ファミリー メンタル クリニック

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要するにひとりごと・・・

ADHDを教師がどう理解しているのだろうか?

2005年10月17日 | 児童精神医学
5%前後の児童がADHD の症状を有するという。また文部省の調査が一人歩きし、教師の間にADHD・ハッタツショーガイという実態不明の単語だけが、想像的な不安を増大させているようである。

●授業中に落ち着かないし、人の言うことも聞かない、集団行動が出来ない。
 養護学校の教師から電話だ。ADHDは前提として知能の問題ではない。
●ADHDかもしれないので病院に行くように言われた。
 例によって教育センターの指導である。
 ADHDの診断が問題ではなくて、
 親は学校でどうすればこの子に十分な教育を受けさせることが出来るかを相談に行っているはずだ。
●勉強についていけないけどLDではないか。
 聞くと小学校1年から特殊学級を勧められている。LDも原則知能に問題がないはずだ。

こんな調子である。
クラスにADHDの児童がいる。統計上は1から2人いるはずだ。
他の同級生に この子の問題はADHDだからだと伝えて良いか?と電話がかかってくる。
これまで相談さえなかった担任だ。
校長はどうお考えなんですか?と逆に聞きたい。
この文章前半で述べたことからすると、「担任教師としてたとえば他の子が体育を休んだら、同級生に病気のことを伝えてますか?アトピーで食事アレルギーがあることを伝えてますか?てんかんで薬をのんでいることを伝えてますか?」
また「伝えることでどのようになると予想されますか?」

電話の前に少なくともこれくらいのことは考えて欲しい。
また、教師の子どもでも当然ADHDの子はいるわけで、「自分の子どもだったらどうしますか?」という質問を追加してもいいだろう。

勉強したことがない受験前の中学生が、「センセーベンキョーオセーテ」みたいな質問でないことを最低限祈るしかない。

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4 Comments

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アカデミズム (なかまた)
2005-10-19 18:41:01
アカデミズムといった問題は、日本では難しい問題です。

ちなみにフランスでは(今はどうか分かりませんが)大学の教授に立候補するのが生涯で2回しか出来ないようです。たまたま優秀な人が争ってももう1回は立候補できるようにでしょうね。

医学部の教授戦に出るのが趣味のような教官多いですよね。

最近国立大学でも「臨床教授」という方が出てきたようで、文字通りであれば頼もしいですね。

大学も遠く離れているので、色々とコメント下さい。
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科研費 (AGTC)
2005-10-19 16:48:15
私もいい加減に大学に見切りをつけないと…と思っています。(尋常な場所じゃありません;)

科研費を取れないような研究は上の人に承認してもらえません。教授たちは科研費を取れそうな研究をする学生を欲しがるし…。研究のはじまりは、科研費を取れるかどうかですね。お上とつるんで研究するのは、科研費と既得権益拡大のためではないでしょうか?ホント、臨床している人たちは、忙しすぎて研究どころではないみたいだし…。英国の資料、楽しく?拝読しました。医療関係者でなくとも理解できるレベルの表現はよいですね^^

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科研費 (なかまた)
2005-10-19 07:18:38
AGTCさん どうも。大学を離れて何千里・・・の生活です。科研費の詳しい情報などはあまりチェックしてません。先日の子どもの情動を研究するとかいうのもその絡みですかね?

ボク個人的にはもう少し臨床に直接反映する研究もして欲しいですね。blogにも書いた児童への抗うつ薬療法のガイドラインとか。
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科研費 (AGTC)
2005-10-18 23:42:07
AD/HDは科研費がらみで(つまり、科研費によって大きなプロジェクトを遂行中?の)、文科省に情報が集まりやすいのかも…と勘ぐってしまいます。科研費のために、文科省に身も心も捧げている先生もいるのでしょうね。
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