既に各報道にてご存じかと思いますが、国土交通省は昨今の少子高齢化や、長引いている新型コロナウイルス禍、テレワークの広域的な普及による利用客の減少を踏まえて、輸送密度1000人未満の地方ローカル鉄道線について、今後の在り方を協議するように事実上、指示しました。
必ずしも廃線を大前提とはしないと強調していますが、場合によっては地方ローカル私鉄だけでなく、JR線についてもバス輸送転換やBRT化もあり得るとしています。遅くとも向こう3年以内には何らかの個別的な結論を出したいとか。
これによれば、1日1キロメートル当たり1000人未満の区間が対象になります。
但し、中長距離の貨物列車、優等旅客列車が経由したり、また朝夕における特定の時間帯に輸送密度500人以上ある場合は対象外となります。
JR西日本の場合は木次線、芸備線末端部、関西本線・亀山~加茂間、山陰本線・浜坂~鳥取間、山口線、因美線、大糸北線などが輸送密度1000人未満か。なお、因美線や山口線などは特急も経由しているため、実際には対象外だろうね。
国交省としてはバス輸送転換やBRT化だけでなくて、特に上下経営分離方式で何とか存続させることも想定しているとか。
中には、大糸北線や芸備線末端部のように、既に協議入りした所もあり、こちらは今のところはバス化の可能性が極めて濃厚だね。特に芸備線末端部は沿線自治体も廃止を危惧してか、猛反発しているようだが。
名鉄西蒲線の場合は断然、上下経営分離化の有力候補だろうと私自身は考えています。広見線末端部は現状ではバス化の可能性が高そうだが。うん。
一方、留萌本線は、どうやら、まずは石狩沼田~留萌間をバス化させ、次に深川~石狩沼田間も同様にする案が上がっているようだ。
取り急ぎ、報告まで。
画像は、交通新聞社発行の時刻表本年3月号から。存廃検討対象になりそうな路線図を抜粋しました。
下記中国新聞の記事にJR各社の当該路線のリストがあります。
【一覧】輸送密度1000人未満の路線
https://www.chugoku-np.co.jp/articles/gallery/189430
JR東海は公表していないためリストはありません。
NHKニュースにもありました。
【詳細】JR「輸送密度」1000人未満の路線一覧
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220725/k10013735601000.html
このNHKニュースによると、
「JR東海は、区間ごとの輸送密度について資料を公表していませんが、担当者によりますと、▽「名松線」の三重県の松阪~伊勢奥津は1000人未満だとしています。」ということです。
>中には、大糸北線や芸備線末端部のように、既に協議入りした所もあり、こちらは今のところはバス化の可能性が極めて濃厚だね。特に芸備線末端部は沿線自治体も廃止を危惧してか、猛反発しているようだが。
芸備線については以下のサイトを参照してください。
芸備線、JR西日本が「前提なき議論」を求める。廃止も視野に タビリス
https://tabiris.com/archives/geibisen202205/
大糸線はこちらをご覧下さい。
大糸線の「南北格差」はなぜ生じたか。南小谷~糸魚川間で「あり方」検討へ タビリス
https://tabiris.com/archives/oito-arikata/
鉄道をなくさないでほしい。でも… JR大糸線で通う高校生は NHK政治マガジン
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/83937.html
>一方、留萌本線は、どうやら、まずは石狩沼田~留萌間をバス化させ、次に深川~石狩沼田間も同様にする案が上がっているようだ。
留萌本線に関しては以下の記事がありました。
「留萌本線」23年区間廃止に現実味 存続にこだわらない留萌市 残される自治体との“違い” 乗り物ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/9c53d865142707f103b8e133e9d5b225b2fb6f5d
以上、参考になさって下さい。
但し、小海線の小淵沢~小海間、飯山線の飯山~戸狩野沢温泉間、釜石線、花輪線、五能線、津軽線末端部等も対象なのは正直、驚きでした。
確かにJR北海道では、花咲線や石北本線、宗谷本線・名寄~稚内間、釧網本線、室蘭本線・岩見沢~追分~沼ノ端間が対象とはしているものの、あくまでも存続が前提で、逆に留萌本線・石狩沼田~留萌間は来年3月末に、残りも令和8年3月末にはバス化の方針だそうです。
となれば、かなり存続が危ないのは吾妻線・長野原草津口~大前間、筑豊本線・桂川~原田間、山田線の辺りか。大糸線は南小谷~北小谷間をJR東日本に移管させて電化し、残りはBRT化することも提案したい。芸備線、福塩線の末端部はバス化が濃厚だが、木次線については第三セクター化も視野に入れて、観光路線の色彩を強める手もありそうだ。
中央東線・辰野~塩尻間は、果たして松本方面から飯田方面へどのぐらい利用需要があるのかを、しっかりと見極める必要も。弥彦線と越後線・吉田~柏﨑間は電化施工が簡易式なため、この際は電気式ディーゼル車とし、架線レス電化に移行する手も。小浜線も普段の運行本数は少ないから、その方が良さそうだ。
関西本線中部も残すならば、それが現実的かもしれないね。