Frifot fan in JAPAN

北欧トラッドの最高峰「フリーフォート」の、メンバー及びオフィシャルサイト公認応援ブログ。管理人はYO-RI

大島豊

2007-07-21 09:34:29 | フリーフォート
フリーフォート東京公演のために谷川賢作さんがコメントを寄せてくれたいきさつはすでに紹介したが、今回のチラシにはもう一人大物が推薦文を書いてくれた。

大島豊さん…翻訳家の方だ。
彼は音楽ファンの間ではアイリッシュ・ミュージックの権威として名前が通っていて、その活動も古く、(翻訳だけではなく)音楽に関する著書も出版されている。

そんな彼が「音楽を聴く仲間の会」(以下仲間の会)からの依頼を快く受け、ぴったり締め切り通りに原稿を上げてきたという。
(賢作さんも約束通りに原稿を上げてきた。さすがに出来る人は違う)

その文章はチラシの裏面に掲載されているので、すでに読まれた方もいらっしゃると思うが、ここでも一応紹介しておく。

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北の音楽は厳しい、南の音楽はゆるい。ほんとうか。

 「自由な足」を意味するというフリーフォートを名乗る3人の音楽の融通無
碍な動きは、われわれの感性をひきしめると同時に解き放つ。

 フィドル2本とマンドーラ、ヴォーカルにからむ(ハンマー)ダルシマ、セリフロイト(穴の無い斜めに吹く笛)のソロ、クルーニング(牛追のための甲高い叫びを駆使する唄)から子守唄、マンドーラに支えられてユニゾンをうたうフィドルとヴォーカル、ダルシマとパイプとフィドルにリズムを刻む口琴、唄からダンス・チューンへ、また唄へ。次に何が出てくるか。聴くたびに中身が変わっていないか。何度も聴いているはずなのに、もう覚え込んでいるはずなのに、意表をつかれる。

 3人のメンバーは他でも多くのプロジェクトに参加し、バンド活動をし、ソロも出す。フリーフォートは名前を裏切らず、最も自由度が高い。

 声域もレパートリィも表現語彙も活動領域も、異常なほど広く豊富なヴォーカルとフィドルのレーナ・ヴィッレマルク。音楽伝統に腰を据え、自らはコアを守りながら、異界からの誘いには進んで応えるペール・グドムンドスン。文字通りのワールド・ミュージックを体現し、ルーツ音楽をあおり、いざない、うごかし、越境させてゆくアレ・メッレル。

 ノルディック・ミュージックはかれらをもって氷を割裂き、未踏の世界へと進みゆく。

 聴けば、身も心も軽くなる。自由な足が生えたのだ。

翻訳家 おおしまゆたか
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この文章を仲間の会から見せられた時、何度も読み返し、しみじみと感動してしまった。
決められた少ない文字数の中でフリーフォートのすばらしさを見事に表現した内容。
普段ライブ会場などで会った時など気やすくタメ口で話したりとても気さくな人なのだが、実はすばらしい知識と表現力を持った恐るべし人だったのだ。

多くのすばらしい人のバックアップを得て、今回のチラシが出来上がっている。

※チラシをピックアップ出来るところが増えました。
ご協力ありがとうございます。
松明堂ギャラリー小平市鷹の台(西武線鷹の台駅前、松明堂書店地下)
国立音楽大学 楽器資料館 立川市柏町(西武線玉川上水駅徒歩5分国立音大内)
   〃     学内のコンビニ「ampm」


大島豊(おおしま・ゆたか)プロフィール
1955年、東京生まれ。十余年の出版社勤務を経て、現在は翻訳家。また、1970年代半ばからアイルランド、ブリテンの伝統音楽に親しみ、これを中心に、音楽関係の執筆活動も行う。厚木市在住。
○主な訳書
ヌーラ・オコーナー『アイリッシュ・ソウルを求めて』(共訳)(大栄出版)
ダグラス・ブリンクリィ『マジック・バス アメリカ文化を走る』(大栄出版)
キム・スタンリィ・ロビンソン『レッド・マーズ』(東京創元社)
ジェイムズ・P・ホーガン『仮想空間計画』(創元SF文庫)
ジョージ・S.クレイソン『バビロンの大富豪』(キングベアー出版)
テレンス・ブラウン『アイルランド』(国文社)
○著書
『アイリッシュ・ミュージックの森』(青弓社)
○監修
『ユーロ・ルーツ・ポップ・サーフィン』(音楽之友社)
○今秋にはアルテスパブリッシングから新刊「聴いて学ぶアイルランド音楽」(28曲入りCD付き)を発刊する予定。