わたしは、木綿の糸をネオスレン染料という化学染料で染めている。
いわゆる建染染料 (たてぞめせんりょう) だ。
簡単にいってしまえば、
水に溶けない建染染料をハイドロで還元すると、アルカリ水溶液に溶けるので、
そこに糸を浸してから出すと、空気中の酸素によって還元されていた染料が酸化され、
また水に溶けなくなる、というもの。
なんといっても堅牢 (けんろう) なのがよいところだ。
藍染めも建染染料の一種です。
藍染をやったことがある人は判ると思うが、染液から糸を取り出すと、
ぱぁっ、と色が変わる。
逆にいえば、染液を見ても、染め上がりの色がイメージしにくい、ともいえるが。
今回黄色を染めているときの様子を写した。
赤紫の糸が、どんどん黄色になっていく様子が分かると思う。
↑の綛 (かせ) をステン棒2本で絞っただけで、もうこんなに色が変わった。
色の変わりかたは、染料によって違う。
もっと遅いものもあれば、それほど色が変わらないものもある。
空気酸化だけでは不十分なので、実際にはその後ソーピングという処理をする。
そんな風に還元剤とアルカリを使うので、廃液処理は重要だ。
染料より、そちらの方がお金がかかるかも!?
でも写真を撮り忘れたので、それはいずれまた。
2月15日黄昏。 星が光っていた。
ここ一週間、ずっと糸を染めていた。 糸は木綿100%、30/2、10/2コーマ糸。
↑ 染めた糸の綛 (かせ) 山。
今までに染めて残っている糸、残糸も含む。綛が小さいから分かるでしょう。
今までは白っぽい布に色糸の縦縞ばかり織っていた。
経糸 (たていと) の色糸以外は染めていない白。
緯糸 (よこいと) は全部白。
だから染めるのは、布を織るのに使う糸の、一部だけでよかった。
だけど、今回は全部染めてみようとトライした。
今までに比べると、ずいぶん沢山染めたのだ。
お分かりの通り、青い布になる。
それから、今回苦しんだのが、自分だけでやるのは初めてのトライになる、
緯ずらし絣 (よこずらしかすり)。
絣というのは、糸の一部分を染めなかったり違う色に染めたりし、その糸を使って織った布のこと。
多いのが、麻やビニール紐等で括ってから染めて、
そこだけ染まらないようにした糸を用いて織った布だ。
糸を染め分けてから織る、というのが大きな特徴だ。
もちろん大多数は、柄を出すために絣糸を使う。
最初から、シャツにしたときどうなるか、を考えて、布をデザインした。
うまくいくんでしょうか!?
↑ 寒いよー、面倒臭いよー、とヒーヒーいいながら麻糸で括っている緯糸。
きっちり縛れるけれど、解きやすい、という括り方。
これから染めた糸を木枠に巻いて、ラベルをつけて、経糸のデザインと本数をきっちり詰めて、
整経だ!!
と息巻くも、この冬初めての本格的な雪が降っている。
ああ、表の雪を移動させなければならない。
でもまだ降っているし、止んだらするか…。