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Wikipediaに逆ギレするCAMERA 3

2008-08-29 20:47:59 | パレスチナかイスラエルか
夏休みの宿題ってわけじゃないけど、今回はイスラエルロビーのアレっぷりを晒してる論稿の紹介。
・Wikipedia: World Wide Web's Wild, Wild West of Inaccuracy(2008年6月12日 The Jewish Exponent)

今回の紹介するネタは、2008年の4月~5月にかけてパレスチナ問題に関する Wikipedia の項目改編を CAMERA(the Committee for Accuracy in Middle East Reporting)の会員に呼びかけた Gilead Ini 氏の論稿。
ちなみに、この騒動については↓参照。
・編集合戦は耐久戦(2008年5月4日 )
・Wikipediaに逆ギレするCAMERA(2008年5月9日 )
・Wikipediaに逆ギレするCAMERA 2(2008年5月13日 )

どう考えたって、Ini 氏や CAMERA のアフォっぷりを露呈した感が否めないこの騒動。
しかし、Ini 氏や CAMERA は、今回紹介する論稿でも Wikipedia の項目改編を呼びかけたことを全く反省するそぶりが無い。
よりによって、これが米の複数の新聞で公表されたというのだから、ある意味驚きだ。

読んでいて気分が悪くなったのだが、米で活動するイスラエルロビーでもある CAMERA の醜態を晒す目的も兼ねて、Ini 氏の論稿の日本語訳をでっち上げてみた。
例によって、訳文の正確性は一切保証しな(略

---- 以下引用 ----

「一部無政府、一部暴徒の支配下」という表現は、アメリカの西部開拓時代における開拓地の定義に思えるかもしれない、しかし、これは現在のインターネットという荒野を正しく表現している。
Larry Sanger 氏は、世界中の人が教育教材として使うのを多くの教員達から反対されてるオンラインの百科事典 Wikipedia をそう表現している。

Sanger 氏は、ただの傍観者じゃない。
Web サイトにおける最大の権威にまで急速に発展した Wikipedia 創設者の1人である。
Wikipedia の世界では「ゲームじみたシステムを動かせるような非常に暇な人達 -- 一番事情に詳しくなくても良い -- こそ、この場所で一番影響力がある」、と彼は表現している。
「社会や政治に有害な雰囲気」を非難して、結局彼は Wikipedia から手を引いた。

Wikipedia を支えている決まりは、良く知られてることだが、誰でも「編集者」になれ、どのような情報(誤情報でも)記事に加えられることだ。
関わってる人は匿名でも[内容を]変更できることは余り知られてないので、真の結論から[記事を]遠ざけてしまう。
匿名性を受け入れる -- あまつさえ讃える -- ことで Wikipedia を西部開拓時代よりさらに無法な状態に置き、主な情報源として信頼できない状態を保っている。

匿名性と説明責任は、互換性がない。
記事の捏造によりジャーナリズムの掟に度々反した NYT の元記者こと Jayson Blair 氏(訳注1)には、説明責任があった。
彼は新聞社で働くことは二度と無い。
他のジャーナリスト達もそれを知っている、だからこそジャーナリズムの基準を満たさない連中でも Blair 氏のような事態を避けるように規則を守っている。
Wikipedia の匿名編集者には、そんな心配は無い。
非常に不正確な情報を記事に加えてたり捻じ曲げたにもかかわらず、[実社会での]仕事と評価は守られている。

Wikipedia についてほとんど理解されてないのは、何の情報が含まれていて何が除外されれるかを区別するような定義が欠けていることだ。
多くの時間と協力者を持つ編集者は、このような議論を支配し、文章の方向について決める為の Wikipedia が持っている高尚な「同意」を作り出す。

中東に関する Wikipedia のエントリーは、無政府主義者や暴徒による支配や裏工作に相当影響されている。
だから、俺と CAMERA の同僚達は、[Wikipedia という]百科事典がどのように機能してるかに関する議論や批判をぶち上げる準備をした。
Wikipedia での経験を伝えることで善意のある個人が Wikipedia の問題を解決できると仮定した上で、やりたい人に[Wikipedia の経験を]学ぶよう呼びかけ、中東に関して度々捻じ曲げられた記述を編集することの案内を会員達に送った。

多数の協力者達が返事をくれた、と当時に、度々陰謀論をぶち上げてた反イスラエル活動家の友である Web サイトこと Electronic Intifada(以下 EI)が、[CAMERAが]「パレスチナの歴史を書き換えてる」と伝えた。

この偽の告発は、明らかにパレスチナ寄り[!]の編集履歴が明らかになってる一部の「編集者」の動きを映し出してる。
魔女狩りのような雰囲気で、--「秘密結社」と見なされた -- 連中全てを攻撃し、そして「管理者」は何人かの編集を禁止した。
(Wikipedia には、基本的に友人のいる編集者である管理者 -- Wikipedia を運営する地位に選ばれた人々 --を意味する非常に小さな管理局がある。
匿名だとしても、他の編集者と同じかそれ以上に問題のある編集をやる)

重要なのは、この批判を仕掛けた Wikipedia の編集者の誰かが EI のメンバーの1人だとすぐに発覚したことだ。

ともかく、Wikipedia で正確かつバランスの取れた記述をしたい多くの編集者は出入り禁止となっている。
そうでない編集者達は、一方で、Wikipedia の記事を自分好みにする改編を自由に続けている。
第二次インティファーダ[al-aqsa Intifada]の記述 -- 近年起こったイスラエルの人々へのパレスチナ側の自爆攻撃とそれ以外の攻撃 -- は、「多くのイスラエルの人達」だけが[第二次]インティファーダの解釈をテロ戦争と見なすとしてる一方で、「世界中の多くの人が」[パレスチナの人達の]暴力行為(訳注2)を「外国の占領から国家を解放する戦い」、と伝えている。
Wikipedia で緩く適用される「規則」が、このような検証できない上に不名誉な見解を禁止してるから気にするな。
そして、Hamas やインティファーダの活動家達をテロリストと見なしてるのがイスラエルの人だけでなく、米や EU にカナダそして他数の人達がいるから気にするな。

Wikipedia は、不幸なことに、信頼できる百科事典として疑わない読者が本当の被害者となる無政府的な戦場と化していて、--ブリタニカ百科事典(Encyclopedia Britannica)の元編集長が言うところの「一部の、非常に悪い出来の」 -- 間違った情報を同じように他の記事でも出している。

訳注1:なお、彼がアフリカ系米国人だったために解雇された、という議論もあったとか。
ちなみに、James 氏は解雇された後に "Burning Down My Masters' House" という本を書いている。

訳注2:パレスチナの人達によるイスラエルへの抗議活動やロケット弾発射に自爆攻撃をまとめて暴力行為と見なすのは、CAMERA に限らず色んな団体がやってることだったりする。
---- 引用以上 ----

どう読んでもネタ発言の嵐です本当に(略

・・・じゃなくて。
最初に Wikipedia 改編を呼びかけたのは誰だっけ?
このことを、Boston Globe でネタにされた後、IHT の投書欄で逆ギレしたのは誰だっけ?
その上、自分達で Wikipedia の改編を呼びかけたことを未だに反省してないのは誰だっけ?

Ini 氏っつーか CAMERA ぢゃねーか。

なんつーか、Ini 氏や CAMERA がやってることって、悪い意味で「ユダヤの陰謀云々」というヘンテコな説を強化してるんだよな。
要は、Wikipedia にあるイスラエル関連の記事をイスラエル寄りに変えてるのは~、って説だが。
だいたい、CAMERA の公式サイトで Wikipedia の編集方法とかを載せてる時点で、CAMERA の方針がバレバレだし。
一体 CAMERA の幹部連中や Ini 氏は何を考えてるんだ?

あ、ひょっとして、他のイスラエルロビーをやってる団体(AIPACとか)の足を引っ張りたいのか?
そう考えれば、なんで CAMERA がわざわざ Wikipedia の編集方法を載せてるのか理解できる・・・。


それにしても。
CAMERA 以外のイスラエルロビーの団体は、CAMERA のこうした行動をどのように受け止めてるのだろうか?


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