加東市議会議員・藤尾潔の出る杭日記

出ない杭は地面で腐食します。杭を打つ手も結構しびれているはず。
打たれないような杭では使い物になりません。

豊岡市の視察

2009-01-29 07:15:55 | Weblog
 昨日は豊岡市に、都市計画税の撤廃と、代替措置としての固定資産税・住民税の超過課税について視察に行ってきました。加東市と同様に、都市計画税を賦課していた自治体と、賦課していなかった自治体との合併であることや、都市計画税の用途の多くが下水道の起債の返済であり、不公平感が強かったこと。その代替財源を、市域全域への固定資産税・市民税の超過課税でまかなう、といった豊岡市の方針は、加東市でも選択肢の一つでもあるとは思いますが、実際にやるとなると増税になる方が必ず出るわけで、どういったプロセスで議論が展開していったのか、に非常に関心がありました。

 今回の思い切った見直しの背景には、合併協議時「豊岡市のみに都市計画税が賦課されている」状況を新市に引き継ぐことが、合併破談の可能性もあったくらい重みがあり、「都市計画マスタープランの見直しとあわせて見直す」と明記されていたことから、何らかの形で見直す必要があった、とのことでした。その上で、一昨年の9月から、住民に対する説明会を開くなど、丁寧に議論をされてきた、とのことでした。
 その上で、いろんな考え方などの修正もあったようです。たとえば、
○借金返済のための超過課税では理解は得づらい(その上、時限立法にならざるを得ない)ので、広く社会基盤整備を行っていくことを目的にしたこと。
○はじめの当局案では、固定資産税0.16%の超過課税だったが、固定資産税0.12% 市民税0.15%の2本立てとしたこと。これは、償却資産課税や、低所得で固定資産のある方へ配慮、というのが大きな理由とのことでした。

私が、一番興味を持ってたのは、「豊岡以外の地域の住民なり議員がすんなり納得したのか?」ということでした。
説明をいただいた課長さんによると、
○現状で、豊岡のみに都市計画税を賦課することが不公平であることはおおむね理解してもらえた
○単に撤廃するだけでは、市の運営に大きな支障をきたすこともおおむね理解はしてもらえた。

しかし、住民からの声で大きかったのは、●代替財源の一部として、行革や事業の見直しもすべきで、全額を振り替えるのはおかしい。(⇒減額した。)
●固定資産税の超過課税をやっているところはあるが、住民税の超過課税をやっているのは夕張だけなので、そこまで悪くないの豊岡がふみこむのはおかしい。(⇒これは、負担をどのように求めるか、という自治の問題なので、よそがどうこう、ということは関係ない。)

また、●合併して、何もよくなっていないのに増税とは…
●不公平といっても、結局豊岡が発展してるんだろう
●「税が減ると、これだけの事業ができません」という説明をすると、「やめればいい」と言われる
などの意見もあったそうです。
このような意見の一部は真摯に受け止めて、理事者案の提出の際に反映させたとのことでした。

議会でも、豊岡以外の議員が半分であり、混乱も予想されたが、税率を減額修正(固定資産税・住民税について0.1%)した上でなんとか可決し、おさまっているとのことでした。(各会派では相当激論になったようです)その上で、「社会基盤整備のための超過課税なのだから、新年度予算には目に見える形で」「広く課税をしたので、周辺市町への事業量にも配慮すべき」といった声が議会からは寄せられているとのことでした。

 その後、市議会事務局のご厚意でコウノトリの記念館を案内していただきました。コウノトリを再び野生に返すビデオなどは、(誰も信じてくれませんが)私のピュアな心に強く訴えかけてきました。
 また、そのために地元の方が一丸となって無農薬・減農薬などの環境にやさしい農法に取り組まれている話を詳しく聞けました。昨今の食の不安に対する反動もあって、消費者の反応も非常によく、お米は作ったら作っただけ売れて、参加の輪が広がっている、という話も聞けました。非常に興味深かったです。
 ただ、興味を持つ反面、コウノトリの里で作った酒米の酒も売れ行きが伸びている、などという話などを聞いていると、加東市議会議員としてはうかうかとしていられませんね。

 すべての行程を5時前に終えました。昨日は、加東市議会からは4名参加したのですが、参加した全員が「内容の濃い視察だった」「非常に勉強になった」と言っていました。今後の市政に生かしたいと思います。

 その後、6時半の特急で帰りました。豊岡日帰りはちょっと強行軍だったですかね…城崎温泉まで電車で10分のところで引き返してくるとは…
 
 
 視察終了が5時前で、電車が6時半の理由は、あまり詮索しないでください。
 視察先の経済に、ささやかな貢献をしてきただけのことですので。

 

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