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黄色の花にピンクの覆輪がはいる典雅なバラ「ピース」(春薔薇シリーズ20-002)

2020年07月03日 08時18分39秒 | 

あまりに著名なバラ「ピース」。メイヤン家の作出になるパラのなかでも、フランシス・メシヤンが母親のアントワーヌに捧げたバラ。黄色の花にピンクの覆輪がはいって典雅な花容と照葉の美しさは有名である。

(2020-06 東京都 神代植物公園) 

昨年の記事はこちらから。

クリームイエローの美しいバラ「ピース」(薔薇シリーズ24)

バラ「ピース」

20世紀を代表する傑作品種。ばらの歴史を大きく変えた、フランスの大育種家「フランシス メイアン」の最高傑作の1つです。巨大輪の先駆的品種であり、黄色の花にうすいピンク色の覆輪が入るふっくらとした花容、照りのある大きな葉、まとまりよく伸びる樹に巨大輪であるにも関わらず良好な花付き、そして強健な樹勢、良質な性質を多く持ち合わせたこの品種は戦後世界的大ヒットとなりました。特徴的な照り葉は、交配親の「マーガレット マグレディ」より受け継がれたものです。

巨大輪の花が大変評価され、交配親としてもよく利用されました。コンフィダンスなどのピース直系の品種(交雑第一世代・1F)はモダンローゼス XIの中でも280品種以上あります。孫品種まで含めれば膨大な数になります。これらピースの子どもたちを総称して「ピース ファミリー」と呼ばれています。

管理番号は「3-35-40」、この数字も有名です。最初の名前はピースではなく「マダム アントワーヌ メイアン」で、作出者の母クラウディアに捧げたバラです。第二次世界大戦の時代に作出され、戦渦の中一度無くなりかけていましたが、アメリカで密かに保存されていたようです。また、イタリアやドイツにも芽が送られ、一度消息を絶ちましたが密かに栽培されていことがわかり、イタリアでは「ジョイア(幸福)」、ドイツでは「グローリア ダイ(神の栄光)」の名前で流通していたようです。

ベルリン陥落のニュースが世界中を駆け巡り、戦争のない世界を願ってConard-Pyle社が「ピース」と命名しました。「ピース」は世界中で大ヒットとなり、日本にももちろん輸入され、飛ぶように売れたようです。現在でもその価値は衰えること無く、栽培され続けています。

交配に関してですが、あまりにも複雑な交配をしたようでメイアン氏ご本人もよくおぼえていなかったようです。下記交配情報は正式に公開されたものを元に書いておりますが、実際はさらに多くの品種が関わっているとされています。

品種名 ピース
ローマ字 Peace
商品番号 1180240
系統 ハイブリッド ティー (HT)
Hybrid Tea
咲き方 四季咲き
香り 微香
花径 12㎝
樹高 1.2m
樹形図 1c番 半横張り
作出年 1935年
作出国 フランス
作出者 Francis Meilland
別名 Madame A. Meilland , Gioia , Gloria Dei



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