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巷に広がる健康の都市伝説

2020-02-05 07:00:00 | 健康

「納豆で血液サラサラ」「塩より岩塩がいい」等々、見た目や聞きかじりの健康ネタを、そのまま鵜呑みにしてませんか? それこそが、あなたの最大のリスクかも…

と言うわけで

健康に関する都市伝説を徹底検証
人の健康に関連して、真偽不明の情報が日々大量に流布され、しかも時間とともにその白黒やネタが入れ替わる

糖尿病の治療が専門のAGE牧田クリニック・牧田善二院長の言をお借りすると、①専門家たちの不勉強と自己都合、②資本主義社会の企業論理、③消費者目線の固定観念と思い込み、の3つが相まって、常に混沌としているのがこの界隈。“エビデンス(根拠)”となる医学論文も、「世界的に信用度が高いのはごく一部にすぎない」(牧田氏)。

今回は、そこを十分に意識した3名の信頼できる医師の方々による見解をご紹介

【食物編】

1日2ℓ以上の水を飲むといい

水を1日に2ℓ飲むと「代謝がアップして痩せられる」と数年前に話題になりました。しかし、一般の人はご飯などの固形物に含まれる分を含めて、毎日2.3ℓ程度の水分を摂取しています。にもかかわらず、さらに半ば強制的に水を2ℓ摂取すれば、明らかに水分過多です。


水分はすぐに尿になって排出されるイメージがありますが、実は、腎臓が非常に複雑な仕組みを通じて尿をつくり出しています。その過程で膨大なエネルギーを消費するため、水を飲みすぎると体がだるくなる傾向があるのです。胃液が薄まって食欲は低下しますし、しかも、一時的に血液を薄めて血中のナトリウムやカリウムの濃度が低下するため、こむら返りや、時にはけいれんも起こりやすくなります。

これらは夏バテの症状と一致します。実は、夏バテの原因が、熱中症予防を目的とした水分の過剰摂取だった、というケースは少なくないのです。


納豆で血液サラサラ




ここ数年「血液サラサラ、ドロドロ」という表現を見かけますが、そもそも人間の血液の粘性を食べ物で簡単に変えられるわけがありません。火付け役はテレビの健康特集ですが、もしそんな食べ物があったら、毎日食べると大出血することになります。

動脈硬化が進んで血管に血栓ができたり、心臓や血管の病気のリスクが高まった人は、抗血小板薬や抗凝固薬といった血栓を予防する薬(ワーファリンなど)が必要な場合はあります。この薬を患者さんにわかりやすく説明するために「血液をサラサラにする薬です」と医者が言うことがあります。

血液サラサラの食材としてよく納豆が挙げられますが、ワーファリンを飲んでいる人は食べないでください。納豆のビタミンKがワーファリンの効果を消してしまいます。

ちなみに血液の話題で言えば、最近耳にする「血液クレンジング」は効果が確認されておらず、お勧めできません。



魚の目を食べると目にいい

「魚の目を食べると目が良くなる」「レバーを食べれば肝臓が元気に」など、体の気になる部位と同じ部位を食べると病気が治る、とお爺ちゃんお婆ちゃんから聞いたことはありませんか?


これにはまったく根拠がありません。発想はカニバリズムの習慣と似ていると思います。例えば村で村長が亡くなると、村人は村長の頭をかち割り脳みそを食べ「村長の知恵」をいただく。腕っぷしが強い人が亡くなれば筋肉を食べて強くなりたいと願う。古代に行われていた習慣を令和になった今も続けているのは滑稽です。

ですから「飲み会ではレバーを食べて肝臓を守る」のは意味がありません。消化吸収されたレバーが体内で都合よく肝臓に再合成されることはないし、アルコールを早く分解する効力もありません。

ちなみに魚の目はともかく、魚そのものをよく食べる人は心筋梗塞や脳卒中、認知症のリスクが下がります。


塩と米は白より茶色




昔、白米中心の食事をしていた武士の間で「江戸患い」という病が流行りました。これはビタミンB1不足による脚気です。白米は純粋な炭水化物なので低栄養、低ビタミンの食品です。最近「白い食べ物は体に悪い」といいますが、これは半分当たっています。例えば白い小麦粉は小麦の皮を剥いて精製度の高い炭水化物にしたもので、全粒粉は周りの皮も一緒に挽いた茶色いもの。真っ白なパンを全粒粉のパンに置き換えるだけで糖尿病が減るという臨床研究結果もあるぐらいです。

お米も同様で、白米を玄米に替えるだけで糖尿病が減り、その先の心臓・血管の疾患も減少します。ただ、「茶色い食べ物がいい」風潮に乗ってわざわざ食品に色をつける業者がいるので要注意。一部の飲食店などにあるピンク色の塩が典型で、ヒマラヤ岩塩に見えるようにわざと着色しています。そもそも岩塩に含まれる塩化ナトリウム以外の成分は1%未満。食卓塩から岩塩に替えても、大きな差はありません。


オリーブオイルは体にいい




2003年、スペインが国を挙げて行った「PREDIMED」という有名な臨床研究で、オリーブオイルやナッツを追加した地中海食では心筋梗塞や脳卒中が減るという結果が出ました。産業振興の側面は否めませんが、実際、この前後に同じような臨床試験が何度も行われ、同様の結果が出ています。


グルコサミンは関節痛に効く

たしかに人間の関節の中にはグルコサミンやコンドロイチンなどの物質が入っています。ただ、それらのサプリを食べたからといって直に関節に届くわけではありません。



テレビのCMを見ていれば、効果があるように思えるんですが、実は「効く」とは一言も言っていない。「グルグル」と歌いながら膝を回す体操をしているだけ。視聴者はイメージ戦略にまんまとはまっているわけで、あのCMを考えた人は頭が良いですよね(笑)。
実は、グルコサミンが効かないことを証明したオランダの大学の研究があります。約200人の高齢女性にグルコサミンと、見た目も形も味も色も同じプラセボ(偽薬)を2年間飲んでもらい、その効果についてデータを取りました。

もし本当に効くなら、本物のデータがプラセボを上回るはずですが、双方のデータに差はありませんでした。グルコサミンとコンドロイチンを併用したデータもありますが、同様に効果は確認できませんでした。


コラーゲンでお肌がプルプル

面白い比較があります。プルプルすべすべの赤ちゃんの肌とゴワゴワの象の表皮とでは、コラーゲンが多いのはどちらだと思いますか? 答えは象です。コラーゲンとはタンパク質の一種で、主に動物の皮下組織にあるもの。牛革を使った革製品、要はバッグや靴も”コラーゲン入り”というわけです。




「コラーゲンでお肌がプルプル」と謳った鶏、もつ、すっぽんの鍋が人気ですが、残念ながら“お肌プルプル”の効果はありません。実は、コラーゲン自体は人間の胃や腸では消化できません。では、我々が食べているあのプルプルしたものの正体は何かというと、調理の熱でコラーゲンが変化したゼラチン。そもそも、コラーゲンそのものを食べているわけではないんです。



骨粗しょう症にカルシウム剤が効く




加齢に伴い発症しやすくなる病気の1つが、骨密度が低下する骨粗しょう症です。がんや心筋梗塞などのように直接生命を脅かしはしませんが、1度発症すると頻繁に骨折し、運動不足が続き、さらに骨がもろくなる悪循環を生んでしまいます。

ご存じのとおり、丈夫な骨をつくるのにカルシウムは欠かせません。そのため、かつては骨粗しょう症患者にカルシウム剤を処方するのが一般的でした。しかし、今では骨の代謝を活性化する新薬に切り替わっています。カルシウムを過剰に摂取すると、体内では余剰分を体外に排出しようという働きが生じ、その働きが機能しすぎると、丈夫な骨からもカルシウムを分解して尿と一緒に排出してしまい、かえって骨をもろくしてしまうことが近年の研究で明らかになったからです。

こうしたサプリメントなどよりも、魚や納豆、野菜などカルシウムを豊富に含んだ食べ物をバランス良く摂るほうが、はるかに効果的なのです。


漢方薬は天然で安全




病院で処方されるケミカルな薬は強くて危険だが、漢方薬なら穏やかな効き目だから安全。多くの人がこんなふうに考えているのではないでしょうか。でも、これは大きな間違いです。
実は、漢方薬も西洋の薬と同じくらい副作用があります。医師会などで医療関係者に配られる資料には、漢方薬やサプリメントでひどい副作用を起こした例が報告されています。

そこには、例えば肝臓にいいから、と飲酒の前に飲むウコンで逆に肝臓を悪くする事例も含まれます。かつて糖尿病の神経障害に良いとされた八味地黄丸という漢方薬は、改善の効果がはっきりせず、今は使われなくなっています。ところが、いまだに勧めている漢方薬局もありますね。

また、インターネットでも、漢方や健康食品のように見せかける、植物由来や動物由来の無承認・無許可医薬品などを目にします。服用するなら、安全だという先入観を捨て、信頼できる医師に相談してください。


和食は栄養のバランスが良い




健康や栄養バランスの面でも注目され、無形文化遺産にも登録された「和食」ですが、実は韓国料理と並び、塩分と糖質の量は世界一と言えます。WHO(世界保健機関)では1日の塩分量を5g以下にするよう勧告していますが、日本の厚労省だと8g未満で、世界標準と比べても多くなっています。
そのうえ実際は8gよりも多い、男性で11g、女性で10gの塩分を摂っているとされています。塩分は血圧に大きく関係しますし、高血圧は人間の寿命を縮める最大の原因でもあるので、塩分は控えるに限ります。


締めのラーメンは最悪




飲んだ後の締めのラーメンは最高ですよね。でもこれ、多くの方が罪悪感を抱いているとおり、体にとっては最悪です。その諸悪の根源を「脂肪」だとイメージしがちですが、実は最も太る原因は、血糖値を上昇させる炭水化物、つまり「麺」です。
これはご飯やパンも同様ですが、血糖値を下げるには、ご飯やパンと一緒にタンパク質や脂質、食物繊維などを一緒に食べたほうがいいということなのです。

この理屈でいくと、信じ難いかもしれませんが、ラーメンよりチャーシューメンのほうが太りにくいことになります。

その際、注意事項があります。先に麺を食べるのはダメで、必ずチャーシューを優先させます。タンメンやもやしそばなどの食物繊維も効果がありますが、肉(タンパク質)が入っているほうがベスト、一番悪いのが麺だけの具なしです。なお、ラーメンを食べた後は、すぐに20分ほど歩くだけで血糖値を抑えられ、肥満防止になります。




次回は【運動編】です



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