長年エジプトの最高指導者の座にある Hosni MUBARAK エジプト大統領の退陣を求める抗議デモが、数日前から各地で起きているエジプト。
昨日なのか今日なのか、MUBARAK エジプト大統領が内閣総辞職(Ahmed NAZIF 首相の首切り)と抗議デモを取締ることを宣告した。
・エジプトのデモで死者27人、大統領は続投を強調(2011年1月29日 afpbb.com)
・Mubarak dismisses government(2011年1月29日 english.aljazeera.net)
MUBARAK 大統領の退陣を求めてた人達にすれば、これ以上ない肩透かしに思えるこの話。
さしあたっては、2011年1月29日分 afpbb.com『エジプトのデモで死者27人、大統領は続投を強調』から前半部分を(略
---- 以下引用 ----
【1月29日 AFP】
エジプトのホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)大統領(82)の退陣を求める抗議デモが28日、同国各地で行われ、警官隊との衝突で多数の死者が出ている。
医師や目撃者の話によると、警官隊の使用したゴム弾で重傷者が多く出ており、スエズ(Suez)では13人が死亡、首都カイロ(Cairo)では少なくとも5人が死亡、首都北部のマンスーラ(Mansura)では2人が死亡した。
25日に始まった抗議デモの死者数は計27人以上となった。
29日にはムバラク大統領が、抗議デモが始まって以降初めて国民に向けて演説し、内閣総辞職などの改革を約束したものの、辞任する考えは示さなかった。
ムバラク氏は、「あすの内閣総辞職を求めた。新内閣が誕生することになる」と述べ、政治改革や経済改革の推進を約束し、「改革を後退させることはしない。司法の独立と、司法の判断の独立を認め、市民の自由を今まで以上に認める改革を今後も続けていく」と語った。
(以下略)
---- 引用以上 ----
改革を後退させない云々って、日本の政治家達が(自分達の力量不足を隠すために)好んで使う台詞に思えるのだが・・・。
ってのはともかく。
長年エジプトの最高指導者の地位にいる MUBARAK エジプト大統領が行った今回の判断が、「トカゲのしっぽ切り」でしかないのは明白なのにね。
まぁ、(BEN-ALI 前チュニジア大統領が 退陣に追い込まれた反省から)インターネットへのアクセス制限や報道規制を厳しく行うことで、エジプト国内での情報統制を成功させると意気こんでるからこそこういう手段に出たのかもしれん。
この辺は以下参照(手抜き)
・エジプト:「ツイッター」遮断 当局が抗議拡大懸念か(2011年1月26日 毎日jp)
・How Egypt Turned Off the Internet(2011年1月28日 gizmodo.com)
・Journalists targeted by police violence, arrests(2011年1月28日 Reporters Sans Frontieres)
確かに、MUBARAK 大統領が BEN-ALI 前大統領二の舞になりたくない気持ちはわからんでもない。
とはいえ、ここまで露骨に言論弾圧やエジプトの人達の権利を侵害する政策を取ってる MUBARAK 大統領は、色んな意味で退陣するべきだと思う。
少なくても、エジプトの人達が望んでるのは首相のクビをすげ替えることじゃないしな・・・。
が、これで話が終わらないのが恐ろしい所。
実は、昨日になって英国の Telegraph 紙が、WikiLeaks が入手していた米国大使館の外交文書を公開していた。
そこには、エジプトの反体制派の活動家と米国大使が面会していただけでなく、活動家をニューヨークで開かれていたイベントに招待したという話が・・・。
・Egypt protests: America's secret backing for rebel leaders behind uprising(2011年1月28日 telegraph.co.uk)
・S E C R E T SECTION 01 OF 02 CAIRO 002572 SIPDIS FOR NEA/ELA, R, S/P AND H NSC FOR PASCUAL AND KUTCHA-HELBLING E.O. 12958: DECL(2011年1月28日 telegraph.co.uk)
問題の文書は、2008年12月30日に作成されたもの(telegraph.co.uk が公開してた文書は 12/30/2028 となってたけど)。
これによると、"April 6 movement"(2008年に facebook 上で結成された活動家のグループ)の一員である xxxxxxxxxxxx という人物(以下χ)が、2008年12月23日に米国大使館を訪れていた。
χは、2008年12月3日~12月5日にかけてニューヨークで開催されていた『Alliance of Youth Movements Summit』というイベントに参加してた(おまけ参照)。
そのついでで、ワシントンのシンクタンクの方々とも面会してたとか。
しかし、χは帰国後エジプト当局に拘束されるハメになった・・・。
で、釈放後米国大使館を訪れたχは、MUBARAK 大統領をあの Robert MUGABE ジンバブェ大統領より悪いとも述べたりした上で、自分達のグループがエジプト政府から追い込まれてることに言及していた。
以下、2011年1月28日分 telegraph.co.uk『S E C R E T SECTION~』から、7. を(略
ただし、引用部分の()は俺がつけた注釈。
---- 以下引用 ----
(中略)
7.(C) xxxxxxxxxxxx said that the GOE(エジプト政府) has recently been cracking down on the April 6 movement by arresting its members.
xxxxxxxxxxxx noted that although SSIS(State Security:エジプト当局のことか) had released xxxxxxxxxxxx and xxxxxxxxxxxx \"in the past few days,\" it had arrested three other members.
(Note: On December 14, we pressed the MFA(エジプト外務省) for the release of xxxxxxxxxxxx and xxxxxxxxxxxx, and on December 28 we asked the MFA for the GOE to release the additional three activists. End note.) xxxxxxxxxxxx conceded that April 6 has no feasible plans for future activities.
The group would like to call for another strike on April 6, 2009, but realizes this would be \"impossible\" due to SSIS interference, xxxxxxxxxxxx said.
He lamented that the GOE has driven the group's leadership underground, and that one of its leaders, xxxxxxxxxxxx, has been in hiding for the past week.
(以下略)
---- 引用以上 ----
なんだろうな。
χという人の行動ってのは、長年 MUBARAK 大統領の支配を支援してきた米国政府の助けを得なければならないほど、エジプトでは政府に対する反対運動を行うのが厳しい状況になってたことを端的に示してるのかもしれない。
無論、米国政府が(自分達にとって有益である) MUBARAK 大統領に対して辞職を求めるわけなかったのだが・・・。
まぁ、telegraph.co.uk の記事の〆は、『April 6 movement が今回の抗議デモを呼びかけた』ってなってるけど、問題の文書の後で米国政府とχや April 6 movement の間でどういう形で接触があったかは不明だったりする。
もっとも、今回の抗議デモが April 6 movement によって呼びかけられたとしても、米国の影響が強いと判断するのは流石に無理があるけど・・・。
それはそうと。
日本政府って、チュニジアといいエジプトといった人々の権利を抑圧している政府と結構いい関係を築いてきたんだよな。
しかも、チュニジアに対しては、旧宗主国のフランス並に支援してきたっていうし・・・。
・チュニジア民主化に支援を 前大使、日本に会議開催要請(2011年1月29日 静岡新聞;共同)
本来なら、こうした日本政府の姿勢を国会議員やジャーナリスト達が問いただすべきなのだが・・・。
おまけ:『Alliance of Youth Movements Summit』のプログラム↓
・Alliance of Youth Movements Summit(info.howcast.com)
このイベントで話をした人達は、ある意味このイベントの性格を良く示していた。
以下、『Alliance of Youth Movements』から、話をした人達のリストを(略
---- 以下引用 ----
(中略)
・Whoopi GOLDBERG, Host of ABC’s “The View”
・Dustin MOSKOVITZ, Co-Founder, Facebook
・James K. GLASSMAN, Undersecretary for Public Diplomacy and Public Affairs, U.S. Department of State
・Oscar MORALES, Founder, One Million Voices Against the FARC
・The Obama Campaign’s New Media Team
・Matthew WAXMAN, Associate Professor of Law, Columbia Law School
(以下略)
---- 引用以上 ----
使い方は各自で考えるように(笑)
昨日なのか今日なのか、MUBARAK エジプト大統領が内閣総辞職(Ahmed NAZIF 首相の首切り)と抗議デモを取締ることを宣告した。
・エジプトのデモで死者27人、大統領は続投を強調(2011年1月29日 afpbb.com)
・Mubarak dismisses government(2011年1月29日 english.aljazeera.net)
MUBARAK 大統領の退陣を求めてた人達にすれば、これ以上ない肩透かしに思えるこの話。
さしあたっては、2011年1月29日分 afpbb.com『エジプトのデモで死者27人、大統領は続投を強調』から前半部分を(略
---- 以下引用 ----
【1月29日 AFP】
エジプトのホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)大統領(82)の退陣を求める抗議デモが28日、同国各地で行われ、警官隊との衝突で多数の死者が出ている。
医師や目撃者の話によると、警官隊の使用したゴム弾で重傷者が多く出ており、スエズ(Suez)では13人が死亡、首都カイロ(Cairo)では少なくとも5人が死亡、首都北部のマンスーラ(Mansura)では2人が死亡した。
25日に始まった抗議デモの死者数は計27人以上となった。
29日にはムバラク大統領が、抗議デモが始まって以降初めて国民に向けて演説し、内閣総辞職などの改革を約束したものの、辞任する考えは示さなかった。
ムバラク氏は、「あすの内閣総辞職を求めた。新内閣が誕生することになる」と述べ、政治改革や経済改革の推進を約束し、「改革を後退させることはしない。司法の独立と、司法の判断の独立を認め、市民の自由を今まで以上に認める改革を今後も続けていく」と語った。
(以下略)
---- 引用以上 ----
改革を後退させない云々って、日本の政治家達が(自分達の力量不足を隠すために)好んで使う台詞に思えるのだが・・・。
ってのはともかく。
長年エジプトの最高指導者の地位にいる MUBARAK エジプト大統領が行った今回の判断が、「トカゲのしっぽ切り」でしかないのは明白なのにね。
まぁ、(BEN-ALI 前チュニジア大統領が 退陣に追い込まれた反省から)インターネットへのアクセス制限や報道規制を厳しく行うことで、エジプト国内での情報統制を成功させると意気こんでるからこそこういう手段に出たのかもしれん。
この辺は以下参照(手抜き)
・エジプト:「ツイッター」遮断 当局が抗議拡大懸念か(2011年1月26日 毎日jp)
・How Egypt Turned Off the Internet(2011年1月28日 gizmodo.com)
・Journalists targeted by police violence, arrests(2011年1月28日 Reporters Sans Frontieres)
確かに、MUBARAK 大統領が BEN-ALI 前大統領二の舞になりたくない気持ちはわからんでもない。
とはいえ、ここまで露骨に言論弾圧やエジプトの人達の権利を侵害する政策を取ってる MUBARAK 大統領は、色んな意味で退陣するべきだと思う。
少なくても、エジプトの人達が望んでるのは首相のクビをすげ替えることじゃないしな・・・。
が、これで話が終わらないのが恐ろしい所。
実は、昨日になって英国の Telegraph 紙が、WikiLeaks が入手していた米国大使館の外交文書を公開していた。
そこには、エジプトの反体制派の活動家と米国大使が面会していただけでなく、活動家をニューヨークで開かれていたイベントに招待したという話が・・・。
・Egypt protests: America's secret backing for rebel leaders behind uprising(2011年1月28日 telegraph.co.uk)
・S E C R E T SECTION 01 OF 02 CAIRO 002572 SIPDIS FOR NEA/ELA, R, S/P AND H NSC FOR PASCUAL AND KUTCHA-HELBLING E.O. 12958: DECL(2011年1月28日 telegraph.co.uk)
問題の文書は、2008年12月30日に作成されたもの(telegraph.co.uk が公開してた文書は 12/30/2028 となってたけど)。
これによると、"April 6 movement"(2008年に facebook 上で結成された活動家のグループ)の一員である xxxxxxxxxxxx という人物(以下χ)が、2008年12月23日に米国大使館を訪れていた。
χは、2008年12月3日~12月5日にかけてニューヨークで開催されていた『Alliance of Youth Movements Summit』というイベントに参加してた(おまけ参照)。
そのついでで、ワシントンのシンクタンクの方々とも面会してたとか。
しかし、χは帰国後エジプト当局に拘束されるハメになった・・・。
で、釈放後米国大使館を訪れたχは、MUBARAK 大統領をあの Robert MUGABE ジンバブェ大統領より悪いとも述べたりした上で、自分達のグループがエジプト政府から追い込まれてることに言及していた。
以下、2011年1月28日分 telegraph.co.uk『S E C R E T SECTION~』から、7. を(略
ただし、引用部分の()は俺がつけた注釈。
---- 以下引用 ----
(中略)
7.(C) xxxxxxxxxxxx said that the GOE(エジプト政府) has recently been cracking down on the April 6 movement by arresting its members.
xxxxxxxxxxxx noted that although SSIS(State Security:エジプト当局のことか) had released xxxxxxxxxxxx and xxxxxxxxxxxx \"in the past few days,\" it had arrested three other members.
(Note: On December 14, we pressed the MFA(エジプト外務省) for the release of xxxxxxxxxxxx and xxxxxxxxxxxx, and on December 28 we asked the MFA for the GOE to release the additional three activists. End note.) xxxxxxxxxxxx conceded that April 6 has no feasible plans for future activities.
The group would like to call for another strike on April 6, 2009, but realizes this would be \"impossible\" due to SSIS interference, xxxxxxxxxxxx said.
He lamented that the GOE has driven the group's leadership underground, and that one of its leaders, xxxxxxxxxxxx, has been in hiding for the past week.
(以下略)
---- 引用以上 ----
なんだろうな。
χという人の行動ってのは、長年 MUBARAK 大統領の支配を支援してきた米国政府の助けを得なければならないほど、エジプトでは政府に対する反対運動を行うのが厳しい状況になってたことを端的に示してるのかもしれない。
無論、米国政府が(自分達にとって有益である) MUBARAK 大統領に対して辞職を求めるわけなかったのだが・・・。
まぁ、telegraph.co.uk の記事の〆は、『April 6 movement が今回の抗議デモを呼びかけた』ってなってるけど、問題の文書の後で米国政府とχや April 6 movement の間でどういう形で接触があったかは不明だったりする。
もっとも、今回の抗議デモが April 6 movement によって呼びかけられたとしても、米国の影響が強いと判断するのは流石に無理があるけど・・・。
それはそうと。
日本政府って、チュニジアといいエジプトといった人々の権利を抑圧している政府と結構いい関係を築いてきたんだよな。
しかも、チュニジアに対しては、旧宗主国のフランス並に支援してきたっていうし・・・。
・チュニジア民主化に支援を 前大使、日本に会議開催要請(2011年1月29日 静岡新聞;共同)
本来なら、こうした日本政府の姿勢を国会議員やジャーナリスト達が問いただすべきなのだが・・・。
おまけ:『Alliance of Youth Movements Summit』のプログラム↓
・Alliance of Youth Movements Summit(info.howcast.com)
このイベントで話をした人達は、ある意味このイベントの性格を良く示していた。
以下、『Alliance of Youth Movements』から、話をした人達のリストを(略
---- 以下引用 ----
(中略)
・Whoopi GOLDBERG, Host of ABC’s “The View”
・Dustin MOSKOVITZ, Co-Founder, Facebook
・James K. GLASSMAN, Undersecretary for Public Diplomacy and Public Affairs, U.S. Department of State
・Oscar MORALES, Founder, One Million Voices Against the FARC
・The Obama Campaign’s New Media Team
・Matthew WAXMAN, Associate Professor of Law, Columbia Law School
(以下略)
---- 引用以上 ----
使い方は各自で考えるように(笑)