マシュマロ’sエンディングノート

~At the end of a marshmallow-like life~

母、退院後の経過について

2020-01-18 | 母のこと
母が極度の貧血で入院し、原因ははっきりしませんでしたが、胃にできたポリープから出血していることがわかり、内視鏡で切除したのち、通常の生活に戻ってもよいということで、退院をしたのが12月17日。
その後の母について、少し綴ります。

退院直後
ポリープを切除してから、1週間で退院となった母。
院内では、一人で歩くと貧血で倒れる可能性が高いので、看護師が常に注意しておかなければならない患者として入院していたためか、リハビリが思うように進んでいなかった様子でした。
リハビリは、入院しているとどうしても運動量が減り、そのため筋力等が衰えて、日常生活に戻るときに支障が出てしまう可能性があるので、それを防ぐために行われます。
また、ずっとベッドに寝たままの状態だと、静脈血栓塞栓症(エコノミークラス症候群と呼ばれていた時期もありました)になる可能性もあるため、それを防ぐためにも、リハビリ(運動)が必要になります。

ポリープ切除後も、母の体調が劇的に回復している様子はありませんでしたが、一応歩いてトイレへ行くことは許可されました。
この、回復している様子が見られない状況について、少し補足すると、もともと母は日常的に夜型生活をしており、日中の体調は悪いときが多いので、おそらく入院中も昼間は起きることができずに、リハビリを中止した日が多くあったと思います。
毎日見舞いに行っていたのですが、リハビリの担当職員の方が、調子のいい状態の母を見て驚いていました。
母は、調子のいいときと悪いときの差が、かなり激しい人です。
家族である私は慣れているので「またか」と思う程度。
もっとも、それが仇となり極度の貧血状態に気が付かなかったので、救急搬送という結果になったのかな、とも思います。

それくらい、母の体調は普通の人の状態に当てはめることが難しいのです。

さて、退院直前も調子がとことん悪かったり、逆に散歩に行きたいなどというくらい元気だったりしましたが、帰宅してからは調子が悪い状態が、ずっと続いていました。

母の体調(12月半ば)
母のもともとの体調(夜型)もあり、計画通りにリハビリが進まないまま退院したので、帰宅してからしばらくは、家の中の移動も私の補助が必要な状態でした。

足が思うように動かせないことに加え、貧血状態もまだ改善していないように見えました。
眼がうつろになっていて、歩いている最中に目をつぶってしまい、そのまま動けなくなります。
おそらく、この時は貧血による一時的な意識消失状態だったのだと思います。
一瞬のことなので、話しかければ返事はしますし、母自身も動こうと頑張りますが、私から見たら全く歩けていない状態ですし、立っていることすら辛い状態だということは、明らかでした。
しかし、母は自分では大丈夫だと思い込んでいて、さらに歩こうとしますが、とても1人で歩かせられる状態ではなかったのが、毎日のように続いていました。

このため、私は長時間の外出を控え、買い物は徒歩5分で行けるスーパーに限定し、買い物もさっさと済ませるような毎日でした。

母の体調(年末から年始)
正直、まだ貧血がまったく改善されていないのだな、と感じながら、しかし何もできない状態で、ただ安静にさせて薬を飲み忘れないように言い聞かせ、食事も病院と同じくらいの時間に摂らせるようにしました。
病院と同じタイミングの食事時間にしておけば、夜型の母でも少しくらいは体調がよくなるのではないか、という淡い期待があったからです。

また、母はもともと糖尿病なので、糖質の過剰摂取はNG。
糖尿による合併症で心臓も悪く、高血圧でもあったので、塩分の過剰摂取もNG。
退院時は、食事制限なしと言われましたが、私にはどうも、食事の内容で母の日中の体調が決まってくるように感じていたので、主食はごはんをメインにし、母が好きな麺類は極力控えました。
麺類は、糖質が多いことに加えて、つゆの塩分と麺に練りこまれている塩分もあるので、塩分摂取が増えます。
どうしても食べたがるときは、分量を半分にし、野菜を多く入れて、つゆはだし汁のみにして、醤油などの味付けはしないようにすることにしました。
焼きそばのように、炒めて食べる場合は、ソースや醤油などの調味料の量を減らしました。
ごはんは、糖質は高い食品ですが、ミネラルや食物繊維があるので、小麦粉を使ったパンや麺類よりは、母の現在の体調には適していると思っています。

おかずも、なるべく塩分を使わない調理を考えて、砂糖は使わずにみりん風調味料の糖分で味付けするようにしました。
ただ、みりん風調味料は、食塩も入っているので、実は味付け時に気を付けなくてはいけないのですよね。
みりん風調味料を使う場合は、塩分もかなり減らすように努力しました。

食材には、鉄分が含まれている葉物野菜やカボチャをメインに、たんぱく質は魚と大豆製品を使うようにしました。
そして、筋力が酷く落ち込んでいるので、気休めではあるのですが、退院直後からプロテイン入り飲料を毎朝飲ませるようにしました。
朝の摂取が正しいのかどうかは、不明ですが、母はそもそも朝食を少ししか食べないので、プロテイン入り飲料で喉を潤しつつ、栄養補給をしている感じです。

おやつも、塩分と糖質の少ない菓子を選ぶようにしていたのですが、どうにも難しく、最終的にはナッツとキャンディーを頻繁に買うようにし、たまにケーキや和菓子を買う程度にしていました。
菓子類は、大袋を買ってしまうとあるだけ食べてしまうので、甘いものを買ってくる際は、必ず食べ切れる量を買い、一日一度だけ食べるような状況にしました。
もし、数個入りの菓子を買った場合は、残りを隠して毎日1個ずつ出すようにしていたのですが、振り返ると、菓子の味を覚えた子どもが、過剰に菓子を食べないように、手の届かないところへ置いておくママのようでしたね(笑)

そんな努力が実ったのか、ただ薬の効能が現れただけなのか、母はいつの間にかふらつくこともなく、一人で家の中を歩けるようになっていました。
貧血状態になることも、少しずつ減っていったので、母を1人にして外出する時間も取れるようになり、クリスマスや年末にはケーキを買いに行ったり、おせちを買いに行ったりできるようになりましたし、少しの時間ですが、私のための外出時間も取れるようになりました。

母の体調(1月になって)
現在の母ですが、一人で出歩くのはまだ怖いとのこと。
足が、思うように動かせないようです。
ただ、外の空気を吸いに、玄関の外までは出られるようになりました。
たまに、家の中を意味もなく歩き回っているので、何をしているのか聞くと、少しでも歩いて足腰が弱らないようにしたいと言っています。
自分で、なんとかしようとする意識も出てきたので、完全な回復はムリでも、今の状態よりは改善してくれるといいな、と思っています。

金曜日に、定期健診にかかりつけ医の内科と白内障の手術をした眼科を受診しました。
この日は、朝から起きていて(当たり前のことですが、母には珍しいことです)、歩くのも私の支えは不要だった様子でした。
もし、体調が悪く一人では歩けない状態ならば、内科だけ受診して薬を貰ったら帰宅しようと考えていましたが、大丈夫そうだったのでそのまま眼科へ連れて行きました。

途中で、疲れて具合がわるくなるかな、と心配していましたが、家に帰るまで一人で歩けていたので、退院直後からしたら、かなり回復しているとみていいかもしれません。
ただし、外出時間が長かったためか、帰宅してからの昼寝がかなり長かったです(苦笑)

再び認知症疑惑
認知症の検査のため、MRI検査をしたのは10月のこと。
検査結果としては、認知症に見られる疾患や脳の状態は一切ないとのことでした。
ただ、脳の血管が驚くほど細いという指摘があったので、脳梗塞などの危険性は高いです。

認知症に見られる疾患はなかったのですが、口頭での問診では、おそらく認知症の疑いが高いとの結果になっています。
実際、母は数分前にした自分の行動や、私が言ったことを忘れます。
日付も、よくわかっていない状態。
部屋を暖房で暖かくしていることも原因かもしれないのですが、ときどき「今は、何月?冬?」と質問してきます。
家の中では薄着で十分なので、冬であるという感覚になっていない様子です。
最近になって、やっと玄関先に出るようになったため、今が寒い季節だということを自覚し始めている状態です。

今、インスタントコーヒーをスティック入りのモノに替えているのですが、数日前に母がそれを手に取って、これは何?と聞いてきました。
コーヒーだと答えると、
「どうやって入れるの?」
と言います。
母は、スティックコーヒーを見るのは、初めてではありません。
ですが、入れ方がわからないと言いました。
少しびっくりして
「スティックコーヒーの入れ方も忘れた?」
と、私の口調も少しきつくなってしまいました。
ただ、ビンや袋に入った粉状のコーヒーやココアは、入れ方を忘れることなく、勝手に自分で入れて飲んでいます。
どうも、あまり習慣付いていない行動(スティックコーヒーはめったに買わないので)に関して、忘れてしまっている様子が伺えます。

また、自分で作ったルールを実行できずに、私に確認してくることがあります。
ルールと言っても、大したことではないのですが、母は自分が過ごす部屋のテーブルに、白湯の入ったティーポットを置いて、常に飲める状態にしています。
ティーポットが空になったら、キッチンの電気ポットからお湯を入れて、部屋に戻るのがルーティン。
ですが、最近になって、空のティーポットを持ったまま、キッチンで戸惑っていることが、何度かありました。
どうしたのか聞くと、
「私はコレ(ティーポット)に何を入れたらいいんだっけ」
と言ってきました。
スティックコーヒーのときと同じように、最初はびっくりしたのですが、最近は好きなモノを入れたらどうか、と返すようにしました。

そもそも、ティーポットへ入れる飲み物など、好きなモノを入れたらいいのです。
それを、母は白湯を入れると決めていただけのこと。
水を入れたいのならそうすればいいし、お茶をいれたいのなら、そうすればいい。
ですが、母は自由に選ぶことに戸惑ったようで「わからない」という言葉を、数回連呼していました。

ふと、夫婦でうつ病になってしまった漫画家のドラマを思い出しました。
ドラマの内容は、こうです。
最初に、漫画家である妻がうつ病と診断されるのですが、そのうちサラリーマンの夫もうつ病と診断されるようになります。
その夫は、とても貴重面な性格で、毎日のお弁当を自分で作っていて、曜日ごとに入れるおかずを決めていました。
きれい好きなので、お掃除もきちんとするし、几帳面なので部屋にあるモノの配置にも気を配ります。
ところが、ある日、お弁当を作ろうとして、今日は何を入れていいのか突然わからなくなります。
毎日のおかずは、表にしてキッチンに貼り付けています。
それでも、その日にお弁当へ入れるおかずが解らなくなってしまった夫。
また、掃除も手順が解らなくなり、パニックになるシーンもありました。

私は、このドラマを見て、うつ症状には一時的な健忘症状が出ることもあると、知りました。
そして、今の母はもしかしたら、うつ症状に近いのかもしれない、と思いはじめています。
認知症とうつ症状による健忘は、見分けがつかないとも聞きます。
また、認知症の人には、うつ症状が出てくることもあるそうです。
だから、問診と検査で判断していくわけですが、さて、もし母にうつ症状が出ているのだとして、どのタイミングで何科を受診させたらいいのか。
ちょっと、今は手探り状態になっています。

ただ、母はもともといろいろな事を、わざわざ面倒くさくする人ではありました。
例えば、電気ポットへ水を足すときは、やかんを使わないといけない、と言いますし、そのやかんには常に浄水を入れておけと言います。
考えてもみてください。
ポットに水を足す道具など、ミルクパンでもピッチャーでも、水分を入れられる容器であれば、なんでもいいじゃないですか?
水も、常に入れておく必要はなく、入れるときに汲んだらいいですよね。
このように「こうでなければいけない」という母独自のルールが我が家には山ほどあり、それは大概アクションが多くて面倒で遠回りな方法です。

私は、母が決めた面倒くさいルールを、自分が家事を任されるようになってから、こっそりやめてきました(苦笑)
少しでも時短をしたい、なおかつ効率化もしたい私にとって、母のやり方は全部面倒に見えています。
この、面倒くさいやり方、アクションが多い行動が、今の母にとって、覚えきれないルールと化してしまっている可能性はあると思います。

この面倒なルールを少しずつ改善させて、行動をシンプルに過ごしやすい状態に誘導していけば、もしかしたら自分の行動が解らなくなる、といったことが減るかもしれない、と考えています。
例えば、視界に入ってくるモノを厳選する方法。
飲み物は、ビンか袋に入った粉状のモノだけに厳選するとか、そういったことですね。

ただ、今のところ、この忘れる行動は飲みモノだけに限定されているようにも思えます。
なぜなら、食品については、袋の開け方がわからないとか、食べ方がわからないとか、そういったことは言ってきません。
眼が悪いので、容器を見ただけでは何が入っているのかわからないときはありますが、中身が何かを教えれば、普通に開けて食べています。
曜日、日付、季節はいまいちわからない、数分前や少し以前の出来事は忘れる(かなり昔のことは思い出せる)、しかし、服はきちんと着ることができるし、女優や俳優の名前は憶えているし、簡単な暗算もできる。
このような状態ですから、どうも認知症状とは少し異なっている印象が拭えず、病院を受診させるかどうか、迷ってしまうわけです。

結局は経過観察するしかない
今は、私もいろいろ考える気持ちの余裕がない状態です。
自分の体調が、毎日のように上下しますし、体調が悪いときは何もする気になれません。
母の症状を、自分なりに調べようとしても滞ってしまう状態ですので、とりあえず異変を感じる母の行動があれば、メモしていくことにしました。

この先、どうなっていくのか、全く見当もつきませんが、今は母の体調(貧血)が改善されたように感じるので、それだけで良しとしておくことにしました。
今思うことは、母と私が快適に過ごすことができる環境づくりを、していかないといけないな、ということ。
来週には、中身が空になった家具を業者に頼んで廃棄するので、母の視界に入るモノがかなり減ることになります。
余計なモノがない部屋で、余計なことを考えずに行動できる環境になれば、私も母も、シンプルで快適な暮らしができるようになる、そんな気がしています。


今回は、母の退院後のことを綴ってみました。
もう少し、簡潔にまとめるつもりでいましたが、またダラダラと綴ってしまいました。
この週末はお天気が悪いみたいなので、外出はできなさそうですが、来週、天気の良い日に母の体調がよければ、ちょっと外に連れ出してみようかな、と思っています。


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