マラドーナ氏「再びアルゼンチンのジャージを身にまといたい」
前アルゼンチン代表監督のディエゴ・マラドーナ氏が、
同国の監督を解任されて以来続けてきた沈黙を破り、
ワールドカップ(W杯)・南アフリカ大会での舞台裏を洗いざらい話した。
『FOXスポーツ』の取材に応じたマラドーナ氏は、
準々決勝でドイツに敗れたW杯・南アフリカ大会の期間中ずっと、
「優勝しなければ」という強迫観念にさいなまれていたことを明かした。
「優勝を目標にしていた。スペクタクルなチームを作った後、
わたしは棚から落ちてしまった。
われれは、スペインとの決勝までたどり着かねばならなかったのだ」
さらに同氏は、現在の代表への自身の強い思い入れを強調した。
「これはわたしのチームだ。わたしのすべてと言ってもよい。
代表のためなら死ねるぐらいだ。この思いをぬぐい去ることなどできない。
わたしはずっと悲しみにくれていた。
なぜなら、大きな希望を失ってしまったのだからね」
さらに、“世界一の選手”と言われながらもアルゼンチン代表では
力を発揮できなかったリオネル・メッシについても触れたマラドーナ氏は、
同選手を擁護した。
「メッシには、86年のメキシコ大会の時にわたしにあったような運がなかった。
だが、W杯では素晴らしいプレーを見せてくれたと思う。
彼はイニエスタと並ぶベストプレーヤーだったと思っている」
一方、ハビエル・サネッティが同大会のメンバーに招集されなかったことが
アルゼンチン国内で論議を呼んだことについては、
その理由が同選手の体力不足にあったことを明かした。
「あのリストはすべて本音で作られたものだ。
サネッティは真のプロフェッショナルだが、
(南米予選の)パラグアイ戦でもろさを露呈した。足がついていかなかったんだ」
マラドーナ氏は加えて、同国代表の監督に再び戻る可能性についても言及した。
「わたしは今も電話を待っている。再びアルゼンチンのジャージを
身にまといたいという意欲に溢れている。この状況には絶望している。
再び代表を率いることができるなら、歩み寄ってもよい」
W杯後、アルゼンチンサッカー協会との意見の相違から
解任されたとされるマラドーナ氏だが、
同国代表サッカー協会(AFA)のフリオ・グロンドーナ会長を名指しで非難した。
「グロンドーナは、わたしが人気を欲しているとか、
会長のいすを狙ってるいると考えていたようだ。
今、彼が何を考えているのか分からないがね。
たった1試合負けてすぐに、AFAの幹部はもう新しい監督の話をしているのだから」
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