・・・タイトルでだいぶヨイショしすぎですが(^^;)
「容疑者Xの献身」を見てきました。
本作、テレビドラマシリーズ「ガリレオ」の映画版として知られていますが、ハッキリ言って、ドラマとは別物です。もちろん、主要キャスティングは一緒、設定も一緒ですが、演出方法がまるで違います。主人公の湯川准教授は、テレビドラマではいつも、トリックの解が思いつくと意味不明な数式を所かまわず書き殴り、最後は決めポーズ、バックには福山雅治作曲のテーマ曲(名曲です)が流れるという「お約束」がありましたが、映画では一切無し。重厚な心理戦と仕掛けられたトリックの謎解きがが展開する、本格サスペンスになっています。
ワタクシは原作のファンで、トリックの種も知っていたのですが、知っている人間から見ても必要とされる伏線が映像として充分盛り込まれており、監督の気合いを感じることが出来ました。「主演」である堤真一の演技も見事。単なる「ドラマの映画化」ではなく、「映画としての必然」を備えた映画だったと思います。一点、原作と違う部分(「内海薫」などキャラクターの問題は抜きにして)がクライマックスに至る過程の中であるのですが(あえて変えたのかあるいは時間の関係でカットしたのか分かりませんが)、それはそれで良かったと思います。原作のままだとさらに救いが無くなるので(^^;)
救いが無いといえば、原作者である東野圭吾氏の作品は、正直、救いのないものが多く、独語に暗澹たる気持ちになることがありました。本作しかり、「秘密」「白夜行」しかり。救いがないからこそリアルが感じられるという側面もあるのですが、連続して読むと気が滅入るので、なるべく間隔を空けるようにしています。この映画で東野作品に興味を持った方は「トキオ(時生)」あたりから読むことをお勧めします。