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目の前の相手にだけ怒りをぶつけるな

2008-09-06 20:16:51 | パレスチナかイスラエルか
この所 Gaza 地区では、Hamas に対する抗議デモが立て続けに起きてるそうな。
・Partisan health workers strike taking a toll in Gaza (2008年9月4日 Ma'an News)

それに乗じたわけでもないんだろうけど、3K新聞が Gaza 地区に関してアジの効いてる記事を書いてきた。
・揺らぐ“ハマス王国” 弾圧に高まる住民不満(2008年9月5日 gooビジネスEX;MSN産経ニュース)

色々問題のある記事なので、gooビジネスニュースから全文引用しておく。
ただし、一部補足を加えておいた。
---- 以下引用 ----

 イスラム原理主義組織ハマスが昨年6月、パレスチナ自治区ガザを実効支配して以降、ハマスに対する住民の不満が高まっている。
ハマスは対立勢力やメディアを弾圧し、イスラエルによる経済封鎖にも有効な手を打てずにいる。
「統治経験」の不足ゆえに行政の不手際も露呈しており、熱狂的なハマス支持によって築かれた“ハマス王国”は揺らいでいる。

 (ガザ市 黒沢潤)

 「彼らは結婚式をぶち壊した」。
ハマスと対立するファタハの支持者が最近挙げた結婚式に出席したガザ住民(46)は、怒りに震えた。
銃を手にしたハマスのメンバーが式場に乱入し、飾られていた黄色い花をすべて取り払うよう命じ、そむけば式場を破壊すると脅したというのだ。

 ガザを実効支配して以降、ハマスはこの地区の武器をほぼ手中に収め、主な政敵も逮捕した。
地元の記者は「ハマスは理想的な『警察国家』を築きつつある」と評した。

 ガザでは数年前とは異なり、黒いスカーフで顔を覆う女性の姿が目立つ。
ムニエル・ドゥエクさん(46)によると「モスクでは本来禁止されている軍事教練を子供も受けている」という。
「19、20歳になれば、すぐにイスラエルと戦える」というわけだ。

 ハマスのハニヤ元首相[Ismail Haniyeh]の外交顧問、マフムード・ユセフ[Ahmed Yousef]氏(57)は「国際社会はハマスを、アフガニスタンの旧タリバン政権に類似しているとして『タリバン・モデル』に分類したがる。
だが、(イスラム的価値を尊重する民主主義を掲げるトルコ首相の名にちなんだ)『エルドアン・モデル』だ」と強弁する。

 しかし、ハマスはファタハ系のメディアを強制的に閉鎖し、外国記者の活動も妨げている。
ある欧米メディアの助手は「外国人記者は昨年からガザに寄りつかなくなった。命が危険なためで、私たち助手が駐エルサレムの記者に情報を送っている」と話す。
別の助手は「ハマスは、私たちが欧米メディアに送った情報を把握している。それが自分たちにどう跳ね返ってくるのかわからず、心配だ」という。

 住民の多くはハマスの“国家運営”にも不満を募らせている。
ガザの実効支配が始まって以降、ファタハ系の自治政府職員に代わり、ハマスの1万数千人が職に就いた。
だが、「(能力に)差がある」とユセフ氏も認めるように行政は“素人”の域を出ない。
路上には回収されない生ゴミが散乱し臭気が鼻を突いた。

財政事情は苦しく、閉塞(へいそく)感は強まる一方だ。
イスラエルによる経済封鎖が続き、6月のイスラエルとの停戦合意(6カ月間)によって封鎖が一部解除されたとはいえ、カネもモノも十分に入ってはこない。
ガソリンの不足は深刻で、タクシー運転手は「週150リットル必要なのに、配給で40リットルもらうだけだ」と吐き捨てた。

 興味をそそられるのは、住民の批判がイスラエルにではなく、ハマスに向けられることだ。
ガザの政治評論家タラール・オーカル氏(58)は「当初、ガザがこんな状況になるとは誰も予想していなかった。ハマスに改革の具体策はない」と手厳しい。
ハマスへの“清廉”という当初の印象も地に落ちている。
女性のアミーラさん(25)は「病院で優先されるのはハマスの師弟。彼らはいい車にも乗る」と話した。

 ファタハとの抗争も激しい。
ハマスは8月、ファタハ系部族を急襲し、180人がイスラエルの検問所に避難を求める事態となった[]。
この中に弟がいたというアブアッサム・ヘレスさん(30)は「弟には選択肢が2つあった。同胞に殺されるか、イスラエルへ逃げるかだ。彼は後者を選んだ。助けてもらえるからだ。『悪魔』のハマスに比べたら、イスラエル人は『慈悲の人』だ」とイスラエルをも“称賛”する。

 かといって、腐敗などにより住民の信頼を失ったファタハに期待をもてるわけでもない。
出口のない閉塞感の中で、住民はもがき、苦しんでいる。
---- 引用以上 ----

見事なまでの上から目線に大爆笑だよ。


・・・じゃなくて。

Gaza 地区住民の不満が Hamas に向かうのもある程度やむをえないんだよな。
要は、目の前にある不満をぶつける先が Hamas だったって奴だが。
無論、Hamas のやってることにも問題はあるわけだし。
特に、ジャーナリストに対する弾圧とかは・・・。

それより気になるのは、Gaza 地区の置かれてる状況を作り出した総元締めのイスラエル(それと米とか)への抗議が弱くなってる点か。
実はこれこそイスラエルが望んでたことなんだろうに・・・。


どうもこの辺りを、黒沢記者は見逃してるような気がしてならないのよね。
その点が悔やまれる。


注:この件については↓参照。
・パレスチナ ガザ地区でハマス治安部隊がファタハ系部族と衝突 内部対立が再燃 (1/2ページ)(2008年8月3日 MSN産経ニュース)

おまけ:
↓Ahmed Yousef 氏へのインタビュー(全部で5ページ)
・Where to now? Dr Ahmed Yousef, political adviser to Ismail Haniya, the de-facto Harnas Prime Minister in Gaza, talked to Mel Frykberg exclusively for The Middle East from his office in Gaza City(2008年4月?日 findarticles.com;1ページ目)


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