野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

季節外れの椿の花のような赤いザクロ

2019年05月28日 11時58分42秒 | 
道を歩いていると赤い花が散乱していて、上を向くとザクロの花だった。
昔、知り合いのうちで木になっているザクロをもがせてもらって食べたことがある。
透明な果実の透明な味が好きだった。
(2019-05 神奈川川崎市 道端)






ザクロ
ザクロ(石榴、柘榴、若榴、英名: pomegranate、学名: Punica granatum)は、ミソハギ科ザクロ属の1種の落葉小高木、また、その果実のこと[2]。庭木などの観賞用に栽培されるほか、食用になる[3]。

形態・生態
葉は対生で楕円形、なめらかで光沢がある。初夏に鮮紅色の花をつける。花は子房下位で、蕚と花弁は6枚、雄蕊は多数ある。果実は花托の発達したもので、球状を呈し、秋に熟すと赤く硬い外皮が不規則に裂け、赤く透明な多汁性の果肉(仮種皮)の粒が無数に現れる。果肉1粒ずつの中心に種子が存在する[9][10]。

ザクロの食用部分である種衣は種子を覆う形で発達する
ザクロには多くの品種や変種があり、一般的な赤身ザクロのほか、白い水晶ザクロや果肉が黒いザクロなどがあり[11]、アメリカ合衆国ではワンダフル、ルビーレッドなど、中国では水晶石榴、剛石榴、大紅石榴などの品種が多く栽培されている[12]。日本に輸入されて店頭にしばしば並ぶのは、イラン産やカリフォルニア州産が多く[13]、輸入品は日本産の果実より大きい[14]。

分布・生育地
原産地については、トルコあるいはイランから北インドのヒマラヤ山地にいたる西南アジアとする説[15][16][3]、南ヨーロッパ原産とする説[15]およびカルタゴなど北アフリカ原産とする説などがある[16]。



ザクロは柘榴と書くせいもあって、俳句では好まれる題材である。
実が割れることが、象徴的に捉えられることが多い。
「柘榴作裂みづからの力あらあらし 山口青邨」のように。



石榴 の例句
いとけなき柘榴の壺が搖れてゐる 日野草城
お詣りの人並を外れ石榴の実 岡井省二 山色
さまざまの片端がめぐる柘榴の樹 飯島晴子
しみじみと日の七彩や柘榴の実 岡本眸
なまなまと枝もがれたる柘榴かな 飯田蛇笏 山廬集
はちわれて實もこぼさゞる柘榴哉 正岡子規 柘榴
はちわれて實をこぼしたる柘榴哉 正岡子規 柘榴
ひやびやと日のさしてゐる石榴かな 安住敦
ぼんやりと出で行く石榴割れし下 西東三鬼
むかふから湖の日のある割れ石榴 岡井省二 山色
もぎてきて置きて石榴の形かな 波多野爽波
一粒一粒柘榴の赤い実をたべる 臼田亜郎 定本亜浪句集
不利な承諾柘榴の空へ唾を吐く 飴山實 おりいぶ
兄達のいろの青空柘榴垂れ 飯田龍太
光こめて深くも裂けし柘榴かな 渡邊水巴 白日
初発心世を見れば柘榴の中のへだて哉 露川
刻々と緋を溜めてゐる柘榴の実 飯田龍太
割れ柘榴詩をすててより友は富みき 能村登四郎
割れ物のごとくに割れて石榴の実 鷹羽狩行
受験に急ぐ子が二三人海石榴市に 能村登四郎
受験生窓より寺の石榴とる 細見綾子
口あけて柘榴のたるゝ軒端哉 正岡子規 柘榴
号令の無き世柘榴のただ裂けて 中村草田男
善哉石榴を食ひこぼし坐し 中川一碧樓
噛めば口中にしぶきて石榴の実 鷹羽狩行
夫妻の間柘榴枯木の影こまやか 山口青邨
姨捨やくわつと口あけ石榴の実 鷹羽狩行
子のゆくえ石榴には声悪しき鳥 橋閒石 風景
子の声に応ふる空や柘榴割れ 大野林火 冬雁 昭和二十二年
子を食ふと鬼子母の石榴酒かもす 山口青邨
実の熟れて柘榴たま~ちる葉かな 飯田蛇笏 霊芝
実柘榴のいろの中なるかなしき日 岡本眸
実柘榴のかゝる鉄皮に爪のあと 上田五千石『田園』補遺
実柘榴のつやつやと庫裡つやつやと 後藤比奈夫
実柘榴や校正三日雨三日 雨滴集 星野麥丘人
実柘榴を割りて昨日のこと思ふ 岸田稚魚 紅葉山
実石榴や盆地の墓地のありどころ 鷹羽狩行
宵闇の手にさはるもの柘榴哉 紫道
封筒に種吐き出して石榴食ふ 右城暮石 天水
屑原稿拡げ柘榴の種子を吐く 上田五千石『田園』補遺
川向うなる弟の石榴かな 橋閒石俳句選集 『和栲』以後(Ⅱ)
師をもつや冬まで落ちぬ石榴の実 秋元不死男
幾刻ぞ月と柘榴の位置かはる 加藤秋邨
廃屋は人目なしとて柘榴裂くる 中村草田男
心中に全き柘榴ざくろ食ふ 加藤秋邨
手のとどく柿や柘榴や庭たのし 後藤比奈夫
手の物は落さぬ風の柘榴哉 路健
指弾して石榴の紅き鉄皮愛づ 上田五千石 風景
散らばれる石榴の破片鵙日和 右城暮石 散歩圏
斯かりし母よ育児の妻よ風の柘榴 中村草田男
旅なれば早起き柘榴霧を呼ぶ 大野林火 青水輪 昭和二十三年
早稲の香や老樹の柘榴垣に垂り 飯田蛇笏 雪峡
昨日寸前今日また寸前熟れ柘榴 林翔
朝市に 贄の豚首ら 柘榴弾け 伊丹三樹彦
枝交へ枯れし柘榴と枯れし桜と 橋本多佳子
柘榴が口あけたたはけた恋だ 尾崎放哉 須磨寺時代
柘榴とりつくしたる日しづかに熱いづる 野澤節子 未明音
柘榴の実小さき顔の少女出づ 原裕 青垣
柘榴の実欲しき顔なりゑくぼ持つ 水原秋櫻子
柘榴の粒幾百食はば寂しさ消ゆ 橋本多佳子
柘榴ひとつわけてもらひしゑくぼかな 加藤秋邨
柘榴ふとる灰ありなしの雨にくろみ 野澤節子 未明音
柘榴みて髪にするどきピンをさす 野澤節子 未明音
柘榴もぎおとす露の輝やきに 橋閒石 朱明
柘榴もぎ呉れて 歯のない口 笑う 伊丹三樹彦
柘榴・柿その他灯の輪に骨還る 加藤秋邨
柘榴作裂みづからの力あらあらし 山口青邨
柘榴割れてしまへば仰ぐこともなし 加藤秋邨
柘榴吸ふはるか酸つぱきもの来り 加藤秋邨
柘榴哄笑す 雌鶏しろき卵を抱けば 富澤赤黄男
柘榴揺れゐてさ迷へる国ありき 飯田龍太
柘榴火のごとく割れゆく過ぎし日も 加藤秋邨
柘榴熟れて空は白雲澄む日和 村山故郷
柘榴紅く日輪は裂け重なれる 山口青邨
柘榴裂け岐路一方に逃げ易し 古舘曹人 能登の蛙
柘榴見つつ胸中おしあひへしあひぬ 加藤秋邨
極まれり石榴作裂地上惨 山口青邨
浜の銅鑼高鳴るときや柘榴裂け 赤尾兜子 玄玄
海へ向く青年の掌に石榴はぜ 飴山實 おりいぶ
深みきて柘榴のいろに憑きし秋 森澄雄
深裂けの柘榴一粒だにこぼれず 橋本多佳子
瀧つ瀬の性や石榴をむさぼる母 橋閒石 荒栲
火の雲が石榴の裂けをつくろひに 鷹羽狩行
燈心に顔あらはれて柘榴売 加藤秋邨
玉と見て蜂の臺よ割石榴 小西来山
珠玉蔵す柘榴赤磁の壺といはん 福田蓼汀 秋風挽歌
生写しなる柘榴見し陶画かな 阿波野青畝
盆栽ノ柘榴實垂レテ落チントス 正岡子規 柘榴
眦あげて子が怒り泣き柘榴爆ぜ 小林康治 四季貧窮
眼前に石榴爆ぜしは一転機 安住敦
矢の如く速達が来て石榴の家 波多野爽波
石切る島 行くさきざきに 石榴はじけ 伊丹三樹彦
石垣の上の姉より柘榴受く 廣瀬直人 帰路
石榴のみ破裂したりし轍かな 阿波野青畝
石榴の実の一粒だにも惜しみ食ふ 山口誓子
石榴の実割りて父たること示す 鷹羽狩行
石榴の実露人の口に次ぎ次ぎ入る 西東三鬼
石榴みな弾けて媼にこにこと 波多野爽波
石榴一本の背戸春の雪積もりたり 中川一碧樓
石榴割つて蟻のこぼるる机上かな 山田みづえ まるめろ
石榴喰ふ女かしこうほどきけり 炭太祇
石榴裂く異教徒の語は疎まし 金子兜太
石榴裂け生涯いくつ時計もつ 波多野爽波
砂丘にて海の没日と石榴かな 岡井省二 大日
神持たぬ安穏にをり柘榴の実 藤田湘子 てんてん
筆筒に拙く彫りし柘榴かな 正岡子規 柘榴
簪も櫛もなき髪笑む柘榴 中村草田男
紅き実がぎつしり柘榴どこ割つても 橋本多佳子
紅壺に収めし緋の裳石榴蕾む 香西照雄 素心
罅はしる柘榴とゴヤの黒画集 能村登四郎
罪もなき頭上あまたの柘榴裂け 山口青邨
羽音暗し心の庭の石榴裂け 橋閒石 卯
良寛と笑み交したる石榴かな 相生垣瓜人 負暄
良寛の食ひし如くに石榴食ふ 右城暮石 句集外 昭和六十年
苔むせるごとき柘榴もありにけり 山口青邨
蒼空に けらけら嗤うたり 柘榴 富澤赤黄男
裂け深き石榴は神の食べ余し 鷹羽狩行
裂目より実石榴の血は滴らず 鷹羽狩行
裏町に住んで柘榴の一木かな 河東碧梧桐
見つつ入り見つつ別れし柘榴かな 加藤秋邨
身辺に割けざる石榴置きて愛づ 山口誓子
追分や鷄飼ふ茶屋の柿石榴 正岡子規 柿
過去のこと石榴一粒づつを噛み 鷹羽狩行
道元にこころある日の割柘榴 森澄雄
雑草園柘榴黄落冬近し 山口青邨
雨鬼鳴きてくもる菜園柘榴さく 飯田蛇笏 雪峡
露の夜の炉火や石榴の実のごとし 山口誓子
露人ワシコフ叫びて石榴打ち落す 西東三鬼
青柘榴家抜けてすぐ湖のへり 右城暮石 声と声
麦みな貧し柘榴おほかた爆ぜつくし 小林康治 四季貧窮




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