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Duke MBA 日本人ブログ

Duke University - Fuqua School of Business(非公式)

楽しいエレクティブ

2009-01-31 12:28:51 | 授業紹介
餅つきで疲労困憊のFYのTKです。
(詳しくは、餅つき部長のZakkさんから、このブログで報告があることでしょう)

Fuquaでは、1年目の前半であるFall1,2 Termは全てコア科目で構成されているため、エレクティブは年明けのSpring1 Termから取ることができるようになります。

ということで今学期は、履修中の5科目中、4科目がエレクティブになっています。
これが面白い!(ちなみに、私はオーバーロードという仕組みを使って、通常の1ターム3科目に加えて2科目多く取っています。)

コア科目も良く練られていて、全般的に非常に良くできているのですが、ビジネスマンとして共通的に必要となるスキル(科目)を全員が履修するので、必然的に基礎的な内容を手厚くカバーすることになり、ある程度バックグラウンドの知識を持っている分野だと退屈に思えたり、授業に参加する学生側のモチベーションも様々。

その点、エレクティブに入ってからは、授業の内容も一気に専門的になり、学生側も「選んで」その科目を取っているので、授業の雰囲気も一段と締まった感じになっています。 ちなみに、私が今学期履修している科目は以下のとおりです。

Operations Management

最後のコア科目。オペレーションとはこれまで縁が無かったので、新たな気付きが多く、かなりTakeawayが多いです。台湾出身のプロフェッサーも情熱的で○。

Corporate Finance

Fuquaでは準コア的扱いで、大半の学生が履修します。企業のCFOとしての意思決定に役立つファイナンスの知識をカバーしています。プロフェッサーの語り口は淡々としていますが、的確にポイントをおさえた分かりやすい授業がお気に入り。授業のハンドアウトが異常に充実しているのもポイント(1回の授業でスライド60枚ほど)。

Market Intelligence

こちらも準コア的扱い。マーケティングリサーチについての授業です。単にリサーチの方法論について解説するのではなく、意思決定を行うためにはどのような市場データが必要なのかを考え、その上でマーケティングリサーチを行うという考え方を徹底的に叩き込まれます。一方で、SPSS(統計処理ソフトパッケージ)を使ったデータ分析のトレーニングや、質問表の効果的な作り方など、リサーチに関わる実践的なスキルもカバーされます。

Game Theory for Strategic Advantage

今年新設された授業。コースタイトルどおり、ゲーム理論に関する講義ですが、「非合理的」な意思決定をゲーム理論の枠組みで分析する、というユニークなアプローチを取っている点が非常に面白いです。プロフェッサーは、今年テニュアを取ってMITから移ってきたDavid McAdamsで、若干エキセントリックな雰囲気を醸し出しつつも、非常に魅力的な授業運びをしています。

Managerial Writing

文字通り、英作文のコース。単なる作文ではなく、プロフェッショナルとして求められる文章をシチュエーションに応じて書く能力を養うことを目的としていて、かなり実践的です。授業は週1回だけですが、アサインメントがコンスタントに出るので、意外と気が抜けないです。


実は、上記の科目構成を考える上でも、悩みに悩みぬき、SYの方々にも色々と相談に乗ってもらいながら決めました。今学期に入ってからは、フンフンと鼻の穴を大きくしながら、授業を受けています。

Spring 1 Termも折り返し地点が見えてきましたが、来週のMarket IntelligenceとCorporate Financeの中間試験が、当面の山場になりそうです。

実は、次のSpring 2 Termの授業構成がまだ決められていないので、そちらも考えないと。。。

TK

【授業紹介】 Advanced Seminar in Social Entrepreneurship

2009-01-14 14:19:15 | 授業紹介
SYのYutaです。

まだ授業を受けてないのですが、Winter Breakも終わりに近づき、この特別企画も終わってしまうので、今のうちにご紹介しておこうと思います。



これから始まるSpring Term 1で最も期待している授業が、Advanced Seminar in Social Entrepreneurshipです。

この授業は、Social Entrepreneurの研究・発展・育成を目指し設立されたCenter for the Advancement of Social Entrepreneur (CASE) をリードする、J Gregory Dees教授が教える看板授業です。

前Termに履修したSocial Entrepreneurship(こちらに紹介されています)の続きでもあり、Advancedという名前が示すように、本気でSocial Entrepreneurshipについて学ぼうという意気込みがある学生を対象にしています。

それだけに、「毎回の授業に課されるReadingの量は多く、授業は学生同士のディスカッションを中心に行われ、学生による貢献度も高いレベルが期待される」、とシラバスにはっきりと書かれています。実際、1回目の授業までに済ましておかなくてはいけないPre-Assignmentの量も、他の授業と比べると圧倒的に多く、シラバスの内容はウソでは無さそうです。

最終的な評価は、授業中に行うプレゼンテーションと、Termの最後に提出するFinal Reportによって決まるというシンプルなもの。Fuquaには珍しく、Team課題はなく、全て個人での学習になり、Seminarという名称がついているのも納得です。

私が面白そうだなと思っているのは、このSeminar形式の授業であるという点です。今までFuquaの中でこのような形式の授業は取った事がなく、自分の好きなテーマを自由に選び、自分の力だけでレポートを書き上げるというところに面白みを感じました。

レポートテーマはSocial Entrepreneurに関する事であれば基本的に何でも良く、教授と相談して決められるようです。まだ自分は何にするか決めていませんが、日本人としての強みを活かし、日本のケースについてまとめようかと考えています。

アメリカにいてよく感じるのは、日本の事がそれほどアメリカ人に理解されていないという事。授業で日本のビジネスケースが取り上げられる事はまず無いですし、日常的にニュースで日本の事が報道される事も少ないです。アメリカ人にしてみれば、日本は謎に満ちたFar East Countryなんだろうなという印象です。

それだけに、日本におけるSocial Entrepreneurshipが現状どうなっているのかをテーマとして取り上げる事は、意義があるのでは無いかと思うのです。

日本はもちろん、アメリカでもまだ新しい分野であるSocial Entrepreneurship。これから研究をするには本当に面白い分野で、今学期の楽しみの一つです。

Termが終わった時点で、また実際の授業の感想を載せたいと思います。


【授業紹介】 Invention to Application

2009-01-13 14:24:29 | 授業紹介
アントレ系の参加型授業であるInvention to Application: Health Care Research Commercialization(ITA)の紹介です。

この授業は、デューク内で発明された技術をもとに、1年間 (Fall1~Spring2)かけて、実用化・起業のためのビジネスプランの作成を行う、チームプロジェクト型の授業です。

Biomedical EngineeringなどのPh.Dコース、Master of Engineering Management (MEM)コース及びMBAコースの学生から構成される5~6人のチームがアサインされ、主としてヘルスケア分野の技術を対象にビジネスプランの作成を行います。(授業に登録する際、レジュメとインタビューによる選考プロセスがあります。)

守秘契約を結んだうえで、Office of Licensing & Ventures(デュークの技術移転機関)に登録されている5~7個の発明・技術が各チームに与えられ、まず、実際の発明者やOLVと話をしたり各種文献を調べるなどして技術の特徴についての理解を深め、それぞれの技術のMarket Opportunityを見極めるためのマーケットリサーチを行って、候補を1つに絞り込んだうえで、ビジネスプランの作成を行っていきます。

授業は週1回2時間で、前半は教授又はゲストスピーカーからの講義、後半は、各チームの進捗状況の報告・教授からのフィードバック(Portfolio Review)となり、各Termの終わりには、教授や研究機関、VCなどの専門家から構成されるITA Boardへのプレゼンテーションを行います。

教授のBarry Myers(MD,PhD,MBA)は、DukeのCenter for Entrepreneurship and Research Commercialization(CERC)の責任者、バイオメディカルエンジニアリングとメディカルスクールの融合研究を支援するDuke-Coulter Translational Partners Programの審査委員、Pappas Venturesというライフサイエンス分野を対象としたVCの幹部(Executive in residence)でもあり、数々のビジネスプランを評価してきた経験をもとに、Opportunityの評価や優れたビジネスプランの作成に関する的確なアドバイスをしてくれます。

まだ、1年間の授業の半分が過ぎた途中の段階での感想ですが、この授業を通じ、
-実用化に向けた初期段階の技術・発明の評価方法(目利きのスキル)
-他の授業で習ったマーケティング、ファイナンス、ストラテジーなどの様々な手法の実社会への応用方法
-どのようなビジネスプランがVCに評価されるか
-全米有数の研究機関であるデュークにおける、大学発のイノベーションの実用化を促進する仕組み
等を学ぶことができるメリットがあるように感じています。

1年で6単位のわりには、ワークロードは重めですが、作成したビジネスプランをもとに、Duke Start Up Challengeなどのビジネスプラン コンテストに応募することも可能であるなど、リアルなアントレ体験ができる貴重なコースだと思います。



おまけ:デュークのアントレやイノベーションの実用化促進に関連する取り組みの一部を紹介してみます。(説明は私の理解なので、間違ってたらご容赦を。)

1.The Entrepreneurship and Venture Capital Club(Fuqua)
Fuquaで最も活動が活発なクラブの1つであり、Entreprenerurship Education Series 、Entrepreneurship Weeks 、Duke Start-Up Challenge などの、デュークとしての起業関連イベントの他、随時近隣の起業家との交流パーティ、投資家を招いた講演会、Start-Up企業やVC訪問旅行(Week-In-Cities trip)などを開催しています。

2.The Center for Entrepreneurship and Innovation(Fuqua)
アントレ関係の教育・研究を推進しており、Faculty DirectorのWesley Cohenは、Entrepreneurial StrategyとIntellectual Capital and Competitive Strategyの授業、Executive DirectorのJon FjeldはEntrepreneurial Execution/PlanningとDuke New Venture Clinicの授業を担当しています。
また、昨年2月には、知的財産に関する講演会(Duke University's Second Annual Conference on Intellectual Property)を開催していました。(今年の分は、まだ案内されていないようです。)

3.Entreprenerurship Education Series
毎週、アントレ関連のいろいろなトピックに関する講演が行われています。
昨年秋学期のトピックの例:Entrepreneurship 101、Planning Your Startup 101、Financing 101、VC 101、VC102、Business Plans 101、Social Entrepreneurship 101、Elevator Pitches 101、Intellectual Property 101
スケジュール・スライド等はこちら

4.Entrepreneurship Week at Duke University
Global Entrepreneurship Weekの期間である毎年11月に、デュークにおいても、発明家と起業を考えている学生のマッチングや、各種講演・討論会、近隣のStart-Up企業への見学会、起業家との交流会などのイベントが1週間かけて集中的に開催されています。

5.Duke Start-Up Challenge
デューク内のビジネスプランコンテストです。
フェーズ1:エレベーターピッチ(短時間でのプレゼンテーション、11月)
フェーズ2:ビジネスプランの審査予選(2月)
フェーズ3:ビジネスプランの審査決勝(4月)

6.Duke's Center for Entrepreneurship and Research Commercialization(CERC)
CERCは、学部横断的に、人、アイデア、資源のコラボレーションを進めることにより、Duke内の発明の実用化、起業を促進する役割を担っています。責任者のBarry Myersは、Invention to Applicationの教授。

7.Office of Licensing & Ventures
OLVは、技術移転機関(Technology Licensing Organization、TLO)であり、デューク大学及びデューク大学メディカルセンターの発明・技術の管理、特許取得支援、企業や投資家とのライセンス交渉を行っています。OLVは、大学の発明を商業化することを通じ、社会に利益をもたらし、公衆衛生や生活の質の向上を図ることを目的としています。

8.Duke-Coulter Translational Partners Program 
バイオメディカルエンジニアリングとメディカルスクールの融合研究を支援するプログラムで、デューク大学が、Wallace H. Coulter FoundationからTranslational Researchのための資金提供を受ける9大学の1つに選ばれ、その資金により運用されています。Fuquaの教授も審査委員になっています。

9.Duke Translational Medicine Institute
政府(NIH)のClinical and Translational Science Awardsという補助金により、2006年に設立されました。Duke Translational Medicine Instituteのもとに、Duke Translational Research Institute(トランスレーショナルリサーチ)、Duke Clinical Reseach Unit(第一相)、Duke Clinical Research Institute(第二相以降)、Duke Center for Community Researchの4機関がおかれ、デューク内で、発明の基礎研究段階からの実用化とそのコミュニティへの普及までを担う一環した体制の構築を目指しています。なお、Fuquaの学生向けに、Duke Translational Research Institute FellowsとしてIndependent Studyを行う機会も提供されています。

だいぶ、マニアックになってきたので、今日はこの辺で。

by Max

【授業紹介】 Managerial Improvisation

2009-01-09 03:47:59 | 授業紹介
今回はManagerial Improvisationというちょっと毛色の変わった授業を紹介したいと思います。

本コースはレクチャーの殆ど無い体験型のコースで、improvisaiton(即興)という演劇の要素を取り入れた訓練を行う事により柔軟な思考プロセス・コミュニケーションを培い、絶え間ない変化を遂げ続けるビジネス環境に素早く対応する術を学ぶ、というものです。

毎年、winter break中の年明けの5日間をフルに使うintensive courseで、通常の6週間2単位コース相当となります。講師もFuquaの教員ではなく、シカゴ・LAなどに拠点を置くプロの俳優達です。Fuquaはimprovisationをビジネス教育に逸早く取り入れており、今年は導入後10周年にあたります。

本コースのmajor takeawayは(私が思うに)1)trustを築き、2)互いの言うことを注意深く聞き、3)ポジティブなアプローチとエネルギーを保つ事により、個人個人では達成しえないグループダイナミクスを達成できる、というものです。

この目的の為に5日間で50を超えるエキササイズを行います。最初の2日間はimprovではなく、上記3つのポイントを訓練する基礎的エキササイズから入ります。例えば輪になって真ん中で誰かが大声で歌いながら周りの人間がひたすらテンションをあげつつ自発的に歌う役を交代していくものから、ありえない製品(歌うスプーンなど)を皆でアイディアを出しながら“開発”していくものまで。これらのエキササイズに共通しているルールは(1,2の例外を除き)、1)相手が何を言っても必ず肯定しその考えをさらにdevelopする(“yes, and...”の姿勢)、そして2)発言の際は質問をせず、必ず断定形のstatementにします。

これらのルールを設定する事により、日常的にしがちである、相手の発言を否定および質問することにより発言の責任を相手に移す事、初期段階でアイディアを殺してしまうことを封印することによりどのような効果が生まれるか、を体感できます。例えば、前述の“商品開発”エキササイズでは、否定と質問を封印することによりアイディアが泉の様に沸く感覚を味わいました。1本のスプーンから始まり、“このスプーンはどんな革新的なことができる?”“自動的にごはんを食べさせてくれる!”“Yeah!他には?”“自分で洗浄するから後片付けいらず!”“Of course!更に、他の皿まで洗ってくれる!”などなど、、 しまいには、“ごはんを食べさせてくれて皿も洗ってくれて、人生のアドバイスも助言してくれてiPod機能を搭載したスプーン”というcrazyなアイディアが出来上がります。勿論、そんなスプーンはあり得ないのですが、innovativeなアイディアはそんなところから始まるのでは?ポイントは、実現可能性などanalyticalな考え方ばかりしていたらinnovativeなアイディアには到底たどり着けない、ということです。

これらの準備運動をした上で、2日目の後半からいよいよimprovの実践です。improvも様々な型(gameといいます)がありますが、全て、上記のルールを踏まえた上で、演じるシーンは全てその場の観客から与えられて、考える間もなくすぐシーンに入らなくてはいけません。与えられるシーンも日常生活上あり得そうなものから、“火星で働く下水道配管工”など、まともに考えていたら一言もしゃべれなそうなものまで。またシーン途中で突然状況が変えられたり、新たなキャラクターが入ってきたり、、とにかく、常に集中し、状況の変化に素早く反応しなくてはなりません。

improvはこれまでの訓練の集大成のようなもので、クリエイティブなbrainstormingに必要な要素がすべて入っています。演者がみな互いを支えあっているというtrustの土壌が無いと良いimprovisationは生まれませんし、互いの動き・発言に集中していないとシーンの変化に対応できません(外から与えられる変化だけでなく、演者の発言ひとつでシーンがガラッと変化します)。また互いが互いの発言を否定してはシーンが壊れてしまいます。互いが高い集中力と高いエネルギーを保つ事により思いもよらぬシーンが展開してゆき、面白いimprovシーンが出来上がります。improvは単に無茶苦茶な馬鹿をすればよいというものではなく、演者は“at the top of their intelligence”で演じる事が求められます。

カリキュラム中、通常の授業は約120名の参加者を8つのグループに分けそれぞれ個別のインストラクターとエキササイズを行いますが、3日目の夜(地元のバーで)と最終日の午後(学校の講堂で)にimprovisationを全員の前で実践披露します。3日目夜のバーでのパフォーマンスは酒も多少入りリラックスした雰囲気ですが、最終日の集大成では各チームは流石に多少緊張します。出番の前、私たちのチームは控え室でひたすら声を出し体を動かし士気を高め、テンションを極限まで高めると同時に、みな順番に“この5日間で得たこと”を一言づつ発言し、楽しかった5日間を振り返りました。

自分はこのコースに登録した時は内容をよくわかっておらず、“英語でのコミュニケーションの向上に役立てば、、”程度の認識でした。しかし始ってみると、単に英語のコミュニケーションだけでなく、今の自分に足りないもの、若しくは考えても見なかった事の気づきの連続でした。自分はもともと自説に固執する癖があることを自覚してはいましたが、こだわりを捨て他の意見の上にbuildしてゆくことがこんなに心地よいとは思いませんでした。また以前は“自分の発言で議論をリードしてやろう”という思いが強く、よって発言に慎重になるきらいがありましたが、(良い意味で)“思いつきで話す”ことの自由さ、その思いつきが議論に溶け込んでゆく感覚、そしてそれらが許される環境の楽しさに気付かされました。

多かれ少なかれ、他のグループメンバーもその感覚があったようです。最初は、“何これ?”といった表情でエキササイズを行っていたメンバーも、コースが進むに連れてより自由な発想で、活き活きと、大きな声で“知的な馬鹿”を演じるようになって行きました。今まであまり知らなかった(初対面の人も多かったです)他のFuqua生とこうした学びのプロセスを共有できたことも貴重な財産だと思います。

最後の本番パフォーマンス前の控え室ではこうしたことを思い起こし、あっという間で内容の濃い5日間が終わってしまう事がさみしくもありました。コース自体は5日間で終わりましたが、学んだことについて考える事は終わりではありません。授業プロセスという意味ではこれから、学んだことと今後それをどう活かすかの課題提出が必要ですが、それ以上に、この貴重な学びを、improvという実験室の外で必ず活かしてゆきたい思います。

Improvのコースは、たとえるならば普段使わない筋肉をフルに動かして柔軟性・敏捷性など運動能力を高めることにも似ています。MBAの授業・生活において普段学生は高度にanalyticalであることが求められますが、それと真逆の運動を集中的に行ってみるのも非常に有益ではないでしょうか。

身近なところでは、3歳の娘とのやりとりが以前に比べクリエイティブになっている自分に気付きました。以前は娘が駄々をこねると“駄目!”と叱るか物で釣るかくらいしかオプションがなかったのですが、例えば今朝、“保育園に行きたくない~”と駄々をこねる娘に対し、“保育園にドロンボーが来てドクロリングを盗もうとしてるって!ヤッターマン出動だ!”とヤッターマン好きな娘を見事乗せることに成功しました。

Fuquaでのチーム課題、更にはビジネスの場ではそんなに簡単にクリエイティビティを発揮し成功させることは出来ないでしょうが、improvのコースで学んだ、何よりも“楽しむ”ことが前向きなアイディアの花を咲かせることができる、というpositive attitudeをこれからも忘れずに実践してゆきたいと思います。

Taku

【Winter Break特別企画:授業紹介】 Finance

2009-01-02 14:11:23 | 授業紹介
FYのMINEです。新年あけましておめでとうございます。
TKさん、Takuさんに続き、Fall2のコア科目のうち、Finance(正式名称:Global Financial Management)をご紹介します。

6週間のプログラムにしては盛りだくさんの内容だったと思います。主なテーマは、債券、株式のValuation、ポートフォリオ分析の手法(ポートフォリオ理論の概説とCAPM‐資本資産評価モデル)、NPV(正味現在価値)を含むCapital Budgeting(資本予算)、先物・オプションのプライシング、レバレッジの概念です。

証券アナリストの2次試験のテキストでカバーされている水準で、ファイナンスのバックグラウンドのない人の中には、慣れない数式に面食らった人もいたようですが、コンセプトは比較的分りやすく解説されています。

“Arbitrage”(裁定取引)の概念を使った、金融商品の価格決定メカニズムの説明は、ファイナンスバックグラウンドのない学生にも好評でした。つまり、同じ商品の価格は計算上、必ず1つに定まり、価格差がある場合、Arbitrageによって取り除かれるというものです。例えば、利付債の価格を算出する数式が、支払われる各クーポン/元本の支払い期日と満期が一致するゼロクーポン債の価格合計なることを示し、これらが一致しなければArbitrage機会が存在することを説明しています。また、先物やオプションの価格が、原資産である現物債券or株式を、市場から資金を調達した上で購入し(先物・オプションの)期日まで保有した経済効果と同じになることを説明し、ヘッジ手段としての有効性を解説しています。

やや、数式の解説に偏りすぎている部分もありますが、今後のファイナンス系選択科目の全てに橋渡しできるよう、広い概念をよく網羅したコースという印象です。また、ファイナンスを今後専攻しない学生にも、一見分りにくく思える金融商品の価格決定やポートフォリオの仕組みは、実は単純な計算やFall1で習った統計の知識で説明がつくということを伝えようとしています。

網羅的な授業であるため、現在のボラタイルな金融市場を全て反映することは難しかったようですが、時にはBloombergやYahoo!Financeのチャートを用い、今の金融危機の姿を取り込んで、学生の理解をサポートしていました。

MINE

【Winter Break特別企画:授業紹介】Leadership Communication 2

2008-12-29 13:45:21 | 授業紹介
FY Takuです。
TKさんに引き続き、Fall2のコア科目を紹介します。
文字通り、Fall1のLeadership Communication 1の続編です。

今回は、コアのStrategyの授業と連携し、チームで選択した企業の①industry analysisと②consulting proposalをそれぞれチームで45分程度のプレゼン(Q&A含む)を行うというものです。
Strategyの授業でも同様に課題エッセイをチームで作りますが、こちらでは内容そのものよりも①チームとして筋の通ったargumentを構成出来るか、②リスナーにemotionalにconnect出来るか、がポイントになります。

特に②については、Fuquaの特徴/考え方がよく反映されていると思います。
つまり、どんなにプレゼン内容が“正しく”ても、相手の心に響かないと“行動”に影響を与えることができず、結果時間の無駄になるという考え方です。

相手の心に響く/connectする為に何が必要か、というと、LEOで学んだ考え方と共通するのですが①相手の欲している事を理解し②相手に対する“思いやり”を示し、③相手とのTrustを築く、ということになります。LEOにおけるチームビルディングの環境と異なるのは、②と③をプレゼンで与えられた短時間でこれを達成する必要があるということです。

思い起こせば、Fuquaに来る前は、私の場合プレゼンといえば如何にスライドに情報を詰め込むか、また“正しい”内容を構築すればきっと相手に伝わるだろう、という身勝手な考え方をしていたと思います。

Fall1と2で上記Fuqua流のプレゼン術の基礎は学びましたが、自分の武器とするにはまだまだ精進が必要です。これからのFuquaのカリキュラムおよび、卒業後も、“結果を伴うリーダーシップ”とは何か(Fuqua流に言えば“Leaders of consequence”)、自分の課題として取り組んでいきたいと思います。

【Winter Break特別企画:授業紹介】 Marketing Management

2008-12-28 14:34:45 | 授業紹介
FYのTKです。
今回は、Marketing Management (通称:コアマーケ)をご紹介したいと思います。

通称からも分かるとおり、このコースはコアコースとしてTerm2に全員が受講することになっています。

このコースは、「Marketing」という言葉を聞いて、はじめに思い浮かべた単語をセクション全員で発表するところから始まります。

私は、これまでにMarketingというものを学んだことが無かったため、「Marketing = プロモーション/市場調査」というイメージを持っていました。実際、他のセクションメイトたちも、「advertisement」という言葉を挙げている人が非常に多かったです(中には、「fluffy」と言っている人も。。。)。

しかし、このコースを担当しているProf. Gavanは、「このコースを通じて、Marketingに対するイメージを完全に変える」と豪語していましたし、実際その通りになりました。

このコースはケース半分、レクチャー半分という構成で進みましたが、全体を通じて、いわゆるMarketingの3C(Customer, Company, Competitor)という枠組みを使って、そのケースに描かれた企業の競争環境や企業戦略を読み解く、ということに非常に重点が置かれています。

また、EVC(Economic Value for Customers)という概念を導入し、顧客に対して企業が提供できる「価値」を定量化し、その数字をベースとして企業がいかにPricingを行うか、という点も力を入れて議論されました。

全体を通じて、Marketingのスコープが、それまでに考えていたよりもはるかに広いものであること ~企業の基本的なPlanning から、商品のコンセプト設計、Pricing、Promotionまで含んだ幅広いものであること~ をよく理解できましたし、MarketingをSystematicな意思決定の道具として活用できることは新たな発見でした。

なにより、Pricingなどは数値の分析が非常に重要で、理系出身の私でも十分に楽しめるものでした。

Term2を終わった今では、すっかりMarketingに興味津々になってしまい、来学期以降も「Market Intelligence」「Strategy and Tactics of Pricing」などのマーケティングの選択科目を履修することにしています(笑)

FE

2008-12-18 06:45:21 | 授業紹介
学校のカレンダーでは今日が試験最終日で明日から冬休みですが、私はまだ終わっていません。今タームに履修したFinancial Engineeringのファイナルプロジャクトと格闘しています。

この授業はタイトルのとおり金融工学の授業で、金融商品が内包する(1)Volatility Risk (2)Prepayment Risk (3) Credit Riskについて、どのように①計測(Measurement)し、②モデル化し、③商品化するかということについて学んでいきます。昨今の金融危機で話題となったサブプライムやCDSといったトピックがカバーされていることもあり、急遽この授業が設置され、超ファイナンスマニアックな内容にも関らずほぼ定員一杯となる程の人気となりました。

ファイナルプロジャクトは、パフォーマンスが悪化しているモーゲジローンローンを裏付けとした証券化商品のメザニン(劣後)部分をプライスするというもの。300ページを超える投資目論見書(Prospectus)と関連データファイルだけしか提供されず、プライシングモデルを自分達で作って分析しなければなりません。チームメイトはファイナル等で忙しそうだし、前職で類似の商品を取り扱った経験もあったのでモデルリングは私の方で引き受けたのですが、これがえらい大変な作業になりました。

難解な英語で書かれたProspectus(前職ではReds/Blacksと呼んでいました)を“解読”しながらキャシュフローを配分していくのですが、まぁなんとも優先劣後構造が複雑なこと、様々な仕組みを盛り込むうちにエクセルの列は増え続け、整合性エラーが続発して頭がパニック。結局ベースのモデルを完成させるのに三日もかかってしまいました(途方にくれて途中で投げ出した期間も含む)。

そんな奮闘のなかで前職時代を懐かしく思い出し、これら複雑な仕組みの背景にある当事者間の利害調整や各ポーションのリスク・リターンの最適化等について色々と考えるのはそれはそれで非常に興味深く、新たな発見も多くありました。一方で出来上がったモデルを色々と前提条件を変えてまわしてみると、あれだけ時間をかけて入念に作り上げた優先劣後構造が殆ど意味をなさないことが判明。まるで、「すきま風を塞ぐことに膨大な労力をかけてたのに、実は台風が来たらあっさりと家自体が倒壊してしまった」様です(良くわからない例え話ですね)。これも一種のテールリスクの恐ろしさでしょう。

Bスクールも2年目になると授業の内容もそれなりに専門的で高度化してきます。ここ最近改めて痛感するのは、「理解しているつもりでも実は本当に理解していないことが多い」ということです。何か解らないことがあるかもしれないという恐怖感は自信過剰を防ぎ、リスクに敏感にさせます。確かに私が為替市場で見習いディーラーをしている頃、「マーケットって何が起きているのか解らないし、何が起こるのか分からない」という雰囲気が常に充満していました。一方で昨今の金融危機がなければこの授業を通じて、「金融工学を駆使すればリスクの大部分コントロールできる」という安心感を持てていたかもしれないと感じました。昨今の証券化商品の加熱振りは金融工学への過信が背景にあると話をよく聞きますが、確かにそういうところがあったのかもしれません。といっても金融工学や証券化商品が今後全く使い物にならないということではなく、多くのBスクールの生徒が依然としてこの手の授業を履修している通り、金融市場の混乱が一段落すれば金融業界でのビジネスチャンスはこれらの手法を用いたものになるのではないかと考えています。

これからチームミーティングです。マニアックになってしまったモデルをチームメイトに説明して共通理解を得るのは非常に大変ですが、これがまさにTeam FuquaならではのOpportunityでコミュニケーション力やリーダーシップが鍛えられます。「いくら自分が理解していてもそれを他人に伝えることが出来なければビジネスの場においては何の価値も生まない」というのもFuquaに来て改めて実感したことの1つです。




そういえば家庭内の優先劣後構造っていつの間にか変わっていますよね。

確かに前提条件も大分変わってきていますが・・・・。



M-11(Zicho)

【授業紹介Strategy Implementation】

2008-11-18 11:45:02 | 授業紹介
SYのRX-78です。

今回はStrategy Implementation (Strategy 491)という授業についてのご紹介です。待ちに待ったカレッジバスケシーズンが開幕したのでデュークバスケネタにしようかと思いましたが、一念発起して勉学ネタに挑戦します。

クラスは読んで字の如し「戦略を実行すること」について学びます。コア科目のStrategy Foundationでは企業戦略をフレームワークに沿って学びましたが、その戦略をどう実行に落とし込むか?をメインテーマに学ぶ授業です。

”Japanese Companies Rarely Have Strategies”. とかのマイケル・ポーター氏にも言われちゃってますが、確かに日本企業は概して現場の積み上げに強みがあるもののビジネスそのものをデザインして実行に落としこむ戦略構成と実行の力に難ありと職務経験から問題意識は常々感じていました。

昨今はものづくりの分野では水平産業化が進み、日本の既存のボトムアップの勝ちパターンが通用しにくくなり、ビジネスのデザイン力が理由で苦戦に立たされる局面が多くなってきたと危機感を感じることが多くなりました。だからこそ戦略のグランドデザインと実行を体系立てて学ぶことは価値があるみたいなことを入学前のエッセイのネタに考えてたなぁと思いながら初心忘れる前に受講してみました。

授業では平たく言えば戦略が「絵に描いた餅」にならない為のアクションを中心に学びます。戦略を実行に移す際に陥りがちな「落とし穴」をプランニング、プロジェクト、人材、プロセス、パートナーシップの5つの切り口でケースの実例を基に段階的に学んでいきます。ビジネスを持続成長させる為に、どう戦略を立て、既存のリソースをどう活用しながら組織を活性化するか、新戦略と既存の組織との共存を行うか、戦略実行の為に社内外のリソースをどのように活用していくかなどのビジネスの実践に関わる部分について学んでいきます。

クラスの特徴として、意外なことに何故か日本人を含むアジア人極端に少なし。あれだけ普段見かけるインド系もほとんど居ません。個人的にはビジネスの生々しいやりとりがケースを通して垣間見れるだけでなく、自分ならこうする、ああするとシュミレーションするのが楽しく気に入っていますが、確かに数量的な授業に比べて具体的な「学び感」は一見薄く感じる「ふわっとした」授業の系統に入りアジアンテイストではないのかもしれません。

しかし組織の大小を問わず将来マネジメントとして留意すべきポイントや知見は踏まえてくれる実践的な部類に入る授業だとも思います。事業戦略系はもちろんジェネラルマネジメント系キャリアを志向する人にもお勧めかなと思います。

クラススタイルはコアのStrategyのそれを踏襲していて、毎回のフレームワークに関する課題提出と個人・チームのWrite-upが一本ずつ、期末前にミニテスト、期末にチームプロジェクト一本と負荷はそれなりにありますが、ケースの内容が楽しいのでそれほど気になりません。

唯一の泣き所は月曜の朝一という時間帯でしょうか・・・。


New Concentration -Energy & Environment-

2008-11-17 14:35:55 | 授業紹介
9月初旬に$4.099/Gallonを記録した近所のガソリンスタンドが今日はとうとう$2.099/Gallon、隣町では$1.799/Gallon(約50円/㍑)まで下落したようです。ここDurhamでは通学・買い物・ゴルフと自動車無しの生活は考えられないわけで嬉しい限りです♪♪

と、日本と比較してガソリン・電気代ともに安価ではありますが、昨年から続いた原油価格高騰・ガソリン価格急騰は自動車社会アメリカの特に貧困層にとって大きな打撃・問題となり、大統領選挙もあいまってエネルギー政策の見直しが連日TVで議題に上がっていました。代替エネルギー源・環境負荷低減の両方の観点からのRenewable Energy推進が叫ばれており、またCSRの観点から企業も環境保護やClean Energyの推進を進めており、FuquaでもNPOでの就業を希望する学生を中心に年々Energy & Environmentに興味を持つ学生が増えてきているようです。

(余談:先週はCSR関係で2つの講演がFuquaにて開催されました。1つはMaking Sustainability Work : Best Practices in Managing and Measuring Corporate Social, Environmental, and Economic Impactsの著者であるDr. Marc Epstein、1つはAmerican ExpressのCSR担当者。両者とも環境保護・エネルギー削減に対する企業貢献の重要性を訴えておりました。)

と、前置きがかなり長くなってしまいましたが、先日Fuquaの新たなConcentrationとしてEnergy & Environmentが追加されました。(詳細は以下のリンクを参照願います。)
 http://mbaa.fuqua.duke.edu/aabc/Japanese/concentrations.html
 http://www.fuqua.duke.edu/student_resources/academics/concentrations/

Fuquaは環境学修士のNicholas Schoolと共同でJoint Degreeコース(3年でMBAとMEM <Master of Environmental Management> の修士号を取得可能)を設置しているので、その点ではこのConcentration設定は少々遅かったくらいかもしれません。この度授業も整備され、Concentration取得のための要求科目として新たにEnvironmental Economicsが新設、Nicholas Schoolの科目であるEnergy & Environmentという授業をFuquaの校舎で開講するという新たな試みも始まります。現状Fuquaで受講できる科目は正直限られており、Nicholas SchoolやLaw Schoolなどの選択科目を受講することがConcentration取得条件となっておりますが、CASEやCSIなどの取り組みと提携することで今後幅広い授業選択が可能になると期待しております。残り半期しかないSYの私にとってConcentration取得はかなり厳しいですが、現在のFYやClass of 2011以降の学生にとっては選択肢が増え朗報と言えるでしょう。

他学部履修ですが、
Fuqua : 1学期6week、週2コマで月木 or火金、2.25hr/classが基本(水曜が休日)
Nicholas、Law SchoolやSanford School(公共政策) :1学期12~14week、週2コマ、月水 or火木、1.25hr/classが基本(金曜が休日)
で時間割・時間帯も各School間で微妙に異なっているため、他学部の履修はFuqua授業の履修選択の幅を狭めることは否めません。
(例えばNicholasの火木の10:05~11:20の授業を履修したい場合、Fuquaの月木・火金の1限<8:00~10:15>と2限<10:30~12:45>が全て履修登録不可となってしまう)
ただ大学側も例えば今回のEnergy & Environmentの授業に関してFuqua校舎でFuquaの時間割に合わせて開講するなどの努力もしており、今後履修者が多くなるにつれ融通が利くようになると期待しております。

So

留学の留学

2008-11-12 12:38:53 | 授業紹介
SYのRockです。今回は留学生のKonさんに引き続き、Fuquaの交換留学プログラムについて説明してみたいと思います。Fuquaは慶応を含め、全世界の代表的なビジネススクール約30校との交換留学制度があります。詳しくはこちら
https://www.fuqua.duke.edu/student_resources/international_center/outgoing_exchange_programs/
交換留学時期としては、だいたい2年目の春学期(1月~5月)が一般のようです。選考は抽選のみの一発勝負。(シンプルすぎる)まぁ、私達のような海外留学生にも平等にチャンスが与えられているというのは大変良いです。今回の抽選も、アメリカ人・インターナショナルあわせて80名くらいが抽選に望みました。私もヨーロッパ生活にも興味はあったので、スペインのとある学校に申し込んでみました。

結果は大当たり。しかも、倍率は10倍。今回の抽選の一番人気だったようです。(強い引きですが、この強運を就職活動にも発揮したかった、、、)しかし、スペイン留学するかどうか現在悩み中です。卒業まであと半年、、、やり残したこと&やり遂げたいことも多い、やはり授業での学びも多い、と改めてFuquaでの日々の貴重さを感じる日々です。


【Fall Break特別企画:授業紹介】 Managerial Economics

2008-11-10 10:31:56 | 授業紹介
FYのMINEです。今回はFYのFall1の必修科目「Managerial Economics」(通称:Econ〔いーこん〕)の授業についてご紹介したいと思います。科目名に“Managerial”とついていますが、基本はミクロ経済学です。担当教授は、Prof. AntonとProf. Lopomo (Pino)。私のクラスは、Pinoが担当でしたが、Pinoはミクロ経済という固いイメージとは正反対の陽気なイタリア出身の先生です。話すのが早いのが難点ですが、毎クラス笑いが絶えない授業でした。

科目名になぜ“Managerial”とついているのか?理由は、ミクロ経済学に含まれる数多くの分野の中でも特に企業経営に必要な概念、「企業行動」、「市場の機能」、「価格決定メカニズム」等に力点を置いていることです。具体的には、企業が利益を最大化するよう行動した場合、「完全競争市場」、「独占市場」、「寡占市場」のそれぞれにおいて、コストと生産数量の組み合わせはどうなるか、価格はいくらに決まって市場が均衡するかの仕組みを分析します。これらの比較からは、最終的に「完全競争市場」に対し、「独占市場」や「寡占市場」がどれだけ非効率かということを数量的に理解します。また、「寡占市場」における競争の下での戦略についても踏み込みます。例えば、「ゲーム理論」を用い、2企業がお互いに相手の戦略に呼応する形で行動すると、いわゆる囚人のジレンマと呼ばれるような、お互いにベストではない結果(ナッシュ均衡)に収斂することを分析したり、「差別価格」(例:映画のチケットを1枚では1000円、2枚では1500円、3枚では1800円といったプライシング)では、最も適切な価格設定の仕方やその経済効果などを計算したりします。

この授業で特徴的なのは、経済理論の解説や分析に収まらず、より実践的な理解が図れるよう、体験型の授業を織り交ぜていることです。例えば、仮想の「完全競争市場」において売り買いを実践し、市場の理解を図る「市場ゲーム」。クラスを複数のチームに分け、半分を買い手に半分を売り手と設定し、各チームは、講師が用意したWeb上の仮想市場に持参のラップトップからアクセスします。与えられている課題は、いかに利益を最大化するか。売り手は与えられたコストの下、なんとか買い手に買ってもらえるよう極力安い価格を設定し、買い手はいかにすばやく最割安な価格で取引を成立させるかという内容です。売り手が練った価格がWeb上にぽつぽつと表示されると、各買い手チームはすばやく状況を分析し、周囲のチームに買い落されないよう必至で価格をヒットしていきます。わずか数秒の中で行われる微妙な駆け引きは、私が以前やっていた為替ディーラーさながら。皆、一喜一憂して取引を成立させながら、次第に市場が何なのかを理解していきました。

この他にも、「カルテル」やこの参加主体の行動をゲームを通じて学ぶ「OPECゲーム」などもあります。寡占企業間での価格や生産数量の取り決め「カルテル」が何なのか、それは機能するのかということを、肌感覚で学ぶとともに、「ゲーム理論」で取り上げられる状況を実践します。理論を学ぶ前に、このクラスを使った巨大ないわば実験を通じ、実体験を持つことで、理論が肌感覚で学べるという演出でした。

私が大学時代に学んだミクロ経済学は、理論モデルの解説が主体の極めてイメージの湧きにくい内容でしたが、このような参加型授業を通じ、実体験から学生の理解を深め、社会で応用できるよう配慮しているところが、ビジネススクールだなと感服させられます。ちなみに、Fall2も1週間が過ぎましたが、ここで履修しているコア科目、「Marketing」や「Strategy」でも当たり前のことのように、この「Managerial Economics」の概念が出てきます。経済学がただの理論モデル遊びではない、実践の知識であることを改めて痛感させられました。

MINE



【Fall Break特別企画:授業紹介】BusinessComputerApplications

2008-11-06 22:21:38 | 授業紹介
FYのMiyagiです。今回はFall1コア科目の一つ"Business Computer Applications"についてご紹介します。

この科目、読んで字のごとくPCの基本アプリケーション(MS Word, Excel, PowerPoint, および学校指定の回帰分析ツール)の習得を目標としたクラスです。毎週1コマ講義はあるものの出席点はなく、毎週指定の課題を作ってファイルをWebサイト経由で提出し、理解度チェックテストを同Web上で行えば良いのです。周りを見ても、バックグラウンド上、PC作業に慣れていない同級生が授業に出席しているようでした。

私は前職がIT業界だったこともあり、授業には出席せず独自に課題に取り組みました。(※課題の説明はコースWeb上の手順解説書を読めば分かるようになっていました。) PowerPointやWordでのドキュメント作成やExcel関数の活用・チャート作成は割とすんなり出来たものの、Excelのピボットテーブル、ソルバー、回帰分析ツールなど今まであまり触れたことのない機能を動かし理解を深められたので、貴重な機会でした。

他方、あまりPC作業に慣れ親しんでいない同級生は課題の作成に時間を取られてしまっていたようです。Excel関数やチャート作成にてこずっていた友人を、学校のPCルームやアパートのオフィススペースで見かけると、ここは見せ場(?)とばかりにアドバイス。いつもお世話になっている皆に少しでも恩返しが出来たのであれば良かったのですが(苦笑)。

ちなみに、我々FYが7月のダーラム入り後、SYの皆さんから口をすっぱくして言われたアドバイスの一つが「Business Computerの課題を前倒しでやっておけ!」でした。この課題はFall1開始のかなり前(少なくとも7月)にはWeb上で提出できるようになっています。本学期が始まると、ただでさえ授業の予習、クイズ、チームミーティングに就職活動とやることが盛り沢山になります。やはり、時間を食ってしまうPC課題は「夏の宿題」として前もって済ませておくことを未来の新入生にオススメします。

【Fall Break特別企画:授業紹介】Probability and Statistics

2008-11-03 23:45:46 | 授業紹介
はじめまして、FYの3Mです。本日はProbability and Statistics(確率統計)をご紹介したいと思います。
ふりかえりますと、かなりビジネスの現場を重視したMBAらしい授業でした。

条件確率、期待値、中心極限定理、正規分布、信頼区間、回帰分析を、鬼のようなスピードで頭に叩き込むことができます。最後の3回の授業では、細かい理論や方程式はすっとばして、最適な回帰分析モデルの読み方をじっくりと学びます。

ケースは全部で3つ、世論調査の読み方、市場における物の価格予測など、まさにビジネスの現場を想定したケースを体験することができます。

面白かったのは、授業中に教授がM&Mのチョコレートをクラス全員に1袋ずつ配り、「M&M1袋に赤い粒が何個入っているか」のサンプルを作るという演出があったことです。もちろん、このサンプルを使ってしっかりと宿題も出されているところが憎いところです。個人的にチョコレート、かなり好きですので、M&Mを食べるたびに、この授業を思い出し苦笑しています。

私のセクションはルカ教授(さすがはイタリアーノ)が担当、ジャケットから、シャツ、ネクタイ、靴までお洒落です。最後の授業では、学生もルカ教授風のオレンジや黄緑といった「カラフル」かつ「オシャレ」な服装で講義にのぞみ、教授を送り出そう!という提案が行われていました。単に生徒間だけではなく、教授とも一体になれる環境、まさに「Team Fuqua」を垣間見た瞬間でした。


【授業紹介】Management Communication

2008-11-03 11:28:53 | 授業紹介

FYのRockyです。

今回はコア科目の一つであるManagement Communicationをご紹介したいと思います。これは簡単にまとめてしまうと「プレゼンテーション」について学ぶ科目です。プレゼンテーションと言うと何やら営業的な香りが漂ってきそうですが、ここでは「人に対して効果的に働きかける」こと全般が対象となっています。初学期の履修科目である統計・経済・会計といった伝統的分野と比べると異彩を放っていますが、こういった実践的な科目は日本の教育機関ではあまりお目にかかれないので、これぞアメリカならではの授業だと思います。

Fuquaが目指すリーダーは、ある企業に突如経営者として送り込まれた場合に、その組織に対して効果的に働きかけて、人々の心をつかみ、ビジョンを共有する強力な集団を作り上げて、目的を達成していくことができるような人物像が想定されています。このManagement Communicationのコースはリーダーシップを発揮するに際して必要となるコミュニケーション能力を、知識と実践の両面から体系的に学ぶことができるように設計されています。特に「話した内容が全て」になりがちなLow Context Cultureの世界においては、人と関わる上で「コミュニケートする力」が重要な要素となるので、こうした方法論を学び、実践して身につけていくことには大きな価値があると感じました。

主な課題プレゼンテーションの内容は以下の3つでした。

①人物紹介

自己紹介がてら20人のクラスメートに対して自分の尊敬する人物について語る。内容は自由だが「Sticky」であることが求められ、ここで創意工夫を凝らして効果的な物語を紹介すると後々までクラスメートの間で語り継がれ、伝説化するほど。

②企業紹介

20人のクラスメートに対して、自分が興味をもっている企業を紹介する。単なる企業解説とは異なり、「就職活動を控えている学生達が興味を持ちそうなポイント」を中心に紹介することが要件で、聴衆がどのくらいの知識をもっていて、何に関心があり、どのように情報を伝えると聴衆の心に残るのか、が焦点。この辺りから、身振り手振り、ステージ上の歩き方、目線の配り方、等々に細かい指導が入る。

③企業戦略と提言

3人で1つのチームを組み、ある企業の経営について、他のもう1つのチームと異なる立場をとりながら、経営者に提言するという設定。問題提起・解決策提示・クロージングの3つのパートを分担してプレゼンを行い、自分のプレゼンについては聴衆からの厳しい質問に答えることも求められる。言葉の選び方、比喩の使い方、チーム全体の発言の整合性、相手チームの見解に対する反論、聴衆からの質問への答え方、等々に指導が入る。

 

振り返ると、欧米流のプレゼンテーションが苦手な自分にとっては、なかなか手ごわい授業ではありましたが、プレゼン前日にチームメイトと夜中まで学校に残ってリハーサルをやったり、お互いのプレゼンについてフィードバックしあったり、聴衆の心をつかむ小ネタを考えたりと、そのプロセスは非常にやりがいがあり大いに楽しむことができました。もちろん本番が終わった後のクラスメートからのフィードバックも努力が報われる瞬間であり、また次のステップを目指すための大切な学びの機会になりました。この授業はTerm2も継続するので、更に成長できるよう頑張りたいと思います。