貪欲な姿勢、2点差はね返す=ブラジル、
前回と違う制覇-コンフェデ杯サッカー
サッカーで2点差は危険なリードといわれる。
一方に油断が生じ、追う側は1点を返せば勢いづく。
百戦錬磨のブラジルが、自分たちを優位に導かないはずはない。
後半開始から1分もたたず、
ルイスファビアーノが力強い反転から逆襲ののろしを上げるゴールを奪った。
「ハーフタイムに、早い時間のゴールが必要と話した。
選手は集中していた」とドゥンガ監督。指揮官も動く。
エラーノ、アウベスを同時投入し、攻撃を押し上げた。
米国の組織を寸断するようなカカの力強い突破を起点に、
同点ゴールが入ると、逆転は時間の問題になった。
今大会は、厳しい戦いが続いた。
エジプトとの初戦は終了直前のカカのPKで薄氷を踏む勝利。
準決勝も、残り2分でアウベスのFKが直接決まり、南アフリカを振り切った。
形にこだわらず、勝利をもぎ取ってきた。
そしてこの日のルシオ主将の決勝点もCKから。
歓喜の表情で優勝トロフィーを掲げたルシオは、
「勝ちたいという欲求がここまで導いてくれた」。
4年前は、アドリアーノ、ロナウジーニョを軸に圧倒的な攻撃力で制したが、
翌年のドイツW杯は攻守のバランスが空中分解し、8強で散った。
「前回のような絶頂感は禁物。もし来年のW杯で自分たちが優勝候補なら、
それを実証してみせる」とカカ。貪欲(どんよく)さを持ったブラジルが、
つまずくはずはない。