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「まさか」じゃなくて「またか」の間違いな気がしないでもないけど(Apr 1, 2014)

2014-04-01 21:34:21 | 捕鯨騒動
今回は昨日の補足みたいなモン。


昨日、オーストラリア政府が日本政府が行ってる南極海「調査捕鯨」の中止を求める訴えに関する判決が国際司法裁判所(ICJ)で行われ、南極海「調査捕鯨」は「科学的」でないとして国際捕鯨委員会(IWC)の条約違反と判定→日本政府が持ってた南極海「調査捕鯨」の許可を取り上げる判決が下された。

そんな昨日の判決について、日本国内では妙な反応となっていた・・・。
・林農林水産大臣記者会見概要(2014年4月1日 maff.go.jp)

昨日の判決について、林 芳正(Yoshimasa HAYASHI)農水相はなんとも歯切れの悪いコメントを出していた。
以下、2014年4月1日 maff.go.jp『林農林水産大臣~』からその部分を(略

---- 以下引用 ----
大臣:私から、まず、1件、御報告がございます。
昨日、国際司法裁判所は、日本と豪州の間の「南極における捕鯨」訴訟の判決を言い渡しました。
ICJ(「国際司法裁判所」)が、第2期南極海鯨類捕獲調査は国際捕鯨取締条約第8条1項の規定の範囲内では収まらないと判示したこと、これは残念でありまして、深く失望をしております。
しかしながら、日本は国際社会の基礎である国際法秩序及び法の支配を重視する国家として、判決に従うということであります。
今後の具体的な対応については、判決の内容を慎重に精査した上で、真摯(しんし)に検討をしていきたいと、こういうふうに思っております。
私からは以上です。
お願いします。

記者:今後、判決を受けまして、調査捕鯨は中止という形になるのか、それとも、形を変えて続けるという形になるんでしょうか。

大臣:はい。
判決に従いましてですね、この第2期の南極海鯨類捕獲調査、これは中止をすることになります。
今後の対応については、判決の内容をですね、慎重に精査した上で早急に検討をしたいと、こういうふうに思っております。

記者:次の、あの、調査は、まあ、年末に出発ですけども、これは出す方針ですか。

大臣:これは申し上げましたようにですね、今後の対応、今回の捕獲調査は判決に従って中止ということですので、判決の内容を慎重に調査した上でですね、検討したいと思っております。

記者:まだ、今年、じゃあ、見送るかどうかは分からないということで。

大臣:もう、それは、先ほど申し上げたように、今から検討するということです。
(以下略)
---- 引用以上 ----

ここで ICJ の判決に従わないなんて言い出したら日本は世界各国から白い目で見られるのは必至なので、林農水相による「判決に従う」という発言はある意味当然かと。
もっとも、その裏には、韓国への当てつけという狙いもあるようだが。
・日本捕鯨「科学」認めず 南極海敗訴 支持国中露も「中止」(2014年4月1日 MSN産経ニュース)

参考までに、2014年4月1日分 MSN産経ニュース『日本捕鯨~』から後半部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
オーストラリアが提訴した約4年前、調査捕鯨中止を目指す同国は、機能不全に陥った国際捕鯨委員会(IWC)の議論に業を煮やしていた。
ICJに提訴された場合、義務的に応じなければならないとする強制管轄権を認めず、竹島問題の付託を拒否している韓国と異なり、日本は強制管轄権を認めているため受けて立たざるを得なかった。

判事16人のうち反捕鯨国出身は10人。
この構成が不利に働いたと予断はできないが、投票ではオーストラリアの請求を支持した判事12人中、反捕鯨国出身はフランスを除く9人だった。
(以下略)
---- 引用以上 ----

仮に、韓国が ICJ の強制管轄権を認めてたら日本政府がどういう対応をするのか気になるが・・・。


一方、昨日の判決について、日本政府側は結構驚いてた模様。
・日本の調査捕鯨まさかの完敗 国際司法裁が中止判決(2014年4月1日 asahi.com)

上の記事の見出しが全てというかなんというべきか・・・。
政府高官や外務省の方々は、例の裁判について負ける気がしなかったという。
以下、2014年4月1日 asahi.com『まさかの~』からその部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
日本政府内では、日本に有利な判決が出るとの見方が強かっただけに、驚きと落胆の声があがった。
外務省幹部の一人は「はっきり言って完敗だ。こんな判決は誰も想像できなかったと思う」と漏らした。

 日本政府は裁判の中で、調査捕鯨は国際条約に沿った合法的なものだと主張。
判決に向け強い自信を示し、首相周辺は「売るほどは捕るな、と言いつつ、調査捕鯨自体は認める形に落ち着くのではないか」と楽観的な見通しを語っていた。
ある外務省関係者は「日本が勝ちすぎると、欧米などの反捕鯨感情を刺激するのではないか」と余裕を示していたほどだ。

 それだけに衝撃は大きい。
政府は裁判に出た代表団の帰国を待ち、判決文を分析したうえで今後の対応を検討する。
外務省幹部は「捕鯨再開の望みは残っているが、道のりは極めて厳しい」と漏らす。
(以下略)
---- 引用以上 ----

どこかの漫画のキャラクターの「相手が勝ち誇ったとき そいつはすでに敗北している」という台詞がこれほど当てはまる例はない。
ここまで日本政府の方々が判決について楽観的になれた根拠がどこから来たのか、色んな意味で謎だらけである。
なんでこういう事態になったのかについて、少しは検証する気はないのか?


なお、昨日の判決について、日本のメディアでは「文化の否定だ」云々という言説が結構飛び交っていた。
こういう姿勢について、ika-net は厳しい指摘をしていた。
・捕鯨報道のいかがわしさ(2014年4月1日 ika-net日記)

以下、2014年4月1日分 ika-net日記『捕鯨報道のいかがわしさ』から前半と〆の部分を(略

---- 以下引用 ----
国際司法裁判所の判決を、国内の多くのメディアが大きく取り上げている。
ほとんどがまさかの判決という書きぶり。

それはいいとして、問題をここまで引きずってきてしまった責任の一つは、これまでのメディア報道にあると私は思ってしまう。
調査捕鯨が一体どういうものなのか、残念ながらきちんと深堀りした報道はこれまで見た覚えがない。
わずかに個人の意見として引用したとしても、大筋の報道が大本営発表をなぞったものばかりで、近年は南極海での環境団体による妨害を取り上げることで調査報告の代わりにしている鯨研をフォローしたものばかり。
一部は復興予算の鯨研への流用については取り上げてくれたが、なんでそうなってしまったか、という追求は不十分だった。
そこに来て今回の’驚くべき’判決。

それにもまして驚くのは、判決についての記事に加えて、またしても、わざわざ「食べられなくなる」とか「文化の否定だ」というようなコメントを拾ってきて紙面をうめている事だ。
(中略)

今回の判決は、単に日本のたてたJARPA IIの計画が、「条約に求められた科学調査に合致していない」というだけの事で、逆に、こうした反応しか出てこないのであれば、日本の調査捕鯨は科学調査ではなく鯨肉獲得が目的と暗に認めたことになる。

これまでに多少でも国内報道でまともな検証がなされ、共有できていたら恥ずかしくて記者がかけなかった事ではないか、と思うが、今後もこうした傾向が変わるとも思えず。
---- 引用以上 ----

この調子だと、日本が国際舞台の場で南極海「調査捕鯨」の二の舞を踏む事態になっても「まさか」という言説が飛び交う悪寒・・・。


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