Duke MBA 日本人ブログ

Duke University - Fuqua School of Business(非公式)

C-LEAD2 - Marketplace of Ideas

2018-09-03 17:28:14 | Leadership
二年生のTKです。今回は、二年生の必修コースであるC-LEAD2と、その中でも特徴的なMarketplace of Ideasについてご紹介します。

C-LEAD2は、夏休みを終えてキャンパスに戻ってきた二年生を対象とする四日間の集中プログラムです。このコースは、本格的な秋学期の再開を前に、各人のself-awarenessを高め、二年目における成長目標やリーダーシップのあり方を考察する機会として設けられています。

C-LEAD2の一日目から三日目は、学生のフィードバックを受けて年により大きく内容が変わります。本年度は、Diversityを促進するためのInclusive Leadershipに関するクラスディスカッション、教授陣からのDiversityに関する最新の研究成果のプレゼンテーション、チームでのアウトドアアクティビティ等が行われました。



(*国立ホワイトウォーター・センターでのアウトドアアクティビティの一風景より。アクティビティの種類はチーム単位で主体的に選ぶことができます。)

例年、四日目には、Marketplace of Ideas / Fuqua Legacy Incubatorと題して、Fuquaのコミュニティを改善するアイデアを二年生から募る催しが行われます。ここでは、約2時間の間に可能な限り多様なアイデアを出して一気に集約するため、以下のような3ステージ方式がとられています。

最初に、400人の学生が5-6人単位のチームに分かれ、ブレインストーミングをした上で、各チームベストのアイデアを30-40人一組のディスカッションルームに持ち寄ります。次に、12部屋に分かれた各ディスカッションルームでそれぞれ一つの提案に集約していきます。最終的に、400人全体の前で各代表提案について3分×12人のプレゼンと投票が行われ、高い支持を得た案を当年度以降のコミュニティの改善案として採用するという仕組みです。




投票の結果、昨年度はInternational StudentのRecruitingを支援するための取り組みが選ばれ、本年度は、普段接点のない学生とサポート関係を構築するための、Fuqua Scramblesと銘打った行事案が最多得票を集めました。

日本の教育機関でコミュニティを改善するといえば、校則・規則の制定や施設・物品の整備といった、学校側からのトップダウンの取り組みをイメージする方が多いのではないでしょうか。Fuquaではなぜこのような改善プロセスを採用しているのでしょうか?C-LEAD2を終えて振り返ると、学生側の発案と投票からなるボトムアップのプロセスには、次のようなメリットがあると考えられます。

まず、ボトムアップの改善プロセスは、解決案の量と質においてトップダウンの改善を圧倒的に凌駕するポテンシャルがあります。多様な人材が集まっている中、400人からのアイデアを集約するプロセスでは、予想もできなかったような意見も多く集まります。各学生の実感から生まれたアイデアには、かゆいところに手が届く妙案を期待することもできます。FuquaのようなDiversityに富む環境にあっては、ボトムアップ方式で思考を拡散させる段階を確保することは、Diversityを成果に転化する正攻法になるようです。

また、参加的な意思決定プロセスには、実行する際の当事者意識を高める効果が見込まれます。誰しも自分が関わったアイデアには多少なりと愛着がわき、主体的に携わる傾向が強くなるものです。学校側から見れば、アイデア自体を得ることに加えて、改善プラン実行時のコミットメントを高められるのは一石二鳥の方法です。つきつめれば、ボトムアップ方式でアイデアを募る学校側の真意としては、学生が当事者意識を持って課題解決を真剣に考えるようになる「人の育成」という要素が大きいのだろうと思います(Fuquaでは、この姿勢をImpactful Stewardshipと呼んでいます)。

そして、プロセス自体がリーダーシップやコミュニケーションスキルを鍛える実践の場となります。コミュニティを改善しようとする中で、アイデアを出し、集団で意見を集約し、説得していくという過程には普遍性があります。3分間のプレゼンというスタイルは、プロセス自体から学んでほしいという学校の意図を象徴しています。アイデアを比較する際にも、ニーズの大きさや予算・人員の制約を考慮した、成熟した議論が交わされていました。

このように学校にとっても学生にとってもメリットの多い方法ながら、ボトムアップでアイデアを集約するプロセスは、スピードの遅さや参加者のモチベーションのばらつきが問題となりやすいものです。しかし、この日のMarketplace of Ideasは活発な議論がありながら非常にスムーズに進み、投票に迷うような質の高いアイデアが集まりました。2時間で400人分のアイデアを集約するというスケールで決定プロセスをうまく機能させたのは、チーム単位で意見を出し合ってまとめることを常日頃繰り返してきた、Team Fuquaらしいワンシーンでした。




MANAGEMENT 747 -- Leadership

2017-05-30 02:06:45 | Leadership

こんにちは,Class of 2017のKoheiです.今回は,私が二年生の最後に履修し,最も印象に残った授業のひとつである"Leadership"というクラスを紹介したいと思います.この授業は,非常に予習・宿題が多いと評判の授業で,ほとんどの学生が重いワークロードを敬遠するため,定員が75名のクラスに40人程度しか履修していません.逆に,履修する学生はとても熱意に満ち溢れた人たちばかりなので,非常に活発な議論を体験することができました.全12回の授業を通して,5人組のチームで毎授業前に,与えられた題材に関するリーダーシップについて議論したり,プレゼンの準備をしたりします.私のチームメートは4人のアメリカ人で,MBA Association/ClubのPresidentやFuqua Action News Anchor,など,個性が際立ち,学校内で目立ったリーダーシップを発揮しているメンバーに恵まれました.共通の知り合いからは『The Dream Team』と呼ばれるほどの熱血ぶりで,毎回,非常に充実した議論が繰り広げられました.以下,授業を受けて良かったと感じた点です.

 

①   授業中の議論

日本人にとっては,非常にタフです.例えば,映画のワンシーンを5分ほど見せられた後で,『さぁ,このリーダーシップについて議論しよう』と討論が始まります.通常の授業では事前に与えられたビジネスケースの内容を議論するため,予習をすることで英語力不足を補うことができますが,この授業では事前準備が利きません.私はMBA以前に英語での学習・仕事・生活経験がなく,語学の習得に最も苦労した学生の一人でしたが,字幕なしで映画を見ても全てを聞き取ることができない,アメリカ人の早い英語についていけない,映画の背景にある文化的な知識がない,など非常に苦労しました.二年生の最終学期で,最も英語力が高まった時期だからこそ何とか議論についていくことができましたが,一年生時の英語力では討論に参加することが難しかったと思います.また,議論内容も,Moral, Change management, Philosophy, Crisis, Diversity, Gender issue, など幅広く議論され,深刻に自身の経験を語るクラスメートの姿が印象的でした.例えば,Gender Discrimination の議論では非常に心が揺さぶられました.私は日本人男性が大多数を占める均質な職場しか経験したことがありませんでしたが,女性のクラスメートが涙を流しながら経験を語ったり,チームメートが非常に小さく思える論点に執拗に食い下がってきたり,誰かが世の中に対する半ばあきらめの観点での意見を述べたり,多様性に関わる問題を学ぶ良い機会でした.

 

②   ゲストスピーカー

2回に1回のペースでゲストスピーカーが訪問し,講義をしたり,自身のリーダーシップ経験を語ってくれたりします.印象に残ったゲストスピーカーの一人は,マットレス会社の工場長をしていた時の危機管理マネジメントについて話をしてくれました.ある日,工場が大爆発を起こして3日間燃え続ける中で,いかに従業員を守りつつ損失を最小化するか,という内容です.全米ニュースになる大事故の中で,限られた時間と情報中で,何を根拠に判断をくだし,その結果どうなったか,をリアルに語ってくれました.また,事故後,レイオフの判断を下した後,従業員が自殺してしまい一生悔いることになった経験から,トップマネジメントの判断の重さを伝えてくれました.

もう一人の印象的なゲストスピーカーは,女性初の陸軍士官学校出身で将官になったイラク駐在経験の長い軍人です.授業前に彼女の生涯キャリアについて書かれた十数ページのリーダーシップケースを読み,チームメートと議論し,彼女のリーダーシップを理解した後で生のスピーチを聞きます.物語を読んで感銘を受けていた中で,本人が登場して生の経験談を聞き,質問ができることは,非常に印象的な経験です.例えば,彼女が若いころに,女性であるがゆえにわざと厳しい訓練を受けさせられた話(内容はサバイバル訓練で生の鶏の内臓を食べるなど,非常に過激なものでした。。。),若いころに直面した組織の硬直性に対して,後に自身がトップに立った時にどのように考え決断したかについての話,イラクで絶対不可能と思われる指令を与えられた際,極限に追いつめられる中で自身が元来楽観主義であることに気が付き救われた話,犠牲になった部下を心に刻み,どのように未来を向いて生きていくか,など非常に深い内容でした.

これらは他では聞くことのできない実際の体験談であり,将来,自分が組織のトップに立ったときに,どのように判断を下すべきか,その判断がどれほど大きな影響を及ぼすのか,を考える良い参考になりました.

 

③   フィードバック

受講する学生は,Six Domains of Leadership という理論を基に,各自のリーダーシップについて分析します.これは,リーダーシップは6つの要素(Personal, Relational, Contextual, Inspirational, Supportive, Responsible)に分解され,ピラミッド型になってお互いが依存しあって成立する,という考え方で,開発されたツールを元にプロフェッショナルやパーソナルな出来事を振り返り,各領域のリーダーシップについて自己評価を行います.また,職場の同僚や学校の友人から,自身のリーダーシップ像を客観的に評価してもらうこともできます.私は二年生の最後に履修したため,二年間を共に過ごしたFuquaの友人のうち,私を多面的に評価できそうな6名に評価をもらいました.Fuquaでは,ほとんどの学校行事がStudent-ledで運営されており,リーダーシップを発揮する機会が多くあります.その中で,自分自身がどのようにリーダーとして見られているのか,普段は絶対に得られない非常に貴重な機会です.チームあってのリーダーシップであり,一人では絶対に完結しません.他者からどのように見られ,どういうリーダー像を描かれているかを知ることは,自身のリーダーシップの成長にとって非常に重要であり,また,私にとってはMBA二年間の総括にもなりました.例えば,以下のようなフィードバックをもらいました.

Positive

- He is incredibly caring and thoughtful. He makes the effort to get to know those around him on a personal level and remembers the small things that a person has shared about themselves. This automatically fosters trust in the relationship.

- He led the large group incredibly well. He was organized and made sure everyone was staying in line, while also having fun and staying incredibly well liked.

- Extremely authentic individual who makes others look up to him.

Constructive

- Reluctance to ask for help. He tends to put too much on his own shoulders.

- Would like to see him defend his ideas more, explaining where his logic comes from.

- He should be a bit more assertive. He tends to accept others' statement without fully sharing his own thoughts.

評価をくれた6人の中でも,フィードバックの深さにばらつきはありますが,親しい友人で,かつ共に苦境を乗り越えた仲間ほど,私のことをよく理解してくれ,一段深い洞察をくれました.これらを元に,よりいっそう自身を深く分析することで,さらにリーダーシップを磨くことが可能になります.

The Dream Team(自称)


Global Institute ~各国の歴史から学ぶリーダーシップ教育~

2017-05-17 01:43:07 | Leadership

こんにちは,Class of 2017のKoheiです.The Fuqua School of Businessは,世界が求めるリーダーシップを持った人材を輩出することを目的としています.二年間のFuqua生活を経験した中で,私が印象を受けたリーダーシップ教育プログラム『Global Institute』についてお話ししたいと思います.

Global Institute(以下 GI)は,本授業前の8月に4週間かけて一年生全員が集中的に参加するプログラムで,『Global Institutions and Environments』, 『Leadership, Ethics, and Organizations』, 『Consequential Leadership』の3つのコースで構成されています.Global Institutions and Environments(以下 GIE)は,各国の政治・経済制度(global institutions)と経済成長の因果関係を,歴史を辿ることによって理解しようというものです.複雑な世界の政治・経済環境を理解することで,グローバル化,国際法,社会規範,国際金融,コーポレートガバナンス,などリーダーとして備えるべき諸々の課題に対する基礎理解を固めます.Leadership, Ethics, and Organizations(以下 LEO)は,組織のリーダーが直接的に対峙する課題について議論します.例えば,組織制度とインセンティブ(=systems), 交渉と意思決定(=leadership skills), 倫理感と多様性(=challenges),などをテーマとして議論し,学生がお互いの経験を共有しながら,組織を率いるために身に着けるべき知識やスキルについて理解を深めます.Consequential Leadership(以下 C-LEAD)は,より実践的なプログラムで,5-6人のチームによる様々な活動や議論を通じて自身の強み・弱みを改めて理解し,リーダーシップの意味について考えます.具体的な活動内容として,過去経験の共有,地域ボランティア活動,Improv, PDP, などがあります.Fuquaのホームページで見ることのできる「壁を登る」写真は,C-LEADの中のTeam Challenge Dayと呼ばれる課外活動になります.実際に自分で経験してみるまでは,いったいなぜ壁登り写真が前面に押し出されているのだろう。。。と不思議に思っていました.

これらの中で,私が好きなGIEについて,もう少し詳しく紹介したいと思います.GIEを通じて学ぶ内容は,現在の複雑なグローバルビジネス環境を,各国の政治・経済制度の観点から多面的・包括的に理解することであり,ファイナンスや統計学のように,直接的にビジネスに役立つものではありません.しかし,世界経済の大局を読むことは今後のキャリアを通じて習得すべきリーダーの素養であり,組織トップにとってむしろ重要な項目と私は考えます.以下3点,私がGIEを通じて感じた点をまとめます.

 

 ①Institutionsと経済成長

GIEでは,ボツワナ,中国,メキシコなどを題材に,政治制度が経済成長に与えてきた影響の歴史を学びます.初期より民主政治を採用した米国や英国は,起業家や発明家の台頭を後押しして経済成長を遂げる一方,専制政治を主とした前述の国家は,技術革新が起こらず経済が停滞した例として挙げられています.グローバル企業のマネジメントに携わる場合,国によって異なる規制,金融制度,社会規範などのビジネス環境を理解した上で意思決定しなければならないため,その国の成り立ちや政策歴史の大枠がビジネスに与える影響を学ぶことは重要です.また一方で,国家レベルの歴史の教訓は企業経営にも当てはまると私は考えました.例えば,民主主義政策では個人の財産権を認めることで起業家や発明家にインセンティブを与え,技術革新による経済成長を遂げてきましたが,これは,企業が従業員個人の特許権,成功報酬や昇進を保証することで,技術革新による企業成長が促進されることと同じ現象であると思います.上層部が組織での既得権を守ろうとした場合,技術革新や優秀な人材の登用は行われず,企業としての成長は妨げられることになります.よって企業では,一部の人間が従業員搾取によって独占的利益を享受しないよう,組織・制度設計によって暴走に制限をかける必要があります.リーダー個人の力には限界があり,いくらリーダーが素晴らしい倫理観を持っていたとしても,個人の意思が組織に負けてしまうことがあります.企業を正しい方向に導くためには,組織制度のあるべき姿を理解し,設計することがリーダーの役割であると考えます.

 

 ②Institutionsの初期設計と偶発的発展

現在の各国の政治・経済制度は,地域ごとの歴史上の出来事に影響を受け,分岐しながら発展してきました.つまり,長い歴史の積み重ねと,各国の社会構造や社会規範と複雑に絡みながら成り立っているので,リーダーの意思で直ちに変更したり,簡単に他国を模倣できるものではありません.各国のトップは,自国の政治・経済制度の歴史と構造を鑑みつつ,その時代の周辺環境に合わせて戦略を練り,政策意思決定を行います.これも企業の経営判断の類推であり,リーダーが学ぶべき示唆があると私は考えました.例えば,トヨタはトヨタ,日産は日産,ホンダはホンダの歴史に基づく企業文化や組織構造があるため,トップは簡単にビジネス形態を変更することは簡単ではありません.他社が簡単に『トヨタ生産方式』を真似できないので,日産やホンダは独自の生産方式を持つことで競争力を維持していることと同じように思います.この企業文化と組織構造は,一人のリーダーが簡単に変えられるものではなく,初期の制度設計と後世の環境変化によって偶発的に変化していくものであり,リーダー個人が容易に扱えるものではないように思います.起業家であれば,後世の環境変化による影響を考慮しつつ初期制度設計を行うことが,企業の生死の境を分けることを理解せねばなりません.大企業のトップであれば,出来上がった現在の組織構造と,地域・時代ごとの環境を理解しつつ,現在の組織の範疇で変えられる方向を模索するしかない.要するに,リーダーには出来ることと出来ないことがあるため,各国の歴史から教訓を学び,素養を身に着けることが必要であるという,リーダーである者の心構えを学んだ機会でした.

 

 ③世界が直面する課題

経済成長を遂げる中で,各国のリーダーは不安定な環境の中で,難しい問題に直面してきました.例えば,AIDS特効薬を開発する製薬会社の利益,進展国の経済発展,病気に苦しむ貧困層の患者を救うこと,これらはどれを優先すべきか正しい答えはありません.排出取引は地球規模で温暖化ガスを削減するために設計された制度でありながら,規制の穴をくぐって金儲けをする者がいたり,本当に環境に良いのか疑問のある取引が促進されています.倫理的問題(どちらを選択しても社会に負の影響を与えてしまう問題)に対しては,経営者は正解のない問題に向き合い,組織の立場から戦略を明確にした上で意思決定する覚悟が必要です.ルールが頻繁に変更される排出取引のような問題に対しても,不透明な環境の中,自社のポジションを明確にしたうえで長期戦略を立て,実行を推し進めなければなりません.

 

GIEで学ぶ内容自体は,国際政治や経済学を専攻していた人にとっては,決して深いものではないかもしれません.しかし,専門外の人間が集まって歴史を学び,大局的な観点から考察・議論することで,お互いに新たな発見をし,リーダーとしての素養を身に着けることができるのではないでしょうか.例えば,私自身もメーカーの製品開発担当として,環境保護を正義としてビジネスを推進することの正当性に疑問を持った経験がありますが,この経験を世界中の様々なバックグラウンドを持ったクラスメートと共有し,自分たちが経営者として企業利益と社会正義の間で板挟みになった場合,どのように意思決定しなければならないのか,深く議論することは非常に有用であると思いました.また,一見合理的でない経営判断のように思えても,組織構造,企業文化,環境変化などに基づいた意思決定だったのであろうと,自分の社会人経験を振り返る良い機会にもなりました.8月にGIEで学んだことは,Finance, Accounting, Marketing, Strategyなどの一般的なビジネススクールの授業を受ける上での重要な下地になったように思います.Fuquaは設立1969年と歴史が新しいためか,リーダーを育てるための多くの新しい試みを実施しています.そういった意味で,Global InstituteはFuquaがリーダーシップ教育において他MBA校と差別化されるための傑出したプログラムであると考えます.

Section 1 卒業バーベキューにて。Global Instituteで知り合うことになるセクションメートは二年経っても仲良し


踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら…?

2016-02-18 09:03:07 | Leadership

Class of 2017KNです。突然ですが、もし日本人以外のグループに放り込まれて、何の前触れもなく「これからの質問について、マッドサイエンティストになりきって答えてほしい。どうして地球は誕生したと思う?」と聞かれて、あなたならどう答えるでしょうか? 

一見、ビジネスとは何の脈絡もないような状況ですが、これは私が先日参加した”Managerial Improvisation”(通称”improv”)というクラスでの一風景です。Improvisation、つまり即興劇の体験を通じて、コミュニケーションスキルを高めることが、このクラスの目的です。Winter break中に5日間の集中講座として開講されています。
即興劇の種類は多岐にわたり、先に挙げたような言葉中心のものもあれば、パントマイムやダンスもあります。そのいずれもが、その場の思いつきでお題が与えられます。

私がこのクラスに参加することに決めた最大の理由は、Fuquaに来て「コミュニケーション」に対しての関心が非常に高まったからです。MBAに来る前は、ハードスキルの面、例えばいかに市場の分析を行い戦略立案ができるようになるか、また海外のクライアントに対するコンサルティングを通じてプロジェクトマネジメントの実績を積むか、など比較的わかりやすい成果を求める傾向にあるように思います。私自身もその一人でした。
しかしながら、実際にこちらに来てからの生活では、チームプロジェクトで自分なりの貢献のしかたを見つけること、そもそもどうやって他国の友人たちの輪の中に入っていくかが、とても大きな関心事として迫ってきます。いかに知識が豊富で、頭の中にたくさんアイデアがあったとしても、チームでの議論や普段の会話でそれを表現しなければ、誰もわかってくれません。また、卒業後に自身が成したいことを考えたとき、一人ではそれを達成できそうにない以上、どうやって他のメンバーを引っ張ってまとめていくか、ということが大きく問われます。

実際に、improvでは多くの即興劇を通じて、自身の強み弱み、他のメンバーの良いところを知ることができます。私自身、improvを通じて得た最大のtakeawayは「場数」と「non-verbal communicationに対する意識」です。
一つ目の「場数」は言わずもがな。冒頭に挙げたようなお題を集中的にダイバーシティに富んだメンバーに囲まれて取り組み、最終日には大講堂にてステージの上でパフォーマンスをします。多くの失敗にまみれながらも(特に私は最終日のパフォーマンスが悲惨でした。笑)、最後には「(どんなお題を出されても)どうにかなるかな」という達観したような境地に至りました。結局のところ、「コミュニケーション」は伝えたいことがあるから行うのであり、決して「最初から最後まで完璧な英語を口に出す」ことではありません。当たり前のように聞こえますが、つい完璧主義に陥って表現を手控えるような場面があった私にとって、「失敗したくない」という自分中心の考え方から「このメッセージを理解してほしい、知ってほしい」という受け手中心の考え方を自分の中に取り込める貴重な機会であったと思っています。

二つ目の「non-verbal communication」についても、発信者側ではなく受信者側、受け手がいかに相手の表現を受け取るかについての捉え方が変わりました。本当に同じことを口に出していたとしても、ジェスチャーや声のトーン、大きさといったことは、発言内容以上のものを伝えます。いかに良いことを言っていても、自信なさげであれば全く取り合ってもらえないこともあります。他方で、英語が稚拙だったとしても、鬼気迫るものがあれば周囲は耳を傾けてくれようとするでしょう。これも文章にすると月並みですが、このことが単なる頭での「理解」ではなく、「価値観の変節」のレベルで身についた感覚がある、ということが私にとっては大きな収穫でした。 

ただ、もちろん5日間のクラスだけでコミュニケーションのスキルが上がるほど、簡単なものでもないことも事実です。この文章を書いている今、すでにクラスの修了から3週間程度が経ち、少しずつ「表現することに抵抗がなくなる」あの不思議な感覚から、普段の日常に戻ってきていることに気づきました。このクラスでの学びを最大限にMBAに活かすべく、改めてimprovの感覚を日々のコミュニケーションにも組み込めるよう努めていきたいと思います。

他にもFuquaには、多くのチーム課題や必修クラスであるプレゼンテーションの授業など、コミュニケーション、リーダーシップを高めることができる環境が整っています。改めて、ハードスキルだけではない、MBAの価値に思いを馳せていただければ、大変嬉しく思います。

写真は最終日のパフォーマンスの様子。ステージ上の一人一人に対して、観客から意見を募って「ラジオ局」が割り当てられます(カントリーミュージック、恋愛相談、賛美歌等)。前に座る指揮者に指を差されている間は、そのラジオ局になりきって音楽を流します。私には”beat box”が割り当てられましたが、ボイスパーカッションが上手くできなかったために放送事故のようになりました。。笑

 


Team Fuqua で自分の限界を超える

2015-10-07 22:55:32 | Leadership

はじめまして,1年生のKoheiです.

光陰矢のごとく月日は過ぎ,渡米してから3ヶ月があっという間に経ちました.社会人になると時間の経過を早く感じるようになりましたが,MBA生活では異なる早さを実感しています.仕事はミスをすれば大きな社会的責任を伴うため,正確性が非常に重要であり,また,毎日永久的に続く長期戦のため,コンディションを保てるだけの精神的,体力的な余裕がないと体が壊れてしまいます.そのため,会社ではある程度余裕を残しキャパシティの範囲内に収まるよう,自然とアクセルの踏み具合を調整していたように思います.一方,MBAの学生生活は,学内でミスをしても誰にも迷惑がかからないので,自分の限界を振り切った冒険をすることでき,その結果,自己の成長が促されます.こちらではよく"Safe Environment"という言葉を耳にしますが,『失敗を恐れず挑戦できる』ことがMBA生活の大きな価値であると私は考えるようになりました.

さて今回の投稿では,学生が新しいことに挑戦し,成長できるよう手助けするFuquaの組織的な仕組み "Personal Development Program"(以降 PDP)を紹介したいと思います.

【PDPの概要】

Fuquaは教育機関としてリーダーを育てることに注力しています.学生がありたきリーダー像に向かって成長していけるよう,自分自身を見つめなおし,目標を定め,達成する過程を組織的にサポートするプログラムがPDPです.一年生は,8月に『Leadership, Ethics and Organizations』という授業の中でPDPの概念を学び,9月にC-LEAD(コア授業の課題を共にする6~7人のグループ)のメンバーと,COLE(Center on Leadership and Ethics)フェローと呼ばれる2年生の先輩とともに,PDPを策定します.策定した後は,各自が定めた目標とコミットメントを遂行できるよう,チームメンバーとCOLEフェローがサポートしながら1年の学生生活を過ごすことになります.

【PDPの策定】

目標を定める前に自分自身を深く振り返ることになりますが,その際には以下の問いに答える必要があります.

1年の学生生活を通じて

 ・どのような経験,行動,能力などを身につけたいか?

 ・何を成し遂げ,1年の終わりに自分はどうありたいか?

 ・Fuquaのコミュニティに対してどのようなインパクトを与えたいか?

 ・Fuquaのコミュニティから何を得たいか?

これに基づいてStatement of Purposeを定めます.なぜそれが自分にとって大切なのかをチームメンバーとCOLEフェローに説明できる必要があるため,自分自身がMBA生活に求めるものや将来のキャリアプランなどを振り返って深く考える必要があります.

また,以下のFuquaの価値観と,自分のミッションが繋がっていることが重要です.

 ・Authentic Engagement

 ・Supportive Ambition

 ・Collective Diversity

 ・Impactful Stewardship

 ・Loyal Community

 ・Uncompromising Integrity

【PDPの実践】

PDPを策定した後は,定めた目標とコミットメントが確実に実行されるよう,チームメンバーとCOLEフェローがサポートします.例えば,PDPを定める際に"Peer Coach"と呼ばれる身近な人を定めます.Peer Coachは,立てたプランが遂行されているかどうかを客観的に監視し,2週間に1回程度ミーティングを開き,日々の生活の過ごし方に対して話し合います.コミットメントが達成されていなければ,Peer Coachはプランが達成できるよう促し,それでもできなければ,なぜできないのか,他に良い方法があるか,など一緒に考えサポートします.また,チームメンバーから定期的にフィードバックをもらう機会が設けられ,自分の強み,弱み,クラスやコミュニティへの貢献などを評価してもらいます.私がこれまで過ごした日本では,同僚を褒めることはあっても,不足点を批判するような公式の機会はありませんでした.同僚から弱点を伝えられることに慣れていない私にとってはショックな経験です.また,同僚の不足点を探すことは,慣れていないと意外に難しいもので,なかなか建設的な批判を述べることができませんでした.しかし,PDPの組織的な仕組みがあることで,日々の生活から同僚のことを考える意識が芽生え,自然と鍛えられていきます.このように,将来のリーダーにとって必要でありながら,系統的に身につけることが難しい能力を成長させる機会がFuquaにはあります.

【PDPの実例】

私の場合,世界中の様々なバックグラウンドの人々から成るコミュニティにおいて,貢献によって自分の存在意義を示しつつ,自身のコミュニケーション能力を向上させることを目標としました.

 ①自動車が壊れて困っている人を助ける

 ②スポーツを通じてFuquaコミュニティを活性化させる

 ③語学と文化の壁を破る

①Fuquaの位置するダーラムは公共交通機関が限られるため,学生一人一台の自動車所有は必須となります.日本における自動車の保障8万kmに対して,米国では20万kmと非常に長く,日常で自動車が壊れるというトラブルに多く遭遇します.私は前職でテストドライバーとメカニックを経験したことがあるので,Fuquaの学生に対して,自動車が壊れたときのヘルプ,中古車購入時の相談,にボランティアで応じることにしました.具体的には,初回の授業時にクラスメートに自己紹介でアナウンスし,困ったときに連絡をくれればいつでも対応することをアピールします.何人か助けてあげると,噂が噂を呼んで,ガンガン電話がかかってくるようになりました.助けてあげたお礼として何かを自分に返してもらうのではなく,代わりにあなたも困っている人を助けてコミュニティに還元しなさい,と伝えるようにしています.こうして,自分にあって他人にない経験や能力を生かすことでコミュニティに貢献し,自分の存在意義を固めるという努力が私のひとつ目のPDPです.

②授業以外でFuquaコミュニティに参加する機会はたくさんありますが,私の場合は学生時代に力を入れたスポーツを通じてFuquaを盛り上げていくことにしました.サッカー部である"Fuqua United"に所属し,どんなに忙しくても週に1回は試合に参加します.特に南米やヨーロッパ出身の学生と知り合う機会が増えるため,学内でのネットワークが広がり,学業やビジネスにおける交流が活性化されます.また,学生時代にフットボール部だったこともあり,フラグフットボールに参加してアメリカ人と交流したり,アメリカ外の学生とフットボール観戦してアメフトの楽しみ方を教えてあげることで,彼らがアメリカ人と交流する一助となるよう努力することが,私のふたつ目のPDPになります.

③日本国外に居住経験がなく,学生時代や前職でも英語を使う経験のなかった私にとって,英語でのコミュニケーションは非常に向上努力を要する分野になります.また,言葉に問題がなかったとしても,文化の壁は意外に大きなもので,アジア人はアジア人と,アメリカ人はアメリカ人と,南米人は南米人と集まりやすい傾向にあります.日本人の私にとっては,中国や韓国の学生と一緒にいることは非常に心地よく,逆に,アメリカ人と一緒に過ごすことは言語的にも文化的にも非常に難しく苦しい時間です.昼休みは意識的に固定の友達とランチを食べることを避け,週に一回以上は異なる人種のクラスメートを見つけて横に座ることにしました.また,アドミッションのボランティアに参加し,Fuquaを志願する世界中からのMBA候補生がキャンパスビジットした際に学内を案内し,Fuquaの魅力を語り,質問に答えるという役割を担っています.学生の代表として,英語がペラペラのネイティブの質問に答えることは,私にとって非常に難しい挑戦的な仕事ですが,自分の限界を超える機会と思って努力を続けています.

他の学生のPDPの例として,授業で一回は必ず手を上げて発言をする,アカウンティングのコーチ,マラソンへの参加など,人によって様々です.学生それぞれがコミュニティに貢献しながら目標に向かって努力し,助け合い,成長をしていく機会こそがFuquaの魅力であると考えています.


C-LEAD2について

2014-10-17 19:23:39 | Leadership

Class of 2015のCHOPです。

5月1日から始まった夏休み(とは言うものの、ほとんどの学生が8~10週間程度のInternshipをするので、仕事+遊び期間といったところです)が明けて、8月26日~29日にかけてC-LEAD2(CONSEQUENTIAL LEADERSHIP 2)という短期プログラムが開講されました(Fuquaの他のリーダーシップ系のプログラムについてはこちらをご参照ください)。ここでは、Fuquaの2年生としてのMBAライフがどのようにスタートしたのかをお伝えします。

1.C-LEAD2概要

C-LEAD2は新2年生に課される約1週間の短期集中型のプログラムです。Fuquaは”Leaders of Consequence”の育成を校是として掲げており、リーダーシップ系の多彩な講座が提供される一方で、Internship(+遊び)からAcademicへのモードの切り替えを促し、クラスメートとの再会・再団結を促すFuquaならではの親心ともいえます。

2.鬼軍曹

このプログラムを率いるのはFuquaの名物教授のひとり、Joseph N. G. LeBoeufです。本当は元大佐です(笑)豊富なMilitary経験から醸し出されるオーラは強烈で、まさにリーダーシップの体現者です。気さくに話ができる人ですが、同時に背筋がシャキッと伸びる、そんな感覚が味わえます。腕立て伏せや走り込みがある訳ではないのでご心配なく!(そういうプログラムのご紹介は可能ですので興味がある方はお問い合わせください(笑))

夏休みでほぐれた心身を整え、またぞろ始まる怒涛の6週間に突入する準備はこれで万全。Fall1の様子は改めてお伝えしますね。それでは。

【写真1…Professor Joseph N. G. LeBoueuf】

【写真2…そして、集まってすることと言えば、パーティーでしょう!】
 

GI(Global Institute) 報告 Class of 2016

2014-09-29 22:30:41 | Leadership

皆様こんにちは。再びClass of 2016(1年生)のForestです。
今回の投稿では、7月のLanguage Instituteに引き続き行われた、8月のGlobal Instituteというサマースクールの様子についてお話させて頂こうと思います。

Global Institute (以下GI)はFuquaが掲げるConsequential Leadershipのあり方について学ぶ1ヶ月のプログラムで、アメリカ人も含め全てのMBA学生が参加必須で、GIからアメリカ人が合流します。内容はLeadership, Ethics, and Organizations (LEO)と Global Institutions and Environments(GIE)という2科目の講義に加え、リーダーシップのあり方について考えるC-LEAD1というプログラムで構成されています。

LEO、GIEは、正しい倫理観、メンバーのモチベーションの高め方等、ビジネスリーダーとしての考え方の土台を作ることに主眼が置かれた内容でした。例えば、米国内某企業で過去に起きた巨額粉飾決算事件の事例を題材に、Talent Myth(優秀な人材を集めれば優秀な組織ができるという神話)が時にワークしないこと、またビジネスリーダーとしての正しい倫理観の持ち方について議論しました。LEOとGIEの授業で一番大変だったのは、毎回宿題として課される大量のリーディング。ワークロードはアメリカ人でも音を上げるほどでした。でも、何とか日本人同級生3名ともサバイブできたようで自信がつきました。

C-LEAD1では、6-7名のチームにアサインされ、様々なグループワークやアクティビティに共に取り組みます。私としては数あるアクティビティの中でもTeam Challenge Dayが印象に残っています。終日、自然に囲まれたアスレチック場で、数々の困難(?)に立ち向かいます。例えば、写真のように2人で支え合い、2本のロープの上を進んでいくというチャレンジがあったのですが、これが相当難しく、すぐにバランスを崩してしまいます。ただ、本気で相手に体重を預けると驚くほど上手くバランスが取れるのです。仲間、信頼、チームワークとは何か、考えさせられた体験でした。

また、C-LEAD1でのチームメンバーとは、LEOやGIEはじめ1年生の全てのコア科目でも共にグループワークに取り組みますので、長い付き合いとなります。私のチームは、出身国でいうとアメリカ人3名、チリ人、インドネシア人、日本人(私)、業種としてはコンサル3名、金融2名、総合商社(笑)1名という構成となりました。少なくとも出身国については、米国のビジネススクールとしてはかなり多様性に富んでいることがお分かり頂けると思います。更にコンサル出身者が多く、ミーティングがロジカルにテンポ良く進むことが多く助かる一方で、一度だけマイノリティの意見を合理的に切り捨てたメンバーに対し、私が不満をぶつけ、バーに移動して議論したこともありました。山あり谷あり(笑)ですが、本音でつきあえる仲間たちと切磋琢磨するのはとても楽しいですね。

また、FuquaといえばTeam Fuquaと呼ばれるチームワークの精神で有名ですが、GI期間中、私は何度もTeam Fuquaのパワーを実感しました。(笑) それは、情けないことにGI期間中の講義中に英語が聞き取れず、内容が理解できなくなった時の話。複数のチームメイトが進んで授業後の個別指導を名乗り出てくれました。他のビジネススクールに通ったことがないのでわかりませんが、Fuquaでは間違いなくチームワークや助け合いに喜びを見いだしている学生が多い気がします。今のところは助けられていることの方が多いので、早めに助ける側に回りたい今日この頃です。(笑) 

Fuquaでの授業の特徴については、まだMBAの本コースが始まる前なのでお伝えできることは限定的ですが、授業に対する教授陣、スタッフの意識の高さには驚きました。生徒の名前を事前に記憶するというところからはじまり(Accountingで世界的に著名なSchipper教授が私のセクションのGIEの担当だったのですが、初回の授業後にたまたま学校ですれ違うと既に私の名前を呼んでくれ、かつアクセントが正しいか何度も確認されました。(笑))、講義後に質問に行くと、その場で回答をくれるのみならず、メールで関連資料つきの丁寧なフォローアップを頂きました。詳細な講義の内容についてはFall 1にアップしますね。

最後に、GI期間中も毎日のようにソーシャル(飲み会)が開かれていたのは言うまでもありません。今年もGIの期末試験の3日前に1年生、2年生合同のプールパーティが開催されました。毎回飲み会で見かけ、どこで勉強しているのかわからない学生も多いですが、そういう学生ほど授業の理解度が高かったりします。正にPlay hard, Study hardですね。

この時期、受験生の方はスコアメイク、エッセイ作成等大変かと思いますが、頑張ってくださいね。引き続き、ご質問やお手伝いできることあれば(fuqua-japan_ANTISPAM_googlegroups.com, _ANTISPAM_を@に変換)宛にご連絡ください。


Global Institute

2013-09-03 00:26:52 | Leadership

Class of 2015のCHOPです。早いもので、気が付けば9月に突入してしまいました。東京では残暑が厳しいと聞いていますが、Durhamは気温が上がることはあっても湿気が少なく、朝晩はひんやりとしているので寝苦しいということもないので、相対的に過ごしやすい気候と言えそうです。

Fuquaでは、8月の最終週から2年生がインターンシップ等を終えて戻ってきました。校舎にいる人数が倍になり、一層活気づいてきました(駐車場の争奪戦も激しさを増しましたが、その辺りの話は追い追い…)。1年生はと言うと、秋学期(Fall 1 / 9月5日(木)~)に向けた1週間の準備期間中です。授業はないものの、MarketingやEntrepreneurに関心がある学生向けのInformation Sessionがあったり、Club Activityの紹介があったりして、少しだけ緊張感を緩めつつも、力を蓄えているところです。

さて、今日は1年生が8月1日(木)~28日(水)にかけて参加したGlobal Institute (GI)についてお伝えします。GIは、留学生向けのLanguage Institute (LI) と秋学期の間に行われる、Fuquaが理想とするConsequential Leadershipの在り方を集中的に学ぶプログラムです。Leadership, Ethics, and Organizations (LEO)と Global Institutions and Environments(GIE)という2科目のレクチャーに加えて、リーダーシップやチームワークについて様々な側面から体感するフィールドワークが多数用意されています。レクチャーでは凄まじいボリュームのReadingが課され、期末テストはネイティブも苦しむような難易度でしたが、日本人4名、なんとかSurviveできました(と信じています(笑))。

Enronの粉飾決算であったり、KivaのMicrofinanceであったり、現実のビジネスを活きた教材として、それぞれの学生が自らのConsequential Leadershipの土台を築き、将来の「あるべき姿」を考えることになります。Fall 1が始まる前に1か月、集中的にこうした時間を設けることが、Fuquaのリーダー育成へのこだわりが現われているのではないでしょうか。

Team Fuquaという言葉に象徴されるように、Fuquaはチームワークへのこだわりが特別に強い学校です。Class of 2015は約430名の学生がいて、Sectionと呼ばれる6つのクラスにアサインされ、その中で更に5~7名のTeamに分かれて様々な課題に挑みます。GIの最初の3日間はオリエンテーションでしたが、期間中はSection対抗戦とも呼べるような体育祭のようなノリで、例えばSection 1は「UNO(ウ~ノ)」といった「1」にまつわるチャント(掛け声)で盛り上げていました。Section 4は ”Table Bangers” を名乗って机を叩きまくったり、Section 5は南アW杯で使われたブブゼラを持ち出したり、うるさくした者勝ちのようなところがありましたが(笑)

それでは、Fall 1も頑張ります!

 


MBA 本コースのPre-Termプログラム「Global Institute(GI)」

2012-09-26 13:17:14 | Leadership

 

今週より、新1年生もブログの書き込みをしていきます。Blue DさんにGlobal Instituteについて書いていただきました。

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合言葉は、「Team Fuqua!」

The Fuqua School of Businessは、本当に仲間意識が高く、チームスピリットに関しては他の大学に負けないのではないかと感じるほどです。

Team Fuqua。それは、本当に不思議な言葉で、この一言で、場が和み、みんなが仲間という気持ちにさせてくれます。

Team Fuquaのチームスピリット及びチームワーク重視の文化を特に感じたのは、8月初旬、3日間に渡って開催されたオリエンテーションと、通称GIと呼ばれるGlobal Instituteという必修プログラムでした。私の相棒、マショマロがオリエンテーションについて紹介したので、私、同じく新1年生のBlue DがGIについてご紹介させていただきます。

9月からはいわゆるMBA本コースが開始されますが、8月の1ヶ月は、MBA本コースへの助走期間として、全員がGIを履修します。GIでは、2つのコア授業及び数々のイベントが開催され、まさにTeam Fuquaを肌で体験する場所となりました。具体的には、授業、チームイベント、就活の3つに大別されます。

1.授業

一言で言うと、爽快でした♪

授業は、リーダーシップや倫理等について学習する「Management」と、ビジネス環境や法制度等について学習する「Strategy」の2つ。ビジネスに欠かせないスキルをグローバルな視点で学習します。

日本の大学の授業とは異なり、教授と生徒がインターアクティブに会話するスタイルで、自分も発言する機会がたくさんありました。一学年440人が6つの組(セクション)に分かれ、約70人のクラスで授業するのですが、大勢の中で時には日本代表として発言できるので、非常に爽快で、気分が良かったです。

ただし、やはり自分は外国人。おかしな英語で言って、周りがわからなくても、みんな助けてくれます。自分の英語に笑う人はいません。「私たちはTeam Fuquaだから」と、そんな自分を応援してくれ、渡米前は人前で英語で話すことにすごく不安があったのですが、むしろ今では人前で英語を話すことが好きになりました。

Team Fuquaの一員になれば、友達思いのクラスメイトと一緒に、エネルギッシュな教授の臨場感溢れる授業を受けることができることのだなと実感しました。

2.チームイベント

数あるチームイベントの中でも、Team Challenge Dayというイベントが、もっとも印象的でした。終日、自然に囲まれたアスレチック場で、数々の困難にチャレンジしていくイベントです。

一人では到底登ることのできない4-5mもする大きな壁を約40人で力を合わせて登ったり、クラスメートが手にする命綱一本を頼りに10mもの高さのある、木と木の間に張った細いロープを渡ったり。それこそ、到底できないであろうとひるんでしまうようなものに、手と手を取り合って立ち向かい、日が暮れる頃には、本当に仲間の大切さを改めて認識させられました。

ロープから下を見れば、大きな声で頑張れと応援してくれ、自分がいかに仲間に支えられているか、逆に仲間と力を合わせれば困難も立ち向かうことができる、ということを改めて感じさせられることになります。この日、Team Fuquaの結束が一段と強まった気がしました。

3.就活

MBA生活、まだ始めの1ヶ月であろうと大学側はしっかりと就活をバックアップしてくれます。レジュメの書き方から大学のリソースを使った企業研究の仕方、更には、いろいろな業界にて活躍する卒業生を多く輩出しているFuquaならではですが、早い段階から卒業生とのネットワーキングイベントを開催してくれます。就活のスタッフ、卒業生、教授、みんな協力的で、Team Fuquaの威力は、在校生に留まるものではないのだなと感じました。

 

新しい仲間との出会い、数々の新しい経験と挑戦、8月はいろいろなことが凝縮されていて、すごく思い出に残る1ヶ月でした。

ちなみに日常会話におけるTeam Fuquaの使用例はこのような感じです。「あ、ごめん、あれやっておくのを忘れていた!」「私がやっておいたよ。全然、OK。私たちはTeam Fuquaなんだから。」というノリです。全て英語ですが、私にはこんなふうに聞こえます。(笑)

私は、本当にTeam Fuquaが好きになりました。卒業されて行った先輩方が同じように口を揃えて言っていました、「Fuquaでの2年間は、今でも人生で最高の2年間だ」と。私もTeam Fuquaとしての2年間は、おそらく人生で最高の2年間になるような気がします。

 

Blue D