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Three scenarios what WWF-JPN suggested

2010-08-26 19:55:51 | 時事ネタ(国内)
なんか知らんが、WWF Japan が日本における生活様式がどれだけ地球に負担を与えてるのか、という調査結果を出したのだが・・・。
・エコロジカル・フットプリントで見る、日本がかけている地球への負担(2010年8月25日 wwf.or.jp)
・Japan Ecological Footprint Report 2009(日本語版:オリジナル)(2010年8月25日 wwf.or.jp;.pdfファイル)
・Japan Ecological Footprint Report 2009(English Version)(2010年8月25日 wwf.or.jp;.pdfファイル)

つーか、中国や米国の資源やエネルギー消費量ばかりが注目されてるけど、日本も何気にそれが高いんだよな。
この辺りは、(俺もそうなんだけど)日本に住んでる人たちが忘れがちなことなんけど。

とにかく。
WWF Japan の調査では、笑うに笑えない結果が出ていた。
さしあたっては、2010年8月25日分 wwf.or.jp『エコロジカル~』から、序盤部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
これは、世界の木材や水産物などの資源の消費や、二酸化炭素(CO2)の排出により、日本がどれくらい、どのような形で、地球の自然環境に負荷をかけているかを示したもの。
日本の総合的なエコロジカル・フットプリントをまとめた内容としては、初となる報告書です。

エコロジカル・フットプリントとは、地球環境が本来持っている生産力や廃棄物の収容力と、人間による消費量や廃棄量とを比較し、「グローバル・ヘクタール(gha)」という理念上の面積に換算した数値です。

この数が高ければ「環境への圧力が強い国」、つまり、その生活を支える上で、「広大な地球の面積を必要とする国」ということになります。

日本の場合、国民一人あたりの、このエコロジカル・フットプリントは、「4.1gha」でした(2006年)。
ところが、地球1個分が持つ生産力・収容力を、世界人口一人あたりで計算すると「1.8gha」にしかなりません。
日本の「4.1」という数値は、このおよそ2.3倍に相当します。

つまり、世界中の人々が、現在の日本と同じ大量消費社会を作り上げたなら、2.3個分の地球が必要になってしまう、ということです。
(以下略)
---- 引用以上 ----

2.3 個ね・・・。
約9年前に、某クリスマス特番(『13人がかりの~』)で某有名ユニットに所属していたメンバー(笑)が食べたケーキの数ってか(全然違う)
真面目な話、日本の資源とエネルギー消費量ってのは結構馬鹿にならないレベルになってるってことだが。
こういう話について、日本でも広く長く議論する必要があるはずなんだけど・・・。
現状だと、一部の方々から『日本の人口を 1/2.3 未満にすればいい』というトンデモ論が出て終わりそうな悪寒。
後は、『地球以上の環境を持ってる惑星を捜すか人工的に創る』という妄想も出そうだが。


もっとも、日本のフットプリントだけが問題ではないのだが。
この報告書では、アジア諸国における今後の展望についても触れていた。
以下、2010年8月25日分 wwf.or.jp『Japan Ecological Footprint Report 2009(日本語版:オリジナル)』のP.13 『アジアの中の日本』からその部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
他の地域と比べて、東アジアおよび東南アジア地域の1人当たりのフットプリントは1.9ghaと世界平均よりも低い。
地域的に利用可能なバイオキャパシティもとても低く、1人当たりたった0.9ghaでしかない。
世界規模においては、東・東南アジア地域は、世界の人口の32%を有し、世界のフットプリントの23%に相当する。

日本に地理的に近い4つの国々と比較すると、日本は1人当たりのフットプリントで2番目に高い国であり、ロシアがわずかに
日本のフットプリントを上回っている。
日本のフットプリントは、大韓民国(韓国)よりも10%ほど高く、中国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の2倍以上である。
しかし、この10年、同グループの中では唯一日本のみがフットプリントの著しい減少を示しており、もしこの傾向が続くならば、2010年に韓国のフットプリントが日本を上回る可能性がある。

この地域で、総フットプリントが最も大きいのは巨大な人口を有する中国であり、世界の総需要の14%に相当する。
一方、日本は3%相当である。
さらに資源の制約が厳しくなる世界において、中国の需要はその拡大する需要を満たすために日本を含む他国に影響を与えるであろう。
資源のフローを効率よく管理し、高効率技術の移転をさらに高めていくためにも、地域政策および合意を形成していくことが必要となる。
(以下略)
---- 引用以上 ----

う~ん。
中国と朝鮮S か・・・。
これまた面倒なことになりそうな結果だな(苦笑)
ちなみに、WWF Japan が公開した調査報告書のグラフを見ると、日本における1人当たりのフットプリント減少ってのは1990年代後半になってるわけで。
色々原因はあるかもしれんが、環境負荷の大きい工場とかが国外に移動したからってのもあるかもな(苦笑)
無論、エネルギー利用効率向上もあるかもしれんけど・・・。


そして、この報告書では、密かに日本の今後に関して3つのシナリオを示していた。
そのすべてが、色んな意味で扱いに困るのだが・・・。
まずは、2010年8月25日分 wwf.or.jp『Japan Ecological Footprint Report 2009(日本語版:オリジナル)』の P.30 『現状のまま特に対策を(ビジネス・アズ・ユージュアル)』を引用する。
本当はグラフも引用したかったんだけど・・・ね。

---- 以下引用 ----
(中略)
現状の状態が続くと仮定したシナリオでは、日本の人口は高齢化と縮小が続き、2006年から2030年までの間に1千万人程減少する。
移民率がこのままOECD諸国の水準と比べ低いままでは人口減少を抑えるには不十分であり、日本の人口は2050年までに1億人を少し上回る値へと縮小する。
この人口減少と労働人口の高齢化によって、GDP成長率の伸びもまた鈍化し、2007年から2015年に年間1.3%、2015年から2050年に年間0.5%の成長率となる。
1人当たりのGDPは2050年までに52,600ドルまで増加する。技術革新が人口の高齢化のため停滞する中、生産に関するエコロジカル・フットプリントをGDPへと変換する効率性の向上も鈍化し、年間たった0.2%の改善しか見込まれない(現在の年間2%と比較)。

結果的に、日本の生産に対するエコロジカル・フットプリントは増加し続ける。
拡大する環境に対する需要は自然資本のストックを減らし、利用可能なバイオキャパシティを減少させる。

公共消費および個人消費がエコロジカル・フットプリントに与える影響は減少している歴史的経緯と人口減少を合わせて考えると、消費に関する総エコロジカル・フットプリントの減少が継続することが予想される。
現状の状態が続く場合の予測では、日本の生態系オーバーシュート[引用者注]は600%から約300%まで減少するが、日本の生産に関するカーボン・フットプリントは一定に保たれると仮定した場合、この数年間で再びバイオキャパシティの過剰利用が行われるであろう。
(以下略)

[引用者注]ここでは以下の用語を参照して頂戴・・・(報告書 P.9 から)
エコロジカル・オーバーシュート:ある国の総エコロジカル・フットプリントがその国のバイオキャパシティを超過したときに起こる。

---- 引用以上 ----

日本政府が移民政策に消極的かつ経済政策とかについても変化を期待できない以上、これが一番現実になりそうなシナリオだわな。
しかし、これで本当にいいんだろうか?

次は、移民政策だけを強化した場合。
以下、2010年8月25日分 wwf.or.jp『Japan Ecological Footprint Report 2009(日本語版:オリジナル)』 の P.31『シナリオ2 移民政策の改訂と経済成長』を(略
しつこいようだが、本当はグラフを引(略

---- 以下引用 ----
(中略)
日本が高齢化対策として、移民政策を改訂し、年率0.35%の割合で増加し2050年に日本の人口は1.5億近くに達する。
GDP成長率は、現在見られる年率1.73%ほどを維持し、1人当たりのGDPは2050年までに57,000ドルに達する。

若い世代の移民の流入と、通常彼らに見られる高い出生率により技術革新が促され、年間3%の改善が見られる。
その結果、生産量が増加するにも関わらず、国内生態系資源の経済に対する投入量は、2050年までに50%(約2.4億gha)減少する。
この国内資源使用が減少すると国内バイオキャパシティに対する圧力も緩和され、2015年以降バイオキャパシティが増加する。
しかしながら、人口と富の増大は消費に関するフットプリントの減少を妨げ、2035年までに4.35億ghaの最小値に達した後、再び増加する。

増加する消費にかかわらず、バイオキャパシティの増加の恩恵により、オーバーシュートの値は約420%程に維持される。
(以下略)
---- 引用以上 ----

う~ん。
移民政策を強化しても、出生率が上がるかどうかは不明な点も多いと思われるが・・・。
仮に出生率が高くなっても、技術革新が起きるとは限らないし。
3つのシナリオの中では一番現実味が無さそう・・・。

最後は、人口減少+GDP成長第一主義からの脱却政策をとった場合。
以下、2010年8月25日分 wwf.or.jp『Japan Ecological Footprint Report 2009(日本語版:オリジナル)』 P.31 『シナリオ3 優先順位の見直し』を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
日本は現状の移民政策を維持し人口は減少する。
しかしながら、GDP成長が国の最優先事項ではなくなる。
GDPは2015年まで年率0.5%の増加を見せるが、2030年まで一定を保ち、その後年間1%の割合で減少する。

公共消費と個人消費が減少する中、効率的な技術開発への資源配分が増え、技術革新は3%の高い水準を維持する。
その結果、生産および消費に関するエコロジカル・フットプリントは、それぞれ9800万、1億2900万ghaと減少する。
縮小した生産需要は結果的に資源の再生産を促し、バイオキャパシティは増加する。
にもかかわらず、オーバーシュートは依然存在し、天然資源を他国に依存している。
オーバーシュートの水準は150%程度で、これは1963年以来の低水準である。

前述のシナリオは、利用可能な土地が人々の需要を満足させるための唯一の限定要因であると仮定している。
しかしながら、利用可能な土地以外の重要な資源が、将来の日本が進むべき道を狭めるであろう。
それらの中でも、既に考察した通り水の安定供給が鍵となる。
(以下略)
---- 引用以上 ----

このシナリオでもオーバーシュートが存在するのは、日本で入手困難な資源を大量に使う状況が続くってことだと思われるが・・・。
多分一部の自称経済学者や、LDP にみんなの党あたりが嫌いそうなシナリオだわな。
後は、中国や朝鮮Sに対して妙な対抗意識を燃やしてる人達にとっても(日本の経済力が低下するから)。

公共消費と個人消費が減った際に、技術開発への資源配分が増えるかどうかは怪しいとはいえ・・・。
結構な割合の人達がこのシナリオを望んでるような気がしないでもない(苦笑)
ただ、(生産拠点の)日本回帰を狙う一部経営者にとっては困るシナリオだろうが。
うっかりフットプリントを増やして非難を喰らう真似はやりづらいだろうし。


それにしても。
なんで日本では、こういう話をやりだすと水かけ論で終わってしまうんだろうか?
日本に限った話じゃないんだろうが・・・。


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