ジャズとボサノヴァの日々

Days of Jazz and Bossa Nova

Stan Getzのシングル盤 月影のサンバレロ

2015-04-08 22:00:00 | 和レコードの魅力
Sambalero performed by Stan Getz and Luiz Bonfa

1958年に始まったBossa Novaのブームに肖ろうとVerveレコードはスタン・ゲッツ/ Stan Getzを中心に据え、ギタリストのチャーリー・バード/ Charlie Byrdをゲストに"Jazz Samba"というアルバムを1962年4月にリリースした。米国の音楽ファンに好評だったのを受け、同年8月にはゲイリー・マクファーランド/ Gary McFartlandの編曲・指揮によるオーケストラをバックにスタン・ゲッツが伸び伸びとサックスを吹いた"Big Band Bossa Nova"を録音している。

翌年1963年に同じくスタン・ゲッツをリーダーにギタリストのルイス・ボンファ/ Luiz Bonfaと奥方のマリア・トレード/ Maria Helena De Toledoを迎え"Jazz Samba Encore"を発売した。

第一作の"Jazz Samba"と第二作の"Big Band Bossa Nova"は、米国のジャズ・フィールドからBossa Novaへアプローチした作品という色彩が強かったが、第三作"Jazz Samba Encore"はボサノヴァ本来の魅力に溢れている。取り上げている曲やアレンジも良いのだが、メンバーの顔ぶれが鍵を握っている。次作の"Getz/Gilberto"にも参加して、このアルバムを世紀の名盤に導いたアントニオ・カルロス・ジョビン/ Antonio Carlos Jobimがゲストに招かれているのだ。つまり"黒いオルフェ"の音楽を担当したJobimとBonfaが本作に参加して腕を振るい、Maria Toledoが清涼感のあるスキャットを聴かせてくれるのだから、ボサノヴァ色が強くならないわけがないのだ。

日本でもブームに乗ろうと、"Jazz Samba Encore"からシングルが切られている。タイトルは"月影のサンバレロ/ Sambalero"で、カップリングは"下町の星くず/ O Morro"だ。ジャケットで使われている写真はレコーディング風景のスナップだろうか、座っているのがBonfa、奥に立っているのがMaria Toledoだろう。



ジャケット裏に記載されている"月影のサンバレロ"の解説を以下に引用する。

●月影のサンバレロ

ルイス・ボンファの書いた美しいメロディを持った曲です。ボンファやジョビンと同じブラジル生まれのすてきな女性、マリア・トレードのハミングから始まります。ゲッツのハートウォームなソロ、ボンファのギターの後、トレードの声で終わります。



マリア・トレードと言えばこのアルバム。ボサノヴァ永久定番の一枚。

Sings the Best of Luiz Bonfa


GetzとBonfaの二人が出演している"Jazz Samba Encore"のプロモーションクリップらしい映像で今日のエントリーを締めくくろう。

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