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野ネコは野生動物?

2013-06-13 | ガーデン博物記
気象庁が梅雨入り宣言をすると、よい天気になる。僕はそう信じている。今年もこの信仰は当った。
しかし、今週になり、本格的な梅雨の空模様となった。さらに、個人的な事情から、実家の倉庫の片付けに行かなければならないことになり、散策に出られない日々が続いている。
実家の倉庫への行き帰りに、ちょっと気になることがある。それは、近所の緑地で見かける猫だ。よく見るのは3頭。そのうちの2頭は、うちの庭を闊歩していた猫ではないかと思うのだ(5月30日、我が家の訪問者参照)。

 
我が家の庭に居たネコとよく似た個体 2013-06-10  この場所のボスらしい野ネコ 2013-06-10 

この写真を見せると、上さんは「よくある模様なので、違うんじゃない」と一蹴してくれた。しかし、「いや、野生動物を見慣れている僕の観察眼からすると、同じ個体ではないかと思えるんだよ!」などと言ってはみたが、これは僕の強がり。それを見透かしたように「だって猫だもん。野生動物じゃないしね」と反撃されるありさまだ。

ところで、野ネコは野生動物だろうか?
偶然にも、今日、講義の中で、学生とこれに関する議論をした。あるものは「野生動物とは認めたくないですね」と言い、「でも飼い猫じゃなければ…。」という者もいる。
僕が「うちの庭には、野ダヌキも出るけど、それとどこが違う?」と聞くと、もともと「飼われていたものだし」と返事が来る。
我が家に現れる野ネコは、何代も前からいるようだし、もともと飼われていたとは、どこまでさかのぼって考えればいいのだろうか?

話しは脇道にそれるが、僕は仕事で小笠原の母島に年2回ほど出かけている。母島の最南端に南崎と言う岬があり、そこが母島本島唯一のカツオドリの繁殖地だった。


カツオドリ 2004-07-24 小笠原

「だった…。」過去形である。
現地の方に、「南崎のカツオドリは、一昨年は20番が繁殖していたが、昨年は3番になった」と聞いたのである。「それは大変だ、早いうちに一度見ておこう」と思い、脚を運んでみた。果たして…。
その年、すでに営巣するカツオドリの姿は無くなっていた。数頭の白骨化した亡骸が産卵するだけだった。カツオドリの繁殖を阻害したのは、野ネコであった。その後、猫が入らぬように、フェンスを施し、カツオドリが返ってくるように、デコイを置くなど様々な対策を講じたようだが、戻ったという話は聞いていない。


母島の南崎 中央の草地がカツオドリの繁殖地 右寄りの裸地にフェンスが見える 2006-05-10

野ネコの侵入防止のために張られたフェンス 2006-05-10

野ネコ自体が野生動物かどうかはともかく、少なくとも、正真正銘の野生動物にこれだけの影響を与えることは確かなようだ。

話をもどそう。
直前の記事では、人間が持ち込んだガビチョウの話をした。その他にも、アカボシゴマダラ(チョウ)やウシガエルなど、人間の都合で持ち込まれた生き物は多々ある。植物に至っては、都会の植物の半分以上の種は帰化種と言っていいだろう。

「ネコは餌もらってるしね」と上さん。
「でもうちの庭のネコは、窓を開けると逃げて行くだろ。あいつらは餌もらってないと思うけどね」と僕。
「そうね、うちのは野性かな」
「どこに違いがあるわけ」
「声かけてさ、近づいてくるのは、野生じゃないよね。逃げるのが野生かな!」
「なるほど!」

今日の結論。
野ネコは、野生のものと、そうでないものがいて、見分け方は、人の声に対する反応。






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