ドラマのとびら

即興の劇や身体表現で学ぶ、教える、浮き沈みの日々とその後

太郎の成績―即興型学習研究会報告

2017-05-23 08:19:16 | ワークショップの報告
5月21日。

前もって検索した通りに出かけました。
間に合うはずが、まさかの遅刻。
駅から会場までをもっと余裕をもって見ておくべきだった!

午前中はすぅさんのワークショップ。
あまり元気のない私は、最後のゲーム「宇宙人を探せ!」を見学。
でも、見学が意外に面白かった。
宇宙人が誰なのか分からない。
なのに当てる人がいるのも不思議。

目を閉じてぶつかったら地球人は「こんにちは」、宇宙人は「さようなら」をいうゲームは、
地球人と宇宙人、宇宙人と宇宙人のニアミスにハラハラ。

午後は私の担当。
「太郎の成績」をめぐって。
『学びを変えるドラマの手法』(旬報社)に掲載したもの。
日頃は、大学での授業で実践しています。

いつもと違うメンバーで、時間にも余裕があったので(授業2回分の時間)、
いつもと違うやり方をしました。

まず、初めての人を対象にワークをするのに、自分でウォームアップをせずに
いきなり本題に入りました。しかも午後一番の眠い時間帯に。
これは、参加者をみてOKと思ったことと、
すぅさんが場づくりをしてくれているので、それに乗っかればよいと思ったのと。

次に、太郎の成績に太郎の母親から抗議の電話をもらったA先生が他の先生方に相談し、母親や太郎と話し合いをしたのち、普段なら全体での話し合いに移るのですが、
今回はポストイットを使って、自分の思いや考えを整理してもらい、
その上でグループで話し合ってもらいました。

本当は、全体で話し合ってから、リフレクションの時のこの方法を使う予定でした。
でも、母親とのやり取りの時間が永くなり、かなりしんどかったので、
役から離れ、頭の作業を入れてクールダウンしたほうが良いと判断しました。
その後、グループでふりかえりをしていただきました。

すぅさんに太郎役をやっていただきましたが、もくろみ通り、
すっかり太郎になってくださいました。
この親にして、この子あり。
私も初めて経験した、強烈な太郎でした。

ワークは2時間ほどで終了。
その後、50分ほど全体で輪になってリフレクション。
参加者の熱心さに支えられ、なかなかの充実した場となりました。

「しんどかったけれど、面白かった」とある参加者の声。
「聞けば聞くほど、母親の言い分は最もと思えて来る」との声も。
私が演じた母親の成績に関する捉え方は、文部科学省の指導にもあるもので、
それほど間違っていはいないと思います。
けれど、成績に異常にこだわる母親に、子育ての姿勢としてはどうかと思うのです。

これまでの経験から、成績を評価ではなく賞罰と捉えている学生がとても多い。
自分の固定概念に疑問を持ってほしい。
いろいろな視点から考えられるようになってほしい。
学生とこのワークをするときは、そんな願いを持っています。

私も、しんどいけれど、充実した時間をもつことができました。
即興型学習研究会のみなさま、すぅさん、参加のみなさま、
ありがとうございました。

結構、準備したつもりだったのに、名刺も本やワークショップの宣伝を忘れていきました。
どこか抜けてる今日この頃。
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