分だけという状況になります。毎日授業後にチームミーティングをするのですが、内容が実務的かつ専門的なため、付け焼刃の知識ではとても太刀打ちできず、ディスカッションの行方を追いかけるのがやっとという状況になります。
ただそこはTeam Fuqua、授業中発言すれば”It was good you were there!”などと声を掛けて貰えますし、チームメンバーも私のような素人の発言でもきちんと聞いてくれます。おかげで何とかプレゼン資料に私の意見も載せて貰い、プレゼンも無事に終わらせる事ができました。まだFinal PaperとExamが残っているので油断はできませんが、このBoot Camp、ターム前の肩慣らしにはなったかなという感じです。

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余談:
Boot Camp中は毎日一人ずつ景品が当たります。私は幸運にも3日目にFood shopのクーポン券を貰いました。家族で夏の疲れを癒しに行ってきます。

HSMセミナーシリーズ

2006-02-23 05:01:03 | Health Sector Management
Nickです。

HSM(Heathcare Sector Management)のコースを受講している学生は、HSMセミナーシリーズという授業を取る必要があります。大体隔週で水曜日に社外からゲストスピーカーが呼ばれその話を聞くだけでよい、楽な授業なのですが(その分、単位も1年で2単位だけ)、年に一回だけ、ホストチームのメンバーになり、Pre-readingの要旨作成、ゲストスピーカー紹介、ゲストスピーカーを昼飯に招待、セミナーの要旨まとめ を行うことが必要になります。

今日は、GlaxoSmithKline(GSK)のR&D部門トップ(もうすぐ退任されGates FoundationのGlobal Health Programを担当される予定)の"Tachi Yamada"という方が来られ、2000年以降に行ったGSKでのR&D部門の組織改革について話をして頂きました。今日の話は、ME (Managerial Effectiveness)の授業で習ったようなCentralizatoin vs. Decentralizationの組織論にも関連する内容で、官僚化した大規模R&D組織をいかにして大組織のメリットを活かしながらStart-up企業のように動ける組織に変革するかという話が聞けました。

今回は、私がホストチームの一員だったため、セミナーの後、教授を含め7人でFuquaのExecutive MBAの食堂のThomas Centerというところに、昼飯を食べに行きました。その中でいろいろおもしろい話が聞けました。

例えば、製薬業界は、携帯業界と似ている。とか。
(発展途上国での社会インフラは今後、携帯ベースになるのが確実で、その上にどう、ヘルスケアのインフラを載せる仕組みを作るかとか。。その他もろもろ。。)

Yamada氏は、常に社会に大きなインパクトを与える仕事をしたいと考えておられ、その中で、今回のGates Foundation行きも決意されたとのことです。「現状に安住せずに常に高みを目指せ」と個人的にアドバイスも受けました。

私の拙い、人の話の腰を折りまくりの落ち着きない英語の質問にも紳士的に応えて頂き、いい話が聞け、たいへん感激しました。

最近、タームの終わりが近づき、回転寿司屋のビジネスプラン作りなどヘビーなアサインメントに追われ、超ド近眼的に日々の作業をこなしていく日々が続いていたため、今日は、久しぶりに大局的にものを見る機会が得られ、収穫の多いセミナーホスト体験でした。

Nick




充実したオフ日。

2005-11-18 04:55:59 | Health Sector Management
Kravisです。
またまたオフ日のこと書きます。というのも、昨日はバイオメディカル・ヘルスケア分野にも独自の強みを持つ(同分野で世界最先端の研究を続けるDuke大学のリソースがその源泉)Fuquaの目玉イベント?!の一つの「2005 Fuqua Health Care Conference」に参加したので。本イベントは、いろんな視点(自分は投資家として、かな)から同分野に興味を持つ人々向けにうまく設計された内容で、ゲストも非常に豪華な布陣。

まずはメディカルデバイスの世界的メーカー、Boston Scientificの共同創設者&取締役会会長のPeter Nicholas, Sr.のお話。この人、外見はガースナーを優しくした感じのおっちゃんなんですが、やっぱり20数年でゼロから年商6千億円企業を作ってきた手腕は半端じゃないでしょう。印象に残ったのは、起業にあたっては「Capitalize your idea!」と「Build your sustainable value proposition!」と言っていた事。一見教科書的ですが、実経験のある人がいうとまた重みが違いますね。話として面白かったのは、創業してまもなく資金調達が必要になった時に名だたるファンドやエンジェル投資家が全然相手にしてくれなかったが、その数年後には当時史上最大の株式公開を行った、というもの。それから、今の世の中どの企業もそうだと思いますが、何よりも戦略的提携関係の構築に重きを置いてて、常に15社ほどの提携先候補を頭に入れてるとの事。

そして、ヘルスケアとテクノロジー分野に強みを持つ投資銀行、SG Cowen & Co.の副会長のStelios Papadopoulosのお話。彼は伝説のジャンクボンド王、マイケル・ミルケンを擁し、かつての80年代のLBOブーム到来時に全盛期を迎えた投資銀行、Drexel Burnham Lambertにもいた人で、バイオテック・ヘルスケア分野への投資の歴史を語ってくれました。濃いひげとアルパチーノを彷彿させる鋭い眼光が本当に印象的で、長年Wall Streetで生き抜いてきた人の貫禄と迫力に圧倒された感あり。

あとはDuke大学メディカルセンターのCorporate&Venture Developmentがモデレータとなった、ベンチャーキャピタリスト達によるパネルディスカッション「Funding for Dream -Now that I have an idea how do I -Now that I have an idea how do I fund the business?-」が興味深かったです。あるキャピタリストの発言「We are not so much smart, but at least won't make the same mistake twice!」はヒットでした。

それにしても、これだけのゲスト達が一同に集まってくれるのは学生としてほんとうれしい限りです。あらためてFuqua/Dukeのリソースの豊富さ&多様さを実感できた感じでした。

夕方はBainによるプレゼン&レセプションに参加しました。正直コンサルティングはいまだピンとこない分野なんですが、違う業界のリーディングカンパニーがどんな事を考えてるのかを知れるのはほんと貴重だと思いますし、何よりも同じMBA卒で成功している方々と触れるのは刺激になります。明日はMcKinseyがきます。

昨日はSmall Business Consultingのミーティングもありましたが、課外活動でお腹いっぱいになった一日でした。

追加:授業紹介/「Health Care in the 21st Century」

2005-10-23 06:52:59 | Health Sector Management
Nickです。

昨日から明日にかけて妻がボストンに料理の勉強に行っていないため、子守りをしながら、今書いてます。

今日はとってもブルーです。
Term1の成績が公表されたのですが、予想より、悪い!悪い! P(下位35%)x3 + SPx2でした。
Term2に向けて気分一新、初心に戻り気合入れ直してがんばりたいと思います。

それはさておき、今回は、授業紹介の追加として、Term1の標準科目ではないですが、めでたく(反語です)私がPを取った「Health Care in the 21st Century」というHSMというプログラムの科目について説明したいと思います。

Fuquaでは医療業界に興味のある人向けにHSM(Health Sector Management)というプログラムが用意されております。Fuqua受験の際に「HSM希望」という意志表示をすると、合格後自動的に同プログラムの科目を受講することになります。(追加費用はテキスト代以外はかかりません。)

同プログラムのメリットは、Generalistとしての教育を主体とするMBAの授業の中で、特定業界(医療業界)向けの専門知識を身につけることが出来ることにあります。同プログラムの主要コースは、サマースクール終了からビジネススクール開始までの間の一週間(今年は8/7-8/11でした)に行われる「Health Care in the 21st Century」というコースです。通称、HSM BootCampと言います。一週間で、米国医療業界の概要を理解してしまおうというコースで、20回以上のセミナー&授業と、1回のチームプレゼンテーションから構成されます。

セミナーでは、Duke内外から専門家を招き、Wall Streetの専門家から見た医療関連企業の評価方法、病院関係者から見た医療業界の技術発展の方向性、気象学者から見た地球温暖化の影響がもたらす将来の伝染病発生地帯の変化及びそれが製薬業界に与える影響など、先進的な研究で世界的に有名なDukeの医学部の協力の下、医療業界についての多種多様な見識を得ることができます。また、同コースの教授のDan Mendelsonはクリントン政権時代にホワイトハウスで医療行政の政策構築に携わった経験を持ち、また現在は医療系コンサル会社のトップでもあり、実体験に基づいたエピソードを種々披露してくれます。

また、今年のチームプレゼンテーションでは、来年から実施される米国の高齢者向け医療保険制度(Medicare)の法改正に伴い薬のメールオーダーの仕組みをどうするかという問題について、各チームが、それに利害関係のある6つの業界の企業のトップの立場に立って政府向けにどのような提言を行うべきかをプレゼンするというもので、一つの問題について6つの立場の視点から物事を捉える訓練ができ、セミナーを聞いているだけでは得られない業界についての見識を得ることができ大変おもしろいチームアサインメントでした。

なお、「Health Care in the 21st Century」のコースのGradeの40%は、コース終了後1ヶ月以内に提出する課題で決まります。今年は、とあるヘルスケアの新規ビジネス機会に関して、ビジネスプランを作成するというのが課題で、私は悪戦苦闘しながら仕上げたのですが、成績が悪くがっくりです。

元々私は、企業向けのITビジネスに携わっており、常に顧客の業界&顧客の顧客を理解する必要性にさらされていたため、その中で、IT業界にとって急成長セグメント(例えば電子カルテ等)である医療業界には前々から大変な関心がありました。HSMプログラムに入り、このコースを受け、成績は悪かったですが、自分にとって非常に有益で楽しめました。


月曜日から再び通常授業です。私もまだPre-assignmentやってません。そろそろやり始めないとまずいですね。でも、うちの子がかまわないと泣いてばっかりで。。あっ、そろそろ飯を作らないと。。。
はやく、奥さん帰ってきて。。。

Nick