沖縄の三線の音色は、その良し悪しが未だに良く分からない。棹の材料や皮の素材とその張り方、そして弦の太さにも種類があり、最近では昔の絹糸弦の復刻も出て来たりして様々な要素が絡み合う。一番重要な棹の素材だが、見栄えを気にした場合やはり黒檀の棹に軍配が上がるが、その音色は硬くて、個人的には面白くない。やはり沖縄の三線らしさを出すには、柔らかめの音色の「ユシギ」や「樫の木」系の方が良いと思う。その昔「開鐘」(ケージョー)と呼ばれる、当時「最高の音色」だとされた三線が沖縄県立博物館・美術館に保管されていて、その音を収録したCDを聞いたが、なんとも低音の「ぼんやり」した音色で、現代の感覚では、お世辞にも良い音とは言えない。結局何が良いのかますます分からなくなるのであります。