地獄から抜け出せないレアル・マドリー
ここ何年かのレアル・マドリーは、まるで彼らの敵か、
少なくとも“白い巨人”が苦しむのを見たいと
願う者によって台本が書かれたかのように、
目標達成の前に障壁が立ちはだかってきた。
もちろん、2006-07、07-08シーズンには
リーガ・エスパニョーラで連覇しているのだが、
彼らが最も欲しい欧州王者の座は、
01-02シーズン以来遠ざかっている。
ましてや、5シーズン連続のチャンピオンズリーグ(CL)
ベスト16での敗退は、屈辱以外の何物でもないだろう。
リーガ第22節では、レアル・マドリーが
シェレスに3-0で快勝した一方で、
首位のバルセロナが敵地ビセンテ・カルデロンで
アトレティコ・マドリーに1-2で屈し、ついに今季初黒星を喫した。
これで両者の差は2に縮まり、
リーグ優勝の行方は混沌(こんとん)としてきた。
だが、勢いづくレアル・マドリーに思わぬ落とし穴が待っていた。
16日に行われたCL決勝トーナメント1回戦の第1戦、
スタッド・ジェルランに乗り込んだレアル・マドリーが
リヨンに0-1で敗れたのだ。
この敗北で、白い巨人は再び嵐の中に巻き込まれた。
これで、レアル・マドリーは3月10日に
サンチャゴ・ベルナベウで行われる第2戦に、
是が非でも2点差以上で勝たなければならなくなった。
フランスのチームが誇るアルゼンチン人の
リサンドロ・ロペスとセサル・デルガドという
2人のアタッカーには注意が必要だろう。
マドリーでの第2戦は、あらゆる事態が想定される。
初戦の敗戦を受けて、すでにマドリー寄りのメディアは、
クラブがマヌエル・ペジェグリーニに代わる新指揮官として、
インテルを率いるジョゼ・モリーニョをリストアップしたと報じ始めた。
今季開幕前に、巨額を投じてクリスティアーノ・ロナウドや
カカらを獲得しただけに、会長のフロレンティーノ・ペレスや
スポーツ・ディレクターのホルヘ・バルダーノが
“保険”として後任探しを進めるのは当然だと言える。
モリーニョはインテルとの契約が3年残っているが、
違約金を払えば契約解除も可能だろう。